説明

越中則重の重要刀剣、『正宗十哲』、鎌倉最末期の勇壮な太刀姿、顕著な『松皮肌』、地刃健全、地刃共に烈しい沸の働きを示した傑作です。 則重は、五郎次郎と称し、佐伯姓を名乗り、鎌倉末期、越中国婦負郡(ねいぐん)呉服(現富山市五福付近)にて鍛刀したと伝わることから、呉服郷則重とも呼ばれます。古来より『正宗十哲(現在では正宗、則重両名とも新藤五国光門人とされる)』にもその名を連ねる名工中の名工です。 在銘太刀は僅少、短刀の多い刀工でもあり、『日本一則重』の号で呼ばれる国宝の短刀一口を始め、重要文化財八口、重要美術品十一口の指定品がありますが、その六割が短刀です。 作風は、正宗に近似しますが、沸の変化に於いては、正宗以上に示したものが多く、特に太い地景交じりの大板目肌が、渦巻き状に肌立つ鍛えは『松皮肌』と称され、同工の代名詞にもなっています。これらの鍛えが刃縁、刃中に絡んで様々な働きを見せるのも大きな特色です。 数少ない年紀作に見る活躍期は、延慶(一三〇八~一一)から正中(一三二四~二六)頃までとなっています。 本作は、令和四年(二〇二二)、第六十八回重要刀剣指定品、大磨り上げ無銘ながら、『則重』の金象嵌極めが付された名刀です。 寸法二尺三寸四分強、腰反り深めで先にも反りが付き、元先身幅、重ねがしっかりとした姿は、鎌倉最末期の太刀スタイルを未だに留めています。 板目に杢目、流れ肌を交えた精良な地鉄は、地色にやや黒みがあり、総体的に大模様に良く練られ、所々渦巻き状となり、肌目に沿って太い地景がうねるように現れるなど、典型的な『松皮肌』を呈しています。 下半は直湾れ調、上半は小湾れに小互の目交じりの刃は、刃縁良く沸付いて匂い深く明るく冴え、ほつれ、二重刃風の沸筋、湯走り、打ちのけ掛かり、刃中小足頻りに入り、金筋、砂流し烈しく掛かるなど、これぞ則重という沸の働きが顕著に示されており、研ぎも素晴らしいです。 図譜には、『この刀は、則重の見所である松皮肌が顕著に見られるなど、 地刃共に本工の持ち味が良く現れている。重ねが厚めで平肉も枯れず、ほとんど研ぎ減りも見られないなど、保存状態も良好で、地刃の出来映えと併せて優れた則重極めの一口である。』とあります。 『松皮肌』が刃縁に絡んで織り成す金筋、砂流しの烈しさ、沸の煌めくような美しさは、同工の独壇場、正宗以上と言っても過言ではないでしょう。鎌倉期の作ながら、元から先まで、刃がしっかりと残っているのも驚きです。 付属の外装も大変立派な作、お洒落な黒と金の二色呂塗り鞘、赤銅魚子地の鐔、縁頭は、後藤益乗による蒙古襲来図、益乗は後藤七郎兵衛家の二代目、江戸寛文頃に活躍した後藤傍系金工の巧手です。 付属の外装専用ハバキは、銅に金着せ二重で被せ部分は金無垢、切羽も金無垢です。 これ程状態良く、見応えのある則重は、ここ最近見たことがありません。 寸法十分、姿美しく、外装も超特級品、これは本当に満足出来る極上の逸品、これを逃すとかなりの痛手になるでしょう。強くお薦め致します。 こちらの商品の価格はお電話またはメールにてお問い合わせ下さい

刀 (金象嵌銘)則重 Katana:Norishige
売切れ
Jūyō売切れ

刀 (金象嵌銘)則重 Katana:Norishige

売却済

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仕様

長さ

71 cm

反り

1.8 cm

元幅

3.01 cm

先幅

2.02 cm

作者について

Soshu Norishige則重

1 国宝7 重要文化財10 重要美術品30 特別重要刀剣84 重要刀剣

則重は鎌倉時代末期の越中の工で、新藤五国光の門人、行光・正宗とは兄弟弟子として相州伝を完成へ導いた。『古今銘尽』など江戸期の刀剣書は正宗十哲の一人に挙げるが、現存する正和・元応などの年紀や太刀・短刀の姿形からすれば、室町期の刀剣書のいう新藤五国光門下説が妥当で、正宗とは相弟子、あるいはやや先行とみるべきである。 常の作風はその名を負う松皮肌である。板目が大模様に肌立ち、杢を交え、太い地景が頻りに入って松皮の如き肌をなし、地沸厚く、かねは黒みを帯びる。諸書は相州上工中もっとも正宗に近いとしつつ、「正宗以上に沸の変化を露に表現」したものが多いとし、刃中・地鉄ともに「千変万化の沸の働き」をあらわすという。刃文はのたれに互の目を交えた沸出来で、匂口は沈みごころ、金筋・砂流しが烈しく働き、二重刃・湯走りを交える。帽子は単なる小丸ではなく、掃きかけて乱れ込み、時に尖り・焼詰め風となる。 いま一つ、精到で珍重される作風がある。在銘の太刀や前期の在銘短刀では地肌が常ほど肌立たず、整った小板目に締まって地刃ともに穏やかとなり、かねは一段と明るく冴え、地景・金筋は静かである。ある在銘太刀は「常の則重の作に比べて地刃共に穏やか」と評され、小のたれ主調の底に則重特有の渦巻肌と地景を沈めてよく冴える。正和三年紀の在銘短刀は肌立たず明るく、「新藤五国光や行光につながる出来」として前期作とされる。これは松皮肌の崩れではなく、別個の、そして高く評価される一面である。 鑑別の核は二様に共通する。太い地景、沈みごころの匂口、烈しい金筋・砂流し、そして掃きかける帽子である。沈む匂口は明るい備前と分かち、沸の変化の激しさと肌立ちは正宗と分かつ。藤代は最上作に列し、特別重要刀剣の指定数は全工中でも上位に位置する。在銘作は短刀が主で、「太刀は僅かに二口をかぞえるのみである」。名物は豊臣秀吉より徳川綱吉を経て柳沢家へ、ほかに島津・前田・細川・井伊などの諸家を歴とし、国宝・重要文化財として動かぬものも多い。松皮肌は門人為継により越中へ受け継がれた。

刀剣商

コレクション情報

samurai-nippon.net

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