徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
番号:AS26437(委託販売品) 刀:白鞘入り(NBTHK 保存刀剣鑑定書) 銘文:無銘 鞘書き:越中呉服郷則重 奔放不羈、出来宜敷候 五山誌 (刀剣の格付け:最上作、上々作、上作、普通作) 本作は無銘としての出来映えから、上々作にランクされます。 ハバキ:銀一重ハバキ 長さ:64.8 cm (2.14尺) 反り:1.9 cm 目釘穴:2個 元幅:3.74 cm 先幅:2.82 cm 重ね:0.74 cm 重量:950 グラム 時代:江戸時代後期頃 形状:身幅極めて広く、重ね厚く、豪壮な体配。 地鉄:板目に肌立ち、地景が激しく入り、松皮肌風の力強い鍛えとなる。 刃文:沸出来ののたれに、砂流し、金筋が盛んに働き、二重刃、三重刃が混じる。 特徴:本作は身幅が非常に広く、圧倒的な存在感を放つ豪壮な一振りです。鞘書きには則重と記されておりますが、江戸時代後期には中山一貫斎義弘や立花円龍子国秀といった絵師・工たちが郷義弘や則重を慕い、激しい地景や大きな模様を強調した作品を多く残しています。本作もそれら幕末の志士たちが好んだ、覇気溢れる復古刀の好例であると推察されます。 葵美術評価鑑定書:全身押形 備考:価格に国際送料は含まれておりません。 オークション開始価格:450,000円 関連商品: 刀:無銘(伝 郷義弘)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:大阪住月山貞勝謹作(刻印)(NBTHK 特別保存刀剣) 太刀:浪華住月山貞勝謹作(昭和十二年)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:無銘(伝 保昌)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:荘司筑前大掾大慶直胤(花押)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:幕府士河井久幸七十八歳作之(文久三年)(NBTHK 特別保存刀剣)




相州伝 · 相模
現在44点販売中
相模国鎌倉の地に興り、沸を主たる表現とした相州伝を確立した一門である。事実上の創始者は新藤五国光で、粟田口国綱の子と伝え、その地鉄には師仕込みの小板目によく約んだ精良さが残る。永仁元年(一二九三)紀の在銘短刀を最古とし、居住地を銘に明記して年紀を遺す生えぬきの相模刀工の祖と称すべき工である。国光は粟田口の精良な地鉄を承けつつ、地景と金筋を著しく強調する一面を加え、その門下に行光、正宗、則重の三名人を育てた。国光の精到な沸の直刃は、後にこの三者が沸の乱れへと展開する源流となり、ここに相州伝の地盤が据えられた。行光は正宗よりやや先輩とみられ、正宗が頂点に立ち、その門から養子の貞宗が正系二代を継ぐ。則重は越中にあって相弟子として一門を支え、南北朝期には広光と秋広が皆焼を完成させ、越中へは郷義弘が相州伝を西漸させて、一門は諸国へと広がった。 作風の核は、鎌倉後期に始まる沸の表現にある。鍛えは板目に杢を交え、地沸が微塵に厚くつき、太い地景が頻りに入って明るく冴え、刃文はのたれに互の目を交えた沸出来で、匂深く沸厚く、金筋と砂流しが躍動し、帽子は単なる小丸に終わらず盛んに掃きかける。これが一門を貫く共通の語法である。その内部には明瞭な展開がある。国光の抑制された沸の直刃から出発し、行光は師に直結する穏やかな乱れを保ちつつ帽子に火焰風の掃きかけを見せ、正宗に至って炭素量の異なる数種の鋼を駆使した沸の妙が極まり、地にこぼれた沸が湯走りをなし、破墨山水を見る趣の自在な出来口に達する。則重はこの沸の変化をさらに露わにし、太い地景が松皮の如く肌立つ松皮肌を看どころとした。貞宗は正宗より穏やかなのたれ調に持味を移し、梵字、素剣、護摩箸、二筋樋など相州随一の彫物を加えて、これを信国へ伝えた。さらに広光と秋広は、貞宗にわずかに兆していた湯走りを推し進め、飛焼、湯走り、棟焼が地と棟にさかんにかかる本格的な皆焼を完成させた。広光は頭の丸い団子丁子を交え、秋広は地が一段と肌立って荒らびごころを帯び、ここに鎌倉の精良な直刃から南北朝の華麗な皆焼へという内的な展開が完結する。郷義弘は帽子を一枚風に深く焼く点に独自を示し、高木貞宗と新藤五国広は師風を近江と相模に静かに継いだ。 鑑定にあっては、まず明るく冴える鉄、厚い地沸、繁き地景、そして掃きかける帽子で一門を相州と読み、次に世代ごとの看どころで工を分かつ。国光は翁の髭と称する金筋を交えた精良な直刃短刀、行光は穏やかな乱れに掃きかける帽子、正宗はのたれ基調の烈しい沸崩れと垢抜けた地刃、則重は沈みごころの匂口と松皮肌、貞宗は穏やかな互の目と豊かな彫物、広光は団子丁子の皆焼、秋広は肌立つ地の皆焼、郷は一枚風の深い帽子と一段と冴える地刃という具合に、看どころが工と時代を指し示す。国光、行光、正宗、則重、貞宗、郷、広光、秋広はいずれも藤代の最上作に列し、なかでも正宗はその名を負う指定の重みが比類なく、相州伝の頂点に位置する。一門の作には名物陸奥新藤五、太郎作正宗、御堀出貞宗、大久保江、大倶利迦羅広光などが連なり、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をはじめ天下を握った者の手を経て、皇室や諸大名家に伝わった。正宗や郷のごとく在銘の確実作を遺さぬ工が多く、その大半は大磨上無銘の極めとして知られるため、一門の作が市に現れることはこの分野で最も稀な出来事のひとつである。本一門の沸出来は山城来や美濃志津をはじめ諸国の鍛冶に承け継がれ、正宗十哲の名のもとに相州伝は日本刀の作風そのものを規定する規範となった。 詳しく見る →
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト返品をご希望の場合、お客様が受領されてから3日以内にお知らせください。この期間を過ぎますとキャンセルはお受けできかねますので何卒ご了承ください。なお当社へのご返送は、5営業日以内の発送をお願いしております。なおキャンセルは販売した当時の状態がそのまま保持されている事が条件となりますのでお取り扱いには十分ご注意下さい。
番号:AS26437(委託販売品) 刀:白鞘入り(NBTHK 保存刀剣鑑定書) 銘文:無銘 鞘書き:越中呉服郷則重 奔放不羈、出来宜敷候 五山誌 (刀剣の格付け:最上作、上々作、上作、普通作) 本作は無銘としての出来映えから、上々作にランクされます。 ハバキ:銀一重ハバキ 長さ:64.8 cm (2.14尺) 反り:1.9 cm 目釘穴:2個 元幅:3.74 cm 先幅:2.82 cm 重ね:0.74 cm 重量:950 グラム 時代:江戸時代後期頃 形状:身幅極めて広く、重ね厚く、豪壮な体配。 地鉄:板目に肌立ち、地景が激しく入り、松皮肌風の力強い鍛えとなる。 刃文:沸出来ののたれに、砂流し、金筋が盛んに働き、二重刃、三重刃が混じる。 特徴:本作は身幅が非常に広く、圧倒的な存在感を放つ豪壮な一振りです。鞘書きには則重と記されておりますが、江戸時代後期には中山一貫斎義弘や立花円龍子国秀といった絵師・工たちが郷義弘や則重を慕い、激しい地景や大きな模様を強調した作品を多く残しています。本作もそれら幕末の志士たちが好んだ、覇気溢れる復古刀の好例であると推察されます。 葵美術評価鑑定書:全身押形 備考:価格に国際送料は含まれておりません。 オークション開始価格:450,000円 関連商品: 刀:無銘(伝 郷義弘)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:大阪住月山貞勝謹作(刻印)(NBTHK 特別保存刀剣) 太刀:浪華住月山貞勝謹作(昭和十二年)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:無銘(伝 保昌)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:荘司筑前大掾大慶直胤(花押)(NBTHK 特別保存刀剣) 刀:幕府士河井久幸七十八歳作之(文久三年)(NBTHK 特別保存刀剣)




相州伝 · 相模
現在44点販売中
相模国鎌倉の地に興り、沸を主たる表現とした相州伝を確立した一門である。事実上の創始者は新藤五国光で、粟田口国綱の子と伝え、その地鉄には師仕込みの小板目によく約んだ精良さが残る。永仁元年(一二九三)紀の在銘短刀を最古とし、居住地を銘に明記して年紀を遺す生えぬきの相模刀工の祖と称すべき工である。国光は粟田口の精良な地鉄を承けつつ、地景と金筋を著しく強調する一面を加え、その門下に行光、正宗、則重の三名人を育てた。国光の精到な沸の直刃は、後にこの三者が沸の乱れへと展開する源流となり、ここに相州伝の地盤が据えられた。行光は正宗よりやや先輩とみられ、正宗が頂点に立ち、その門から養子の貞宗が正系二代を継ぐ。則重は越中にあって相弟子として一門を支え、南北朝期には広光と秋広が皆焼を完成させ、越中へは郷義弘が相州伝を西漸させて、一門は諸国へと広がった。 作風の核は、鎌倉後期に始まる沸の表現にある。鍛えは板目に杢を交え、地沸が微塵に厚くつき、太い地景が頻りに入って明るく冴え、刃文はのたれに互の目を交えた沸出来で、匂深く沸厚く、金筋と砂流しが躍動し、帽子は単なる小丸に終わらず盛んに掃きかける。これが一門を貫く共通の語法である。その内部には明瞭な展開がある。国光の抑制された沸の直刃から出発し、行光は師に直結する穏やかな乱れを保ちつつ帽子に火焰風の掃きかけを見せ、正宗に至って炭素量の異なる数種の鋼を駆使した沸の妙が極まり、地にこぼれた沸が湯走りをなし、破墨山水を見る趣の自在な出来口に達する。則重はこの沸の変化をさらに露わにし、太い地景が松皮の如く肌立つ松皮肌を看どころとした。貞宗は正宗より穏やかなのたれ調に持味を移し、梵字、素剣、護摩箸、二筋樋など相州随一の彫物を加えて、これを信国へ伝えた。さらに広光と秋広は、貞宗にわずかに兆していた湯走りを推し進め、飛焼、湯走り、棟焼が地と棟にさかんにかかる本格的な皆焼を完成させた。広光は頭の丸い団子丁子を交え、秋広は地が一段と肌立って荒らびごころを帯び、ここに鎌倉の精良な直刃から南北朝の華麗な皆焼へという内的な展開が完結する。郷義弘は帽子を一枚風に深く焼く点に独自を示し、高木貞宗と新藤五国広は師風を近江と相模に静かに継いだ。 鑑定にあっては、まず明るく冴える鉄、厚い地沸、繁き地景、そして掃きかける帽子で一門を相州と読み、次に世代ごとの看どころで工を分かつ。国光は翁の髭と称する金筋を交えた精良な直刃短刀、行光は穏やかな乱れに掃きかける帽子、正宗はのたれ基調の烈しい沸崩れと垢抜けた地刃、則重は沈みごころの匂口と松皮肌、貞宗は穏やかな互の目と豊かな彫物、広光は団子丁子の皆焼、秋広は肌立つ地の皆焼、郷は一枚風の深い帽子と一段と冴える地刃という具合に、看どころが工と時代を指し示す。国光、行光、正宗、則重、貞宗、郷、広光、秋広はいずれも藤代の最上作に列し、なかでも正宗はその名を負う指定の重みが比類なく、相州伝の頂点に位置する。一門の作には名物陸奥新藤五、太郎作正宗、御堀出貞宗、大久保江、大倶利迦羅広光などが連なり、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をはじめ天下を握った者の手を経て、皇室や諸大名家に伝わった。正宗や郷のごとく在銘の確実作を遺さぬ工が多く、その大半は大磨上無銘の極めとして知られるため、一門の作が市に現れることはこの分野で最も稀な出来事のひとつである。本一門の沸出来は山城来や美濃志津をはじめ諸国の鍛冶に承け継がれ、正宗十哲の名のもとに相州伝は日本刀の作風そのものを規定する規範となった。 詳しく見る →
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイト返品をご希望の場合、お客様が受領されてから3日以内にお知らせください。この期間を過ぎますとキャンセルはお受けできかねますので何卒ご了承ください。なお当社へのご返送は、5営業日以内の発送をお願いしております。なおキャンセルは販売した当時の状態がそのまま保持されている事が条件となりますのでお取り扱いには十分ご注意下さい。