南北朝の戦乱は、山城の精緻を支えた公家社会を疲弊させた。来派最後の巨匠たちをもって古典の系譜は閉じ、長谷部と信国が新しい相州風を都に持ち込んでいる。
種別:刀 茎:無銘 時代:南北朝時代(延文〜永徳頃) 鑑定:日本美術刀剣保存協会(NBTHK) 特別保存刀剣 ハバキ:銀箔押 外装:拵および白鞘付 【寸法】 長さ:65.45 cm(二尺一寸六分) 反り:約 1.2 cm 造り:鎬造 【解説】 本作は2022年の審査において、NBTHKより「越前来」と極められた一振りです。越前来派は、山城伝の名門・来国安が南北朝時代に越前国へ移住したことに始まります。その作風は山城伝の特色を色濃く反映しており、特に地肌の美しさには定評があります。 本作は南北朝時代らしい身幅の広い堂々とした体配で、中切先となります。刃文は直刃を基調とし、掲載写真でも確認いただける通り、沸(にえ)の活動が非常に豊かです。本作の真骨頂は何と言ってもその地肌にあり、板目に木目が交じった肌合いが力強く、一目でそれと分かるほど鮮明に現れています。切先付近の棟には棟焼が見られますが、これもまた古刀らしい趣を添える見所と言えるでしょう。 南北朝期の作ゆえ、微細なヒケや小疵などは見受けられますが、手持ちは極めて重く、当時の姿を今に伝える健全な一振りです。刃切れ等の致命的な欠点は一切ございません。また、茎には研師の銘と思われる漢字が刻まれていますが、判読には至っておりません。 外装は、赤鞘に白の柄糸を合わせた紅白調の現代拵が付属します。鍔などの刀装具はすべて江戸時代のものが用いられています。あわせて、長期保管に最適な新調された白鞘も付属いたします。 手頃な価格ながら、山城伝の真髄、とりわけ「地鉄」の美しさを愛する愛刀家の方にぜひお勧めしたい一振りです。






















山城伝 · 越前
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南北朝時代の山城
南北朝の戦乱は、山城の精緻を支えた公家社会を疲弊させた。来派最後の巨匠たちをもって古典の系譜は閉じ、長谷部と信国が新しい相州風を都に持ち込んでいる。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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