



この商品の説明文はまだ整理中です。 明倫産業のウェブサイトで説明をご覧ください ↗
金工 · 近江 · 江戸
現在3点販売中
近江八景を表裏に高彫色絵にし、種々の色金を用いた鐔の銘は、作者が彦根中籔に住したことを明らかにする。作者は藻柄子宗典で、説明書は彦根彫の祖、その代表工とする。『装剣奇賞』によれば元来は京都の出身で、後に江州彦根に住し、彦根御家中川北氏の抱え工となって氏を喜多川と改め、初銘を秀典と称したといい、通称を善五郎という。「同名二代あるといい」[[c:2]]、現存する行年紀作等から初代は承応元年(1652年)に生まれ、江戸時代前期から中期にかけて活躍したことがわかる。
その修業は定かでない。説明書の一つは『金工総覧』を引いて「後藤弟子北河秀典製」[[c:10]]と銘した作があるとしながら、「宗典の作には特に後藤家に学んだと見られる大きな特色はない」[[c:3]]と付け加える。他の説明は宗典を「美濃彫より出た彦根彫の代表工であり」[[c:4]]とし、良作には後藤・美濃の風が見られるとし、赤銅地の一枚を同工の美濃風を最もよくあらわしたものとする。
その芸はなにより最も多用する鉄地の鐔にあり、たっぷりとした地の表裏一杯に人物を肉置き豊かな高彫で表す。画題は宗典の鉄地に最も多い武者図のほか、仙人、清雅な遊びに興ずる高士、近江八景などで、各種色金の象嵌色絵を施し、金の種類をも複数使い分ける。百花繚乱の中の高士の鐔について、説明書は「その彫口は、実におおらかでゆったりとしており、観る者を幽玄の世界に誘ってくれる」[[c:5]]とする。近江八景の鐔は率直に評され、「雅味に乏しい憾はあるが、力感に溢れている」[[c:6]]とされる。
説明書は繰り返し、宗典の傑作は一派の透しの作にはないとする。彦根の鐔は武者や竹林の七賢などの透彫が多いが、透しのない高彫象嵌色絵の作に傑作が多い。波に鶴、裏に千鳥を配した赤銅の真丸形鐔について、説明書は「無透の板鐔には比較的優秀作がある」[[c:7]]とする。赤銅魚子地では画面全体に濃密な画題を配し、藻貝図では一つの貝を金と銀に半分ずつ色絵し、十二支図では複数の金を使い分ける。
その賑々しい作柄を説明書は宗典の真骨頂とし、「賑やかに華やかに展開する様はまさに宗典の真骨頂であり」[[c:8]]と記す。賑々しい鐔は行き過ぎの感も否めないことがあるが、「宗典の手にかかると不思議と行き過ぎ感がないばかりか、品格をも兼ね備えた豪華な優鐔となるのである」[[c:9]]という。
記録に残る十枚はいずれも重要刀装具の鐔で、後年の指定のうち二枚は行年銘をもち、説明書はこれを貴重とする。また名があまりにも有名であったために後代の彦根彫の作品に宗典の刻銘が多用され、土産物といわれる粗悪な作品にも刻銘されていると注意する。自身銘をもち濃密な高彫を備えた一枚こそ蒐集家の求めるもので、市場に現れるのは時折のことである。
宗典の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
金工 · 近江
現在32点販売中
彦根派は、近江国彦根に興った刀装具の一流派であり、その彫法は世に彦根彫の名をもって知られる。開祖は藻柄子入道宗典で、『装剣奇賞』によれば元来は京都の出身と伝えられ、後に江州彦根に移住して彦根彫の祖となったという。彦根御家中川北氏の抱え工となり、氏を喜多川(喜多河)と改め、初銘を秀典と称した。同名二代があるといい、現存する行年紀作などから初代は承応元年に生まれたことが知られ、その活躍期は江戸時代前期から中期にかけてである。美濃彫の流れを汲むとも伝えられ、作風に後藤風、美濃風が見られるとする見解もある。宗典の門からは野村包教をはじめとする有力な作者が輩出し、包教は宗典門第一の上手と称され、同派の有力な分派として独自の地位を確立した。 作風は、鉄地または赤銅魚子地を用い、鋤出高彫に金・銀・赤銅・素銅などの各種の色金を駆使した象嵌色絵をもって飾るものが多い。たっぷりとした地の表裏画面一杯に主題を肉置き豊かな高彫で表し、各種の色金にかつ金の種類をも複数使用して、壮大な画面に仕立てる点に大きな特色がある。題材は武者、竹林の七賢、花鳥、藻貝尽くし、唐人物、群仙図、十二支など多岐にわたり、また『源氏物語』の「明石」や『小督』の物語に取材した作例も見られる。賑やかに華やかに展開する様はまさに宗典の真骨頂であり、その彫口はおおらかでゆったりとしており、観る者を幽玄の世界に誘うと評される。包教もまた、大胆な構成力と繊細な色がね象嵌をもって画面を広く使い物語を演出し、師の作風を継承しつつ独自の魅力を加えた。 彦根派の作は、その濃密な彫法によって名を馳せ、宗典は代表工として多くの鐔好きを魅了した。ともすれば賑々しい鐔は行き過ぎの感を否めないこともあるが、宗典の手にかかると不思議と行き過ぎ感がないばかりか、品格をも兼ね備えた豪華な優鐔となる。包教の作もまた、師である宗典の傑作に勝るとも劣らない出来と評され、その白眉と見られる一枚も伝えられている。一方、宗典の名はあまりにも有名であったために、後代の彦根彫の作品に宗典の刻銘が多用され、土産物といわれる粗悪な作品にまで刻銘されているのが現実である。それゆえ真作においては、賑々しい作柄に品格を兼ね備えた豪華な優鐔が多く、行年銘が貴重であり、保存状態が良いことも好ましい評価の点とされる。 詳しく見る →
お客様ご都合による返品の場合はお客様ご負担となります。ご了承くださいませ。弊社の誤送、商品不良等による返品の場合は弊社にて負担いたします。