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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 長船
  3. 応永備前
  4. 康光

Oei-Bizen Yasumitsu

康光

特重
巻 4, 番 35 · 太刀

Oei-Bizen Yasumitsu

康光

評価作品55点

国備前時代Oei (1394–1428)時代区分室町流派長船>応永備前伝法備前伝代1st師匠Shigeyoshi藤代Jo-jo saku刀工大鑑850(上位11%)種別刀工コードYAS847
4重要文化財
1重要美術品
3御物
4特別重要刀剣43重要刀剣

概要

長船康光は、室町時代初期、応永年間(一三九四〜一四二八)の頃に備前国に活躍した刀工である。南北朝の衰微の後、長船の地に栄えた一群の鍛冶を説明書は応永備前と呼び、康光を盛光とともにその筆頭に据える。説明書は康光を盛光と並ぶ「室町時代初期の備前鍛冶の双璧である」と記す。両工の下には家助・経家・実光らを同派の上手として挙げる。一派の理想は鎌倉時代への復古にあり、廃れていた丁子刃や古い太刀姿の再現にそれが窺われると説明書は記す。康光は長光・景光より続く長船の系を承け、年紀作は応永の年間に密に分布し、「備州長船康光」の長銘を棟寄りに切り、裏に年紀を添える。

本領にして最も特徴的な手は華やかな乱れである。板目に杢を交えて肌立った鍛えに、丁子を交えて腰の開いた互の目を大模様に乱れて焼く。基部が腰で広く開くこの腰開きの形を、説明書は一派固有のものとする。足・葉さかんに入り、匂主調に小沸つき、僅かに砂流しかかり金筋細かに入り、時に飛焼を交え、匂口は明るく冴える。帽子は乱れ込んで尖り、舌状の先となって返り、掃きかける。この返りこそ康光と一派の見どころであり、説明書は先の尖った帽子を「ローソクの芯」と称し、応永備前の特徴的なものとする。姿や丁子が想わせる鎌倉復古から、応永備前を分かつ点である。

地鉄は全作を通じて一様で、それ自体が鑑定の拠となる。板目に杢を多く交えて肌立ち、流れごころを帯び、地沸微塵につき、地景風のかねが入る。地には映りが立ち、説明書はこれを二様に分ける。直ぐな棒映り・直ぐ映りと、より古びたものとして鎌倉末長船物を彷彿させる乱れ映りである。ある太刀について説明書は、その「映りの様子は此の期に多い棒映りでなく、乱れ映りを表している」と記す。穏やかな鎌倉の地ではなく、杢を交えて肌立つ板目こそ、極めを定める拠である。表裏に棒樋を区上で丸止めにするのが一派の見どころであり、腰元には梵字・三鈷附剣や神名を刻むものがある。

華やかな乱れと並んで、説明書は第二の穏やかな手を挙げる。中直刃・細直刃で、匂口締まりごころに明るく冴え、僅かに小互の目・逆足を交え、刃縁にほつれ・喰違刃を交え、帽子は直ぐに小丸となる。この直刃の手は比較的多く、また盛光よりはむしろ康光に見られるとし、説明書は「直刃は盛光よりは康光に多いようである」と記す。銘は代別の register に従い、本 corpus は大半が生ぶの長銘・応永年紀で、二字銘は比較的少なく年紀のないことが多い。年紀は応永・正長・永享・嘉吉に及び、通説に正長以後を別手とする。銘鑑は右衛門尉を名乗る康光を初代・応永頃とし、同名五代を室町末まで数え、永享・文安頃に活躍した左京亮、所謂永享備前を次代とするが、その作風は小模様でやや劣り、厳密な代別はなお今後の検討に委ねるとする。

応永備前の双璧は一派の作風を共有し、両者を分かつ鑑定上の見どころは細やかなものである。乱れの頭が尖りごころとなる点を、説明書は「概して盛光よりは康光によく見られる刃文」とし、穏やかな直刃についても同様に述べる。その直刃は紛れやすく、一見鎌倉末期の長船物を想起させ、匂口の沈む逆足交じりのものは青江を想わせる。説明書はその一口について「さながら青江を思わせるものであるが、このような出来口はまま康光に見られるところである」と記す。極めは肌立つ板目・杢の地と応永の姿より康光に定まる。腰元に刻む梵字・三鈷附剣・八幡大菩薩等の神名彫は康光の創意ではなく相承であり、説明書は「これは長光景光以来の長船物に見る刀身彫の伝統であり、末備前まで継承されている」と記す。

藤代の極めで上々作。指定の record にも重みがあり、重要文化財四口・特別重要刀剣四口を上に戴き、その下に重要刀剣四十三口を数え、特別重要刀剣・重要刀剣の級を合わせて四十七口に及ぶ。作はほぼ在銘で、公の記録では在銘五十五口に対し無銘はない。太刀・刀・脇指・短刀のいずれにも上手な作を遺し、応永備前では極めて珍しい生ぶ在銘の大身槍まである。来歴も格別で、十二口に伝来があり、土佐の山内家、鍋島家、前田家、藤堂家、内藤家、秋元家、皇室、また赤穂義士堀部安兵衛(武庸)の手を経たものを録する。重要文化財は patrimony として永く伝えられ、市に出ることはない。所在の知られるものは神社・博物館に多く蔵され、熱田神宮・伊勢神宮・日光東照宮、佑徳・林原・備前長船刀剣の各博物館、大英博物館などにある。特別重要刀剣・重要刀剣の級の康光は、これほど名のある工としては作が多く、全く手の届かぬものではないが、優品は所蔵に留まり、市に現れるのは時折のことで、現れれば室町初期備前の一つの landmark となる。

鑑定

康光独自の応永備前の作風(映りを帯びた肌立つ板目・杢の地に、二手で焼く一様の作風)を三つの register で読む。第一に説明書のいう両手、すなわち丁子を交えた腰開きの互の目の華やかな乱れ(典型・本領)と、一見鎌倉長船物・青江を想わせる穏やかな中直刃・細直刃。第二に銘の register、応永の年紀を添えた長銘(備州長船康光)と二字銘。第三に説明書自らが引く時代・代別、すなわち年紀ある応永作を初代(右衛門尉)とし、正長以後の永享・嘉吉年紀作を二代(左京亮)=所謂永享備前とし、これは総体に小模様で作風もやや劣るとされる。康光の名は室町末まで五代を数え、NBTHK は初期の一系を本码にまとめ各刀を個別に時代極めしている。本 corpus は大半が応永の初代作である。

康光は盛光と並んで「応永備前」と呼称される、南北朝の衰微の後に応永年間(一三九四〜一四二八)長船の地に栄えた一派の双璧である。説明書は両名を繰り返し併記し、一派を代表する上手とする。その理想は鎌倉時代への復古にあり、太刀姿や丁子を交えた刃文に、一見鎌倉期の一文字派や長船物を想わせるものがある。同工・同派の個性は、板目に杢を多く交えて肌立った鍛え、地景風のかね、乱れ映り・棒映り、そして何より丁子を交えた腰の開いた互の目(腰開き互の目)の華やかな乱れにある。帽子は乱れ込んで先尖って返り、その態を説明書は「ローソクの芯」と称し、応永備前の大切な特徴とする。作風には華やかな腰開き丁子乱れと、鎌倉長船物に紛れる穏やかな直刃の両手がある。作はほぼ在銘・年紀入りで、「備州長船康光」の長銘に応永の年紀を添えたものが corpus に頻出する。

鑑定の決め手

応永備前第一の見どころにして康光の華やかな手の核心。基部が腰で広く開く互の目を丁子と交えて大模様に乱れる。彼の説明書の48%に現れ、一派共通の語たる素の互の目(85%)と対をなす。説明書は、姿や丁子が想わせる鎌倉復古に対し、応永備前の個性を分かつ第一点としてこれを挙げる

尖り帽子は彼の説明書の63%に現れる。説明書は舌状に尖って返る帽子を繰り返し採り上げ、「ローソクの芯」と称して応永備前の大切な、また特徴的な見どころとする。直刃の手の丸い小丸(40%)がその対である

応永備前の地鉄は板目に杢を多く交えて肌立つ(板目98%・杢48%・肌立ち60%)もので、地景とかねが入り映りが立つ。乱れ映りは31%、棒映り・直ぐ映りは44%に立ち、説明書は両者を対比し、乱れ映りをより古びた、鎌倉末長船物を彷彿させるものとする。杢を交えて肌立つ板目こそ、説明書が応永備前を、それが想わせる鎌倉復古から分かつ拠とする点である

応永備前内の鑑定上の分かれ目。双璧は一派の作風を共有するが、説明書は乱れの頭が尖りごころとなるのは概して盛光よりは康光に見られる刃文とし、穏やかな直刃も「盛光よりは康光に多い」と明言する。盛光は未だ profile 未作成。ここでは説明書の対比どおりに記すに留める

作風の変遷

華やかな手:腰開き互の目と丁子乱れ、ローソクの芯の帽子

同工の典型かつ本領。板目に杢を交えて流れごころを帯び、地沸微塵につき地景細かに入り、乱れ映り・棒映りの立つ鍛えに、丁子を交えた腰の開いた互の目(腰開き互の目)を大模様に華やかに乱れて焼く。足・葉さかんに入り、匂主調に小沸つき、砂流し・金筋細かにかかり、時に飛焼を交え、匂口明るい。刃文は腰元でやや逆がかることがある。帽子は乱れ込んで尖り、その舌状の先を説明書は「ローソクの芯」と称し、しばしば掃きかける。棒樋に添樋を伴い区上で丸止めにするのが一派の見どころで、腰元に梵字・三鈷附剣を添えるものがある。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

穏やかな手:鎌倉長船物を想わせる中直刃・細直刃

比較的多く見られ、説明書が「直刃は盛光よりは康光に多い」とする直刃の手。地鉄は同じ肌立つ板目・杢に棒映り・直ぐ状の映りが立つが、刃は中直刃・細直刃で匂口締まりごころに明るく冴え、僅かに小互の目・逆足を交え、一見鎌倉末期の長船物・青江を想わせる

華やかな乱れと並んで、説明書は穏やかな直刃を康光の第二の手とし、比較的これが多く、盛光よりはむしろ康光に見られるとする。地鉄は同じ肌立つ板目・杢で、棒映りあるいは刃に沿った直ぐ状の映りが立つ。刃は中直刃・細直刃、匂口締まりごころに明るく冴え、僅かに小互の目・逆足を交え、刃縁はほつれ・喰違刃を交えることがある。帽子は直ぐに小丸。これら数口を説明書は一見鎌倉末期の長船物を想起させるとし、また匂口の沈む逆足交じりの直刃に青江を想わせるとする。極めは肌立つ板目・杢の地鉄と応永の姿より康光に定まる。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

銘の register:応永年紀を添えた備州長船の長銘と二字銘

「備州長船康光」の長銘(六字銘を含む)に応永の年紀を裏に添えるものと、二字「康光」銘。説明書は二字銘の作は比較的珍しいとし、二字銘の作には何故か年紀がないことを注記する

康光はほぼ在銘で、corpus は大半が生ぶ茎に「備州長船康光」の長銘を棟寄りに切り、裏に応永の年紀を添える。年紀作は応永十年から三十三年まで密に分布する。二字銘は比較的珍しく、説明書はその作に年紀のないことを注記する。太刀は生ぶで長寸、腰反り高く先反りごころがつき、脇指・短刀は平造で身幅の割に寸延び、反り浅く重ね厚い応永体配を呈する。太刀・刀・脇指・短刀いずれにも上手な作を遺し、極めて珍しい生ぶ在銘の大身槍もある。

姿 Sugata
研究

康光には応永・正長・永享・嘉吉の年紀があり、通説に正長以後のものを二代とし、その作風は応永の初代よりやや劣るとされる。

説明書は康光の名を室町末まで五代に数え、初代を右衛門尉、二代を永享頃の左京亮(所謂永享備前)とし、厳密な代別はなお今後の検討に委ねるとする。

指定

国宝—
重要文化財4
重要美術品1
御物3
特別重要刀剣4
重要刀剣43

名工ランク

0.36 (指定作品55点)

刀工の上位7%

伝来

伝来記録14件 の鑑定作品における Yasumitsu

伝来ランク

名家所蔵9点、伝来記録14件

刀工の上位6%

素点:2.92 / 10

刀姿

評価作品55点の分布

銘

評価作品55点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Shigeyoshi
Yasumitsu
弟子(11名)
  1. 1.盛光Morimitsu6 販売中61指定
  2. 2.靖要Yasuaki1 販売中
  3. 3.靖武Yasutake3 販売中
  4. 4.靖繁Yasushige
  5. 5.靖延Yasunobu
  6. 6.靖武Yasutake
  7. 7.康光Yasumitsu
  8. 8.康光Yasumitsu1 販売中2指定
  9. 9.康光Yasumitsu
  10. 10.康永Yasunaga1指定
  11. 11.安元Yasumoto1指定

Oei-Bizen派

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  1. 1.盛光Morimitsu6 販売中61指定
  2. 2.實光Sanemitsu4指定
  3. 3.經家Tsuneie2指定
  4. 4.安永Yasunaga1指定
  5. 5.康永Yasunaga1指定
  6. 6.經家Tsuneie6指定
  7. 7.康光Yasumitsu1 販売中2指定