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図譜解説

金重は古来、 正宗十哲の一人に数えられ、「古今銘尽」によると「法名、道阿。本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」とあっ て、本国は越前国敦賀で、後に美濃国に移住したとし、 兼氏と並んで美濃鍛冶の源流となった刀工と伝えている。現存する在銘作は少なく数口 に止まるのみで、年紀作は『光山押形』に貞治二年紀の短刀二口を所載しており、その活躍期を窺い知ることができる。作風は志津一派に比して、 地がねがやや肌立ち、刃文は尖り互の目よりも頭の丸いおっとりとした互の目の連れる出来で、小沸がつき、総体に志津一派よりも穏やかな感 のものが多い。 本作は、地鉄は板目に杢目・流れ肌を交え、総体に肌立ち、地沸厚くつき地景頻りに入り、刃文は小互の目に片落ち風の互の目・小さな尖り 刃などが交じり、刃縁処々ほつれ、小足入り、匂勝ちに小沸がつき、金筋・砂流し細かにかかるなど、地刃に金重の特色と美点をよく現わして いる。平肉の豊かなしっかりとした造込みで、地景を頻りに交えた鍛えが強く、刃文の出来も典型的である。

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MarketEncyclopediaKantei
刀剣›美濃伝›関›金重›重要刀剣 正宗十哲 金重 大傑作 刀
刀重要
金重

重要刀剣 正宗十哲 金重 大傑作 刀

無銘 · Mino · 興国 · 長さ 67.4cm · 反り 1cm

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法量・詳細
刀工
金重
種別
刀
流派
Seki
活動期
1340–1346年頃(Kokoku)
国
美濃
銘
無銘(在銘率 11%)
法量
長さ 67.4cm反り 1cm元幅 3cm先幅 2.35cm
説明

NBTHK図譜解説

Juyo #64

金重は古来、 正宗十哲の一人に数えられ、「古今銘尽」によると「法名、道阿。本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」とあっ て、本国は越前国敦賀で、後に美濃国に移住したとし、 兼氏と並んで美濃鍛冶の源流となった刀工と伝えている。現存する在銘作は少なく数口 に止まるのみで、年紀作は『光山押形』に貞治二年紀の短刀二口を所載しており、その活躍期を窺い知ることができる。作風は志津一派に比して、 地がねがやや肌立ち、刃文は尖り互の目よりも頭の丸いおっとりとした互の目の連れる出来で、小沸がつき、総体に志津一派よりも穏やかな感 のものが多い。 本作は、地鉄は板目に杢目・流れ肌を交え、総体に肌立ち、地沸厚くつき地景頻りに入り、刃文は小互の目に片落ち風の互の目・小さな尖り 刃などが交じり、刃縁処々ほつれ、小足入り、匂勝ちに小沸がつき、金筋・砂流し細かにかかるなど、地刃に金重の特色と美点をよく現わして いる。平肉の豊かなしっかりとした造込みで、地景を頻りに交えた鍛えが強く、刃文の出来も典型的である。

作者について

金重

Mino Seki (founder; with Kaneuji a progenitor of the Mino tradition) · 美濃 · 1340-1346頃

藤代 Jo-jo saku · 刀剣大鑑 上位14%

現在3点販売中

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金重は古来相州正宗十哲の一人に数えられ、兼氏と並んで美濃鍛冶の源流に立つ刀工である。説明書は『古今銘尽』を引いて法名を道阿、本国を越前敦賀とし、「法名、道阿。本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」[[c:1]]と記して、越前敦賀より関へ越えて美濃に住したと伝える。兼氏とともに美濃の工の源とされ、「兼氏と並んで美濃鍛冶の源流」[[c:2]]となった刀工と呼ばれる。『光山押形』は貞治二年紀の短刀二口を載せてその南北朝の活躍期を定め、確実な在銘作が南北朝を遡らぬことから、説明書は正宗との直接の関係を証ではなく所伝の上に置く。

その手は志津一派と分かたれる美濃伝として読まれ、極めの引く区別は精緻である。志津が尖り互の目に走るのに対し、金重は頭の丸い互の目を連れて穏やかな刃を焼く。説明書はこれを「尖り互の目よりも頭の丸い」[[c:3]]互の目の連れた出来とし、小沸がつき、総体に「志津一派よりも穏やかな感」[[c:4]]のものと評する。その静かな刃へ浅いのたれ、あるいは直刃調の地を敷き、小尖り刃を交え、無銘の刀には片落ち風の互の目を交える。足入り、匂口明るく、刃中を細かに金筋・砂流しが走り、刃縁に湯走り・沸ほつれが寄る。この沸の働きは美濃の鉄に継がれた相州伝であり、説明書はこれを同工の見どころとする。

地鉄こそ終始の見どころである。板目に杢・流れ肌を交えた地は志津よりやや肌立ち、刃寄り柾がかり、地沸厚く地景を頻りに交え、長寸の作には白けが映り状に立つ。鍛えがつめば在銘太刀のごとく小板目となって地沸微塵に厚く、開けばやや肌立って肌が現われる。帽子は刃文に応えて乱れ込み、小丸ないし焼詰めごころに掃きかけ、返りに金筋を交えるものもある。両様の作風を通じて、刃中の一景よりもまずこの地鉄とその肌立ちを、極めは読む。

記録は二つの面に分かれる。一は研究の基準たる、生ぶ茎・二字在銘の平造短刀・脇指数口で、身幅広く重ね薄く、数口は延文・貞治型に寸延び、加えて近年確認された在銘太刀一口は、磨上ながら腰反りを保ち、元から先まで小互の目を連れる。これら在銘の作は一様でなく、穏やかなのたれのものも小互の目の連れたものもあり、説明書は中に皆焼風のものがあって作風の様々であることを記す。短刀の茎元には宗教的な彫物、護摩箸に腰樋、素剣の浮彫、梵字二個、ある脇指には不動信仰の象徴たる四柱の大壇具を彫る。二は記録の大半を占める、大磨上無銘で伝金重と極められた刀・薙刀直しで、南北朝の幅広く堂々たる姿をなし、決め手の一つを欠くところでは時代と一派からその極めを首肯する。在銘太刀について説明書は「在銘の太刀である本作が確認された意」[[c:5]]義の大きさを強調する。それまで同工の長寸は皆無銘極めにとどまっていたからである。

美濃にあって金重を分かつものは、まさに極めの言うところである。志津一派からは穏やかで丸い互の目とやや肌立つ地鉄によって隔てられ、説明書は繰り返しその作が「志津一派の作とは趣を異にし」[[c:6]]つつなお紛れもない南北朝の美濃伝であると首肯する。彼は兼氏に続く者ではなくその傍らの祖であり、穏やかで沸の厚いその手が関の伝統に二つの根の一つを与えた。関の工房はその美濃伝の手を室町へ継ぎ、同国を刀剣生産の一大中心とした。説明書はまた、脇指の極められる二代金重の存在を記し、名は祖の後も続く。

収集の観点では、稀な初期の美濃の名である。藤代の極めは上々作。国宝はなく重要文化財もなく、その記録はすべて重要刀剣の級を通じ、官の記録に四十五口、大半は大磨上無銘で伝金重と極められた刀、僅かが名の研究を支える貴重な在銘の短刀・脇指と在銘太刀一口である。その作は来歴の確かな旧家・機関に伝わり、京都国立博物館もこれを蔵し、来歴は徳川将軍家に及ぶ。ある在銘短刀は延宝七年、嗣子徳松の誕生を祝して将軍家に献上されたもので、旗本曽我仲祐の手を経た。在銘の作がほとんど残らず長寸は重要刀剣上位でのみ取引されるため、在銘の金重は美濃伝の収集家が望み得るもっとも稀なものの一つであり、世に出ることは稀で、出ればすなわち美濃伝いかに始まったかを語る証となる。

歴史的重要度

金重の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定の実績
指定45口
重要刀剣
45
金重の作 3点が現在販売中→
金重 — 詳細Mino Seki (founder; with Kaneuji a progenitor of the Mino tradition)派
流派について

関

美濃伝 · 美濃

現在154点販売中

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美濃国の関は、南北朝より室町、新刀期に至るまで日本刀の一大生産地として栄えた鍛冶の地である。その源流は二つに発し、説明書は金重と志津兼氏とを並べて美濃鍛冶の祖とする。金重は『古今銘尽』に法名道阿、越前敦賀の住人と伝えられ、敦賀より関へ越えて住したといい、相州正宗十哲の一に数えられて、沸の厚い穏やかな手を美濃の地鉄に持ち込んだ。兼氏に発する志津の系は、尖り互の目に走る乱調をもって、いま一つの根をなす。この二流が南北朝の美濃伝を形づくり、金行のごとく金重に続く工、室町に入って善定派の兼吉のように大和手掻の血を関に運んだ工が加わって、流れは広がった。室町後期には兼元・兼定の二名を頂点とする末関の隆盛を迎え、孫六兼元の名と和泉守兼定の受領とが、地方の量産地にとどまらぬ関の格を世に示した。大和と相州の二つの源流に、備前を意識した白け映りの地が結ばれて、美濃伝という一個の伝法が立ったのである。 関物を貫くのは、工と系統の差を越えて繰り返される美濃の共通語法である。地鉄は板目に柾を交えてしばしば肌立ち、刃寄りに柾がかり、鎬地は柾に流れる。その地に立つ映りは備前の明るい乱れ映りではなく、淡く白ける美濃鉄の靄のような白け映りで、説明書はこれを終始、備前と作を分かつ見どころとして掲げる。刃文は互の目を主調に尖り刃を交え、兼元にあっては整然と並ぶ尖り刃の三本杉となり、兼定や兼之にあっては頭の丸い互の目とのたれを交えて変化に富む。沸は乾いて締まり、匂口は冴え、足入り、砂流し・細かな金筋が刃中を走る。帽子は乱れ込んで先尖りごころとなり、あるいは丸く地蔵風に返る。これらは関の背骨をなす型であって、工により濃淡を異にする。金重・金行の手は穏やかで地が肌立ち、善定兼吉は大和の血を負って締った直刃と柾がかる板目を見せ、末関の氏房は大らかなのたれに尖り刃を折り込み、兼房は頭の丸い互の目の兼房乱れを得意とする。同じ語法のうちに、それぞれの工の手が読み分けられる。 収集家が関物を求めるのは、その鑑定が手応えを伴う一個の眼の修練だからである。映りが白く沸が乾いて締まる美濃の地刃は、備前の華やかな映りとも、山城の長く澄んだ直刃とも異なり、これを見分けることが関を識る勘所となる。主要工の格は説明書の評にそのまま現れる。孫六兼元は三本杉の創始者として名を成し、和泉守兼定すなわちノサダは、白ける板目に焼いた賑やかな美濃の刃と来国俊風の細直刃の双方を能くして、古刀期に珍しい受領を許され、刀剣書が「すぐれたる上手」と評する当代第一の手とされる。兼之は末関中最もよく練れた鍛えを見せて作域広く、永正・大永のノサダとして賞玩が厚い。これらの名は将軍家・大名家の伝来を負い、ノサダの太刀には武田信虎のために打たれた一口があり、菊花紋を切った刀は皇室との関わりを示し、徳川将軍家への献上を経た金重の短刀も伝わる。末関の氏房一門は清須・名古屋へ移って尾張新刀三祖の一を生み、古い美濃の手が新たな伝統へ移る蝶番に立った。切れ味をもって武用に応えた量産の地でありながら、孫六兼元らの最上手の作は美術的価値においても高く評され、その白け映りと乾いた沸の手を識ることが、美濃伝いかに始まり継がれたかを語る証となる。 詳しく見る →

55名の刀工指定244口
主要刀工
刀工時代指定
金重1340-134645
氏房1596-161516
金行1350-135210
氏房1571-15929
兼之1504-15557
関流派を見る →

歴史的背景

美濃伝は、伝えによれば移住者が開いた。大和手掻系の出と伝えられる兼氏が志津に住し、新しい相州風で鍛えて、後世の鑑定家にその最上作は誰よりも正宗に近いと言わしめている。

南北朝時代の美濃 →

NBTHK鑑定書
Jūyō Tōken重要刀剣
Important Sword
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特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。

極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。

NBTHKについて›

日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。

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Wakizashi - Tokuho - by Seki Kanefusa - 兼房 3-916Wakizashi - Tokuho - by Seki Kanefusa - 兼房 3-916

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31cm·室町
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¥800,000

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41.7cm·Geno (1319-1321)
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69.2cm·南北朝
¥2,300,000
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¥1,200,000
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63.7cm·南北朝
¥1,350,000

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図譜解説

金重は古来、 正宗十哲の一人に数えられ、「古今銘尽」によると「法名、道阿。本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」とあっ て、本国は越前国敦賀で、後に美濃国に移住したとし、 兼氏と並んで美濃鍛冶の源流となった刀工と伝えている。現存する在銘作は少なく数口 に止まるのみで、年紀作は『光山押形』に貞治二年紀の短刀二口を所載しており、その活躍期を窺い知ることができる。作風は志津一派に比して、 地がねがやや肌立ち、刃文は尖り互の目よりも頭の丸いおっとりとした互の目の連れる出来で、小沸がつき、総体に志津一派よりも穏やかな感 のものが多い。 本作は、地鉄は板目に杢目・流れ肌を交え、総体に肌立ち、地沸厚くつき地景頻りに入り、刃文は小互の目に片落ち風の互の目・小さな尖り 刃などが交じり、刃縁処々ほつれ、小足入り、匂勝ちに小沸がつき、金筋・砂流し細かにかかるなど、地刃に金重の特色と美点をよく現わして いる。平肉の豊かなしっかりとした造込みで、地景を頻りに交えた鍛えが強く、刃文の出来も典型的である。

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金重

重要刀剣 正宗十哲 金重 大傑作 刀

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法量・詳細
刀工
金重
種別
刀
流派
Seki
活動期
1340–1346年頃(Kokoku)
国
美濃
銘
無銘(在銘率 11%)
法量
長さ 67.4cm反り 1cm元幅 3cm先幅 2.35cm
説明

NBTHK図譜解説

Juyo #64

金重は古来、 正宗十哲の一人に数えられ、「古今銘尽」によると「法名、道阿。本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」とあっ て、本国は越前国敦賀で、後に美濃国に移住したとし、 兼氏と並んで美濃鍛冶の源流となった刀工と伝えている。現存する在銘作は少なく数口 に止まるのみで、年紀作は『光山押形』に貞治二年紀の短刀二口を所載しており、その活躍期を窺い知ることができる。作風は志津一派に比して、 地がねがやや肌立ち、刃文は尖り互の目よりも頭の丸いおっとりとした互の目の連れる出来で、小沸がつき、総体に志津一派よりも穏やかな感 のものが多い。 本作は、地鉄は板目に杢目・流れ肌を交え、総体に肌立ち、地沸厚くつき地景頻りに入り、刃文は小互の目に片落ち風の互の目・小さな尖り 刃などが交じり、刃縁処々ほつれ、小足入り、匂勝ちに小沸がつき、金筋・砂流し細かにかかるなど、地刃に金重の特色と美点をよく現わして いる。平肉の豊かなしっかりとした造込みで、地景を頻りに交えた鍛えが強く、刃文の出来も典型的である。

作者について

金重

Mino Seki (founder; with Kaneuji a progenitor of the Mino tradition) · 美濃 · 1340-1346頃

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金重は古来相州正宗十哲の一人に数えられ、兼氏と並んで美濃鍛冶の源流に立つ刀工である。説明書は『古今銘尽』を引いて法名を道阿、本国を越前敦賀とし、「法名、道阿。本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」[[c:1]]と記して、越前敦賀より関へ越えて美濃に住したと伝える。兼氏とともに美濃の工の源とされ、「兼氏と並んで美濃鍛冶の源流」[[c:2]]となった刀工と呼ばれる。『光山押形』は貞治二年紀の短刀二口を載せてその南北朝の活躍期を定め、確実な在銘作が南北朝を遡らぬことから、説明書は正宗との直接の関係を証ではなく所伝の上に置く。

その手は志津一派と分かたれる美濃伝として読まれ、極めの引く区別は精緻である。志津が尖り互の目に走るのに対し、金重は頭の丸い互の目を連れて穏やかな刃を焼く。説明書はこれを「尖り互の目よりも頭の丸い」[[c:3]]互の目の連れた出来とし、小沸がつき、総体に「志津一派よりも穏やかな感」[[c:4]]のものと評する。その静かな刃へ浅いのたれ、あるいは直刃調の地を敷き、小尖り刃を交え、無銘の刀には片落ち風の互の目を交える。足入り、匂口明るく、刃中を細かに金筋・砂流しが走り、刃縁に湯走り・沸ほつれが寄る。この沸の働きは美濃の鉄に継がれた相州伝であり、説明書はこれを同工の見どころとする。

地鉄こそ終始の見どころである。板目に杢・流れ肌を交えた地は志津よりやや肌立ち、刃寄り柾がかり、地沸厚く地景を頻りに交え、長寸の作には白けが映り状に立つ。鍛えがつめば在銘太刀のごとく小板目となって地沸微塵に厚く、開けばやや肌立って肌が現われる。帽子は刃文に応えて乱れ込み、小丸ないし焼詰めごころに掃きかけ、返りに金筋を交えるものもある。両様の作風を通じて、刃中の一景よりもまずこの地鉄とその肌立ちを、極めは読む。

記録は二つの面に分かれる。一は研究の基準たる、生ぶ茎・二字在銘の平造短刀・脇指数口で、身幅広く重ね薄く、数口は延文・貞治型に寸延び、加えて近年確認された在銘太刀一口は、磨上ながら腰反りを保ち、元から先まで小互の目を連れる。これら在銘の作は一様でなく、穏やかなのたれのものも小互の目の連れたものもあり、説明書は中に皆焼風のものがあって作風の様々であることを記す。短刀の茎元には宗教的な彫物、護摩箸に腰樋、素剣の浮彫、梵字二個、ある脇指には不動信仰の象徴たる四柱の大壇具を彫る。二は記録の大半を占める、大磨上無銘で伝金重と極められた刀・薙刀直しで、南北朝の幅広く堂々たる姿をなし、決め手の一つを欠くところでは時代と一派からその極めを首肯する。在銘太刀について説明書は「在銘の太刀である本作が確認された意」[[c:5]]義の大きさを強調する。それまで同工の長寸は皆無銘極めにとどまっていたからである。

美濃にあって金重を分かつものは、まさに極めの言うところである。志津一派からは穏やかで丸い互の目とやや肌立つ地鉄によって隔てられ、説明書は繰り返しその作が「志津一派の作とは趣を異にし」[[c:6]]つつなお紛れもない南北朝の美濃伝であると首肯する。彼は兼氏に続く者ではなくその傍らの祖であり、穏やかで沸の厚いその手が関の伝統に二つの根の一つを与えた。関の工房はその美濃伝の手を室町へ継ぎ、同国を刀剣生産の一大中心とした。説明書はまた、脇指の極められる二代金重の存在を記し、名は祖の後も続く。

収集の観点では、稀な初期の美濃の名である。藤代の極めは上々作。国宝はなく重要文化財もなく、その記録はすべて重要刀剣の級を通じ、官の記録に四十五口、大半は大磨上無銘で伝金重と極められた刀、僅かが名の研究を支える貴重な在銘の短刀・脇指と在銘太刀一口である。その作は来歴の確かな旧家・機関に伝わり、京都国立博物館もこれを蔵し、来歴は徳川将軍家に及ぶ。ある在銘短刀は延宝七年、嗣子徳松の誕生を祝して将軍家に献上されたもので、旗本曽我仲祐の手を経た。在銘の作がほとんど残らず長寸は重要刀剣上位でのみ取引されるため、在銘の金重は美濃伝の収集家が望み得るもっとも稀なものの一つであり、世に出ることは稀で、出ればすなわち美濃伝いかに始まったかを語る証となる。

歴史的重要度

金重の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定の実績
指定45口
重要刀剣
45
金重の作 3点が現在販売中→
金重 — 詳細Mino Seki (founder; with Kaneuji a progenitor of the Mino tradition)派
流派について

関

美濃伝 · 美濃

現在154点販売中

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美濃国の関は、南北朝より室町、新刀期に至るまで日本刀の一大生産地として栄えた鍛冶の地である。その源流は二つに発し、説明書は金重と志津兼氏とを並べて美濃鍛冶の祖とする。金重は『古今銘尽』に法名道阿、越前敦賀の住人と伝えられ、敦賀より関へ越えて住したといい、相州正宗十哲の一に数えられて、沸の厚い穏やかな手を美濃の地鉄に持ち込んだ。兼氏に発する志津の系は、尖り互の目に走る乱調をもって、いま一つの根をなす。この二流が南北朝の美濃伝を形づくり、金行のごとく金重に続く工、室町に入って善定派の兼吉のように大和手掻の血を関に運んだ工が加わって、流れは広がった。室町後期には兼元・兼定の二名を頂点とする末関の隆盛を迎え、孫六兼元の名と和泉守兼定の受領とが、地方の量産地にとどまらぬ関の格を世に示した。大和と相州の二つの源流に、備前を意識した白け映りの地が結ばれて、美濃伝という一個の伝法が立ったのである。 関物を貫くのは、工と系統の差を越えて繰り返される美濃の共通語法である。地鉄は板目に柾を交えてしばしば肌立ち、刃寄りに柾がかり、鎬地は柾に流れる。その地に立つ映りは備前の明るい乱れ映りではなく、淡く白ける美濃鉄の靄のような白け映りで、説明書はこれを終始、備前と作を分かつ見どころとして掲げる。刃文は互の目を主調に尖り刃を交え、兼元にあっては整然と並ぶ尖り刃の三本杉となり、兼定や兼之にあっては頭の丸い互の目とのたれを交えて変化に富む。沸は乾いて締まり、匂口は冴え、足入り、砂流し・細かな金筋が刃中を走る。帽子は乱れ込んで先尖りごころとなり、あるいは丸く地蔵風に返る。これらは関の背骨をなす型であって、工により濃淡を異にする。金重・金行の手は穏やかで地が肌立ち、善定兼吉は大和の血を負って締った直刃と柾がかる板目を見せ、末関の氏房は大らかなのたれに尖り刃を折り込み、兼房は頭の丸い互の目の兼房乱れを得意とする。同じ語法のうちに、それぞれの工の手が読み分けられる。 収集家が関物を求めるのは、その鑑定が手応えを伴う一個の眼の修練だからである。映りが白く沸が乾いて締まる美濃の地刃は、備前の華やかな映りとも、山城の長く澄んだ直刃とも異なり、これを見分けることが関を識る勘所となる。主要工の格は説明書の評にそのまま現れる。孫六兼元は三本杉の創始者として名を成し、和泉守兼定すなわちノサダは、白ける板目に焼いた賑やかな美濃の刃と来国俊風の細直刃の双方を能くして、古刀期に珍しい受領を許され、刀剣書が「すぐれたる上手」と評する当代第一の手とされる。兼之は末関中最もよく練れた鍛えを見せて作域広く、永正・大永のノサダとして賞玩が厚い。これらの名は将軍家・大名家の伝来を負い、ノサダの太刀には武田信虎のために打たれた一口があり、菊花紋を切った刀は皇室との関わりを示し、徳川将軍家への献上を経た金重の短刀も伝わる。末関の氏房一門は清須・名古屋へ移って尾張新刀三祖の一を生み、古い美濃の手が新たな伝統へ移る蝶番に立った。切れ味をもって武用に応えた量産の地でありながら、孫六兼元らの最上手の作は美術的価値においても高く評され、その白け映りと乾いた沸の手を識ることが、美濃伝いかに始まり継がれたかを語る証となる。 詳しく見る →

55名の刀工指定244口
主要刀工
刀工時代指定
金重1340-134645
氏房1596-161516
金行1350-135210
氏房1571-15929
兼之1504-15557
関流派を見る →

歴史的背景

美濃伝は、伝えによれば移住者が開いた。大和手掻系の出と伝えられる兼氏が志津に住し、新しい相州風で鍛えて、後世の鑑定家にその最上作は誰よりも正宗に近いと言わしめている。

南北朝時代の美濃 →

NBTHK鑑定書
Jūyō Tōken重要刀剣
Important Sword
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特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。

極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。

NBTHKについて›

日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。

NBTHK公式サイト→
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金重の他の作

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矢澤商会
Wakizashi - by Seki Kinju - 価格お問い合わせ商品 金重(南北朝時代寸伸び短刀) 平造り 2407016Wakizashi - by Seki Kinju - 価格お問い合わせ商品 金重(南北朝時代寸伸び短刀) 平造り 2407016

脇差

作金重
36.7cm·南北朝
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明倫産業
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Katana - Jūyō - by Seki Kinju - 無銘 伝金重(きんじゅう)(正宗十哲)(掛川太田家5万石伝来)(重要刀剣) Den KinjuKatana - Jūyō - by Seki Kinju - 無銘 伝金重(きんじゅう)(正宗十哲)(掛川太田家5万石伝来)(重要刀剣) Den Kinju

刀

作金重
71.6cm·南北朝
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金重の売約済み

コレクション情報
保存
Hozon - by Seki Kinju - 薙刀直し刀 無銘(伝金重) Katana:Mumei(Den Kinju)Hozon - by Seki Kinju - 薙刀直し刀 無銘(伝金重) Katana:Mumei(Den Kinju)
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薙刀直し刀 無銘(伝金重) Katana:Mumei(Den Kinju)

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関派の作

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Supein Nihonto
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刀

作正利
71.2cm·室町
¥12,500
サムライミュージアム
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Katana - Tokuho - by Seki Ujifusa - 日本刀 刀 銘 氏房(NBTHK 特別保存刀剣鑑定書)Katana - Tokuho - by Seki Ujifusa - 日本刀 刀 銘 氏房(NBTHK 特別保存刀剣鑑定書)

刀

作氏房
72.2cm·桃山
¥18,862
Nihontocraft
特別保存
Wakizashi - Tokuho - by Seki School - 備前守藤原氏房 脇差Wakizashi - Tokuho - by Seki School - 備前守藤原氏房 脇差

脇差

作関派
39.2cm·新刀
¥5,700
Connoisseur Arms
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Katana - Jūyō - by Kanemoto - 史実的銘刀 関の孫六兼元 本身刀Katana - Jūyō - by Kanemoto - 史実的銘刀 関の孫六兼元 本身刀

刀

作兼元
室町
お問い合わせ
サムライミュージアム
特別保存
Katana - Tokuho - by Seki Kanefusa - 室町後期 刀 銘 兼房(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書)Katana - Tokuho - by Seki Kanefusa - 室町後期 刀 銘 兼房(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書)

刀

作兼房
68.4cm·室町
¥22,634
刀心
特別保存
Wakizashi - Tokuho - by Seki Kanefusa - 兼房 3-916Wakizashi - Tokuho - by Seki Kanefusa - 兼房 3-916

脇差

作兼房
31cm·室町
¥1,650,000
コレクション情報
特別保存
Yari - Tokuho - by Seki Kanefusa - 大身槍 兼房作 Ohmiyari:KanefusaYari - Tokuho - by Seki Kanefusa - 大身槍 兼房作 Ohmiyari:Kanefusa

槍

作兼房
49.9cm·室町
¥550,000
葵美術
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Tanto - Tokuho - by Seki Ujifusa - 短刀:飛騨守藤原氏房(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣)Tanto - Tokuho - by Seki Ujifusa - 短刀:飛騨守藤原氏房(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣)

短刀

作氏房
27.1cm·Keicho (1596-1615)
¥800,000

美濃の伝統

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コレクション情報
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Wakizashi - Tokuho - by Shizu Kaneuji - 薙刀直し脇差し 無銘(伝志津)Wakizashi - Tokuho - by Shizu Kaneuji - 薙刀直し脇差し 無銘(伝志津)

脇差

作兼氏
41.7cm·Geno (1319-1321)
¥1,550,000
宝刀堂
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Naginata - Tokuho - by Aki Teruhiro School - 播磨守藤原輝広 薙刀Naginata - Tokuho - by Aki Teruhiro School - 播磨守藤原輝広 薙刀

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作安芸輝広派
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コレクション情報
重要
Katana - Jūyō - by Shizu Kaneuji - 刀 大和志津(無銘)Katana - Jūyō - by Shizu Kaneuji - 刀 大和志津(無銘)

刀

作兼氏
69.5cm·Geno (1319-1321)
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葵美術
特別保存
Katana - Tokuho - by Naoe Shizu School - 刀:無銘(直江志津)(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣)Katana - Tokuho - by Naoe Shizu School - 刀:無銘(直江志津)(日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣)

刀

作直江志津派
72.3cm·南北朝
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銀座長州屋
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Katana - Tokuho - by Naoe Shizu School - 大磨上無銘伝直江志津Katana - Tokuho - by Naoe Shizu School - 大磨上無銘伝直江志津

刀

作直江志津派
69.39cm·南北朝
¥2,500,000
葵美術
特別保存
Katana - Tokuho - by Yamato Shizu School - 刀:大和志津兼氏(金象嵌銘)本阿弥(花押)(光遜)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣Katana - Tokuho - by Yamato Shizu School - 刀:大和志津兼氏(金象嵌銘)本阿弥(花押)(光遜)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣

刀

作大和志津派
69.2cm·南北朝
¥2,300,000
勝武堂
特別保存
Wakizashi - Tokuho - by Naoe Shizu School - 脇差 無銘(直江志津) / Wakizashi Mumei NaoeshizuWakizashi - Tokuho - by Naoe Shizu School - 脇差 無銘(直江志津) / Wakizashi Mumei Naoeshizu

脇差

作直江志津派
39cm·南北朝
¥1,200,000
刀剣徳川
特別保存
Katana - Tokuho - by Naoe Shizu School - 刀 無銘 直江志津伝Katana - Tokuho - by Naoe Shizu School - 刀 無銘 直江志津伝

刀

作直江志津派
63.7cm·南北朝
¥1,350,000

刀剣

  • 刀
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