本作は、その圧倒的な長大さと身幅の広さが目を引く、正に壮観な一振りです。 二尺六寸(約79cm)を超える長寸の古刀は極めて稀少であり、愛刀家垂涎の的と言えるでしょう。 刃文は、互の目に丁子を交えたこの刀工の最も得意とする作域を示し、砂流し、金筋、沸が厚く絡む見事な出来映えです。 地肌は、この時代の刀剣としては類を見ないほどの奥行きがあり、板目、肌目に木目、そして精緻な松皮肌が渾然一体となって織りなす地景と地沸の美しさは、華やかな刃文を引き立てる最高の背景となっています。 写真ではこの鋼の真の美しさを伝えきれず、ぜひ手に取って鑑賞していただきたい逸品です。 研磨は差し込み研ぎが施されており、本作の持つ独特の働きを鮮明に映し出しています。 帽子は小丸に掃き掛け。 体配は大磨上げながら、二つの目釘孔を有し、一見すると初銘のような姿を保っています。 彫物は圧巻で、表に「素の剣巻龍(真の繰り龍)」、裏には「双樋に梵字」が精緻に彫り込まれています。 拵もまた、この名刀に相応しい豪華な意匠です。 合戦図を描いた金具は保存状態が極めて良く、正絹の紺糸で施された柄巻と下げ緒、そして石目地の茶漆塗鞘が、刀身の彫物と見事に調和しています。 鉄地の木瓜形唐草文様を透かした意匠の鍔には、深い雲取りの彫り。 目貫は表裏に瞑想する仏像を配しています。 鮫皮は時代を経て美しい時代色(パティーナ)を帯びており、全体として非常に格調高い仕上がりです。 ハバキと切羽は金着で、仏教の卍(まんじ)文様が施され、シトドメに至るまで金一色で統一されています。 本作は最上研磨済みで、白鞘、拵用の繋ぎ、鑑定書が付属します。 【藤代名鑑より】 相州広次(文明十四年頃、相模)末古刀・上作 正広、助広らと共に相州伝を再興した名工であり、現存する広次の作品はこの工に始まるとされる。 刀、短刀の遺例があり、刃文は乱れ、互の目丁子、彫物のあるものも多い。 銘:相州住広次作、広次(508頁) 相州広次(永正頃、相模)末古刀・上作 文明広次の子。明応から永正にかけての作があるが、文明広次と同人と見る説もある。 刃文は互の目丁子、または匂口締まった直刃。梵字や素剣の彫物も見られる。 銘:広次、相州住広次作 【詳細】 銘:無銘(相州広次帰属) 時代:古刀(1500年代・室町後期) 長さ:31-1/8 インチ(約79.0cm) 反り:16.0 mm 元幅:39.2 mm 先幅:21.2 mm 元重:7.21 mm 造り:鎬造 棟:庵棟 茎:大磨上げ 鍛え:板目肌 刃文:互の目 帽子:小丸 状態:最上差し込み研ぎ済み 明応年間、多くの刀工が小田原へと移住しました。彼らは北条早雲の庇護を受け、「小田原相州」と呼ばれる一派を形成しました。 相州広次は室町時代後期における相州伝の第一人者の一人です。 初代広次は文明年間(1469-1486年)に活躍し、二代目は永正年間に相模の地で相州伝を継承しました。 本作は大磨上げながら、文明期特有の長大な体配を彷彿とさせ、その豪壮かつ優美な姿はコレクターの間で高く評価されています。 特に彫物の出来が素晴らしく、本作の「素の繰り龍」は、簡略化されつつも洗練された極めて質の高い作例です。 華やかな地鉄と類稀なる刃文の調和は、正に室町相州伝の白眉と言えるでしょう。 本刀は先般の審査を通過したばかりです。現在はワークシート(合格通知)の状態ですが、数ヶ月以内に正式な鑑定書が発行され、所有者様へお届けいたします。 特筆すべき点として、今回の審査では通過作品の95%が70点以下という厳格な基準の中、本作は71点という高得点を獲得しており、その品質の高さが公に証明されています。





相州伝 · 相模
現在16点販売中
末相州は、相模国に興った相州伝が、正宗とその後を継いだ広光・秋広らの南北朝の頂点を過ぎた後、室町期に至ってなお同地に伝えられた一群を指す。その手は鎌倉と小田原の二つの面に分かれ、室町中期には広正の名が南北朝期から数代にわたって連綿と切られて系の中核をなし、室町後期には後北条氏の庇護のもとに小田原へ拠点が移る。説明書は、天文年間に活躍した初代綱広を広正の子孫と伝え、初銘を正広といい、北条氏綱に召されて小田原に住し綱の一字を賜って改銘したと記す。以後、綱広・綱家らが小田原八幡山に代々続いて後北条氏に仕え、相州住の五字銘を低く切る在銘・生ぶの作を遺した。鎌倉に残って正宗以来の地に鍛えた正広のごとき手と、小田原に移って北条のもとに鍛えた一群とが併存し、後者を総称して小田原相州と呼ぶ。説明書はこの一派を、相州伝の掉尾を飾る工として位置づける。 作風は、肌立った板目に杢目・流れ肌を交えた相州の地鉄に、皆焼を本領とする点を共通の語法とする。互の目乱れに丁子・矢筈の刃・尖り刃・小のたれを交え、先へ刃幅を増して焼き、飛焼・湯走り・棟焼を地に及ぼして総体に皆焼となる態で、匂口は締まりごころに小沸よくつき、足・葉入り、砂流しを交える。この皆焼は広光・秋広以来の手と伝えられ、説明書は綱広をその系譜に置きつつ、現存作にあって彼らとは形状を異にすると明記して、襲ぐ名手その人とその手とを区別する。彫物もまた一派を貫く見どころで、真および草の倶利迦羅、梵字、三鈷剣、護摩箸、蓮台、八幡大菩薩や南無妙法蓮華経の陰刻文字を表裏に密に施し、樋中・櫃中の浮彫を得意とする。中でも総宗は彫の巧緻において長く名があり、末相州独特の構図の倶利伽羅を据える。古典相州の頂点と分かつのは、沸の深さと鉄の冴えにおける差であって、小田原の手は締まりごころの匂勝ちの匂口に角がかる互の目を複式・腰開きの態に焼き、地は肌立ちながらも締まる傾きを見せ、姿は短寸に先反りつくものが多い。一派のうちでも振れ幅があり、皮焼の手前の互の目交りの小乱れに控える静かな作から、棟焼まで覆う厚い華やかな皆焼に開く作までを含む。 鑑定の勘どころは、この一群を古典相州の名作から分かつところにある。すなわち、沸の冴えにおいて南北朝の頂点に一歩を譲りつつ、肌立つ板目杢に角がかり複式に傾く互の目乱れと、信仰に基づく緻密な彫物とを併せ持つ点を読む。主要工としては、室町中期に系の中核を定めた広正、相州伝の最末に立って皆焼と矢筈の刃を本領とし知名度も技量も高いとされる初代綱広、これと並び称せられて皆焼と彫物に優れた綱家が挙げられ、彫の巧緻によって一派から分かたれる総宗がこれに続く。鎌倉の面に立つ正広は南北朝以来の系を室町に伝え、皆焼風の乱れと彫物を遺す。なお江戸期の清平は加州兼若の系から稲葉家の抱工として小田原に転じた工で、相州在住の点で一派の名に連なるが、その作風は柾がかる加州物を基盤として別系をなす。伝来は概して大名家や寺社の格別な来歴を伴わず、その品位を支えるのは名高い由緒よりも、説明書が一口ごとに称える彫と鉄の質、そして在銘・生ぶに達した室町相州の稀少にある。在銘年紀の作はことに各代を読み分ける基準作となり、末期相州を学ぶ者にとって、相州伝の室町の様相を一口のうちに収める手がかりとなる。
販売店の出品ページで鑑定書を確認できませんでした。日本刀および刀装具は通常、NBTHK(または NTHK)の鑑定を受けます。鑑定書がない場合、極めは販売店の見解にとどまり、第三者による確認は行われていません。ご購入前に販売店へ鑑定書の有無をお問い合わせのうえ、慎重にご判断ください。
We offer a 48 hour inspection period for all Antique items shipped within the United States only. If the item is not to your satisfaction, we will gladly refund your money less any shipping and handling fees. All sales are final after the 48 hour inspection period. Please note that all discounted items are a final sale and not returnable.
本作は、その圧倒的な長大さと身幅の広さが目を引く、正に壮観な一振りです。 二尺六寸(約79cm)を超える長寸の古刀は極めて稀少であり、愛刀家垂涎の的と言えるでしょう。 刃文は、互の目に丁子を交えたこの刀工の最も得意とする作域を示し、砂流し、金筋、沸が厚く絡む見事な出来映えです。 地肌は、この時代の刀剣としては類を見ないほどの奥行きがあり、板目、肌目に木目、そして精緻な松皮肌が渾然一体となって織りなす地景と地沸の美しさは、華やかな刃文を引き立てる最高の背景となっています。 写真ではこの鋼の真の美しさを伝えきれず、ぜひ手に取って鑑賞していただきたい逸品です。 研磨は差し込み研ぎが施されており、本作の持つ独特の働きを鮮明に映し出しています。 帽子は小丸に掃き掛け。 体配は大磨上げながら、二つの目釘孔を有し、一見すると初銘のような姿を保っています。 彫物は圧巻で、表に「素の剣巻龍(真の繰り龍)」、裏には「双樋に梵字」が精緻に彫り込まれています。 拵もまた、この名刀に相応しい豪華な意匠です。 合戦図を描いた金具は保存状態が極めて良く、正絹の紺糸で施された柄巻と下げ緒、そして石目地の茶漆塗鞘が、刀身の彫物と見事に調和しています。 鉄地の木瓜形唐草文様を透かした意匠の鍔には、深い雲取りの彫り。 目貫は表裏に瞑想する仏像を配しています。 鮫皮は時代を経て美しい時代色(パティーナ)を帯びており、全体として非常に格調高い仕上がりです。 ハバキと切羽は金着で、仏教の卍(まんじ)文様が施され、シトドメに至るまで金一色で統一されています。 本作は最上研磨済みで、白鞘、拵用の繋ぎ、鑑定書が付属します。 【藤代名鑑より】 相州広次(文明十四年頃、相模)末古刀・上作 正広、助広らと共に相州伝を再興した名工であり、現存する広次の作品はこの工に始まるとされる。 刀、短刀の遺例があり、刃文は乱れ、互の目丁子、彫物のあるものも多い。 銘:相州住広次作、広次(508頁) 相州広次(永正頃、相模)末古刀・上作 文明広次の子。明応から永正にかけての作があるが、文明広次と同人と見る説もある。 刃文は互の目丁子、または匂口締まった直刃。梵字や素剣の彫物も見られる。 銘:広次、相州住広次作 【詳細】 銘:無銘(相州広次帰属) 時代:古刀(1500年代・室町後期) 長さ:31-1/8 インチ(約79.0cm) 反り:16.0 mm 元幅:39.2 mm 先幅:21.2 mm 元重:7.21 mm 造り:鎬造 棟:庵棟 茎:大磨上げ 鍛え:板目肌 刃文:互の目 帽子:小丸 状態:最上差し込み研ぎ済み 明応年間、多くの刀工が小田原へと移住しました。彼らは北条早雲の庇護を受け、「小田原相州」と呼ばれる一派を形成しました。 相州広次は室町時代後期における相州伝の第一人者の一人です。 初代広次は文明年間(1469-1486年)に活躍し、二代目は永正年間に相模の地で相州伝を継承しました。 本作は大磨上げながら、文明期特有の長大な体配を彷彿とさせ、その豪壮かつ優美な姿はコレクターの間で高く評価されています。 特に彫物の出来が素晴らしく、本作の「素の繰り龍」は、簡略化されつつも洗練された極めて質の高い作例です。 華やかな地鉄と類稀なる刃文の調和は、正に室町相州伝の白眉と言えるでしょう。 本刀は先般の審査を通過したばかりです。現在はワークシート(合格通知)の状態ですが、数ヶ月以内に正式な鑑定書が発行され、所有者様へお届けいたします。 特筆すべき点として、今回の審査では通過作品の95%が70点以下という厳格な基準の中、本作は71点という高得点を獲得しており、その品質の高さが公に証明されています。





相州伝 · 相模
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末相州は、相模国に興った相州伝が、正宗とその後を継いだ広光・秋広らの南北朝の頂点を過ぎた後、室町期に至ってなお同地に伝えられた一群を指す。その手は鎌倉と小田原の二つの面に分かれ、室町中期には広正の名が南北朝期から数代にわたって連綿と切られて系の中核をなし、室町後期には後北条氏の庇護のもとに小田原へ拠点が移る。説明書は、天文年間に活躍した初代綱広を広正の子孫と伝え、初銘を正広といい、北条氏綱に召されて小田原に住し綱の一字を賜って改銘したと記す。以後、綱広・綱家らが小田原八幡山に代々続いて後北条氏に仕え、相州住の五字銘を低く切る在銘・生ぶの作を遺した。鎌倉に残って正宗以来の地に鍛えた正広のごとき手と、小田原に移って北条のもとに鍛えた一群とが併存し、後者を総称して小田原相州と呼ぶ。説明書はこの一派を、相州伝の掉尾を飾る工として位置づける。 作風は、肌立った板目に杢目・流れ肌を交えた相州の地鉄に、皆焼を本領とする点を共通の語法とする。互の目乱れに丁子・矢筈の刃・尖り刃・小のたれを交え、先へ刃幅を増して焼き、飛焼・湯走り・棟焼を地に及ぼして総体に皆焼となる態で、匂口は締まりごころに小沸よくつき、足・葉入り、砂流しを交える。この皆焼は広光・秋広以来の手と伝えられ、説明書は綱広をその系譜に置きつつ、現存作にあって彼らとは形状を異にすると明記して、襲ぐ名手その人とその手とを区別する。彫物もまた一派を貫く見どころで、真および草の倶利迦羅、梵字、三鈷剣、護摩箸、蓮台、八幡大菩薩や南無妙法蓮華経の陰刻文字を表裏に密に施し、樋中・櫃中の浮彫を得意とする。中でも総宗は彫の巧緻において長く名があり、末相州独特の構図の倶利伽羅を据える。古典相州の頂点と分かつのは、沸の深さと鉄の冴えにおける差であって、小田原の手は締まりごころの匂勝ちの匂口に角がかる互の目を複式・腰開きの態に焼き、地は肌立ちながらも締まる傾きを見せ、姿は短寸に先反りつくものが多い。一派のうちでも振れ幅があり、皮焼の手前の互の目交りの小乱れに控える静かな作から、棟焼まで覆う厚い華やかな皆焼に開く作までを含む。 鑑定の勘どころは、この一群を古典相州の名作から分かつところにある。すなわち、沸の冴えにおいて南北朝の頂点に一歩を譲りつつ、肌立つ板目杢に角がかり複式に傾く互の目乱れと、信仰に基づく緻密な彫物とを併せ持つ点を読む。主要工としては、室町中期に系の中核を定めた広正、相州伝の最末に立って皆焼と矢筈の刃を本領とし知名度も技量も高いとされる初代綱広、これと並び称せられて皆焼と彫物に優れた綱家が挙げられ、彫の巧緻によって一派から分かたれる総宗がこれに続く。鎌倉の面に立つ正広は南北朝以来の系を室町に伝え、皆焼風の乱れと彫物を遺す。なお江戸期の清平は加州兼若の系から稲葉家の抱工として小田原に転じた工で、相州在住の点で一派の名に連なるが、その作風は柾がかる加州物を基盤として別系をなす。伝来は概して大名家や寺社の格別な来歴を伴わず、その品位を支えるのは名高い由緒よりも、説明書が一口ごとに称える彫と鉄の質、そして在銘・生ぶに達した室町相州の稀少にある。在銘年紀の作はことに各代を読み分ける基準作となり、末期相州を学ぶ者にとって、相州伝の室町の様相を一口のうちに収める手がかりとなる。
販売店の出品ページで鑑定書を確認できませんでした。日本刀および刀装具は通常、NBTHK(または NTHK)の鑑定を受けます。鑑定書がない場合、極めは販売店の見解にとどまり、第三者による確認は行われていません。ご購入前に販売店へ鑑定書の有無をお問い合わせのうえ、慎重にご判断ください。
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