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概要·鑑定·栄誉·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定栄誉指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 相州
  3. 相州
  4. 貞宗

Soshu Sadamune

貞宗

特重
巻 12, 番 17 · 刀

Soshu Sadamune

貞宗

評価作品87点

享保名物帳
国相模時代Gentoku (1329–1331)時代区分鎌倉流派Soshu伝法相州伝師匠Masamune藤代最上作刀工大鑑2,000(上位2%)種別刀工コードSAD543
4国宝
12重要文化財
2重要美術品
23特別重要刀剣46重要刀剣

概要

第二十七回特別重要刀剣に指定された名物御堀出貞宗は、徳川家康が伏見で見出したことに名号が由来し、元和二年(一六一六)に家康から前田利常に贈られた享保名物の刀である。その作者貞宗は通称彦四郎、正宗の門人で後に養子になったと伝え(子とする伝もある)、相州正系の二代を継ぎ、鎌倉時代最末期から南北朝時代前期にかけて作刀した。指定書は「確実な在銘の作は皆無」と繰り返し、現存作は悉く無銘で、本阿弥の金象嵌・朱銘・折紙によって極められる。その位置は「正宗と信国の間をつなぐものが貞宗」と、師と弟子の双方から挟んで定められる。

師との分かれ目は質にあり一貫する。「正宗に比較すると総じて穏やかでおっとりした湾れ調の乱れ刃に持味があり」という定型句がほぼ半数の説明に明記され、ある説明は、正宗に比して鍛はややおだやかで、肌がそれほどに立たず、地沸も少なく、金筋・稲妻などの働きがやや乏しく穏やかになると細かく対比する。積極的な見どころは彫物にある。相州随一の彫物の名手で、梵字・素剣・護摩箸・三鈷剣・倶利迦羅が正宗・行光・則重に見られない頻度で施され、「二筋樋は貞宗の得意としたところ」とされて名物二筋樋貞宗の号の刀がある。彫物こそ正宗に見られなかったものであり、「大進坊の流れを汲んで、重ね彫を得意とし、これを弟子の信国に伝えて」と記される。

鍛えは板目に杢を交え、優品では地沸が微塵に厚くつき、地景が細かく頻りに入り、時に肌立ちごころとなる。刃文は浅いのたれに互の目・小互の目・小丁子を交え、足・葉入り、匂口深く、沸厚く明るく冴え、金筋・砂流しがかかり、刃縁にほつれ・湯走りを見せる。帽子は乱れ込みまたは直ぐに小丸、掃きかけて尖りごころとなるものが多い。「相州伝上位作特有の光美しい沸」がその出来の標識として挙げられる。この主流の両極に二つの部類が立つ。「直刃は稀」であり、少数の直刃調の作は浅くのたれごころを帯びて小互の目が間遠に交じり、特別重要の短刀は国宝の名物伏見貞宗を思わせると評される。賑やかな極では互の目が目立ち、処々荒沸を交え、飛焼・湯走りが散って帽子は火焔状に掃きかけ、皆焼ごころに及ぶ作もあるが、「広光・秋広までには至らない」と測られる。

姿は太刀・短刀ともに二様あり、いずれの体配かによって製作年代が読まれる。早い方は鎌倉末の「古調」で、身幅尋常・中鋒の刀と反りのほとんどない小振りの短刀があり、最も小振りの一口は名物太鼓鐘貞宗に共通すると評される。遅い方は現存の主流たる南北朝の大柄な姿で、身幅広く元先の幅差の開かない大磨上無銘の刀と、幅広で寸延び重ね薄い平造の短刀・小脇指があり、後者は多く生ぶ茎である。生ぶの作では茎自体が見どころとなり、舟形で先剣形、鑢目勝手下りの茎は「貞宗の掟通り」と評される。片切刃造も得意とした造込みで、紀州徳川家に伝来し南龍公頼宣の指料と伝える切刃貞宗が著名である。

正宗門中で最もよく師風を継承し、技倆もこれに次ぐとされ、上限では師との境が問われる。池田仲博旧蔵の重要美術品の刀について本間順治は、常の作より刃文に変化があり、火焔帽子と輝く沸を見せるとして「むしろ、正宗と見たいものである」と談じた。下流では穏やかなのたれと彫物がそのまま信国に再現され、相州の彫技は貞宗を経て信国へ渡る。

藤代の格付けは最上作。指定を受けた作は八七口を数え、国宝四口、重要文化財一二口、戦前の重要美術品二口、特別重要刀剣二三口・重要刀剣四六口、上位二指定で六九口に上る。極めには名物が連なる。御堀出のほか、切刃、秀忠から前田利長に贈られた善得院、享保名物牒の氏家、太鼓鐘、二筋樋、そして豊太閤所蔵の大坂御物で大坂夏の陣に焼け、初代康継が再刃して家康遺品として頼宣に与えられた獅子貞宗があり、物吉・石田・国宝伏見貞宗に擬えられる作も記される。伝来は四一口に記録され、将軍家宣から家継に伝わった指料、元禄十年(一六九七)に綱吉から柳沢吉里へ下賜された刀のほか、尾張・紀州徳川家、前田・伊達・毛利・池田・佐竹・蜂須賀・成瀬・小笠原・鷹司の諸家に及ぶ。蒐集家にとってその大半は手の届かぬところにある。国宝・重要文化財は市場の外の文化財であり、所在の知られるものは東京国立博物館・徳川美術館・三井記念美術館・佐野美術館などに収まる。現実に出会いうるのは特別重要・重要の六九口で、その殆どが本阿弥の極めを拠り所とする大磨上無銘の刀か寸延びの脇指である。かかる一口が市場に現れることは稀で、得意の二筋樋や重ね彫を伴う一口であれば、出色の機会となる。

鑑定

典型=穏やかなのたれ・互の目の一作風を、二様の姿(鎌倉末の古調と南北朝の幅広大柄)で展開。大磨上の刀と寸延び平造の短刀・小脇指の二つの作域に分かれ、稀な直刃調の部類と、飛焼の目立つ賑やかな部類が両極に立つ。全体に特色ある彫物を伴い、悉く無銘

貞宗は通称彦四郎、正宗の門人で後に養子になったと伝え(正宗の子とする伝もある)、鎌倉時代最末期から南北朝時代前期にかけて相州正系の二代を継いだ。師風を最もよく受け継ぎ、地沸厚く地景の頻りに入る精錬な板目に、沸深いのたれ・互の目交じりの刃文を焼くが、正宗に比して総じて穏やかでおっとりしているというのが極めの常道である。相州随一の彫物の名手で、梵字・素剣・護摩箸、得意の二筋樋が頻りに見られる。確実な在銘の作は皆無で、悉く無銘、本阿弥の金象嵌・朱銘・折紙によって極められる。

鑑定の決め手

作品の32% ・ 正宗比 8.1倍

作品の24% ・ 正宗比 5.4倍

作品の48%

銘の実態。九六口中八二口が無銘、一五口に本阿弥の朱銘、八口に金象嵌の極めが入る。在銘の貞宗はそれ自体が疑わしい

作風の変遷

典型(南北朝の大柄な姿に穏やかなのたれ)

現存作の主流。鍛えは板目に杢を交え、優品では地沸が微塵に厚くつき、地景が細かく頻りに入り、時に肌立ちごころとなる。刃文は浅いのたれに互の目・小互の目・小丁子を交え、足・葉入り、沸厚く明るく、金筋・砂流しがかかり、刃縁にほつれ・湯走りを見せる。帽子は乱れ込みまたは直ぐに小丸、掃きかけて尖りごころとなるものが多い。梵字・素剣・護摩箸・三鈷剣・二筋樋の彫物が、他の相州上工に見られない頻度で施される。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
大磨上の刀の作域— 大磨上無銘の刀(九六口中四七口)。身幅広く元先の幅差が開かず、反り浅くまたは腰反り、中鋒延びごころから大鋒のいわゆるだびらの体配で、南北朝の時代を示す
寸延び平造の短刀・小脇指の作域— 平造・三ツ棟の短刀・小脇指(九六口中四九口)。身幅広く寸延びて重ね薄く浅く反り、多くは生ぶ茎無銘で、先剣形・鑢目勝手下りの茎を「貞宗の掟通り」と評される

鎌倉末の古調の作域

確証はやや弱い「貞宗の作風には太刀、短刀ともに二様ある」と明記される、その早い方。身幅尋常・中鋒の刀と、反りのほとんどない小振りの短刀(稀に細身)で、説明に「古調」と呼ばれる部類

鎌倉末様式を留める部類。身幅尋常・中鋒の刀姿、あるいは反りのほとんどつかない小振りの短刀で、最も小振りの一口は名物太鼓鐘貞宗に共通すると評される。地鉄と穏やかなのたれ・小乱れの刃文は典型と同手で、時代は専ら体配から読まれる。

姿 Sugata
刃文 Hamon

賑やかな部類(飛焼・湯走り、皆焼ごころ)

確証はやや弱い多くは南北朝の寸延び脇指。互の目が目立ち、飛焼・湯走りが散り、帽子は盛んに掃きかけて火焔状となる。「僅かに皆焼風のものもあるが、広光・秋広までには至らない」と明記される

穏やかな主流の傍らに、やや賑やかな部類が立つ。互の目が目立って刃中が賑わい、処々荒沸を交え、刃縁や棟に飛焼・湯走りがかかり、帽子は掃きかけて火焔状となり、皆焼ごころに及ぶ作もある。説明はこの極を慎重に測り、常の作より賑やかながら、広光・秋広の皆焼には至らないとする。

刃文 Hamon
帽子 Bōshi

稀な直刃調の部類

確証はやや弱い「貞宗には直刃は稀」と明記される。少数の直刃調の作は浅くのたれごころを帯び、小互の目が間遠に交じり、国宝の名物伏見貞宗を思わせる刃取りと評される

小さな静の極。直刃調に浅いのたれごころを帯び、小互の目が間遠に交じり、刃縁細かくほつれ、地景豊かな地鉄の上に沸が厚く明るくつく。重要の一口は「直刃出来の典型」と評され、特別重要の短刀はその刃取りが伏見貞宗を思わせるとされる。

刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

「その刀姿にも大別してそれぞれの時代を示す二様があり」「貞宗の作風には太刀、短刀ともに二様ある」と記され、いずれの姿かによって製作年代が読まれる。

通称を彦四郎と称したと記され、太刀・刀を通じて在銘の作が一口もないことと併せて述べられる。

彫物は「大進坊の流れを汲んで、重ね彫を得意とし、これを弟子の信国に伝えた」と記される。

江戸期の折紙が指定に際して改められる例があり、高木貞宗極めの折紙付きの作や行光極めの古鞘書の作が、相州貞宗に極め変えられている。

片切刃造は「殊に貞宗及び江州高木一派はこれを得意としている」とされ、紀州徳川家伝来の切刃貞宗が著名である。享保名物牒所載の名物切刃貞宗は刀で、これとは別物と注記される。

栄誉

享保名物帳Kyōhō Meibutsu Chō (Catalog of Celebrated Blades)

名物19・焼失3・追記2(計24口)

享保4年(1719年)、本阿弥家が八代将軍徳川吉宗に献上した名物刀剣の台帳。平安〜南北朝の刀剣約274口(現存168口+焼失約80口+追記約26口)を刀工別に収載し、号の由来・寸法・代付・伝来を記す。本栄誉は名物帳に作品が所載される刀工に付与され、詳細欄には刊行集計による口数(正確な場合)または所載名物の号を記す。

指定

国宝4
重要文化財12
重要美術品2
御物—
特別重要刀剣23
重要刀剣46

名工ランク

1.13 (指定作品87点)

刀工の上位1%

伝来

伝来記録76件 の鑑定作品における Sadamune

伝来ランク

名家所蔵47点、伝来記録76件

刀工の上位1%

素点:4.77 / 10

刀姿

評価作品87点の分布

銘

評価作品87点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Masamune
Sadamune
弟子(6名)
  1. 1.秋廣Akihiro28指定
  2. 2.信國Nobukuni1 販売中69指定
  3. 3.高木貞宗Takagi Sadamune1 販売中40指定
  4. 4.俊長Toshinaga1 販売中9指定
  5. 5.信國Nobukuni1 販売中
  6. 6.高弘Takahiro

Soshu派

Soshu派の他の刀工

  1. 1.正宗Masamune1 販売中87指定
  2. 2.秋廣Akihiro28指定
  3. 3.義弘Go Yoshihiro2 販売中55指定
  4. 4.國光Kunimitsu4 販売中72指定
  5. 5.廣光Hiromitsu1 販売中45指定
  6. 6.則重Norishige8 販売中132指定
  7. 7.行光Yukimitsu4 販売中151指定
  8. 8.高木貞宗Takagi Sadamune1 販売中40指定
  9. 9.爲繼Tametsugu2 販売中76指定
  10. 10.國廣Kunihiro15指定
  11. 11.大進房Daishinbo3指定
  12. 12.総宗Soso1指定