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概要·鑑定·栄誉·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定栄誉指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 長船
  3. 相伝備前
  4. 兼光

Osafune Kanemitsu

兼光

特重
巻 20, 番 22 · 刀

Osafune Kanemitsu

兼光

評価作品237点

享保名物帳正宗十哲
国備前時代Shohei (1346–1370)時代区分南北朝流派Osafune伝法備前伝代2nd師匠Kagemitsu藤代最上作種別刀工コードKAN1436
13重要文化財
16重要美術品
6御物
40特別重要刀剣162重要刀剣

概要

説明書は兼光の項を常に一つの定文で起こす。すなわち「景光に続く長船派の嫡流である」と。光忠・長光・景光と続く長船嫡流の四代、景光の子であり、南北朝期の備前を代表する刀工である。現存する年紀作は鎌倉時代末期の元亨元年(一三二一)から南北朝期の貞治に及ぶ約四十五年の長きに亘り、応安に及ぶとして約五十年と数える記載もある。あまりに長いこの作刀期間から、初代・二代の存在を考える説が古くから提起され、その分岐点には定説がない。後代の作者は世に「延文兼光」と称される。

作風は貞和・観応(一三四五〜五二)を境に二分される。康永頃までの作品は太刀・短刀共に姿が尋常で、直刃調に互の目を交えるか、父より継いだ片落ち互の目を焼き、指定書の繰り返す評語のとおり「総じて父景光風を踏襲した感」のものである。貞和・観応頃から姿が大柄となり、以後はほとんどの指定書が同じ一文を繰り返す。「それまでになかったのたれ主調の刃文が出現し、文和・延文頃にこれが多く見られる」と。大どかなのたれと角互の目は共に「兼光の得意とするところ」とされ、ある特別重要刀剣の説明は角互の目を主体とした焼刃を「兼光が終始得意とした構成」と記す。前代までの丸く返る帽子に対し、本工の帽子は乱れ込み、しばしば突き上げて先が尖る。

大柄の作においても鍛えは崩れない。地鉄は板目に杢を交え、元から先まで肌のゆるみや荒れを見せず、地沸が微塵に厚くつき、細かな地景が入り、乱れ映りが鮮明に立って鉄が冴える。初期の生ぶ在銘作では、よくつんだ小板目に直ぐ映りや棒映りが立つ。刃文は総じて匂勝ちに小沸がつき、腰元に金筋・砂流しがかかり、処々に小さな飛焼や湯走り風の働きを交え、足・葉がよく入る。彫物もまた本工の見どころで、梵字・護摩箸・素剣に加え、とりわけ「草の倶利伽羅」は兼光と倫光の作にまま見られる独特の構図と記される。

後期作の現存の多くは大磨上無銘の刀である。身幅広く元先の幅差が目立たず、大鋒に結ぶ延文・貞治型の体配がそれで、傍らに身幅広く重ね薄い寸延び平造の短刀・小脇指が立ち、さらに指表に銘を切り当初から打刀として造られた平造長寸の作があって、上杉家伝来の「水神切」がその記録に残る例である。大磨上の多い作域としては在銘が存外に多く、ここに集う指定作では在銘百十口に対し無銘九十八口、長銘は「備前国長船住兼光」「備州長船住兼光」と切り、年紀を添えるものが多い。後期の強い沸について説明書は留保を付して「相州伝の影響を受けてか」と記し、「沸も強調していることから、世に相伝備前と称されている」と続ける。古い指定書はさらに一歩を、ただし問いとしてのみ進める。のたれへの転換に「相州正宗との関係と、初・二代の交替が考えられる」と。正宗門人の伝は課題として開かれたまま、事実としては断じられていない。大磨上無銘の多くには本阿弥光徳・光遜らの金象嵌極めが付され、審査はその多くを首肯している。

備前のうちでの位置は、継いだものと開いたものとで定まる。片落ち互の目は長船嫡流中、景光から兼光へとのみ受け継がれた軸であり、のたれは本工自身の加えたもの、備前鍛冶として本工が切り開いた大どかな乱れである。その盛期の作風は門下・周辺を通じて長船後期に伝わり、説明書は関連作を兼光周辺の作刀と読み、本工の好んだ草の倶利迦羅は倫光に再び現れる。

藤代の格付は最上作。指定を受けた作は二百三十七口に上る。国宝はないが重要文化財は十三口を数え、名のある作はそこに集まる。説明書に「名物大兼光や上杉景勝御手選び三十五腰の太刀」と挙げられる二口(共に重要文化財)、そして金象嵌に羽柴岡山中納言秀詮すなわち小早川秀秋の所持を伝える名物「波游兼光」である。特別重要刀剣は四十口で刀工中最多、重要刀剣を合わせれば二百二口に達する。伝来も深く、六十九口に来歴が録され、足利尊氏・上杉謙信・上杉景勝・豊臣秀吉・藤堂高虎、黒田家・伊達家・細川家・前田家・尾張徳川家の名が連なる。杉原伯耆守重長の遺物として徳川家光に納められた一口、長州藩永代家老の益田家に伝来した一口もある。重要文化財・重要美術品の諸作は神社・美術館・旧家に文化財として収まり、徳川美術館・佐野美術館・永青文庫が記録上の所蔵者に見える。蒐集家にとってこの工は、同位の名工に比べれば全く手の届かぬ存在ではなく、特別重要・重要の諸作は時に市場に現れる。しかしその多くは秘蔵されて動かず、在銘年紀の一口が現れることは稀であって、現れれば刮目すべき機会となる。

鑑定

貞和・観応を境とする二期(初期=父景光風→後期=のたれ主調「延文兼光」相伝備前)×造込み(大磨上無銘の刀/寸延び短刀)

景光の子・長船嫡流四代。南北朝期を代表する備前の名工。年紀作は元亨から貞治・応安に及ぶ約四十五〜五十年で、初二代説がある。康永頃までは全く父景光風で、姿尋常の太刀・短刀に直刃調か片落ち互の目。貞和・観応頃から姿が大柄(身幅広・大鋒)となり、従来にないのたれ主調の刃文が出現、沸も強調され、世に「延文兼光」「相伝備前」と称される。帽子は乱れ込んで先が尖る。

鑑定の決め手

作品の48% ・ 父・景光比 3.4倍

作品の52% ・ 景光比 3.7倍

作品の11%

作品の22% ・ 長光比 13.6倍

作風の変遷

初期(父景光風・康永頃まで)

太刀・生ぶ在銘作(太刀の直刃率57%/全体19%、直ぐ映りは生ぶ在銘25%/無銘1%)

太刀・短刀共に姿が尋常。直刃調に互の目を交えるか片落ち風の互の目を焼き、処々逆がかり、直ぐ映り・棒映りが立ち、帽子は丸く返るものが多い。康永頃までは「総じて父景光風を踏襲した感」と記される。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

後期(のたれ主調・「延文兼光」相伝備前)

大磨上無銘の刀(無銘作の大鋒率66%/生ぶ在銘3%、のたれ約5割)

貞和・観応頃から姿が大柄となり、それまでになかったのたれ主調の刃文が出現、文和・延文頃に最も多い。沸も強調され、相州伝の影響を受けてかとされ、世に相伝備前と称される。大どかなのたれに角ばる刃・小互の目を交えて単調とならず、腰元に金筋・砂流しがかかり、乱れ映りが立ち、帽子は乱れ込み突き上げて先が尖る。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
寸延び短刀・小脇指(身幅広く重ね薄め)
大磨上無銘の刀(延文・貞治型の豪壮な体配)
研究

年紀作は元亨から貞治・応安に及ぶ約四十五〜五十年で、同銘初・二代の存在を考える説があり、後代は「延文兼光」と称される

古い説明書は「相州正宗との関係」に触れ、初二代の交替と併せ課題として扱う

現存作の多くは大磨上無銘の刀で、本阿弥光徳・光常・光忠らの金象嵌極めが付され、その多くが首肯されている

栄誉

享保名物帳Kyōhō Meibutsu Chō (Catalog of Celebrated Blades)

名物6・追記1(計7口)

享保4年(1719年)、本阿弥家が八代将軍徳川吉宗に献上した名物刀剣の台帳。平安〜南北朝の刀剣約274口(現存168口+焼失約80口+追記約26口)を刀工別に収載し、号の由来・寸法・代付・伝来を記す。本栄誉は名物帳に作品が所載される刀工に付与され、詳細欄には刊行集計による口数(正確な場合)または所載名物の号を記す。

正宗十哲Masamune Juttetsu (Ten Brilliant Students of Masamune)

十哲の一人と伝(相伝備前)

正宗十哲 ― 幕末の『刀剣正纂』(文久2年・1862)に初出する後世の括りで、同書自体が「後人ノ憶説ナレバ、今取ラズ」と注記する。兼光・長義・金重・直綱は年代的に直弟子とは考え難く、則重は新藤五国光門下の相弟子とするのが通説。しかしNBTHK説明には頻繁に言及され、鑑定用語として定着している。名簿には異同があり(直綱に代えて貞宗を数える説、金剛兵衛盛高を来国次または直綱に代える説)、本栄誉は標準的な十工に付す。

指定

国宝—
重要文化財13
重要美術品16
御物6
特別重要刀剣40
重要刀剣162

名工ランク

0.88 (指定作品237点)

刀工の上位3%

伝来

伝来記録100件 の鑑定作品における Kanemitsu

伝来ランク

名家所蔵56点、伝来記録100件

刀工の上位1%

素点:4.71 / 10

刀姿

評価作品237点の分布

銘

評価作品237点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Kagemitsu
Kanemitsu
弟子(15名)
  1. 1.倫光Tomomitsu1 販売中64指定
  2. 2.康光Yasumitsu1 販売中55指定
  3. 3.長重Nagashige16指定
  4. 4.政光Masamitsu4 販売中84指定
  5. 5.基光Motomitsu3 販売中41指定
  6. 6.義光Yoshimitsu35指定
  7. 7.秀光Hidemitsu19指定
  8. 8.家守Iemori15指定
  9. 9.秀光Hidemitsu1指定
  10. 10.兼光Kanemitsu
  11. 11.兼光Kanemitsu
  12. 12.兼光Kanemitsu
  13. 13.兼光Kanemitsu
  14. 14.基近Motochika1指定
  15. 15.信守Nobumori

Osafune派

Osafune派の他の刀工

  1. 1.光忠Mitsutada61指定
  2. 2.長光Nagamitsu2 販売中253指定
  3. 3.景光Kagemitsu1 販売中146指定
  4. 4.眞長Sanenaga64指定
  5. 5.近景Chikakage4 販売中86指定
  6. 6.倫光Tomomitsu1 販売中64指定
  7. 7.景政Kagemasa2 販売中22指定
  8. 8.政光Masamitsu4 販売中84指定
  9. 9.景秀Kagehide23指定
  10. 10.基光Motomitsu3 販売中41指定
  11. 11.義光Yoshimitsu35指定
  12. 12.重眞Shigezane1 販売中45指定