1800年前後、水心子正秀は著述をもって、鍛刀は古作の法に立ち返るべしと説いた。復古刀の運動である。最大の後継者直胤は、数百年絶えていた備前伝と相州伝を確信をもって再現した。
同田貫は九州肥後国菊池の同田貫(地名)を本拠地に、永禄頃から活躍した肥後刀工の一群で延寿派の末流と伝えられています。本品の肥後住藤原直宗は、江戸時代は文政頃の人です。新々刀期には肥後同田貫一派の末尾を飾った良工と名高い刀匠です。彼は同田貫宗廣とともに江戸の水心子正秀に学びました。鍛法をよく研究したことで知られ、刀剣疑解など著書を残しています。細川家の藩士で六千石の重臣でした。刻銘は肥後住藤原直宗、肥後住騎士沼田藤原直宗、有宗とも号し、肥後国住有宗と刻しました。 本作体配は、身幅元先が確りとして、重ねは尋常。手持ちバランスがよい脇指です。地鉄は板目肌鍛で地沸が付きます。刃紋は匂価値の小互の目乱刃紋で、小沸つき明るく冴えます。刃中には小足入り働いております。帽子は湾調子となって小丸へと返ります。茎は生ぶで刻銘と年紀が入り、保存状態は良好です。通常に見る粗雑な雰囲気の同田貫とは一味違った出来栄えを示した美しく伝来が良さそうな一振です。茶漆に腰刻が金漆塗された粋な拵付の逸品です。保存刀剣鑑定書。
直宗Suishinshi Masahide Naomune
取扱店 銀座誠友堂








販売店の記載のまま
新々刀 · 肥後 · 1818-1830頃
刀剣大鑑 上位95%
新々刀 · 武蔵
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水心子正秀派は、十八世紀末から十九世紀初頭の江戸に興り、刀はすべて鎌倉の昔に復すべしとする復古刀運動を中核に据えた新々刀の一門である。開祖水心子正秀は、寛延三年に出羽国赤湯に川部儀八郎として生まれ[[c:1]]、武州下原の鍛冶吉英に学んだのち山形秋元家に仕え、のちに江戸浜町に移って約五十年に及ぶ作刀生活を送り、文政八年に七十六歳で歿した。彼は新々刀の祖と称され、古作の伝法を意図して甦らせることを唱えてその理論を世に広めたが、説明書は正秀自身の才のありかをむしろ壮年までの大坂写しに見いだす。この一門の物語で最も重きをなすのは、彼が江戸に糾合し育てた門人たちであろう。復古刀論を実地に示した第一の門人大慶直胤、二代正義細川守秀がその直下に立ち、さらに直胤の門から養子となった次郎太郎直勝、直胤の女婿と伝える水心子正次、正義の嫡子正守、米沢上杉家に仕えた長運斎綱俊、水戸藩工直江助政が連なって、出羽・江戸を中心に各藩へと広がった。 この一門を貫く共通の語法は、古刀各伝の意図的な復興にある。よく約んだ無地風に近い小板目に地沸を厚くつけ、その地の上に相州伝ののたれ・互の目、あるいは備前伝の丁子・互の目を焼くのが基調で、技術論的かつ教導的な性格がこれを支える。正秀の典型は津田助広に私淑した大坂写しの濤瀾乱れと井上真改風の広直刃にあり、地へこぼれる黒味がちの荒い沸が終始の手癖をなした。これに対して門人たちは古備前への遡りをいっそう深め、新々刀には本来失われた映りを意図して甦らせた。直胤はよくつんだ小板目に乱れ映りを鮮明に立て、後期長船の逆がかりを示す丁子乱れを焼いてこれを得意とし、説明書はその丁子乱れの巧みさを新々刀第一と評する。直勝は兼光に範をとった片落ち互の目を主体に、直胤よりも豪壮な姿と低く静かな焼きで古調を醸し、正次と正守はともに直胤・正義の二伝を忠実に承けて相州伝と備前伝を均しく再現し、綱俊は丁子に互の目を交えた備前伝を主調とした。一方で正秀みずからの備前伝・相州伝は終始焼刃が浅く荒い沸を交え、説明書はその技が門人直胤に及ばないと明記する。差異は資料の支持する範囲で明瞭で、直胤の備前・相州の両伝、直勝の長船写しに見る逆がかりと大杢目、助政の真改風直刃に偏した作域がそれぞれを分かつ。 鑑定の勘所は、まずこの意図的な映りと逆がかりに置かれる。明るい乱れ映りと角互の目を伴う逆がかりの丁子は、映りも逆がかりも持たぬ一般の新々刀から備前伝を分かち、相州伝は独特の渦巻肌と叢づき縞がかる沸の働きによって示される。位列としては正秀を上々作、直胤を最上作の在銘の大名跡とし、正義に次ぐ正守、綱俊、助政らがこれに続く。この一門は在銘・有年紀の作を数多く遺したため、その鑑定の問題は極めの難ではなくむしろ系統内の位置にあり、年ごとに変化する銘がその発展を正確に辿らせる。伝来は真田家伝来の大小や本間による御物台帳に所載の御太刀の副作、各藩工としての藩命作にうかがわれ、正秀が向き直らせた江戸の作刀は直胤を介して直勝・正次らへ受け継がれ、兼光・景光をねらった長船復古として幕末の十九世紀作刀に広く及んだ。 詳しく見る →
新々刀 復古の運動
1800年前後、水心子正秀は著述をもって、鍛刀は古作の法に立ち返るべしと説いた。復古刀の運動である。最大の後継者直胤は、数百年絶えていた備前伝と相州伝を確信をもって再現した。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトNo cooling-off period or returns; refund only if the purchased sword is proven fake, capped at purchase price (excludes commission sales, accessories, auction items).