
Tachi: Norinari (Ko-Ichimonji)(69th NBTHK Juyo Token)
¥13,500,000
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仕様
67.3 cm
1.5 cm
2.66 cm
1.82 cm
作者について
Fukuoka Ichimonji Norinari則成
則成は備前福岡一文字派の刀工で、年代を鎌倉前期から中期の建長頃と伝える。一派でも屈指に名の少ない工であり、その在銘作について説明書は、同工の遺例は極めて少なく、これまで経眼した確実な有銘の太刀はほぼ四口に過ぎないと記す。則成という銘そのものが書物の難問でもある。「銘鑑」はこの名を福岡一文字・吉岡一文字・長船という一文字に関わる三系統に挙げるが、経眼の作はいずれも建長頃に活躍した福岡の工と極められ、近年の指定はことに古一文字、すなわち作風に古備前の趣を遺す鎌倉初期の一派の工として本工を読む。則宗・助真・吉房に至る福岡一文字の大いなる開花と、古備前との閾に立つ工である。 本工の手は、いまだ一派の重花丁子には開かぬ直刃を基調とした乱れ刃である。刃文について説明書は、丁子・小丁子・小互の目・小乱れを交えながらも総体に直刃を基調とし、足・葉繁く入り、小沸よくつき、匂口締まりあるいは柔らかく、下半に金筋・砂流しのかかるさまを説く。見どころは丁子の集まるところにある。極めは、「殊に腰元には丁子が目立っており」とし、まさにそこで焼刃が古い国の許すよりもやや新しい色を帯びるとして、「焼刃にやや新味が感ぜられるところに古一文字派の特色が顕著に表示されている」と述べる。古備前からの歩みはわずかであるが、説明書はこれを「来たるべき盛期一文字の萌芽を想わせる」ものと読む。 地鉄は画の落ち着いた半面であり、より明らかに備前である。太刀は板目を総じてよくつみ、時に杢を交えて鍛え、ひらくところでは肌立ちごころとなり地景入る。これに細かな地沸つき、細身の作には地沸微塵となって、在銘作には乱れ映りが鮮明に立つ。建長頃の太刀では映りが淡く落ち、沸殆ど看取れずまったく匂出来となり、匂口柔らかく、後年の沸を見せずして備前の鉄の美点を示すものもある。帽子はその静かな手に従い、浅くのたれて小丸に返り、あるいは直ぐに焼詰める。 数少ない作は一つの作域の二段に分かれる。細身の在銘太刀は、磨上ながら反り高く腰反りつき小鋒に結ぶものが多く、直刃基調の古雅な一面を最も精緻に伝える。説明書はこれを鎌倉中期の型に至らぬやや時代の上がった太刀姿とし、腰元の丁子が古備前から踏み出させる点を貴ぶ。いま一段の華やかな面は焼幅を広める。身幅尋常の太刀で、生ぶないし少し磨上ながら踏張りを残し、互の目に丁子を交え、部分的に直刃調となり、処々に頭の丸い互の目と逆足を交える。ある特別重要刀剣の太刀について説明書は、その出来を総じて優れたものとし、同工の力量の高さや作域を知る上で貴重な一口とする。 則成を隣からわかつものを、極めはまさに言い当てる。鎌倉中期から末期の一文字の華麗な丁子乱れとは、「鎌倉時代中期の華麗なものとは異なり」、「姿恰好及び地刃の出来には古備前物の趣が強く遺存している」手として分かたれる。より素朴な古備前の工とは、刃に集まる丁子と乱れ映りの明るさによって分かたれる。ある磨上の太刀について旧来の見識は、「備前上工の作には相違ないが」としつつ「系統についてはなおよく検討したい」と添えたが、その後の建長頃福岡一文字への極めは、これを覆すのではなくむしろ精緻にした。本工はつまるところ資料的な存在であり、備前最も輝かしき伝統が育つ静かな根に立つ。 収集の観点では、市場の名というより稀な初期の名である。国宝はなく重要文化財もなく、その指定の記録は特別重要刀剣・重要刀剣にわずかな数を、また戦前の重要美術品に及び、その一口は加賀前田家に伝来した。説明書は在銘の各口をまさにそれが伝えるところゆえに貴び、「則成の数少ない有銘作として資料的にも価値が高い」とする。確実な有銘の太刀がわずか四口ほどである以上、私蔵の一口は備前の分野でも稀な出会いの一つであり、旧蔵の家から世に出ることは稀で、時を待ってこそ叶い、出ずれば一文字いかに始まったかを語る証として貴ばれる。



