江戸金工、横谷一門菊岡派、雲水軒利信の重要刀装具指定作品。 利信は島根清次郎と称し、菊岡光利の門人で、雲水軒と号しており、一門中でも優れた技量を有した名工として知られている。本作は麒麟図の大小揃金具で、整然とした下地に彫口鋭く大模様に描かれた麒麟の紋は一つずつ姿態を変え、流石の技量を示している。大小揃いの本作は彼の代表傑作として知られるもので福士 繁雄氏著「刀装具 町彫 名品聚成」にて紹介されその技量の高さを賞賛されている。
利信は、菊岡光利の門人で、島根清次郎と称し、雲水軒と号した。作風は菊岡流の堅実な彫法で、縁頭・目貫・小柄 等を製作したが、その現存作は少ない 本作は霊獣の筆頭とされる麒麟図の大小揃金具で、大小鐔・小柄・笄・大小縁頭共に赤銅魚子地に金紋、小柄・笄は裏 を哺金にするなど、すべてが菊岡流であり、彫口も緻密である。同工の数少ない遺例として、またその技術の高さを知る 上に於ても貴重な作である。








利信
江戸
第48回重要刀装具 (NBTHK)
利信は、菊岡光利の門人で、島根清次郎と称し、雲水軒と号した。作風は菊岡流の堅実な彫法で、縁頭・目貫・小柄等を製作したが、その現存作は少ない本作は霊獣の筆頭とされる麒麟図の大小揃金具で、大小鐔・小柄・笄・大小縁頭共に赤銅魚子地に金紋、小柄・笄は裏を哺金にするなど、すべてが菊岡流であり、彫口も緻密である。同工の数少ない遺例として、またその技術の高さを知る上に於ても貴重な作である。
町彫 · 1670頃
現在2点販売中
利信の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
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町彫 · Edo
現在12点販売中
菊岡派は、横谷派柳川直光の門人である菊岡光行(活剣子)が江戸に樹立した町彫の一流派である。光行は寛延三年(一七五〇)神田鍛冶町に生まれ、柳川家の薫陶を得て大成した後、独立して菊岡派の祖となった。実弟の菊岡光政(宝暦九年生、文政七年歿)もまた柳川直光の門に学び、独立後は神田於玉ヶ池に住して探良斎・一箕菴・珉涼と号した。光行・光政の兄弟は江戸の有力金工であるとともに、俳諧師としても著名な文化人であり、共に父祖からの譲り名「沾涼」を号とした。光行はさらに「活剣子」の号を愛用し、寛政十二年(一八〇〇)五十一歳で没している。二代目は光行の子・光朝が継ぎ、三代目の光重は元来柳川直光の門人であったが光行の養子となり、光朝歿後に菊岡家を継承した。光政の子・菊岡光利は通称左平次、南仙斎また晩年は沾遊と号し、文久三年(一八六三)に歿した。さらに光利の門人に雲水軒利信(島根清次郎)がおり、また高松藩の抱え工・乗雲斎茂義は光重に学んで江戸で光重の娘と結婚するなど、横谷―柳川―菊岡と連なる町彫主軸の系譜は幕末まで途絶えることなく受け継がれた。 菊岡派の作風は、赤銅魚子地に金紋を施し、裏哺金とする構法を基本とし、目貫には金無垢地の容彫工法を用いる点に一貫した特徴がある。彫法は横谷風の高彫色絵・据文を主体とし、審査において繰り返し「精巧堅実な彫技」と評される周到かつ力強い鏨使いを旨とする。題材は獅子を最も得意とし、その姿態は「横谷獅子」「柳川獅子」に近いとされるほど本流の風格を備える。獅子のほか動物・鳥類・人物・麒麟等の霊獣、さらには式三番の能道具に戯れる鼠、仁王と朝比奈の力競、舞鶴、親子鶏、虎、初春の吉祥図など、町彫らしい垢抜けた画題を幅広く手がけた。三所物・二所物といった揃金具を得意の形式とし、小柄・笄には赤銅魚子地金紋裏哺金、目貫には金無垢容彫という構法で統一する例が多い。兄弟の合作も知られ、光行が金無垢容彫の目貫を製作し光政が赤銅魚子地の小柄・笄を彫り足した獅子図三所物は、「菊岡流の精悍な獅子の見所を遺憾なく発揮」[[c:3]]したものと称えられている。 菊岡派は横谷―柳川と連なる町彫主軸の正統な継承者として、その技量と格調において高い評価を受けている。光行の作風は「宗珉、柳川派によく似ており、技術も宗珉に迫るほどのものもある」[[c:4]]と評され、とりわけ総金無垢造の獅子図二所物は「斬新で力強さに光行の本領がうかがえる」[[c:5]]とされた。猛禽図鐔は「菊岡光行の最高作の一枚」[[c:6]]として、高彫色絵の象嵌と巧みな表裏構図が称賛されている。光利の虎三所物を用いた腰刀拵は「後藤家に範をとった町彫の上手」[[c:7]]の力作と位置づけられ、光利の獅子図三所物は「横谷―柳川―菊岡と続く町彫主軸の力量を感じさせる見事な出来映え」と評された。利信の麒麟図大小揃金具のように現存作が少ない工人の遺例も、「菊岡流」の彫口の緻密さとその技術の高さを伝える貴重な作として重んじられている。審査の説示が一貫して強調するのは、菊岡派が横谷・柳川の系統に位置する流派として、その「精巧堅実な彫技」を「遺憾なく発揮」している点であり、江戸町彫の本流たる格調と技術的練達がこの一門の本質的な価値として認められている。 詳しく見る →
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,348口(約202口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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