説明

銘:河鳳斎(河原林秀興) 特別保存刀装具鑑定書付 鳥越一太郎博士箱書付 河原林秀興は天明八年(1788)に生まれ、嘉永四年(1851)に六十四歳で没した、京都河原林家の一人です。大月光興の門人で、大月派の優れた技量を継承しています。 本作は、松原に干し網という風情ある情景を描いた、実に見事な意匠の小柄です。 松の葉は赤銅の平象嵌で表現され、幹や地面は力強い一文字の蹴彫で大胆に刻まれています。一方で、波の表現は極めて繊細な毛彫で施されており、手元で動かした際に光の反射で浮かび上がるという、心憎い演出がなされています。干し網は、外郭を深い彫りで、網目を細密な彫りで描き分けることで、立体感と奥行きを生み出しています。空には三羽の千鳥が金象嵌で配され、景色に華やかさを添えています。 素銅地に金・赤銅象嵌を施した、大月派らしい洒脱な名品です。 寸法:長さ 98mm × 幅 15mm × 厚さ 5mm 鳥越一太郎博士による特製箱書付

Kozuka signed Kawahosai made by Kawarabayashi Hideoki with Tokubetsu Hozon Tosogu
売切れ
Tokuho売切れ

Kozuka signed Kawahosai made by Kawarabayashi Hideoki with Tokubetsu Hozon Tosogu

小柄

売却済

世界81社の刀剣商を横断追跡 · 価格履歴 · 売却アーカイブ

流派について

Otsuki School大月派

大月派は江戸時代後期京都を中心に活躍した装剣金工の一派である。開祖大月光興は元禄期に京都に出て、横谷宗珉の高彫色絵の技法を学び、独自の作風を確立した。門人には川原林秀興、篠山篤興、天光堂秀国らがおり、特に秀興は師の技法を継承しながら大月派を隆盛に導いた。文化文政期には秀興の門下から松尾月山嘉六(金剛斎)が輩出され、大月派の伝統を幕末まで維持した。同派は赤銅・真鍮・鉄・四分一など多様な地金を用い、高彫色絵を駆使した華麗な作風で知られる。 大月派の技法的特徴は、精緻な魚子地に高肉彫と据紋を併用し、金や素銅による色絵を施す点にある。高肉彫には立体感豊かな鏨使いが見られ、特に動物の羽毛や龍の鱗など細部の表現に優れる。構図は大胆であり、広い鉄地空間と高彫部分の分量が絶妙な均衡を保つ。片切彫も併用し、人物・動植物・故事など幅広い画題を手掛ける。鐔の造形は竪丸形・葵形・撫角形など多様であり、打返耳に仕立てられるものが多い。地金の微妙な起伏により動静を表現し、彫刻と空間の対比によって主題を際立たせる手法は同派の真骨頂である。 大月派の作品は幕末京都の装剣金工を代表するものとして高く評価される。月山の「孔雀図鐔・縁頭」は魚子を微細に蒔き、据紋を一際高く据え、鏨使いの巧緻さと重厚な面持ちで孔雀の華麗さを極めている。「潜り龍図鐔」は蕩々と飛翔する金龍を生命力豊かに表し、鉄地の起伏と高肉彫の均衡が絶妙である。「衣川館図鐔」は前九年・後三年合戦の一場面を画題とし、両武者の微妙な状態の描写と館の細密な彫技が見事である。これら重要刀装指定作に見る通り、大月派は師流を忠実に継承しながら独自の境地を開き、京都金工の伝統を後世に伝えた。

刀剣商

Soryu

soryu.pl

売切れ