則重

Soshu Norishige

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特重巻 16, 番 13 · 刀

概要

則重は鎌倉時代末期の越中の工で、新藤五国光の門人、行光・正宗とは兄弟弟子として相州伝を完成へ導いた。『古今銘尽』など江戸期の刀剣書は正宗十哲の一人に挙げるが、現存する正和・元応などの年紀や太刀・短刀の姿形からすれば、室町期の刀剣書のいう新藤五国光門下説が妥当で、正宗とは相弟子、あるいはやや先行とみるべきである。

常の作風はその名を負う松皮肌である。板目が大模様に肌立ち、杢を交え、太い地景が頻りに入って松皮の如き肌をなし、地沸厚く、かねは黒みを帯びる。諸書は相州上工中もっとも正宗に近いとしつつ、「正宗以上に沸の変化を露に表現」したものが多いとし、刃中・地鉄ともに「千変万化の沸の働き」をあらわすという。刃文はのたれに互の目を交えた沸出来で、匂口は沈みごころ、金筋・砂流しが烈しく働き、二重刃・湯走りを交える。帽子は単なる小丸ではなく、掃きかけて乱れ込み、時に尖り・焼詰め風となる。

いま一つ、精到で珍重される作風がある。在銘の太刀や前期の在銘短刀では地肌が常ほど肌立たず、整った小板目に締まって地刃ともに穏やかとなり、かねは一段と明るく冴え、地景・金筋は静かである。ある在銘太刀は「常の則重の作に比べて地刃共に穏やか」と評され、小のたれ主調の底に則重特有の渦巻肌と地景を沈めてよく冴える。正和三年紀の在銘短刀は肌立たず明るく、「新藤五国光や行光につながる出来」として前期作とされる。これは松皮肌の崩れではなく、別個の、そして高く評価される一面である。

鑑別の核は二様に共通する。太い地景、沈みごころの匂口、烈しい金筋・砂流し、そして掃きかける帽子である。沈む匂口は明るい備前と分かち、沸の変化の激しさと肌立ちは正宗と分かつ。藤代は最上作に列し、特別重要刀剣の指定数は全工中でも上位に位置する。在銘作は短刀が主で、太刀については、かつて「太刀は僅かに二口をかぞえるのみである」と記されたが、指定品では今日、重要文化財二口・特別重要刀剣二口の計四口の在銘太刀が知られる。名物は豊臣秀吉より徳川綱吉を経て柳沢家へ、ほかに島津・前田・細川・井伊などの諸家を歴とし、国宝・重要文化財として動かぬものも多い。松皮肌は門人為継により越中へ受け継がれた。

栄誉

享保名物帳Kyōhō Meibutsu Chō (Catalog of Celebrated Blades)

所載1口

享保4年(1719年)、本阿弥家が八代将軍徳川吉宗に献上した名物刀剣の台帳。平安〜南北朝の刀剣約274口(現存168口+焼失約80口+追記約26口)を刀工別に収載し、号の由来・寸法・代付・伝来を記す。本栄誉は名物帳に作品が所載される刀工に付与され、詳細欄には刊行集計による口数(正確な場合)または所載名物の号を記す。

正宗十哲Masamune Juttetsu (Ten Brilliant Students of Masamune)

十哲に数うるも実は相弟子(新藤五門下)

正宗十哲 ― 幕末の『刀剣正纂』(文久2年・1862)に初出する後世の括りで、同書自体が「後人ノ憶説ナレバ、今取ラズ」と注記する。兼光・長義・金重・直綱は年代的に直弟子とは考え難く、則重は新藤五国光門下の相弟子とするのが通説。しかしNBTHK説明には頻繁に言及され、鑑定用語として定着している。名簿には異同があり(直綱に代えて貞宗を数える説、金剛兵衛盛高を来国次または直綱に代える説)、本栄誉は標準的な十工に付す。

歴史的重要度

則重の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定

国宝1
重要文化財7
重要美術品10
御物1
特別重要刀剣30
重要刀剣84

名工ランク

掲載作品

特重 — 巻 16, 番 13 · katana

カタログ提供 Hoshi
2026年2月

鑑定

年紀作

伝来

刀種

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銘

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