古青江

青江派派の中

1100–1235

押形 — 青江 school
特重巻 4, 番 38

概要

古青江は、備中国高梁川下流域の青江・万寿の地を本拠とした青江派のうち、平安時代末期から鎌倉時代中期頃までのものを特に汎称する一作風期である。備中国は古くより鉄の産地として知られ、十一世紀初頭の往来物『新猿楽記』も諸国の名産物を列記する中に「備中ノ刀」を挙げており、その高い評価を受けつぐ刀工が高梁川下流域の子位庄・万寿庄を中心に活躍した。青江派は承安頃の安次を祖として始まると伝え、以後南北朝時代後期に至るまで大いに繁栄したが、その初期にあたるこの一群が古青江である。代表的な刀工としては守次・為次・次家・次忠・貞次・康次・包次・恒次・俊次・助次・守利等がおり、その多くが「次」の字を通字としている。これに対し、則高・正恒・安家・守恒など「次」の字を用いない妹尾鍛冶も同国に存し、両者は今日一括して青江鍛冶と呼称される。

作風は、鍛えに杢目が目立ち、やや肌立ち気味で、いわゆる縮緬状の肌合となる点に最大の標識がある。板目に杢を交え、総体に細かく肌立って縮緬肌を呈し、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに頻りに入り、澄肌や地斑を交えるものが多い。映りは地斑映り風あるいは乱れ映りとなって立つ。刃文は直刃を基調とし、小乱れ・小丁子・小互の目などを交え、足・葉がよく入り、よく沸づき、金筋・砂流しが細かにかかる。匂口は沈みごころとなるものが多いが、中には締まりごころに明るく冴えるものもある。帽子は直ぐに小丸ごころ、あるいは掃きかけて焼詰め風となる。総じて同時代の備前物に比べると幾分地味で渋い味わいを醸す点に一派の特色が窺われる。茎の様式も診処として重要であり、銘を佩裏に切り、鑢目が大筋違となる点は古備前などと相違するところである。

評価において、古青江は同時代の古備前物に類似しつつも、縮緬肌と沈みごころの匂口に独得の渋い雅味を有し、日本刀の一作風期として古来高く重んじられてきた。康次には童子切安綱・大包平らと共に天下五剣の一に列する島津家重代の長寸の太刀があり、これは古青江としては無類の大出来で華やかな乱刃を示す名物として名高い。恒次には日蓮上人護法の太刀として知られる「名物数珠丸」がある。貞次・恒次・次家は後鳥羽院番鍛冶に数えられ、その名跡は青江鍛冶の主流として南北朝期まで継承された。守次は安次の子と伝え、爾来同銘が南北朝時代まで続き、その銘字には逆鏨を交えた打ち込みの強い楷書風のものから暢達な草書風のものまで数種が知られる。現存する有銘作は概して僅少であり、生ぶ在銘の遺例は資料的にも頗る貴重とされる。地刃の健全な作例は、同派及び各工を研究する上で資料的価値が極めて高く、深い味わいをもって今日なお珍重されている。

指定

166 指定 · 26 名工数

指定の位置づけ

重み付け指定指数 1.39(指定 126 点)

青江の3時期中で最上位

青江流派全体(0.95)を上回る

伝来

伝来記録のある作品 30 点

伝来の位置づけ

伝来指数 2.95(伝来 30 点)

青江の3時期中 第2位

青江流派全体(4.03)を下回る

代表工

上位指定の希少度で順位付け

  1. 1.正恒1213-121931
    流派内 18.7%
  2. 2.康次1211-121310
    流派内 6%
  3. 3.包次1211-12139
    流派内 5.4%
  4. 4.恒次1207-121112
    流派内 7.2%
  5. 5.守利1224-122510
    流派内 6%
  6. 6.爲次1184-12107
    流派内 4.2%
  7. 7.俊次1211-12136
    流派内 3.6%
  8. 8.次忠1232-12336
    流派内 3.6%
  9. 9.貞次1184-11854
    流派内 2.4%
  10. 10.弘次1184-11855
    流派内 3%
  11. 11.是友1207-12114
    流派内 2.4%
  12. 12.貞次1225-12274
    流派内 2.4%
  13. 13.是介1190-11993
    流派内 1.8%
  14. 14.次家1207-12112
    流派内 1.2%
  15. 15.延次1206-12072
    流派内 1.2%
  16. 16.是重1233-12341
    流派内 0.6%
  17. 17.国行1199-12011
    流派内 0.6%
  18. 18.貞綱1150-11851
    流派内 0.6%
  19. 19.眞守1219-12221
    流派内 0.6%
  20. 20.恒清1232-12331
    流派内 0.6%

現在の出品

青江派の他の時期