鎌倉時代の長船長吉は、昭和四十三年第十七回重要刀剣に指定された生ぶ茎二字銘の太刀によって知られる。説明はまず同名工を区別し、「長吉は同名が諸国にあって、備前でも長義一派にも同名があり」、銘鑑にはその長吉を長重の子、至徳としていると記す。そのうえで「この長吉は一見して、鎌倉中期から末期にかけての長船長光一門の作と鑑せられ、一門の特色が、刃文にも帽子にも見られる」とする。
この太刀は鎬造、庵棟、腰反高く中鋒の姿で、刃長は七四・〇糎。鍛えは板目肌流れごころに肌立ち、乱れ映り立つ。刃文は匂出来の丁子乱れに小乱、互の目など交じり、足・葉よく入り砂流しかかる。帽子は乱れ込み、先小丸。茎は生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下り、目釘孔四で、うち一つは忍孔、目釘孔の上棟寄りに二字銘がある。
古来の銘鑑にはこれに該当する工がなく、説明は「いわゆる銘鑑漏であるが、恐らく長光の代表者の一人と思われ、作刀が極めて少いところから、そうなったものであろうか」と述べ、「銘鑑の欠を補う好資料でもある」と結ぶ。