仙人図小柄 無銘(水戸) -Mumei(Mito)- 長さ97.55ミリ 幅14.5ミリ 重さ27.5グラム 江戸中期~後期頃 The middle to late Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 水戸金工は江戸時代中期以降に興隆し、とりわけ幕末には多くの名工が活躍しました。精緻な高肉彫を特色の一つとし、人物や龍虎、花鳥などを生き生きと表した刀装具に優れた作品を残しています。仙人を題材とする作例も伝わり、人物の表情や身振りを巧みに捉えた彫刻と、色金を取り合わせた豊かな表現が見どころとなっています。 本作は朧銀地の下方に仙人を鋤出高彫で表し、上方の意匠に銀・赤銅の平象嵌を取り合わせた小柄です。長い髭を蓄えた仙人は片腕を頭上へ回し、顔を上方へ向ける姿で表され、眉や目鼻の起伏、細く刻まれた髪と髭、衣の襞まで丁寧に彫り分けられています。金銀色絵による色調の変化も美しく、とりわけ帯や結び紐、衣の下部に配した金の輝きが、落ち着いた地色の中で人物を鮮やかに引き立てています。上方には扇状の意匠と渦を伴う雲形を配し、人物との間に広い余白を残すことで、仙人の見上げる動作が印象に残る構成としています。 表裏には濃淡のある古色と細かな擦れが見られ、朧銀地に味わいのある表情を与えています。人物の顔貌や髭、衣には細部の彫りが残り、手に取って眺めるほどに表情や鏨の働きを楽しめます。制作時期は江戸中期から後期頃と見られ、無銘ながら水戸と極められています。人物の立体的な彫刻と平象嵌の控えめな表現、そして余白を生かした構成が調和する、趣深い一品です。






水戸派
江戸
常陸
無銘
保存 (NBTHK)
町彫 · 常陸
現在80点販売中
水戸派は江戸時代後期から幕末にかけて、常陸国水戸藩を中心に発展した刀装金工の一派である。篠崎勝茂を直系とする水戸金工群は、藩の庇護のもとで御用彫物師の地位を確立し、赤銅魚子地に高彫という手法を用いた作品を数多く制作した。横谷派の影響を受けつつも独自の様式を展開し、人物図を得意とする玉川派の系譜を引く工人たちが、牡丹獅子図や七福神図などの吉祥文様を立体的な彫技で表現した。 代表的な工人である生涼軒萩谷勝平は、文化元年に水戸に生まれ、篠崎勝茂の門に学んだ後、天保十五年より藩の御用彫物師となった。通称を弥介といい、門人にこの一字を与えたことでも知られる。勝平の作品は赤銅魚子地に高彫という技法を用い、銀象嵌や金布目象嵌を豊富に施した華麗な作風を特徴とする。獅子の巻毛や牡丹の花弁を実に立体的に彫り上げ、色絵も的確で隙のない工法により、質感に富んだ鮮やかな仕上がりを見せる。竜田川図や流水紅葉散図などの自然文様においても、高い技術による完成度の高い表現を残している。 水戸派は多くの優れた門人を育成し、勝平の門からは滑川貞勝、海野勝珉、鈴木勝容などの名工が輩出している。海野美盛の門人である海野美秋、海野美春も人物表現に巧みで、師の玉川派の流れを汲む丁寧な色絵技法を受け継いだ。額川保誠のような後期の工人たちは、家紋散図など正統的な形式による作品を制作し、幕末の水戸金工群の充実ぶりを示している。水戸派の作品は堅実丁寧な技が光り、幕末金工史における重要な位置を占めている。 詳しく見る →
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトお求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。
¥275,000
仙人図小柄 無銘(水戸) -Mumei(Mito)- 長さ97.55ミリ 幅14.5ミリ 重さ27.5グラム 江戸中期~後期頃 The middle to late Edo period 附属 保存刀装具鑑定書、桐箱 水戸金工は江戸時代中期以降に興隆し、とりわけ幕末には多くの名工が活躍しました。精緻な高肉彫を特色の一つとし、人物や龍虎、花鳥などを生き生きと表した刀装具に優れた作品を残しています。仙人を題材とする作例も伝わり、人物の表情や身振りを巧みに捉えた彫刻と、色金を取り合わせた豊かな表現が見どころとなっています。 本作は朧銀地の下方に仙人を鋤出高彫で表し、上方の意匠に銀・赤銅の平象嵌を取り合わせた小柄です。長い髭を蓄えた仙人は片腕を頭上へ回し、顔を上方へ向ける姿で表され、眉や目鼻の起伏、細く刻まれた髪と髭、衣の襞まで丁寧に彫り分けられています。金銀色絵による色調の変化も美しく、とりわけ帯や結び紐、衣の下部に配した金の輝きが、落ち着いた地色の中で人物を鮮やかに引き立てています。上方には扇状の意匠と渦を伴う雲形を配し、人物との間に広い余白を残すことで、仙人の見上げる動作が印象に残る構成としています。 表裏には濃淡のある古色と細かな擦れが見られ、朧銀地に味わいのある表情を与えています。人物の顔貌や髭、衣には細部の彫りが残り、手に取って眺めるほどに表情や鏨の働きを楽しめます。制作時期は江戸中期から後期頃と見られ、無銘ながら水戸と極められています。人物の立体的な彫刻と平象嵌の控えめな表現、そして余白を生かした構成が調和する、趣深い一品です。






水戸派
江戸
常陸
無銘
保存 (NBTHK)
町彫 · 常陸
現在80点販売中
水戸派は江戸時代後期から幕末にかけて、常陸国水戸藩を中心に発展した刀装金工の一派である。篠崎勝茂を直系とする水戸金工群は、藩の庇護のもとで御用彫物師の地位を確立し、赤銅魚子地に高彫という手法を用いた作品を数多く制作した。横谷派の影響を受けつつも独自の様式を展開し、人物図を得意とする玉川派の系譜を引く工人たちが、牡丹獅子図や七福神図などの吉祥文様を立体的な彫技で表現した。 代表的な工人である生涼軒萩谷勝平は、文化元年に水戸に生まれ、篠崎勝茂の門に学んだ後、天保十五年より藩の御用彫物師となった。通称を弥介といい、門人にこの一字を与えたことでも知られる。勝平の作品は赤銅魚子地に高彫という技法を用い、銀象嵌や金布目象嵌を豊富に施した華麗な作風を特徴とする。獅子の巻毛や牡丹の花弁を実に立体的に彫り上げ、色絵も的確で隙のない工法により、質感に富んだ鮮やかな仕上がりを見せる。竜田川図や流水紅葉散図などの自然文様においても、高い技術による完成度の高い表現を残している。 水戸派は多くの優れた門人を育成し、勝平の門からは滑川貞勝、海野勝珉、鈴木勝容などの名工が輩出している。海野美盛の門人である海野美秋、海野美春も人物表現に巧みで、師の玉川派の流れを汲む丁寧な色絵技法を受け継いだ。額川保誠のような後期の工人たちは、家紋散図など正統的な形式による作品を制作し、幕末の水戸金工群の充実ぶりを示している。水戸派の作品は堅実丁寧な技が光り、幕末金工史における重要な位置を占めている。 詳しく見る →
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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