戦国の関は一つの産業であった。春日神社を氏神と仰ぐ鍛冶たちが、中部日本の軍勢を武装させた。孫六兼元の三本杉と之定の最上作は、量産の町に第一級の技が息づいていたことの証である。
時代物 大小一腰 (fss-759) 真の侍の魂とも言える、古刀(1500年代)の大小一腰です。江戸時代の見事な本拵に収められており、鞘は螺鈿を散りばめた華やかな意匠の漆塗となっております。意匠は幕に囲まれた花文様で、保存状態は極めて良好です。描かれている花は「五七桐」と呼ばれる桐紋で、後世には内閣総理大臣の紋章としても用いられる高貴な文様です。 目貫は金色絵の龍、小柄は遠方の街へと向かう賢者あるいは僧侶を描いた風情ある図で、非常に見応えがあります。鐔は鉄地に武蔵野の草花と羽虫を金象嵌で施し、作者の金紋が添えられています。鮫皮は粒の大きな親粒が際立つ極めて質の高いものが使われ、柄巻は金茶色の糸、下げ緒は龍の文様を織り出した藤色と白の混色です。龍を織り込んだ下げ緒は非常に古く希少なもので、独特の風格を漂わせています。 ハバキは大小共に赤銅地に銀箔を施した二重ハバキで、刀身に誂えた当時のままの共のものです。 大刀:伝 兼定 研ぎ身の状態は極めて良く、古刀期特有の働きに満ちた美しい一振りです。体配は大磨上。刃文は直刃調にほつれ、砂流し、金筋が盛んにかかります。肌は緻密で美しい板目に木目が交じり、古刀らしい力強い肌合いが随所に見て取れます。 美濃伝の兼定派は、兼元と並び末関を代表する名工です。二代兼定は「之定」と称され、大和守安定と並び最上大業物として珍重されますが、本作はその兼定一派、おそらくは後代の作と推測されます。年代は古刀初期から中期にかけてのものでしょう。美濃国にはこの銘を冠する刀工が数多く存在しますが、その頂点に立つのが二代「和泉守兼定」です。 小刀:古刀 備前伝 体配は大磨上の古刀です。刃文は乱れ刃を基調とし、刃中の働きが極めて豊富です。鍛えは板目流れに地沸がつき、一部に柾目肌が交じります。彫物は極めて珍しく、両面に棒樋を掻き通し、片面には二筋樋(護摩箸)、もう片面には太い棒樋に添樋(護摩箸)を施しています。 永山氏の説によれば、備前伝は平安末期の古備前に始まり、一文字派を経て、鎌倉中期に長船派が隆盛を極めました。 ・平安末期〜鎌倉初期:古備前は小沸出来の小乱れ、小丁子を焼き、大和伝の影響も見られます。後に板目・木目肌に地斑映りが現れ、福岡一文字による匂出来の丁子乱れへと完成されていきます。 ・鎌倉中・後期:地鉄は潤いがあり、木目肌に大肌が交じり、乱れ映りや丁子映りが鮮明に現れます。帽子は乱れ込み、小丸へと返ります。 ・南北朝期:体配は豪壮となり、長寸で大切先となります。相州伝の影響(相伝備前)が見られ、地鉄は「なまず肌」とも形容される独特の地景が交じり、刃文はのたれ乱れや逆足の乱れへと変化します。 ・室町初期:体配は再び鎌倉期の姿へと戻りますが、先反りがつくのが特徴です。刃文は腰開きの乱れや丁子乱れを焼き、映りは棒映りとなります。 ・室町後期:地鉄から潤いが失われ、映りも不鮮明となります。蟹の爪と呼ばれる独特の丁子乱れを焼き、刃中に沸崩れや匂口の綻びが見られるようになります。 本品は刀身の保護のため、大小共に白鞘に収められており、拵には展示・保管用の木賊(つなぎ)が付属いたします。 大小を帯びることは侍階級のみに許された特権であり、その身分と誇りの象徴でした。室町時代末期に定着したこの大小文化の粋を、ぜひお手元でお確かめください。









美濃伝 · 美濃
現在23点販売中
兼定は美濃国関を本拠とする末関の刀工で、室町時代後期にこの地で繁栄した美濃鍛冶を兼元とともに代表する。兼定を名乗る工は数代にわたるが、説示に最もしばしば挙げられるのは初代兼定の子にあたる二代和泉守兼定である。この二代は「定」の字のウ冠の中を「之」に切ることから「ノサダ」(之定)と称され、これを「疋」に切る後代の「ヒキサダ」と区別される。之定銘の成立については検討がなされ、はじめは「兼定」を楷書で切り、明応末から永正の初めにかけて之の字体に転じたと見られる。受領銘は永正七年紀の作にはじまり大永六年頃まで及び、之定は古刀期にあって珍しく「和泉守」を受領した工として、多くの刀剣書に上手と評される。説示には永正七年・同十年・同十二年などの年紀作、斎藤利隆との合作、伊勢山田での作刀も挙げられている。 作風は、兼元の三本杉と称される尖り刃主調の乱れ刃と対比して論じられることが多い。之定は頭の丸い互の目に小のたれ・互の目丁子・尖り刃などを交えた変化のある乱れ刃を本領とし、刀には湾れ調を基調に焼の高低を見せて大模様に乱れるものや、互の目丁子に尖り刃を交えて飛焼のかかるものがある。地鉄は板目に流れ肌を交えてよく錬れ、地沸つき地景入り、白け映りや白気ごころの立つものが多く、美濃物にありながら鉄色の明るく冴える点が特色とされる。茎の鑢目は関鍛冶に共通する鷹の羽で、短刀の早い時期には檜垣を見る。短刀や直刃調の刀には来写し(山城物写し)と称する上品な直刃があり、刃中に節が出ず来国俊を思わせる出来を示すものがあって、末関の各工に往々見られる節とこの点で見分けられる。之定と他の兼定との識別は、まず定の字体が之か疋かにより、之定はことに鍛えの錬れと地刃の冴えが一段優れる点に見どころがある。 鑑定にあたっては、姿の傾向が出来口と結びつく点が説示に示される。すなわち湾れ調の作では身幅広く鋒の大きい姿となり、互の目丁子を乱れる作では身幅尋常で元先の幅差が開き反りのやや高い洗練された姿を呈することが多い。切れ味の評価は高く、二ツ胴・立袈裟などの截断銘を金象嵌に伝える作が知られ、号「笒釣瓶」のように号を帯びるものもある。伝来も諸家に及び、紀州徳川家家老三浦将監、津山松平家家老小須賀帯刀、島津家、秋田佐竹家、土佐山内家、また武田信虎所持と伝える作などが挙げられている。総じて之定は、明るく冴えた地鉄と変化に富む乱れ刃、ならびに格調高い来写しの直刃をもって、関鍛冶の中でも技術の擢んでた工と位置づけられ、末関・末美濃の頂点を示す名工として評価される。 詳しく見る →
室町時代の美濃
戦国の関は一つの産業であった。春日神社を氏神と仰ぐ鍛冶たちが、中部日本の軍勢を武装させた。孫六兼元の三本杉と之定の最上作は、量産の町に第一級の技が息づいていたことの証である。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
We offer a 48 hour inspection period for all Antique items shipped within the United States only. If the item is not to your satisfaction, we will gladly refund your money less any shipping and handling fees. All sales are final after the 48 hour inspection period. Please note that all discounted items are a final sale and not returnable.
時代物 大小一腰 (fss-759) 真の侍の魂とも言える、古刀(1500年代)の大小一腰です。江戸時代の見事な本拵に収められており、鞘は螺鈿を散りばめた華やかな意匠の漆塗となっております。意匠は幕に囲まれた花文様で、保存状態は極めて良好です。描かれている花は「五七桐」と呼ばれる桐紋で、後世には内閣総理大臣の紋章としても用いられる高貴な文様です。 目貫は金色絵の龍、小柄は遠方の街へと向かう賢者あるいは僧侶を描いた風情ある図で、非常に見応えがあります。鐔は鉄地に武蔵野の草花と羽虫を金象嵌で施し、作者の金紋が添えられています。鮫皮は粒の大きな親粒が際立つ極めて質の高いものが使われ、柄巻は金茶色の糸、下げ緒は龍の文様を織り出した藤色と白の混色です。龍を織り込んだ下げ緒は非常に古く希少なもので、独特の風格を漂わせています。 ハバキは大小共に赤銅地に銀箔を施した二重ハバキで、刀身に誂えた当時のままの共のものです。 大刀:伝 兼定 研ぎ身の状態は極めて良く、古刀期特有の働きに満ちた美しい一振りです。体配は大磨上。刃文は直刃調にほつれ、砂流し、金筋が盛んにかかります。肌は緻密で美しい板目に木目が交じり、古刀らしい力強い肌合いが随所に見て取れます。 美濃伝の兼定派は、兼元と並び末関を代表する名工です。二代兼定は「之定」と称され、大和守安定と並び最上大業物として珍重されますが、本作はその兼定一派、おそらくは後代の作と推測されます。年代は古刀初期から中期にかけてのものでしょう。美濃国にはこの銘を冠する刀工が数多く存在しますが、その頂点に立つのが二代「和泉守兼定」です。 小刀:古刀 備前伝 体配は大磨上の古刀です。刃文は乱れ刃を基調とし、刃中の働きが極めて豊富です。鍛えは板目流れに地沸がつき、一部に柾目肌が交じります。彫物は極めて珍しく、両面に棒樋を掻き通し、片面には二筋樋(護摩箸)、もう片面には太い棒樋に添樋(護摩箸)を施しています。 永山氏の説によれば、備前伝は平安末期の古備前に始まり、一文字派を経て、鎌倉中期に長船派が隆盛を極めました。 ・平安末期〜鎌倉初期:古備前は小沸出来の小乱れ、小丁子を焼き、大和伝の影響も見られます。後に板目・木目肌に地斑映りが現れ、福岡一文字による匂出来の丁子乱れへと完成されていきます。 ・鎌倉中・後期:地鉄は潤いがあり、木目肌に大肌が交じり、乱れ映りや丁子映りが鮮明に現れます。帽子は乱れ込み、小丸へと返ります。 ・南北朝期:体配は豪壮となり、長寸で大切先となります。相州伝の影響(相伝備前)が見られ、地鉄は「なまず肌」とも形容される独特の地景が交じり、刃文はのたれ乱れや逆足の乱れへと変化します。 ・室町初期:体配は再び鎌倉期の姿へと戻りますが、先反りがつくのが特徴です。刃文は腰開きの乱れや丁子乱れを焼き、映りは棒映りとなります。 ・室町後期:地鉄から潤いが失われ、映りも不鮮明となります。蟹の爪と呼ばれる独特の丁子乱れを焼き、刃中に沸崩れや匂口の綻びが見られるようになります。 本品は刀身の保護のため、大小共に白鞘に収められており、拵には展示・保管用の木賊(つなぎ)が付属いたします。 大小を帯びることは侍階級のみに許された特権であり、その身分と誇りの象徴でした。室町時代末期に定着したこの大小文化の粋を、ぜひお手元でお確かめください。









美濃伝 · 美濃
現在23点販売中
兼定は美濃国関を本拠とする末関の刀工で、室町時代後期にこの地で繁栄した美濃鍛冶を兼元とともに代表する。兼定を名乗る工は数代にわたるが、説示に最もしばしば挙げられるのは初代兼定の子にあたる二代和泉守兼定である。この二代は「定」の字のウ冠の中を「之」に切ることから「ノサダ」(之定)と称され、これを「疋」に切る後代の「ヒキサダ」と区別される。之定銘の成立については検討がなされ、はじめは「兼定」を楷書で切り、明応末から永正の初めにかけて之の字体に転じたと見られる。受領銘は永正七年紀の作にはじまり大永六年頃まで及び、之定は古刀期にあって珍しく「和泉守」を受領した工として、多くの刀剣書に上手と評される。説示には永正七年・同十年・同十二年などの年紀作、斎藤利隆との合作、伊勢山田での作刀も挙げられている。 作風は、兼元の三本杉と称される尖り刃主調の乱れ刃と対比して論じられることが多い。之定は頭の丸い互の目に小のたれ・互の目丁子・尖り刃などを交えた変化のある乱れ刃を本領とし、刀には湾れ調を基調に焼の高低を見せて大模様に乱れるものや、互の目丁子に尖り刃を交えて飛焼のかかるものがある。地鉄は板目に流れ肌を交えてよく錬れ、地沸つき地景入り、白け映りや白気ごころの立つものが多く、美濃物にありながら鉄色の明るく冴える点が特色とされる。茎の鑢目は関鍛冶に共通する鷹の羽で、短刀の早い時期には檜垣を見る。短刀や直刃調の刀には来写し(山城物写し)と称する上品な直刃があり、刃中に節が出ず来国俊を思わせる出来を示すものがあって、末関の各工に往々見られる節とこの点で見分けられる。之定と他の兼定との識別は、まず定の字体が之か疋かにより、之定はことに鍛えの錬れと地刃の冴えが一段優れる点に見どころがある。 鑑定にあたっては、姿の傾向が出来口と結びつく点が説示に示される。すなわち湾れ調の作では身幅広く鋒の大きい姿となり、互の目丁子を乱れる作では身幅尋常で元先の幅差が開き反りのやや高い洗練された姿を呈することが多い。切れ味の評価は高く、二ツ胴・立袈裟などの截断銘を金象嵌に伝える作が知られ、号「笒釣瓶」のように号を帯びるものもある。伝来も諸家に及び、紀州徳川家家老三浦将監、津山松平家家老小須賀帯刀、島津家、秋田佐竹家、土佐山内家、また武田信虎所持と伝える作などが挙げられている。総じて之定は、明るく冴えた地鉄と変化に富む乱れ刃、ならびに格調高い来写しの直刃をもって、関鍛冶の中でも技術の擢んでた工と位置づけられ、末関・末美濃の頂点を示す名工として評価される。 詳しく見る →
室町時代の美濃
戦国の関は一つの産業であった。春日神社を氏神と仰ぐ鍛冶たちが、中部日本の軍勢を武装させた。孫六兼元の三本杉と之定の最上作は、量産の町に第一級の技が息づいていたことの証である。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
We offer a 48 hour inspection period for all Antique items shipped within the United States only. If the item is not to your satisfaction, we will gladly refund your money less any shipping and handling fees. All sales are final after the 48 hour inspection period. Please note that all discounted items are a final sale and not returnable.