説明

番号:25619 刀:白鞘入り(第41回重要刀剣指定品) 銘:無銘(近景) 鞘書き:田野辺先生 第41回重要刀剣審査において重要刀剣に指定。 備前国長船近景。 大磨上無銘。 近景は長光の門人で、景光とは同門の間柄である。 本作は板目肌に乱れ映りが立ち、刃文は直調に角ばった互の目が交じり、小互の目、小丁子を交えて、やや逆がかった様相を呈する。 一見すると景光に似るが、地沸が厚く地景が入り肌立ちごころとなる地鉄や、芯が尖りごころとなる帽子などに着目すれば、同工の作と鑑せられる。 同工の作品中でも屈指の優品であり、時代は建武頃と推定される。 長さ:2尺3寸1分(約70.0cm) 識:昔季己辰暦南月 探山識 古刀:中作 良位:良業物 評価:上々作 国:備前 (弊社では刀剣の出来を最上作、上々作、上作、普通作の四段階に評価しております。本作は近景の無銘として最上作の出来映えです。) ハバキ:金無垢二重ハバキ(48グラム) 長さ:70.0 cm 反り:5分0厘(1.52 cm) 目釘穴:1個 元幅:3.08 cm 先幅:2.32 cm 重ね:0.60 cm 刀身重量:720 グラム 時代:鎌倉時代 文保頃(1317年頃) 体配:身幅広く重ね厚く、表裏に棒樋を掻き通し、切先がやや延びたバランスの良い姿。 地鉄:小板目肌よく詰み、映りが鮮明に現れる。 刃文:動きのある逆がかった互の目乱れ。帽子は三作風となり、浅くのたれて返る。 特徴: 本作は、以前弊社で取り扱った特別重要刀剣の近景と極めて似通った刃文を焼いており、同工の特色が顕著に示された傑作です。

Katana:Mumei (Unsigned), attributed to Chikakage.(The 41st NBTHK Juyo Token)

Katana:Mumei (Unsigned), attributed to Chikakage.(The 41st NBTHK Juyo Token)

¥8,500,000

世界81社の刀剣商を横断追跡 · 価格履歴 · 売却アーカイブ

仕様

長さ

70 cm

反り

1.52 cm

元幅

3.08 cm

先幅

2.32 cm

作者について

Osafune Chikakage近景

1 国宝3 重要文化財4 重要美術品14 特別重要刀剣64 重要刀剣

近景は、一門の中で景光に最も近く立つ工である。「長光の門人と伝え」、現存する年紀は鎌倉時代末期の正和・文保から南北朝時代初期の貞和に及び、活躍期を景光とほぼ同じくして少しく後輩にあたる。景光の在銘作の中には近景と全く同調の銘振りのものがあり、近景が代銘したものとみられるなど、「両者の関係は極めて密接であったものと推察される」。近景を知るとは、まず、仕えた名手との僅かな違いを知ることである。 姿は鎌倉時代末期の備前太刀の典型で、磨上ながらも腰反りが高くつき、先へも反りが加わり、中鋒に結ぶ。身幅は尋常ないしやや広く、南北朝に傾く晩年の作は身幅広く長寸となり、薙刀直しや大鋒のものもある。地鉄は板目に杢・流れ肌を交えてやや肌立ちごころとなり、地沸が微塵に厚くつき、地景が入り、乱れ映りが鮮明に立つ。処々地斑調の肌合を交えることもある。 景光の精良でよく詰んだ肌合に対して、近景はやや肌立ち、時に大肌を交えてやや不揃いの鍛えとなる点が一つの別である。もっとも出来のよいものは、説明書がいう通り「地がねが常に比して細かで精緻」であり、地鉄そのものの美しさは特筆すべきものがある。刃文は直刃・中直刃を基調に小丁子・小互の目・片落ち風の互の目などを交え、総体に逆がかり、足・葉がよく入って逆足を見せ、匂口明るく小沸つき、金筋・砂流しがかかる。逆がかる刃と肌立つ鍛えは、景光と分かつ確かな手掛かりとなる。 帽子こそ旧来の見立てが誤った所であり、また資料の最も明快な所である。最も多いのは小丸で、横手上で立ち上がって浅く返るものが多く、「帽子浅くのたれ込み小丸」と記される。これに「帽子の先が尖りごころとなるもの」が次ぎ、さらに焼詰めとなるものや、薙刀直しに見るように「帽子乱れ込み、焼詰め風となる」ものがある。旧説のいう誇張された三作帽子は一部の作の誇張に過ぎず、section単位の事実は小丸を主調に尖り・焼詰め・乱れ込みを交える帽子であって、実用の鑑定はこれを携えるべきである。 収集の観点では、近景は藤代の極めで上々作に列する。沸は景光に見ないほど強く、銘は逆鏨で切られ、「逆鏨を多用した銘字も典型的である」と評される。これが地刃の見どころと併せて資料的な決め手となる。指定作は確かで層も厚く、国宝一口・重要文化財三口を数え、特別重要・重要の各刀剣を多く擁する。その所伝は上杉謙信および上杉家、徳川将軍家、伊達家など第一級の諸家に及んでいる。近景は景光の不可欠な影であり、景光をほぼ完璧に映すその手こそ、かの長船の大工房がいかに緊密であったかの何よりの証である。

刀剣商

葵美術

aoijapan.com

¥8,500,000

葵美術で見る