備中国古青江経義 指定:重要刀剣 鑑定書:重要刀剣指定書、保存刀剣鑑定書 備中国経義。 本作は磨上げながらも二字銘が残されています。銘鑑によれば、経義は文永頃(1264〜1275年)に活躍した古青江の工とされていますが、私の知る限り、現存する作はこの一口のみと思われます。銘振りにやや古雅な趣を欠く感はあるものの、地刃の出来映えを併せ見れば、鎌倉時代後期の備中鍛冶によるものと首肯されます。 鍛えは精良な小板目に乱映りが立ち、焼刃は匂口明るく冴えた小沸出来の直刃調。刃中には足・葉が繁く入り、所々で縞状の様相を呈しています。青江派らしい洗練された雅致を感じさせる傑作です。 刃長:約61.5cm 令和四年(壬寅)春 探山(田野辺道宏)識 + 花押 【重要刀剣解説(第68回重要刀剣等審査)】 太刀 銘:経義(古青江) 【寸法】 長さ:61.6 cm 反り:1.2 cm 元幅:2.4 cm 先幅:1.65 cm 切先長:2.4 cm 茎長:18.25 cm 茎反り:0.2 cm 【形状】 鎬造、庵棟、身幅細く、元先の幅差少なく、重ね尋常。反りやや深く、中切先。 【鍛え】 小板目肌つみ、地沸厚くつき、細かな地景入り、乱映りに所々筋映り交じり段映りとなる。 【刃文】 小沸出来の直刃調に、小互の目・小丁子交じり、足・葉繁く入り、所々連れて縞状を呈し、僅かにほつれかかる。匂口明るく冴える。 【帽子】 直に、焼き出し遅く、先尖りごころに丸く返る。 【彫物】 表に二筋樋、裏に棒樋をそれぞれ掻き流す。 【茎】 磨上げ、刃上がり栗尻。鑢目不明(磨上げ部分は筋違)。目釘孔五。佩裏の中程、第四孔の下に大振りの二字銘がある。







備前伝 · 備中 · 987-1596頃
現在1点販売中
備前伝 · 備中
時期区分: 古青江· 1100–1235
現在3点販売中
古青江は、備中国高梁川下流域の青江・万寿の地を本拠とした青江派のうち、平安時代末期から鎌倉時代中期頃までのものを特に汎称する一作風期である。備中国は古くより鉄の産地として知られ、十一世紀初頭の往来物『新猿楽記』も諸国の名産物を列記する中に「備中ノ刀」を挙げており、その高い評価を受けつぐ刀工が高梁川下流域の子位庄・万寿庄を中心に活躍した。青江派は承安頃の安次を祖として始まると伝え、以後南北朝時代後期に至るまで大いに繁栄したが、その初期にあたるこの一群が古青江である。代表的な刀工としては守次・為次・次家・次忠・貞次・康次・包次・恒次・俊次・助次・守利等がおり、その多くが「次」の字を通字としている。これに対し、則高・正恒・安家・守恒など「次」の字を用いない妹尾鍛冶も同国に存し、両者は今日一括して青江鍛冶と呼称される。 作風は、鍛えに杢目が目立ち、やや肌立ち気味で、いわゆる縮緬状の肌合となる点に最大の標識がある。板目に杢を交え、総体に細かく肌立って縮緬肌を呈し、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに頻りに入り、澄肌や地斑を交えるものが多い。映りは地斑映り風あるいは乱れ映りとなって立つ。刃文は直刃を基調とし、小乱れ・小丁子・小互の目などを交え、足・葉がよく入り、よく沸づき、金筋・砂流しが細かにかかる。匂口は沈みごころとなるものが多いが、中には締まりごころに明るく冴えるものもある。帽子は直ぐに小丸ごころ、あるいは掃きかけて焼詰め風となる。総じて同時代の備前物に比べると幾分地味で渋い味わいを醸す点に一派の特色が窺われる。茎の様式も診処として重要であり、銘を佩裏に切り、鑢目が大筋違となる点は古備前などと相違するところである。 評価において、古青江は同時代の古備前物に類似しつつも、縮緬肌と沈みごころの匂口に独得の渋い雅味を有し、日本刀の一作風期として古来高く重んじられてきた。康次には童子切安綱・大包平らと共に天下五剣の一に列する島津家重代の長寸の太刀があり、これは古青江としては無類の大出来で華やかな乱刃を示す名物として名高い。恒次には日蓮上人護法の太刀として知られる「名物数珠丸」がある。貞次・恒次・次家は後鳥羽院番鍛冶に数えられ、その名跡は青江鍛冶の主流として南北朝期まで継承された。守次は安次の子と伝え、爾来同銘が南北朝時代まで続き、その銘字には逆鏨を交えた打ち込みの強い楷書風のものから暢達な草書風のものまで数種が知られる。現存する有銘作は概して僅少であり、生ぶ在銘の遺例は資料的にも頗る貴重とされる。地刃の健全な作例は、同派及び各工を研究する上で資料的価値が極めて高く、深い味わいをもって今日なお珍重されている。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト備中国古青江経義 指定:重要刀剣 鑑定書:重要刀剣指定書、保存刀剣鑑定書 備中国経義。 本作は磨上げながらも二字銘が残されています。銘鑑によれば、経義は文永頃(1264〜1275年)に活躍した古青江の工とされていますが、私の知る限り、現存する作はこの一口のみと思われます。銘振りにやや古雅な趣を欠く感はあるものの、地刃の出来映えを併せ見れば、鎌倉時代後期の備中鍛冶によるものと首肯されます。 鍛えは精良な小板目に乱映りが立ち、焼刃は匂口明るく冴えた小沸出来の直刃調。刃中には足・葉が繁く入り、所々で縞状の様相を呈しています。青江派らしい洗練された雅致を感じさせる傑作です。 刃長:約61.5cm 令和四年(壬寅)春 探山(田野辺道宏)識 + 花押 【重要刀剣解説(第68回重要刀剣等審査)】 太刀 銘:経義(古青江) 【寸法】 長さ:61.6 cm 反り:1.2 cm 元幅:2.4 cm 先幅:1.65 cm 切先長:2.4 cm 茎長:18.25 cm 茎反り:0.2 cm 【形状】 鎬造、庵棟、身幅細く、元先の幅差少なく、重ね尋常。反りやや深く、中切先。 【鍛え】 小板目肌つみ、地沸厚くつき、細かな地景入り、乱映りに所々筋映り交じり段映りとなる。 【刃文】 小沸出来の直刃調に、小互の目・小丁子交じり、足・葉繁く入り、所々連れて縞状を呈し、僅かにほつれかかる。匂口明るく冴える。 【帽子】 直に、焼き出し遅く、先尖りごころに丸く返る。 【彫物】 表に二筋樋、裏に棒樋をそれぞれ掻き流す。 【茎】 磨上げ、刃上がり栗尻。鑢目不明(磨上げ部分は筋違)。目釘孔五。佩裏の中程、第四孔の下に大振りの二字銘がある。







備前伝 · 備中 · 987-1596頃
現在1点販売中
備前伝 · 備中
時期区分: 古青江· 1100–1235
現在3点販売中
古青江は、備中国高梁川下流域の青江・万寿の地を本拠とした青江派のうち、平安時代末期から鎌倉時代中期頃までのものを特に汎称する一作風期である。備中国は古くより鉄の産地として知られ、十一世紀初頭の往来物『新猿楽記』も諸国の名産物を列記する中に「備中ノ刀」を挙げており、その高い評価を受けつぐ刀工が高梁川下流域の子位庄・万寿庄を中心に活躍した。青江派は承安頃の安次を祖として始まると伝え、以後南北朝時代後期に至るまで大いに繁栄したが、その初期にあたるこの一群が古青江である。代表的な刀工としては守次・為次・次家・次忠・貞次・康次・包次・恒次・俊次・助次・守利等がおり、その多くが「次」の字を通字としている。これに対し、則高・正恒・安家・守恒など「次」の字を用いない妹尾鍛冶も同国に存し、両者は今日一括して青江鍛冶と呼称される。 作風は、鍛えに杢目が目立ち、やや肌立ち気味で、いわゆる縮緬状の肌合となる点に最大の標識がある。板目に杢を交え、総体に細かく肌立って縮緬肌を呈し、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに頻りに入り、澄肌や地斑を交えるものが多い。映りは地斑映り風あるいは乱れ映りとなって立つ。刃文は直刃を基調とし、小乱れ・小丁子・小互の目などを交え、足・葉がよく入り、よく沸づき、金筋・砂流しが細かにかかる。匂口は沈みごころとなるものが多いが、中には締まりごころに明るく冴えるものもある。帽子は直ぐに小丸ごころ、あるいは掃きかけて焼詰め風となる。総じて同時代の備前物に比べると幾分地味で渋い味わいを醸す点に一派の特色が窺われる。茎の様式も診処として重要であり、銘を佩裏に切り、鑢目が大筋違となる点は古備前などと相違するところである。 評価において、古青江は同時代の古備前物に類似しつつも、縮緬肌と沈みごころの匂口に独得の渋い雅味を有し、日本刀の一作風期として古来高く重んじられてきた。康次には童子切安綱・大包平らと共に天下五剣の一に列する島津家重代の長寸の太刀があり、これは古青江としては無類の大出来で華やかな乱刃を示す名物として名高い。恒次には日蓮上人護法の太刀として知られる「名物数珠丸」がある。貞次・恒次・次家は後鳥羽院番鍛冶に数えられ、その名跡は青江鍛冶の主流として南北朝期まで継承された。守次は安次の子と伝え、爾来同銘が南北朝時代まで続き、その銘字には逆鏨を交えた打ち込みの強い楷書風のものから暢達な草書風のものまで数種が知られる。現存する有銘作は概して僅少であり、生ぶ在銘の遺例は資料的にも頗る貴重とされる。地刃の健全な作例は、同派及び各工を研究する上で資料的価値が極めて高く、深い味わいをもって今日なお珍重されている。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,307口(約203口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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