金重

Seki Kinju

評価作品42点

いま販売中の作品1点

重要巻 11, 番 33 · 脇差

概要

金重は古来相州正宗十哲の一人に数えられ、兼氏と並んで美濃鍛冶の源流に立つ刀工である。説明書は『古今銘尽』を引いて法名を道阿、本国を越前敦賀とし、「法名、道阿。本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」と記して、越前敦賀より関へ越えて美濃に住したと伝える。兼氏とともに美濃の工の源とされ、「兼氏と並んで美濃鍛冶の源流」となった刀工と呼ばれる。『光山押形』は貞治二年紀の短刀二口を載せてその南北朝の活躍期を定め、確実な在銘作が南北朝を遡らぬことから、説明書は正宗との直接の関係を証ではなく所伝の上に置く。

その手は志津一派と分かたれる美濃伝として読まれ、極めの引く区別は精緻である。志津が尖り互の目に走るのに対し、金重は頭の丸い互の目を連れて穏やかな刃を焼く。説明書はこれを「尖り互の目よりも頭の丸い」互の目の連れた出来とし、小沸がつき、総体に「志津一派よりも穏やかな感」のものと評する。その静かな刃へ浅いのたれ、あるいは直刃調の地を敷き、小尖り刃を交え、無銘の刀には片落ち風の互の目を交える。足入り、匂口明るく、刃中を細かに金筋・砂流しが走り、刃縁に湯走り・沸ほつれが寄る。この沸の働きは美濃の鉄に継がれた相州伝であり、説明書はこれを同工の見どころとする。

地鉄こそ終始の見どころである。板目に杢・流れ肌を交えた地は志津よりやや肌立ち、刃寄り柾がかり、地沸厚く地景を頻りに交え、長寸の作には白けが映り状に立つ。鍛えがつめば在銘太刀のごとく小板目となって地沸微塵に厚く、開けばやや肌立って肌が現われる。帽子は刃文に応えて乱れ込み、小丸ないし焼詰めごころに掃きかけ、返りに金筋を交えるものもある。両様の作風を通じて、刃中の一景よりもまずこの地鉄とその肌立ちを、極めは読む。

記録は二つの面に分かれる。一は研究の基準たる、生ぶ茎・二字在銘の平造短刀・脇指数口で、身幅広く重ね薄く、数口は延文・貞治型に寸延び、加えて近年確認された在銘太刀一口は、磨上ながら腰反りを保ち、元から先まで小互の目を連れる。これら在銘の作は一様でなく、穏やかなのたれのものも小互の目の連れたものもあり、説明書は中に皆焼風のものがあって作風の様々であることを記す。短刀の茎元には宗教的な彫物、護摩箸に腰樋、素剣の浮彫、梵字二個、ある脇指には不動信仰の象徴たる四柱の大壇具を彫る。二は記録の大半を占める、大磨上無銘で伝金重と極められた刀・薙刀直しで、南北朝の幅広く堂々たる姿をなし、決め手の一つを欠くところでは時代と一派からその極めを首肯する。在銘太刀について説明書は「在銘の太刀である本作が確認された意」義の大きさを強調する。それまで同工の長寸は皆無銘極めにとどまっていたからである。

美濃にあって金重を分かつものは、まさに極めの言うところである。志津一派からは穏やかで丸い互の目とやや肌立つ地鉄によって隔てられ、説明書は繰り返しその作が「志津一派の作とは趣を異にし」つつなお紛れもない南北朝の美濃伝であると首肯する。彼は兼氏に続く者ではなくその傍らの祖であり、穏やかで沸の厚いその手が関の伝統に二つの根の一つを与えた。関の工房はその美濃伝の手を室町へ継ぎ、同国を刀剣生産の一大中心とした。名は祖の後も続く。極めは刀・脇指各一口を明確に二代の作とし、室町の姿をもつ在銘短刀一口を同銘後代の作と鑑する。これらは別項に収める。

収集の観点では、稀な初期の美濃の名である。藤代の極めは上々作。国宝はなく重要文化財もなく、その記録はすべて重要刀剣の級を通じ、官の記録に四十二口、大半は大磨上無銘で伝金重と極められた刀、僅かが名の研究を支える貴重な在銘の短刀・脇指と在銘太刀一口である。その作は来歴の確かな旧家・機関に伝わり、京都国立博物館もこれを蔵し、来歴は徳川将軍家に及ぶ。ある在銘短刀は延宝七年、嗣子徳松の誕生を祝して将軍家に献上されたもので、旗本曽我仲祐の手を経た。在銘の作がほとんど残らず長寸は重要刀剣上位でのみ取引されるため、在銘の金重は美濃伝の収集家が望み得るもっとも稀なものの一つであり、世に出ることは稀で、出ればすなわち美濃伝いかに始まったかを語る証となる。

栄誉

正宗十哲Masamune Juttetsu (Ten Brilliant Students of Masamune)

正宗十哲と伝(直接の関係はやや薄いか)

正宗十哲 ― 幕末の『刀剣正纂』(文久2年・1862)に初出する後世の括りで、同書自体が「後人ノ憶説ナレバ、今取ラズ」と注記する。兼光・長義・金重・直綱は年代的に直弟子とは考え難く、則重は新藤五国光門下の相弟子とするのが通説。しかしNBTHK説明には頻繁に言及され、鑑定用語として定着している。名簿には異同があり(直綱に代えて貞宗を数える説、金剛兵衛盛高を来国次または直綱に代える説)、本栄誉は標準的な十工に付す。

歴史的重要度

金重の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定

国宝—
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重要美術品—
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣42

名工ランク

鑑定

伝来

刀種

評価作品42点の分布

銘

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系譜

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