行光

Soshu Yukimitsu

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特重巻 4, 番 7 · 短刀

概要

行光は鎌倉時代末期の相模の工で、新藤五国光の門人、正宗・則重とは兄弟弟子であり、三者のうちではやや先輩とみられる。三者は師の創始した相州伝を推進し、「正宗則重等と共に師新藤五国光の創始した相州伝をさらに発展させ完成へと導いた」と評される。「行光は正宗よりやや先輩とみられ、現存する有銘作は短刀に限られている」ため、本工は専ら大磨上無銘の極めを通じて知られ、諸名家が秘蔵してきた。在銘短刀の筆頭は東京国立博物館保管の国宝短刀で、行光の典型作とされ、「御物の行光短刀と双璧をなすもの」と評される。その短刀は本間による御物台帳に御物として所載され、台帳は櫃中の倶利迦羅の浮彫について「相州彫はここから始まるものであろう」と記す。

地鉄は相州上工随一の精良さである。板目に杢・流れ肌を交えて総じてつみ、処々肌立ち、地沸が微塵に厚くつき、太い地景が頻りに入って鉄色明るく澄む。この地景の働きはいずれの作風にも一貫する核であり、古来の刀剣書もその作域の広さを述べ、「古伝書にも本工の作域の広いことが述べられている」。いかなる刃文を焼こうとも、諸書が立ち返るのは一点に尽きる。すなわち「地刃がよく沸えて、地景・金筋・湯走りの働きが顕著で、沸の妙味を発揮しているところである」。

穏やかな側は師・新藤五に直結する。地景を交えた地鉄の上に、直刃あるいは浅いのたれ調の刃を焼き、小互の目・小足・葉を交え、匂口やや深く沸厚くつき、刃縁にほつれ・湯走り、刃中に細かな金筋・砂流しがかかる。「無銘極めのものは直刃或いは浅い穏やかな乱れ刃が多く、地刃は総じて新藤五風である」と極められ、師との連なりが最も明らかな作風である。

豪放な側は古い解説が過小評価してきた一面で、帽子にその性格が現われる。単なる小丸ではなく、先は盛んに掃きかける。「帽子乱れ込み、盛んに掃きかけて火炎状となる」ものがあり、また穏やかな作では「帽子直ぐに小丸、掃きかける」とされ、時に先尖り・焼詰め風となる。帽子の下にはのたれ主調に互の目・小互の目を交えた乱れが開き、大模様の乱れや皆焼ごころに至るものまであって、金筋・砂流しが烈しく働き、匂口は深く明るい。小丸に強い掃きかけを伴って乱れ込み、時に先尖りとなる帽子は、太い地景とともに本工の鑑別の要となる。

鑑別の核は二様に共通する。太い地景、相州上工の深く明るい匂口、烈しい金筋・砂流し、そして掃きかける帽子である。作域の広さそのものが個性であり、正宗・貞宗が一段と激しく大模様であるのに対し、行光は穏やかで小模様の手を保ち、極めは新藤五・則重に寄せ、正宗・貞宗とは明確に分かたれる。藤代は最上作に列し、特別重要刀剣の指定数は全工中でも上位に位置する。在銘は短刀に限られ、名物「大島行光」をはじめ、徳川・豊臣・細川・上杉・伊達などの諸家を歴とし、国宝・重要文化財として動かぬものも多く、市場に現われることは極めて稀な巨匠である。

栄誉

享保名物帳Kyōhō Meibutsu Chō (Catalog of Celebrated Blades)

名物4・追記2(計6口)

享保4年(1719年)、本阿弥家が八代将軍徳川吉宗に献上した名物刀剣の台帳。平安〜南北朝の刀剣約274口(現存168口+焼失約80口+追記約26口)を刀工別に収載し、号の由来・寸法・代付・伝来を記す。本栄誉は名物帳に作品が所載される刀工に付与され、詳細欄には刊行集計による口数(正確な場合)または所載名物の号を記す。

歴史的重要度

行光の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定

国宝1
重要文化財6
重要美術品6
御物1
特別重要刀剣30
重要刀剣105

名工ランク

掲載作品

特重 — 巻 4, 番 7 · tanto

カタログ提供 Hoshi
2026年6月

鑑定

伝来

刀種

評価作品149点の分布

銘

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系譜

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