Ginza Choshuya 東京都中央区銀座3-10-4 月–土 9:30–17:30 Signed Shiho Uso Teikan horu Kin'in (gold seal) Kakuju Mito, Hitachi province - Edo, Musashi province 貞幹は、初代赤城軒元孚門人で水戸藩抱工となった大川元貞の子。自身も水戸藩抱工となるが、父の没後江戸へ出た。水戸金工らしい詳細な彫技で和漢の人物や動物を生き生きと彫り描き、加納夏雄の写しも得意とした。余白を生かした画面構成の巧みさは夏雄の作品から学んだのであろうか。本作は、雲がかかった月、あるいは仙境へ通じる洞を思わせる地造りが印象的。主題の東方朔や滝がより一層幻想的に見える。鋤出高彫の中に抑揚があり、軽く口を開けて微笑む表情は穏やか。ゆったりした衣の裾には綾杉文の線刻と唐草文の金平象嵌が施されている。 東方朔は前漢武帝の時代の政治家。武帝に、自薦状を送り、気に入られて要職に就いた。智謀知略に富んだ彼の様子はやがて神格化され、後には下界にいる仙人ともいわれた。三千年に一度しか実をつけない西王母の桃を盗んで食べ仙人になって武帝に仕えたという説もある。話し上手でユーモアの才があったことから話芸の神様として尊敬されている。


町彫 · 常陸
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大川貞幹は、文政十一年(1828年)に水戸で生まれた。初代泰山元孚の門人である元貞の子で、父について彫金を学んだと伝えられる。後に水戸藩の抱え工となり、父の歿後には江戸へ出府して向島に住んだ。筑山軒、紫峰、幹寿、芳園等の号を用い、橘姓や源姓を冠称し、後年は幹寿とも名乗り、迂拙・迂叟・老拙と銘に冠した。年紀作は慶応から明治にかけて多く、墨田川や東叡山等の地名を添えたものがある。実子に貞寿がおり、後を継いだ。作品より明治三十年頃までの生存が確認できる。
貞幹は「的確無比の彫技には定評があり、あらゆる彫法を見事にこなしている」[[c:1]]と評される。魚子地、石目地、荒らし地など、多様な地板を用い、高彫、鋤出高彫、容彫など、高度な彫技を駆使した。金、銀、赤銅、素銅などを用いた色絵象嵌も得意とし、その表現は写実的で、人物、動物、草花など、幅広い題材を手がけた。特に龍の意匠においては、剣に巻き付いて鋒から呑み込まんとする龍を「動勢に溢れ迫力に満ちている」[[c:2]]と評されるように、その躍動感が見る者を魅了する。また、「鱗の一枚一枚や爪の先に至るまで的確無比といえる見事な彫技が発揮された優品」[[c:3]]と評されるように、細部に至るまで緻密な表現を追求している。
貞幹の作風は、水戸金工の伝統を受け継ぎながらも、江戸における作風も取り入れ、独自の境地を拓いたものとして評価されている。その作品は、「物語性に満ちた纏りのある作品」[[c:4]]と評されるように、単なる技巧に留まらず、豊かな表現力と構成力によって、観る者を物語の世界へと誘う。大小拵の鐔においては、秋田藩工である正阿弥傳兵衛の作を手本とするなど、他の刀工からの影響も見られるが、それを自身の作風に取り込み、新たな価値を創造している。
貞幹の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。
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町彫 · 常陸
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水戸派は江戸時代後期から幕末にかけて、常陸国水戸藩を中心に発展した刀装金工の一派である。篠崎勝茂を直系とする水戸金工群は、藩の庇護のもとで御用彫物師の地位を確立し、赤銅魚子地に高彫という手法を用いた作品を数多く制作した。横谷派の影響を受けつつも独自の様式を展開し、人物図を得意とする玉川派の系譜を引く工人たちが、牡丹獅子図や七福神図などの吉祥文様を立体的な彫技で表現した。 代表的な工人である生涼軒萩谷勝平は、文化元年に水戸に生まれ、篠崎勝茂の門に学んだ後、天保十五年より藩の御用彫物師となった。通称を弥介といい、門人にこの一字を与えたことでも知られる。勝平の作品は赤銅魚子地に高彫という技法を用い、銀象嵌や金布目象嵌を豊富に施した華麗な作風を特徴とする。獅子の巻毛や牡丹の花弁を実に立体的に彫り上げ、色絵も的確で隙のない工法により、質感に富んだ鮮やかな仕上がりを見せる。竜田川図や流水紅葉散図などの自然文様においても、高い技術による完成度の高い表現を残している。 水戸派は多くの優れた門人を育成し、勝平の門からは滑川貞勝、海野勝珉、鈴木勝容などの名工が輩出している。海野美盛の門人である海野美秋、海野美春も人物表現に巧みで、師の玉川派の流れを汲む丁寧な色絵技法を受け継いだ。額川保誠のような後期の工人たちは、家紋散図など正統的な形式による作品を制作し、幕末の水戸金工群の充実ぶりを示している。水戸派の作品は堅実丁寧な技が光り、幕末金工史における重要な位置を占めている。 詳しく見る →
保存刀装具のうち、出来・保存状態が一層優れ、銘文や作風に資料的価値の高いものと認められたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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