徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
UJKA499 – 売約済 刀 銘:豊州高田住藤原統行 統行(むねゆき)は、九州の豊後高田派を代表する名跡の一つです。高田派は古刀期まで遡る歴史を持ち、実戦に耐えうる堅牢な作風で古くから定評があります。代々その名が受け継がれているため個人の特定は容易ではありませんが、本作の体配や構成から、寛文年間(1661-1673年)に活躍した三代目統行の手によるものと推測されます。 高田派の刀は鑑賞用以上に実用を重んじて製作されていますが、本作は長さ76.5cmと、一般的な寛文新刀と比べても際立って長寸です。地肌は小板目に小杢目が交じり、流れ肌や豊かな地景が随所に現れる精緻な鍛えを見せています。圧巻は刃文で、互の目乱れを基調としつつ、簾刃、飛び焼、掃きかけるような砂流し、箱乱れ、矢筈刃、そして輝く金筋が複雑に絡み合い、同時代の作の中でも類を見ないほど見どころに溢れています。 拵は幕末期の美しい朱塗鞘で、白鮫に黒糸の菱巻で引き締めた格調高い一振です。長州の住人、中井友恒銘の鉄地お多福形鍔は、透かしの空間美と繊細な金象嵌の花文が調和しています。美濃住光仲銘の縁頭には、秋草に蟷螂(カマキリ)と鈴虫が描かれています。蟷螂は、退くべき場面でも決して引かぬ勇猛さの象徴であり、まさにその武士の精神に共鳴する愛刀家に相応しい一振りと言えるでしょう。 商品番号 UJKA499 種別 刀 刀匠 豊州高田住藤原統行 銘文 豊州高田住藤原統行 流派 豊後高田 国 豊後 時代 新刀 - 江戸時代(寛文頃:1661-1673年) 長さ 76.5cm(生ぶ茎) 反り 0.8cm 元幅 2.91cm 重量 730g

備前伝 · 豊後 · 1644-1648頃
刀剣大鑑 上位76%
現在1点販売中
備前伝 · 豊後
現在42点販売中
豊後国の高田派は、同国高田荘の地名を負う一門で、鎌倉初期に定秀・行平らの名工を出した九州刀の伝統が一時跡絶えた後、南北朝時代に友行が同地に現れて再興した鍛冶集団である。説示は友行をもって高田鍛冶の祖とし、現存する年紀作に貞治・正平の年号を伝える点を挙げる。友行のほか、その子あるいは門人と伝える時行が著名で、別系と思われる行政には建徳二年紀の短刀がある。南北朝期の作には「藤原」を冠し、室町期以降は「平」を銘じて「盛」「守」「鎮」「統」などを通字とし、これらを総じて平高田と汎称する。さらに末期に至って再び「藤原」を冠するようになり、江戸期以降もこれを踏襲して藤原高田と呼び習わされ区分される。この間に長盛・竪守・鎮教・鎮清・鎮正らを輩出し、鎮正の門からは伊予宇和島に移った国房が出て新刀期へと繋がるなど、室町後期から江戸期に及ぶ長い系譜を形づくった。 作風は説示の記すところ多彩で、一様には括れない。鍛えは板目に杢を交え、総じて肌立ちごころとなり、柾に流れる態を見せて、地沸つき地景入り、白気映りや乱れ映りが立つものが多い。刃文は直刃を基調とするものから、小互の目や角ばる互の目を交えて乱れるもの、腰の開いた複式風で末備前を彷彿とさせるもの、さらに皆焼に及ぶものまで幅がある。祖の友行は同時代の左文字一類に近似するが、刃中に角ばる互の目が間遠に連れ、地に白けが強く地斑を交える点が見どころとされる。室町期の作の多くに共通する要所として、刃中に針の先で突いたような固い葉が入ることが従来指摘されており、系統と時代の判別に資する。姿形は室町中期頃までは反りが深くついて反らせたものが多く、末期は身幅広めで反りが幾分浅く、中鋒が延びて時代を映した頑健な造込みとなる。行政の作のように、鍛えが大きく流れて古典色が濃く、櫃中に行平を踏襲した倶利迦羅の浮彫を施す例もみられる。 伝承の上では、高田物は実用刀として広く行き渡った一方、斯界の評価は決して高くないとされてきた。説示はその傾向を踏まえつつ、地刃に破綻なく締まりごころとなり、来国行を参考にしたとも言えるほどの出来を示す鎮教や、地鉄精良で匂口冴える鎮清の作をもって面目を挽回する出色の一口と評し、平高田中で最も技倆に優れ直刃を得意とした長盛を一派の代表として挙げる。伝来を備える品も少なくなく、行政の短刀は庄内酒井家に伝わって本阿弥光忠の折紙を添え、鎮教には黒田家の重宝となり享保名物追記に載る権藤鎮教の長刀があり、長盛の脇指には島津継豊から本田親章へ拝領された切付銘を持つものがある。中世豊後刀工の作域を今に伝える資料として、また実用に堪える堅牢さと九州古典派の余韻を併せ持つ一門として位置づけられる。 詳しく見る →
江戸時代
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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