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長曽祢興正 脇差 S053 【売約済】 蔵出しの初荷品:磨上げ、区送りながら「長曽祢興正」の銘が残る脇差です。目釘孔二。 鎬造、庵棟、先反り、中切先。 刃長:1尺9寸0分6厘(57.785 cm) 元幅:3.0 cm 先幅:2.1 cm 重ね:7 mm 刃文は互の目乱れに尖り刃を交え、細かな小沸出来。刃縁は明るく冴え、匂口深く厚くつきます。 地鉄は詰んだ板目肌。 帽子は小丸に止まり、適度な返りがあります。 銀箔一重台付木ハバキ。 現状、刃切れや欠けはありませんが、研ぎの乱れによる擦れ跡や薄汚れが見受けられます。ただし赤錆はなく、研ぎに出せば見違える一振りであり、その価値は十分にあります。 『日本刀工辞典 新刀編』では「上々作・大業物」に列せられ、『新刀大鑑 巻二』『日本刀随感 新刀編』『刀工大鑑』など、多くの専門書に同銘の作例が掲載されています。 外装は黒漆塗鞘に革製の軍刀覆い。 柄は無銘ながら奈良彫の赤銅地縁頭で、羊歯(しだ)と草花を金銀の高彫象嵌で施しています。目貫は欠落していますが、細かな鮫皮に茶の柄巻が堅牢に施されています。 鍔は八角形の南蛮鍔。 長曽祢興正は、長曽祢興里(虎徹)の門人で、延宝年間(1673-1681)に活躍した伝説的な名工です。その斬れ味は「大業物」として知られ、その技量は師である虎徹に比肩すると高く評価されています。 鉄地八角南蛮鍔(7.3 cm x 7.3 cm x 6 mm)。透かしの地板に、向かい合う龍と楼閣を金の色絵で表現。大陸(アジア圏)で製作され、日本刀用に仕立て直されたものです。 この鍔は六つの部品から成る精巧な構造で、本体は黒鉄地に金、切羽台は別種の鉄、さらに赤銅の櫃穴と切羽台を繋ぐ銅のスペーサーが二つ組み込まれています。 (ジェームス・マケルヒニー氏の評) 「この鍔の製作者は、異国情緒を意図したようです。オランダ東インド会社(VOC)の贈答品、あるいは日本国内外での珍品として作られた可能性があります。その意匠は清朝の護手や東南アジアの様式とも異なり、龍の形態(尖った前髪、滑らかな体躯、小さな足)はイスラム圏や東南アジアの影響を思わせます。おそらくオランダ向けの高品質な金属細工で知られたトンキン(ベトナム北部)製と推測されます。日本刀への転用に伴う加工は、矢上派の職人によるものでしょう。」 本品は未審査につき、お客様ご自身の眼識にてお求めください。 小丸帽子 長曽祢興正 銀箔一重ハバキ 六個構成 矢上南蛮鍔(7.3 cm x 7.3 cm x 6 mm) 無銘 奈良派 縁頭 『新刀大鑑 巻二』 『日本刀工辞典 新刀編』 『日本刀全集 新刀』 『刀工大鑑』所載・参照

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MarketAuctionsEncyclopedia
刀剣›虎徹›興正›長曽祢興正 脇差
脇差
興正

長曽祢興正 脇差

在銘 · 寛文 · 長さ 57.79cm

売却済
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法量・詳細
刀工
興正
種別
脇差
流派
Kotetsu
活動期
1661–1690年頃(Kanbun)
銘
在銘(在銘率 100%)
法量
長さ 57.79cm元幅 3cm先幅 2.1cm重ね 0.7cm
説明

長曽祢興正 脇差 S053 【売約済】 蔵出しの初荷品:磨上げ、区送りながら「長曽祢興正」の銘が残る脇差です。目釘孔二。 鎬造、庵棟、先反り、中切先。 刃長:1尺9寸0分6厘(57.785 cm) 元幅:3.0 cm 先幅:2.1 cm 重ね:7 mm 刃文は互の目乱れに尖り刃を交え、細かな小沸出来。刃縁は明るく冴え、匂口深く厚くつきます。 地鉄は詰んだ板目肌。 帽子は小丸に止まり、適度な返りがあります。 銀箔一重台付木ハバキ。 現状、刃切れや欠けはありませんが、研ぎの乱れによる擦れ跡や薄汚れが見受けられます。ただし赤錆はなく、研ぎに出せば見違える一振りであり、その価値は十分にあります。 『日本刀工辞典 新刀編』では「上々作・大業物」に列せられ、『新刀大鑑 巻二』『日本刀随感 新刀編』『刀工大鑑』など、多くの専門書に同銘の作例が掲載されています。 外装は黒漆塗鞘に革製の軍刀覆い。 柄は無銘ながら奈良彫の赤銅地縁頭で、羊歯(しだ)と草花を金銀の高彫象嵌で施しています。目貫は欠落していますが、細かな鮫皮に茶の柄巻が堅牢に施されています。 鍔は八角形の南蛮鍔。 長曽祢興正は、長曽祢興里(虎徹)の門人で、延宝年間(1673-1681)に活躍した伝説的な名工です。その斬れ味は「大業物」として知られ、その技量は師である虎徹に比肩すると高く評価されています。 鉄地八角南蛮鍔(7.3 cm x 7.3 cm x 6 mm)。透かしの地板に、向かい合う龍と楼閣を金の色絵で表現。大陸(アジア圏)で製作され、日本刀用に仕立て直されたものです。 この鍔は六つの部品から成る精巧な構造で、本体は黒鉄地に金、切羽台は別種の鉄、さらに赤銅の櫃穴と切羽台を繋ぐ銅のスペーサーが二つ組み込まれています。 (ジェームス・マケルヒニー氏の評) 「この鍔の製作者は、異国情緒を意図したようです。オランダ東インド会社(VOC)の贈答品、あるいは日本国内外での珍品として作られた可能性があります。その意匠は清朝の護手や東南アジアの様式とも異なり、龍の形態(尖った前髪、滑らかな体躯、小さな足)はイスラム圏や東南アジアの影響を思わせます。おそらくオランダ向けの高品質な金属細工で知られたトンキン(ベトナム北部)製と推測されます。日本刀への転用に伴う加工は、矢上派の職人によるものでしょう。」 本品は未審査につき、お客様ご自身の眼識にてお求めください。 小丸帽子 長曽祢興正 銀箔一重ハバキ 六個構成 矢上南蛮鍔(7.3 cm x 7.3 cm x 6 mm) 無銘 奈良派 縁頭 『新刀大鑑 巻二』 『日本刀工辞典 新刀編』 『日本刀全集 新刀』 『刀工大鑑』所載・参照

作者について

興正

Nagasone Kotetsu school (Edo, Shinto) · 武蔵 · 1661-1690頃

藤代 Jo-jo saku · 刀剣大鑑 上位14%

›

本間が経眼した長曽祢興正の作のうち、ある元禄の刀は同作中の第一とされ、説明書はその刀を「経眼した同作中の第一というべきもので虎徹の佳作に迫る程である」[[c:1]]と評する。興正は虎徹一門の継承者である。説明書は、彼が長曽祢虎徹興里に学び、後に養子となって二代目虎徹を継承し、その技量は師についで上手であったと記す。さらに進んで、虎徹銘の刀の中にもおそらく興正の代作、すなわち師に代わって作った作が含まれていようとし、両者の手は必ずしも分かちがたいとする。経眼する年紀は寛文十三年から元禄三年に亘り、姿は終始、身幅広く反り浅く中鋒に結ぶ寛文新刀体配である。江戸にあって、亡き師の名が市中で最も求められた頃に活躍した工である。

その典型は虎徹ゆずりの数珠刃、すなわち頭の丸い互の目が珠数を連ねたように刃縁に連なる作柄である。説明書はこれを本工の本領とし、師より受けた手と読む。これを写しでなく本工自身のものとするのは二点で、説明書もともに挙げる。第一は互の目が二つずつ連れる刃取りで、刃中に繰り返し現れる。第二は沸の質で、虎徹よりやや荒めにつき、ばさけごころにむらづく。説明書はこれを疵とせず、「技術は師についで上手であり」[[c:2]]と評しつつ、まさに興正と看取される見どころとする。ある脇指について説明書は「沸がやや荒目につき、砂流しがさかんにかかっているところなどに興正の特色がよく表示されている」[[c:3]]と記す。

地鉄はこの刃を載せる地である。よくつんだ小板目に杢を交え、時に肌立って板目となり、地沸を微塵に厚く敷き、地景を入れて、かねは明るく冴える。その上に刃文は元に直刃調の焼出しを見せ、のたれを基調に数珠刃へと立ち上がる。足太く葉入り、匂深く、小沸つき、金筋と長い砂流しがかかり、匂口は明るい。帽子は直ぐに小丸となり先掃きかける。数口は棒樋を掻き通し、また多くは裏に金象嵌の截断銘を帯びて、その截断の利を伝える。

説明書は興正を年代別に分けがたいと率直に記す。銘振りは多様で、年紀を刻したものは少なく、正の字の楷書体は延宝四年紀の作にのみ見られるという。その作のうちに説明書は二つの作域を引く。一つは右の数珠刃の本領で、最上の作では会心の出来に達し、覇気がある。いま一つはやや離れて立つ。焼幅を広げて浅い大のたれとし、荒めの沸が強くむらに走り、湯走り風と飛焼を交え、幅広・重ね厚く反りの深い頑健な姿に仕上げる。ある刀について説明書はこれを「野趣に溢れた作柄」[[c:4]]と称し豪壮とし、なお明るい匂口と二つずつ連れる互の目に同じ手が窺えるとする。この一脈を説明書は和泉守兼重の作柄に通じるものとし、兼重と長曽祢一門との関係を察知させるとする。

興正を分かつものは、師に対して、また一門の内にあって測られる。説明書は彼の刀をまさに虎徹宛らの出来としつつ、焼幅の広さ、二つずつ連れる互の目、荒めでばさけがちな沸を、虎徹の穏やかで冴えた刃と分かつところとして繰り返し挙げる。彼は一門の開かれた表の顔である。二代目虎徹として銘を切り表に立ち、米国より戻ったある合作の刀は、興久・興直が陰で彼を支えた様子を銘文に留める。虎徹興正と切る銘は継承を茎の上に明示し、ある長銘の刀を説明書は、師風を継ぎながら独自性を追った一口として挙げる。

収集の観点では、最上の在銘刀が師虎徹に迫るとされる新刀屈指の名である。藤代の極めは上々作。国宝はなく、重要文化財もない。その記録は重要刀剣の級を通じ、同級に二十五口、加えて昭和十七年に認定された重要美術品の刀が一口あり、これが本間の「経眼した同作中の第一というべきもの」[[c:5]]とした作である。来歴の記録は乏しく、伊藤家の刀と、かつて和田虎雄が蔵した一口が知られるのみで、現存の館蔵者は記録にない。されば在銘の興正は、世に出るよりも蔵されることが多く、数珠刃の作域の刀で、体配健全に刃明るい一口が私蔵の収集家のもとに現れるのは折にふれてのことであり、虎徹一門の二代目がこれを継いだ時を語る一証である。

歴史的重要度

興正の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定の実績
指定26口
重要美術品
1
重要刀剣
25
興正 — 詳細Nagasone Kotetsu school (Edo, Shinto)派

年紀作

在銘年紀作が示す、確実に活動していた年代

活動期間
1673–1681推定期間:1661–1690
指定品24点のうち3点に年紀あり
1670
1680
1690
流派について

虎徹

新刀 · 武蔵

現在4点販売中

›

長曽祢虎徹興里は元々越前の甲冑師であり、明暦二年頃、五十歳ばかりの頃に江戸へ出て刀鍛冶へ転じたと伝える。通称を三之丞と称し、興里と名乗ったが、入道して「こてつ入道」といい、初めは「古鉄」の字を用い、後に「虎徹」、さらに寛文四年八月からは「乕徹」「馬徹」の字を使用している。年紀のある作では明暦二年が最初期、延宝五年がその下限とされ、武蔵国江戸の東叡山忍岡辺に住したことが住居地銘にうかがえる。その系では、通説に虎徹の門に学んで後に養子となり二代目を継承したと伝える長曽祢興正があり、経眼される年紀は寛文十三年から元禄三年に及ぶ。興正の技倆は師に次いで巧みで、虎徹晩年の作のうちには興正の代作が含まれていると考えられている。江戸中期、寛文を中心とする新刀の只中に立ち、甲冑師の出という異色の経歴から鍛刀の名門が興った。 作風は地鉄が強く、地刃の匂口が明るく冴えるのを特色とし、作刀の多くに焼出しを伴う。鍛えは小板目肌がよくつんで杢を交え、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かによく入り、腰元には梃子鉄と称する大肌や地斑状の肌合を交えることがあり、かねが冴える。刃文は前期には瓢箪刃と称される大小の互の目が繋がって出入りのある乱れを焼き、後期には焼の出入りに変化の少ない、頭の丸い互の目の連れた、いわゆる数珠刃と呼ばれる独特の互の目乱れを焼く。これに伴い銘も前期の「はね虎」から寛文四年に「はこ虎」へ改まり、作域の推移と対応する。足が太く頻りに入り、匂深く小沸が厚くつき、金筋・砂流しのかかるものが多い。帽子は直ぐに小丸とし、横手を互の目で跨ぐいわゆる乕徹帽子を見せるのが見分けの要となる。姿は元先の幅差がつき反り浅く中鋒のつまる寛文新刀の体配で、手持ちの重い頑健なものが多く、梵字・三鈷剣・倶利迦羅などの彫物を自身彫として添えた作も知られる。興正は師ゆずりの数珠刃を継ぎつつ、匂深く沸の覇気ある刃を焼き、互の目丁子を交えるなど独自を追った持ち味を示す。 虎徹が収集家に重んじられるのは、地刃の冴えと数珠刃の見どころに加え、記録された截断の評による。寛文五年三月の貳ツ胴切落、同年十一月の両車切落、寛文元年の三ツ胴截断など、山野勘十郎久英・山野加右衛門永久らによる金象嵌截断銘が遺り、その切れ味の高さを今に伝える。截断は必ずしも直ちに象嵌されたものではなく、後日まとめて施された例もこれらの銘から知られる。伝来の確かな作も尊ばれ、肥前国鍋島家に伝わって佐藤寒山博士の鞘書に鍋島虎徹の異名を記すものがある。鑑定の要点は、明るく冴える地刃、前期の瓢箪刃と後期の数珠刃という時期による作域の違い、乕徹帽子の所作、銘振りの推移にあり、年紀を欠く作でも銘と作域から制作期を推し量ることができる。短刀は作例が極めて少なく、相州伝の趣を強く感じさせるものが知られる。甲冑師から転じて一代で名を成し、後継の興正へと技を伝えたこの系は、江戸新刀を代表する一門として確固たる位置を占めている。

5名の刀工指定162口
主要刀工
刀工時代指定
虎徹1644-1677128
興正1661-169026
長曽祢興里c.1597-16784
興久1673-16812
虎入道1661-16732
虎徹流派を見る →
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販売店の出品ページで鑑定書を確認できませんでした。日本刀および刀装具は通常、NBTHK(または NTHK)の鑑定を受けます。鑑定書がない場合、極めは販売店の見解にとどまり、第三者による確認は行われていません。ご購入前に販売店へ鑑定書の有無をお問い合わせのうえ、慎重にご判断ください。

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Katana - Jūyō - by Kotetsu Okimasa - 重要刀剣 最上作 最上大業物 刀 長曽袮興正Katana - Jūyō - by Kotetsu Okimasa - 重要刀剣 最上作 最上大業物 刀 長曽袮興正
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作興正
72.95cm·Kanbun (1661-1673)
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52.4cm·Kanbun (1661-1673)
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刀

作興正
Kanbun (1661-1673)
売却済
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特別保存
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54.4cm·Kanbun (1661-1673)
売却済
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長曽祢興正 脇差

在銘 · 寛文 · 長さ 57.79cm

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法量・詳細
刀工
興正
種別
脇差
流派
Kotetsu
活動期
1661–1690年頃(Kanbun)
銘
在銘(在銘率 100%)
法量
長さ 57.79cm元幅 3cm先幅 2.1cm重ね 0.7cm
説明

長曽祢興正 脇差 S053 【売約済】 蔵出しの初荷品:磨上げ、区送りながら「長曽祢興正」の銘が残る脇差です。目釘孔二。 鎬造、庵棟、先反り、中切先。 刃長:1尺9寸0分6厘(57.785 cm) 元幅:3.0 cm 先幅:2.1 cm 重ね:7 mm 刃文は互の目乱れに尖り刃を交え、細かな小沸出来。刃縁は明るく冴え、匂口深く厚くつきます。 地鉄は詰んだ板目肌。 帽子は小丸に止まり、適度な返りがあります。 銀箔一重台付木ハバキ。 現状、刃切れや欠けはありませんが、研ぎの乱れによる擦れ跡や薄汚れが見受けられます。ただし赤錆はなく、研ぎに出せば見違える一振りであり、その価値は十分にあります。 『日本刀工辞典 新刀編』では「上々作・大業物」に列せられ、『新刀大鑑 巻二』『日本刀随感 新刀編』『刀工大鑑』など、多くの専門書に同銘の作例が掲載されています。 外装は黒漆塗鞘に革製の軍刀覆い。 柄は無銘ながら奈良彫の赤銅地縁頭で、羊歯(しだ)と草花を金銀の高彫象嵌で施しています。目貫は欠落していますが、細かな鮫皮に茶の柄巻が堅牢に施されています。 鍔は八角形の南蛮鍔。 長曽祢興正は、長曽祢興里(虎徹)の門人で、延宝年間(1673-1681)に活躍した伝説的な名工です。その斬れ味は「大業物」として知られ、その技量は師である虎徹に比肩すると高く評価されています。 鉄地八角南蛮鍔(7.3 cm x 7.3 cm x 6 mm)。透かしの地板に、向かい合う龍と楼閣を金の色絵で表現。大陸(アジア圏)で製作され、日本刀用に仕立て直されたものです。 この鍔は六つの部品から成る精巧な構造で、本体は黒鉄地に金、切羽台は別種の鉄、さらに赤銅の櫃穴と切羽台を繋ぐ銅のスペーサーが二つ組み込まれています。 (ジェームス・マケルヒニー氏の評) 「この鍔の製作者は、異国情緒を意図したようです。オランダ東インド会社(VOC)の贈答品、あるいは日本国内外での珍品として作られた可能性があります。その意匠は清朝の護手や東南アジアの様式とも異なり、龍の形態(尖った前髪、滑らかな体躯、小さな足)はイスラム圏や東南アジアの影響を思わせます。おそらくオランダ向けの高品質な金属細工で知られたトンキン(ベトナム北部)製と推測されます。日本刀への転用に伴う加工は、矢上派の職人によるものでしょう。」 本品は未審査につき、お客様ご自身の眼識にてお求めください。 小丸帽子 長曽祢興正 銀箔一重ハバキ 六個構成 矢上南蛮鍔(7.3 cm x 7.3 cm x 6 mm) 無銘 奈良派 縁頭 『新刀大鑑 巻二』 『日本刀工辞典 新刀編』 『日本刀全集 新刀』 『刀工大鑑』所載・参照

作者について

興正

Nagasone Kotetsu school (Edo, Shinto) · 武蔵 · 1661-1690頃

藤代 Jo-jo saku · 刀剣大鑑 上位14%

›

本間が経眼した長曽祢興正の作のうち、ある元禄の刀は同作中の第一とされ、説明書はその刀を「経眼した同作中の第一というべきもので虎徹の佳作に迫る程である」[[c:1]]と評する。興正は虎徹一門の継承者である。説明書は、彼が長曽祢虎徹興里に学び、後に養子となって二代目虎徹を継承し、その技量は師についで上手であったと記す。さらに進んで、虎徹銘の刀の中にもおそらく興正の代作、すなわち師に代わって作った作が含まれていようとし、両者の手は必ずしも分かちがたいとする。経眼する年紀は寛文十三年から元禄三年に亘り、姿は終始、身幅広く反り浅く中鋒に結ぶ寛文新刀体配である。江戸にあって、亡き師の名が市中で最も求められた頃に活躍した工である。

その典型は虎徹ゆずりの数珠刃、すなわち頭の丸い互の目が珠数を連ねたように刃縁に連なる作柄である。説明書はこれを本工の本領とし、師より受けた手と読む。これを写しでなく本工自身のものとするのは二点で、説明書もともに挙げる。第一は互の目が二つずつ連れる刃取りで、刃中に繰り返し現れる。第二は沸の質で、虎徹よりやや荒めにつき、ばさけごころにむらづく。説明書はこれを疵とせず、「技術は師についで上手であり」[[c:2]]と評しつつ、まさに興正と看取される見どころとする。ある脇指について説明書は「沸がやや荒目につき、砂流しがさかんにかかっているところなどに興正の特色がよく表示されている」[[c:3]]と記す。

地鉄はこの刃を載せる地である。よくつんだ小板目に杢を交え、時に肌立って板目となり、地沸を微塵に厚く敷き、地景を入れて、かねは明るく冴える。その上に刃文は元に直刃調の焼出しを見せ、のたれを基調に数珠刃へと立ち上がる。足太く葉入り、匂深く、小沸つき、金筋と長い砂流しがかかり、匂口は明るい。帽子は直ぐに小丸となり先掃きかける。数口は棒樋を掻き通し、また多くは裏に金象嵌の截断銘を帯びて、その截断の利を伝える。

説明書は興正を年代別に分けがたいと率直に記す。銘振りは多様で、年紀を刻したものは少なく、正の字の楷書体は延宝四年紀の作にのみ見られるという。その作のうちに説明書は二つの作域を引く。一つは右の数珠刃の本領で、最上の作では会心の出来に達し、覇気がある。いま一つはやや離れて立つ。焼幅を広げて浅い大のたれとし、荒めの沸が強くむらに走り、湯走り風と飛焼を交え、幅広・重ね厚く反りの深い頑健な姿に仕上げる。ある刀について説明書はこれを「野趣に溢れた作柄」[[c:4]]と称し豪壮とし、なお明るい匂口と二つずつ連れる互の目に同じ手が窺えるとする。この一脈を説明書は和泉守兼重の作柄に通じるものとし、兼重と長曽祢一門との関係を察知させるとする。

興正を分かつものは、師に対して、また一門の内にあって測られる。説明書は彼の刀をまさに虎徹宛らの出来としつつ、焼幅の広さ、二つずつ連れる互の目、荒めでばさけがちな沸を、虎徹の穏やかで冴えた刃と分かつところとして繰り返し挙げる。彼は一門の開かれた表の顔である。二代目虎徹として銘を切り表に立ち、米国より戻ったある合作の刀は、興久・興直が陰で彼を支えた様子を銘文に留める。虎徹興正と切る銘は継承を茎の上に明示し、ある長銘の刀を説明書は、師風を継ぎながら独自性を追った一口として挙げる。

収集の観点では、最上の在銘刀が師虎徹に迫るとされる新刀屈指の名である。藤代の極めは上々作。国宝はなく、重要文化財もない。その記録は重要刀剣の級を通じ、同級に二十五口、加えて昭和十七年に認定された重要美術品の刀が一口あり、これが本間の「経眼した同作中の第一というべきもの」[[c:5]]とした作である。来歴の記録は乏しく、伊藤家の刀と、かつて和田虎雄が蔵した一口が知られるのみで、現存の館蔵者は記録にない。されば在銘の興正は、世に出るよりも蔵されることが多く、数珠刃の作域の刀で、体配健全に刃明るい一口が私蔵の収集家のもとに現れるのは折にふれてのことであり、虎徹一門の二代目がこれを継いだ時を語る一証である。

歴史的重要度

興正の位置づけを、日本刀全体および伝統・時代・時期ごとに示します。各位(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定の実績
指定26口
重要美術品
1
重要刀剣
25
興正 — 詳細Nagasone Kotetsu school (Edo, Shinto)派

年紀作

在銘年紀作が示す、確実に活動していた年代

活動期間
1673–1681推定期間:1661–1690
指定品24点のうち3点に年紀あり
1670
1680
1690
流派について

虎徹

新刀 · 武蔵

現在4点販売中

›

長曽祢虎徹興里は元々越前の甲冑師であり、明暦二年頃、五十歳ばかりの頃に江戸へ出て刀鍛冶へ転じたと伝える。通称を三之丞と称し、興里と名乗ったが、入道して「こてつ入道」といい、初めは「古鉄」の字を用い、後に「虎徹」、さらに寛文四年八月からは「乕徹」「馬徹」の字を使用している。年紀のある作では明暦二年が最初期、延宝五年がその下限とされ、武蔵国江戸の東叡山忍岡辺に住したことが住居地銘にうかがえる。その系では、通説に虎徹の門に学んで後に養子となり二代目を継承したと伝える長曽祢興正があり、経眼される年紀は寛文十三年から元禄三年に及ぶ。興正の技倆は師に次いで巧みで、虎徹晩年の作のうちには興正の代作が含まれていると考えられている。江戸中期、寛文を中心とする新刀の只中に立ち、甲冑師の出という異色の経歴から鍛刀の名門が興った。 作風は地鉄が強く、地刃の匂口が明るく冴えるのを特色とし、作刀の多くに焼出しを伴う。鍛えは小板目肌がよくつんで杢を交え、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かによく入り、腰元には梃子鉄と称する大肌や地斑状の肌合を交えることがあり、かねが冴える。刃文は前期には瓢箪刃と称される大小の互の目が繋がって出入りのある乱れを焼き、後期には焼の出入りに変化の少ない、頭の丸い互の目の連れた、いわゆる数珠刃と呼ばれる独特の互の目乱れを焼く。これに伴い銘も前期の「はね虎」から寛文四年に「はこ虎」へ改まり、作域の推移と対応する。足が太く頻りに入り、匂深く小沸が厚くつき、金筋・砂流しのかかるものが多い。帽子は直ぐに小丸とし、横手を互の目で跨ぐいわゆる乕徹帽子を見せるのが見分けの要となる。姿は元先の幅差がつき反り浅く中鋒のつまる寛文新刀の体配で、手持ちの重い頑健なものが多く、梵字・三鈷剣・倶利迦羅などの彫物を自身彫として添えた作も知られる。興正は師ゆずりの数珠刃を継ぎつつ、匂深く沸の覇気ある刃を焼き、互の目丁子を交えるなど独自を追った持ち味を示す。 虎徹が収集家に重んじられるのは、地刃の冴えと数珠刃の見どころに加え、記録された截断の評による。寛文五年三月の貳ツ胴切落、同年十一月の両車切落、寛文元年の三ツ胴截断など、山野勘十郎久英・山野加右衛門永久らによる金象嵌截断銘が遺り、その切れ味の高さを今に伝える。截断は必ずしも直ちに象嵌されたものではなく、後日まとめて施された例もこれらの銘から知られる。伝来の確かな作も尊ばれ、肥前国鍋島家に伝わって佐藤寒山博士の鞘書に鍋島虎徹の異名を記すものがある。鑑定の要点は、明るく冴える地刃、前期の瓢箪刃と後期の数珠刃という時期による作域の違い、乕徹帽子の所作、銘振りの推移にあり、年紀を欠く作でも銘と作域から制作期を推し量ることができる。短刀は作例が極めて少なく、相州伝の趣を強く感じさせるものが知られる。甲冑師から転じて一代で名を成し、後継の興正へと技を伝えたこの系は、江戸新刀を代表する一門として確固たる位置を占めている。

5名の刀工指定162口
主要刀工
刀工時代指定
虎徹1644-1677128
興正1661-169026
長曽祢興里c.1597-16784
興久1673-16812
虎入道1661-16732
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