番号:25026 太刀:白鞘、拵え付き(第69回重要刀剣) 銘:則成(古一文字) 当社では刀剣の出来を最高作、上々作、上作、普通作の四段階に分類しております。 本作は則成(古一文字)の作品の中でも最高作にランクされる逸品です。 ハバキ:金着二重 長さ:67.3 cm (2.22尺) 反り:1.5 cm (4.95分) 目釘穴:5個 元幅:2.66 cm 先幅:1.82 cm 重ね:0.41 cm 刀身重量:520 g 時代:鎌倉時代中期 体配:切先がわずかに伏せごころとなり、平肉が落ちて鎬地が残る体配。 鎬地:時代相応の古色を帯びる。 地鉄:板目肌に木目肌が交じり、肌立ちごころに精緻に詰む。 鮮明な映りが現れる。 刃文:沸出来、互の目乱れが柔らかに展開する。 砂流し、金筋が盛んに働く。 匂口は深く、帽子は先が尖り、鋭く返る。 この帽子もまた本作の見どころの一つである。 特徴:則成は則宗や助宗らと共に古福岡一文字を代表する刀工の一人で、華やかな刃文を焼くことで知られます。 本作は銘が極めて鮮明に残っております。 拵:太刀拵 鍔:鉄地、覆輪を施し、四方に猪目透かしを入れる。 縁頭:雲龍図。 鞘:変わり塗り鞘。 目貫:赤銅魚子地に梅図を高彫りし、金色長。 葵美術正真鑑定書 葵美術評価:古一文字は福岡一文字の源流とされる一派です。 本作は銘が鮮明であり、出来映えも極めて優れています。 映りが鮮やかに立ち、切先が伏せる独特の体配を呈しています。 同工の在銘品は極めて稀少であり、資料的価値も非常に高い一振りです。 太刀拵も品格があり、格調高い仕上がりとなっております。 特に乱れ丁子の華やかさは他作を凌駕しており、第69回重要刀剣の厳正な審査を通過した、まさに名刀と呼ぶに相応しい逸品です。 第69回日本美術刀剣保存協会 重要刀剣指定品
福岡一文字派は、則宗を祖として鎌倉時代初期に興り、同時代中期に最も繁栄した。則宗をはじめとする鎌倉時代初期の此の派の刀工達を 別に古一文字と呼称しているが、彼らに見る作風は、鎌倉時代中期の華麗なものとは異なり、姿恰好及び地刃の出来には古備前物の趣が強く遺 存している。 則成は銘鑑に拠れば、福岡一文字や吉岡一文字、長船に同名を挙げているが、本作は福岡一文字派で活躍年代を建長頃としている工に該当す るものと鑑せられる。 この太刀は、磨上げられた現状においても上半へ行って伏さりごころを呈した鎌倉時代中期には至らないやや時代の上がった太刀姿を呈して いる。刃文は小丁子を主体として明らかに古備前物よりも技巧味を増しており、来たるべき盛期一文字の萌芽を想わせるものである。沸づきも 殆ど看取れず匂出来となり、また匂口も柔らかく、備前物の美点と特徴がよく明示されている。やや細身ながらも平肉が豊かであり、則成の 数少ない在銘作として資料的にも価値が高い。
在銘 · Ko-Ichimonji · Kencho (1249-1256) · 長さ 67.3cm · 反り 1.5cm







福岡一文字派は、則宗を祖として鎌倉時代初期に興り、同時代中期に最も繁栄した。則宗をはじめとする鎌倉時代初期の此の派の刀工達を 別に古一文字と呼称しているが、彼らに見る作風は、鎌倉時代中期の華麗なものとは異なり、姿恰好及び地刃の出来には古備前物の趣が強く遺 存している。 則成は銘鑑に拠れば、福岡一文字や吉岡一文字、長船に同名を挙げているが、本作は福岡一文字派で活躍年代を建長頃としている工に該当す るものと鑑せられる。 この太刀は、磨上げられた現状においても上半へ行って伏さりごころを呈した鎌倉時代中期には至らないやや時代の上がった太刀姿を呈して いる。刃文は小丁子を主体として明らかに古備前物よりも技巧味を増しており、来たるべき盛期一文字の萌芽を想わせるものである。沸づきも 殆ど看取れず匂出来となり、また匂口も柔らかく、備前物の美点と特徴がよく明示されている。やや細身ながらも平肉が豊かであり、則成の 数少ない在銘作として資料的にも価値が高い。
Fukuoka Ichimonji / Ko-Ichimonji (Bizen) · 備前 · 1249-1256頃
刀剣大鑑 上位14%
現在1点販売中
則成は備前福岡一文字派の刀工で、年代を鎌倉前期から中期の建長頃と伝える。一派でも屈指に名の少ない工であり、その在銘作について説明書は、同工の遺例は極めて少なく、これまで経眼した確実な有銘の太刀はほぼ四口に過ぎないと記す。則成という銘そのものが書物の難問でもある。「銘鑑」はこの名を福岡一文字・吉岡一文字・長船という一文字に関わる三系統に挙げるが、経眼の作はいずれも建長頃に活躍した福岡の工と極められ、近年の指定はことに古一文字、すなわち作風に古備前の趣を遺す鎌倉初期の一派の工として本工を読む。則宗・助真・吉房に至る福岡一文字の大いなる開花と、古備前との閾に立つ工である。
本工の手は、いまだ一派の重花丁子には開かぬ直刃を基調とした乱れ刃である。刃文について説明書は、丁子・小丁子・小互の目・小乱れを交えながらも総体に直刃を基調とし、足・葉繁く入り、小沸よくつき、匂口締まりあるいは柔らかく、下半に金筋・砂流しのかかるさまを説く。見どころは丁子の集まるところにある。極めは、「殊に腰元には丁子が目立っており」[[c:1]]とし、まさにそこで焼刃が古い国の許すよりもやや新しい色を帯びるとして、「焼刃にやや新味が感ぜられるところに古一文字派の特色が顕著に表示されている」[[c:2]]と述べる。古備前からの歩みはわずかであるが、説明書はこれを「来たるべき盛期一文字の萌芽を想わせる」[[c:3]]ものと読む。
地鉄は画の落ち着いた半面であり、より明らかに備前である。太刀は板目を総じてよくつみ、時に杢を交えて鍛え、ひらくところでは肌立ちごころとなり地景入る。これに細かな地沸つき、細身の作には地沸微塵となって、在銘作には乱れ映りが鮮明に立つ。建長頃の太刀では映りが淡く落ち、沸殆ど看取れずまったく匂出来となり、匂口柔らかく、後年の沸を見せずして備前の鉄の美点を示すものもある。帽子はその静かな手に従い、浅くのたれて小丸に返り、あるいは直ぐに焼詰める。
数少ない作は一つの作域の二段に分かれる。細身の在銘太刀は、磨上ながら反り高く腰反りつき小鋒に結ぶものが多く、直刃基調の古雅な一面を最も精緻に伝える。説明書はこれを鎌倉中期の型に至らぬやや時代の上がった太刀姿とし、腰元の丁子が古備前から踏み出させる点を貴ぶ。いま一段の華やかな面は焼幅を広める。身幅尋常の太刀で、生ぶないし少し磨上ながら踏張りを残し、互の目に丁子を交え、部分的に直刃調となり、処々に頭の丸い互の目と逆足を交える。ある特別重要刀剣の太刀について説明書は、その出来を総じて優れたものとし、同工の力量の高さや作域を知る上で貴重な一口とする。
則成を隣からわかつものを、極めはまさに言い当てる。鎌倉中期から末期の一文字の華麗な丁子乱れとは、「鎌倉時代中期の華麗なものとは異なり」[[c:4]]、「姿恰好及び地刃の出来には古備前物の趣が強く遺存している」[[c:5]]手として分かたれる。より素朴な古備前の工とは、刃に集まる丁子と乱れ映りの明るさによって分かたれる。ある磨上の太刀について旧来の見識は、「備前上工の作には相違ないが」[[c:6]]としつつ「系統についてはなおよく検討したい」[[c:7]]と添えたが、その後の建長頃福岡一文字への極めは、これを覆すのではなくむしろ精緻にした。本工はつまるところ資料的な存在であり、備前最も輝かしき伝統が育つ静かな根に立つ。
収集の観点では、市場の名というより稀な初期の名である。国宝はなく重要文化財もなく、その指定の記録は特別重要刀剣・重要刀剣にわずかな数を、また戦前の重要美術品に及び、その一口は加賀前田家に伝来した。説明書は在銘の各口をまさにそれが伝えるところゆえに貴び、「則成の数少ない有銘作として資料的にも価値が高い」[[c:8]]とする。確実な有銘の太刀がわずか四口ほどである以上、私蔵の一口は備前の分野でも稀な出会いの一つであり、旧蔵の家から世に出ることは稀で、時を待ってこそ叶い、出ずれば一文字いかに始まったかを語る証として貴ばれる。
則成の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
備前伝 · 備前
時期区分: 福岡一文字· 1207–1288
現在7点販売中
福岡一文字派は、備前国福岡の地にあって鎌倉時代中期にその最盛期を迎えた一文字派の一章であり、古一文字の小乱れを基調とした古調な作風を脱して、絢爛たる丁子乱れへと到達した時期にあたる。中心となる刀工には則宗をはじめ、助宗、吉房、助真らが挙げられ、また本区分の説示には助房とその子と伝える吉房・則房・助真の系譜、助守、成近、弘利、助秀といった工の名が見える。則房は助真・吉房らと並んで華やかな丁子乱れを焼き、鎌倉時代中期の一文字派を代表する刀工と位置づけられる。一文字派は鎌倉時代初期から南北朝期にかけて備前国に栄えた一大流派で、福岡・吉岡・片山・岩戸などの地に繁栄し多くの良工を輩出したが、その中でも福岡の地に拠ったこの中期の一群が、もっとも豪壮かつ華麗な作域を展開した。 本区分の作風は、太刀姿が身幅広く、猪首鋒の豪壮な体配となり、地に映りを鮮明にあらわし、焼幅に変化をつけた匂出来の華麗な大房丁子を焼いて強烈な個性を見せる点にある。鍛えは板目あるいは小板目に杢を交え、地沸微塵に厚くつき、地景細かに入り、乱れ映りが鮮明に立ち、かねが冴える。刃文は丁子乱れを主調に、重花丁子・蛙子・互の目・尖りごころの刃などを交え、出入りがあって腰高に焼き、足・葉よく入り、匂深く小沸つき、金筋・砂流しがかかる。則房に至っては、同じ華やかな丁子の刃文でも吉房・助真に比して乱れが幾分小模様となり、刃中の足が短く細かく、乱れが逆ごころをおびるところに特色があり、地がねが強く冴える点も見どころとされる。直刃を基調とした穏やかで古調な古一文字とは華やかさにおいて画然と異なり、また丁子乱れの中に互の目が目立ち穏やかに揃った後代の吉岡一文字とも、その大模様で豪放な乱れにおいて対照をなしている。 福岡一文字の鑑定は、鮮明に立つ乱れ映りと、明るく冴えた匂口、足・葉の豊富な働き、そして腰反りの高い豪壮な太刀姿を要点とする。名工としては則房のほか、丁子乱れが極めて華麗で吉房の出来に通じる助守、区上を焼き落として下半に大丁子、上半に小模様な乱れを見せる成近、匂勝ちに小沸ついた丁子乱れに古色をとどめる弘利らがあり、それぞれに一文字派の華やかさと変化に富む作域を示している。説示には、播磨国竜野脇坂家に伝わった助守、仙台伊達家に伝わった成近、大和郡山柳沢家や尾張徳川家支藩高須松平家に伝来した則房など、近世大名家の所伝を留める優品が数多く見え、福岡一文字の作が古来いかに重んじられてきたかをよく物語っている。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,358口(約202口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト返品をご希望の場合、お客様が受領されてから3日以内にお知らせください。この期間を過ぎますとキャンセルはお受けできかねますので何卒ご了承ください。なお当社へのご返送は、5営業日以内の発送をお願いしております。なおキャンセルは販売した当時の状態がそのまま保持されている事が条件となりますのでお取り扱いには十分ご注意下さい。
番号:25026 太刀:白鞘、拵え付き(第69回重要刀剣) 銘:則成(古一文字) 当社では刀剣の出来を最高作、上々作、上作、普通作の四段階に分類しております。 本作は則成(古一文字)の作品の中でも最高作にランクされる逸品です。 ハバキ:金着二重 長さ:67.3 cm (2.22尺) 反り:1.5 cm (4.95分) 目釘穴:5個 元幅:2.66 cm 先幅:1.82 cm 重ね:0.41 cm 刀身重量:520 g 時代:鎌倉時代中期 体配:切先がわずかに伏せごころとなり、平肉が落ちて鎬地が残る体配。 鎬地:時代相応の古色を帯びる。 地鉄:板目肌に木目肌が交じり、肌立ちごころに精緻に詰む。 鮮明な映りが現れる。 刃文:沸出来、互の目乱れが柔らかに展開する。 砂流し、金筋が盛んに働く。 匂口は深く、帽子は先が尖り、鋭く返る。 この帽子もまた本作の見どころの一つである。 特徴:則成は則宗や助宗らと共に古福岡一文字を代表する刀工の一人で、華やかな刃文を焼くことで知られます。 本作は銘が極めて鮮明に残っております。 拵:太刀拵 鍔:鉄地、覆輪を施し、四方に猪目透かしを入れる。 縁頭:雲龍図。 鞘:変わり塗り鞘。 目貫:赤銅魚子地に梅図を高彫りし、金色長。 葵美術正真鑑定書 葵美術評価:古一文字は福岡一文字の源流とされる一派です。 本作は銘が鮮明であり、出来映えも極めて優れています。 映りが鮮やかに立ち、切先が伏せる独特の体配を呈しています。 同工の在銘品は極めて稀少であり、資料的価値も非常に高い一振りです。 太刀拵も品格があり、格調高い仕上がりとなっております。 特に乱れ丁子の華やかさは他作を凌駕しており、第69回重要刀剣の厳正な審査を通過した、まさに名刀と呼ぶに相応しい逸品です。 第69回日本美術刀剣保存協会 重要刀剣指定品
福岡一文字派は、則宗を祖として鎌倉時代初期に興り、同時代中期に最も繁栄した。則宗をはじめとする鎌倉時代初期の此の派の刀工達を 別に古一文字と呼称しているが、彼らに見る作風は、鎌倉時代中期の華麗なものとは異なり、姿恰好及び地刃の出来には古備前物の趣が強く遺 存している。 則成は銘鑑に拠れば、福岡一文字や吉岡一文字、長船に同名を挙げているが、本作は福岡一文字派で活躍年代を建長頃としている工に該当す るものと鑑せられる。 この太刀は、磨上げられた現状においても上半へ行って伏さりごころを呈した鎌倉時代中期には至らないやや時代の上がった太刀姿を呈して いる。刃文は小丁子を主体として明らかに古備前物よりも技巧味を増しており、来たるべき盛期一文字の萌芽を想わせるものである。沸づきも 殆ど看取れず匂出来となり、また匂口も柔らかく、備前物の美点と特徴がよく明示されている。やや細身ながらも平肉が豊かであり、則成の 数少ない在銘作として資料的にも価値が高い。
在銘 · Ko-Ichimonji · Kencho (1249-1256) · 長さ 67.3cm · 反り 1.5cm







福岡一文字派は、則宗を祖として鎌倉時代初期に興り、同時代中期に最も繁栄した。則宗をはじめとする鎌倉時代初期の此の派の刀工達を 別に古一文字と呼称しているが、彼らに見る作風は、鎌倉時代中期の華麗なものとは異なり、姿恰好及び地刃の出来には古備前物の趣が強く遺 存している。 則成は銘鑑に拠れば、福岡一文字や吉岡一文字、長船に同名を挙げているが、本作は福岡一文字派で活躍年代を建長頃としている工に該当す るものと鑑せられる。 この太刀は、磨上げられた現状においても上半へ行って伏さりごころを呈した鎌倉時代中期には至らないやや時代の上がった太刀姿を呈して いる。刃文は小丁子を主体として明らかに古備前物よりも技巧味を増しており、来たるべき盛期一文字の萌芽を想わせるものである。沸づきも 殆ど看取れず匂出来となり、また匂口も柔らかく、備前物の美点と特徴がよく明示されている。やや細身ながらも平肉が豊かであり、則成の 数少ない在銘作として資料的にも価値が高い。
Fukuoka Ichimonji / Ko-Ichimonji (Bizen) · 備前 · 1249-1256頃
刀剣大鑑 上位14%
現在1点販売中
則成は備前福岡一文字派の刀工で、年代を鎌倉前期から中期の建長頃と伝える。一派でも屈指に名の少ない工であり、その在銘作について説明書は、同工の遺例は極めて少なく、これまで経眼した確実な有銘の太刀はほぼ四口に過ぎないと記す。則成という銘そのものが書物の難問でもある。「銘鑑」はこの名を福岡一文字・吉岡一文字・長船という一文字に関わる三系統に挙げるが、経眼の作はいずれも建長頃に活躍した福岡の工と極められ、近年の指定はことに古一文字、すなわち作風に古備前の趣を遺す鎌倉初期の一派の工として本工を読む。則宗・助真・吉房に至る福岡一文字の大いなる開花と、古備前との閾に立つ工である。
本工の手は、いまだ一派の重花丁子には開かぬ直刃を基調とした乱れ刃である。刃文について説明書は、丁子・小丁子・小互の目・小乱れを交えながらも総体に直刃を基調とし、足・葉繁く入り、小沸よくつき、匂口締まりあるいは柔らかく、下半に金筋・砂流しのかかるさまを説く。見どころは丁子の集まるところにある。極めは、「殊に腰元には丁子が目立っており」[[c:1]]とし、まさにそこで焼刃が古い国の許すよりもやや新しい色を帯びるとして、「焼刃にやや新味が感ぜられるところに古一文字派の特色が顕著に表示されている」[[c:2]]と述べる。古備前からの歩みはわずかであるが、説明書はこれを「来たるべき盛期一文字の萌芽を想わせる」[[c:3]]ものと読む。
地鉄は画の落ち着いた半面であり、より明らかに備前である。太刀は板目を総じてよくつみ、時に杢を交えて鍛え、ひらくところでは肌立ちごころとなり地景入る。これに細かな地沸つき、細身の作には地沸微塵となって、在銘作には乱れ映りが鮮明に立つ。建長頃の太刀では映りが淡く落ち、沸殆ど看取れずまったく匂出来となり、匂口柔らかく、後年の沸を見せずして備前の鉄の美点を示すものもある。帽子はその静かな手に従い、浅くのたれて小丸に返り、あるいは直ぐに焼詰める。
数少ない作は一つの作域の二段に分かれる。細身の在銘太刀は、磨上ながら反り高く腰反りつき小鋒に結ぶものが多く、直刃基調の古雅な一面を最も精緻に伝える。説明書はこれを鎌倉中期の型に至らぬやや時代の上がった太刀姿とし、腰元の丁子が古備前から踏み出させる点を貴ぶ。いま一段の華やかな面は焼幅を広める。身幅尋常の太刀で、生ぶないし少し磨上ながら踏張りを残し、互の目に丁子を交え、部分的に直刃調となり、処々に頭の丸い互の目と逆足を交える。ある特別重要刀剣の太刀について説明書は、その出来を総じて優れたものとし、同工の力量の高さや作域を知る上で貴重な一口とする。
則成を隣からわかつものを、極めはまさに言い当てる。鎌倉中期から末期の一文字の華麗な丁子乱れとは、「鎌倉時代中期の華麗なものとは異なり」[[c:4]]、「姿恰好及び地刃の出来には古備前物の趣が強く遺存している」[[c:5]]手として分かたれる。より素朴な古備前の工とは、刃に集まる丁子と乱れ映りの明るさによって分かたれる。ある磨上の太刀について旧来の見識は、「備前上工の作には相違ないが」[[c:6]]としつつ「系統についてはなおよく検討したい」[[c:7]]と添えたが、その後の建長頃福岡一文字への極めは、これを覆すのではなくむしろ精緻にした。本工はつまるところ資料的な存在であり、備前最も輝かしき伝統が育つ静かな根に立つ。
収集の観点では、市場の名というより稀な初期の名である。国宝はなく重要文化財もなく、その指定の記録は特別重要刀剣・重要刀剣にわずかな数を、また戦前の重要美術品に及び、その一口は加賀前田家に伝来した。説明書は在銘の各口をまさにそれが伝えるところゆえに貴び、「則成の数少ない有銘作として資料的にも価値が高い」[[c:8]]とする。確実な有銘の太刀がわずか四口ほどである以上、私蔵の一口は備前の分野でも稀な出会いの一つであり、旧蔵の家から世に出ることは稀で、時を待ってこそ叶い、出ずれば一文字いかに始まったかを語る証として貴ばれる。
則成の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
各項目を選ぶと評価方法が表示されます。
備前伝 · 備前
時期区分: 福岡一文字· 1207–1288
現在7点販売中
福岡一文字派は、備前国福岡の地にあって鎌倉時代中期にその最盛期を迎えた一文字派の一章であり、古一文字の小乱れを基調とした古調な作風を脱して、絢爛たる丁子乱れへと到達した時期にあたる。中心となる刀工には則宗をはじめ、助宗、吉房、助真らが挙げられ、また本区分の説示には助房とその子と伝える吉房・則房・助真の系譜、助守、成近、弘利、助秀といった工の名が見える。則房は助真・吉房らと並んで華やかな丁子乱れを焼き、鎌倉時代中期の一文字派を代表する刀工と位置づけられる。一文字派は鎌倉時代初期から南北朝期にかけて備前国に栄えた一大流派で、福岡・吉岡・片山・岩戸などの地に繁栄し多くの良工を輩出したが、その中でも福岡の地に拠ったこの中期の一群が、もっとも豪壮かつ華麗な作域を展開した。 本区分の作風は、太刀姿が身幅広く、猪首鋒の豪壮な体配となり、地に映りを鮮明にあらわし、焼幅に変化をつけた匂出来の華麗な大房丁子を焼いて強烈な個性を見せる点にある。鍛えは板目あるいは小板目に杢を交え、地沸微塵に厚くつき、地景細かに入り、乱れ映りが鮮明に立ち、かねが冴える。刃文は丁子乱れを主調に、重花丁子・蛙子・互の目・尖りごころの刃などを交え、出入りがあって腰高に焼き、足・葉よく入り、匂深く小沸つき、金筋・砂流しがかかる。則房に至っては、同じ華やかな丁子の刃文でも吉房・助真に比して乱れが幾分小模様となり、刃中の足が短く細かく、乱れが逆ごころをおびるところに特色があり、地がねが強く冴える点も見どころとされる。直刃を基調とした穏やかで古調な古一文字とは華やかさにおいて画然と異なり、また丁子乱れの中に互の目が目立ち穏やかに揃った後代の吉岡一文字とも、その大模様で豪放な乱れにおいて対照をなしている。 福岡一文字の鑑定は、鮮明に立つ乱れ映りと、明るく冴えた匂口、足・葉の豊富な働き、そして腰反りの高い豪壮な太刀姿を要点とする。名工としては則房のほか、丁子乱れが極めて華麗で吉房の出来に通じる助守、区上を焼き落として下半に大丁子、上半に小模様な乱れを見せる成近、匂勝ちに小沸ついた丁子乱れに古色をとどめる弘利らがあり、それぞれに一文字派の華やかさと変化に富む作域を示している。説示には、播磨国竜野脇坂家に伝わった助守、仙台伊達家に伝わった成近、大和郡山柳沢家や尾張徳川家支藩高須松平家に伝来した則房など、近世大名家の所伝を留める優品が数多く見え、福岡一文字の作が古来いかに重んじられてきたかをよく物語っている。
特別保存刀剣の中から、特に出来が優れ、国認定の重要美術品に準ずると判断された名品です。年に一度の重要刀剣審査で選ばれます。
極めて選別的で、日本に登録された約250万口の刀剣のうち、重要刀剣に達したものは12,358口(約202口に1口)にすぎません。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト返品をご希望の場合、お客様が受領されてから3日以内にお知らせください。この期間を過ぎますとキャンセルはお受けできかねますので何卒ご了承ください。なお当社へのご返送は、5営業日以内の発送をお願いしております。なおキャンセルは販売した当時の状態がそのまま保持されている事が条件となりますのでお取り扱いには十分ご注意下さい。