肥後延寿から派生した同田貫一派は、加藤清正から一字を授かった正国(上野介)を祖とし室町後期から続く刀工群。兜割りなど質実剛健なイメージで、「折れず曲がらず同田貫」と称された。同田貫という一風変わった名前の由来は、熊本県菊池市碑方にあった地名と言われ、地名姓として道田貫、洞田貫、同田という姓名で現在も残っている。 宗広は初代同田貫上野介の十代目で、備前伝を取り入れた華やかな作柄が多い。 本作は貴重な年紀入りの優品。適度な長さに尋常な反り格好で、双樋を上手に掻いて体配を引き締める。互の目乱れ刃文は固山宗次を連想させる出来映えで、やや逆掛かった互の目乱れ刃文は高低差があり華やか。小板目肌はよく詰んで欠点もなく、帽子は焼き深く乱れ込んでいる。 典型的な肥後拵は宗広の生ぶ拵と思われ、茶石目地雲文鞘に柄糸も茶色で合わせる。黒く塗り上げた鮫皮を巻いて、肥後物らしく短寸で仕上げる。鐔は鉄地海鼠透かし、縁頭も鉄地で渋く揃え、目貫は赤銅地藤図、小柄は素銅地獅子牡丹図。 研ぎ上がり疵気もなく健全そのもので、安心してお勧め出来る優刀。保存刀剣鑑定書附。















備前伝 · 肥後 · 1830-1868頃
刀剣大鑑 上位87%
現在1点販売中
備前伝 · 肥後
現在12点販売中
同田貫は肥後国の菊池に室町末期から興り、新刀期に及んで活躍した一派である。説示は本派を九州肥後を代表する流派として位置づけ、その一門に正国・上野介・又八(又八左衛門)・正広・兵部・左馬介・国勝らの工があったことを伝える。年紀を備えた遺例には天正から慶長に跨がる作が見られ、上野介には慶長九年・慶長十六年八月吉日の銘があって、新古を跨ぐ形でこの工が活躍したことが知られる。正国の薙刀は桃山時代の製作と鑑せられ、刀身とほぼ同時期に誂えられた拵を伴う例もある。説示の伝える工と年紀からは、戦国末から江戸初頭にかけての肥後にあって、実用の需に応えた工房の姿がうかがえる。 作風は、身幅広く重ね厚く平肉の豊かな豪壮な造込みを基調とする。説示はこれを武骨な姿とも記し、鎬造の刀のほかに大身槍や大振りの薙刀の作例も数多く経眼されると述べる。鍛えは板目肌で、処々に流れ肌や杢目を交え、やや肌立ちごころとなり、地沸がつく。刃文はのたれを基調に小互の目・小丁子・小尖り刃などが交じり、足・葉がよく入り、匂口は締りがちで叢沸となり、飛焼や棟焼を見せ、金筋・砂流しの細かにかかる作がある。互の目乱れを主とする例や、正広の薙刀のように直刃を焼いて匂口の沈む作も伝えられ、一派のうちに振幅のあることが説示から読み取れる。見分けに当たっては、頑健な姿態と、匂口の締まった乱刃に叢沸・飛焼・棟焼の交じる地刃の様相が手がかりとなる。 伝承の面では、説示はこの派の刀の鋭利さが古くから賞讃され、実用刀として知られてきたことを繰り返し記す。代表工とされる上野介には、常に見る同派の作域よりも変化に富み野趣の感じられる作があり、沈みごころの地刃に渋い味わいの醸される一口が同工および同派を代表する出来として挙げられている。正国の薙刀は、地沸の微塵に厚くついた鍛えと、同派の常以上に明るく沸づいて刃中の頻りに働く刃文をもって秀作と評され、黒漆金蒔絵柄鞘薙刀拵を附帯する。又八の薙刀には匂口の締まった作に沸のつく一派の特色がよく示され、黒塗薙刀拵を伴う。資料は僅少ながら、これらの遺例は、肥後にあって頑健と切れ味を旨とした同田貫の性格を、刀・薙刀の双方に即して伝えるものといえる。
商品がお気に召さなかった場合は、理由の如何に関わらず遠慮なくご返品ください。その際、返送料はお客様のご負担にてお願いします。ご返金は商品到着後、販売時と同じ状態であることを確認の上、即日ご指定口座にお振り込みさせていただきます。店舗にてご購入された場合、クーリングオフの適用範囲外となります。
肥後延寿から派生した同田貫一派は、加藤清正から一字を授かった正国(上野介)を祖とし室町後期から続く刀工群。兜割りなど質実剛健なイメージで、「折れず曲がらず同田貫」と称された。同田貫という一風変わった名前の由来は、熊本県菊池市碑方にあった地名と言われ、地名姓として道田貫、洞田貫、同田という姓名で現在も残っている。 宗広は初代同田貫上野介の十代目で、備前伝を取り入れた華やかな作柄が多い。 本作は貴重な年紀入りの優品。適度な長さに尋常な反り格好で、双樋を上手に掻いて体配を引き締める。互の目乱れ刃文は固山宗次を連想させる出来映えで、やや逆掛かった互の目乱れ刃文は高低差があり華やか。小板目肌はよく詰んで欠点もなく、帽子は焼き深く乱れ込んでいる。 典型的な肥後拵は宗広の生ぶ拵と思われ、茶石目地雲文鞘に柄糸も茶色で合わせる。黒く塗り上げた鮫皮を巻いて、肥後物らしく短寸で仕上げる。鐔は鉄地海鼠透かし、縁頭も鉄地で渋く揃え、目貫は赤銅地藤図、小柄は素銅地獅子牡丹図。 研ぎ上がり疵気もなく健全そのもので、安心してお勧め出来る優刀。保存刀剣鑑定書附。















備前伝 · 肥後 · 1830-1868頃
刀剣大鑑 上位87%
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同田貫は肥後国の菊池に室町末期から興り、新刀期に及んで活躍した一派である。説示は本派を九州肥後を代表する流派として位置づけ、その一門に正国・上野介・又八(又八左衛門)・正広・兵部・左馬介・国勝らの工があったことを伝える。年紀を備えた遺例には天正から慶長に跨がる作が見られ、上野介には慶長九年・慶長十六年八月吉日の銘があって、新古を跨ぐ形でこの工が活躍したことが知られる。正国の薙刀は桃山時代の製作と鑑せられ、刀身とほぼ同時期に誂えられた拵を伴う例もある。説示の伝える工と年紀からは、戦国末から江戸初頭にかけての肥後にあって、実用の需に応えた工房の姿がうかがえる。 作風は、身幅広く重ね厚く平肉の豊かな豪壮な造込みを基調とする。説示はこれを武骨な姿とも記し、鎬造の刀のほかに大身槍や大振りの薙刀の作例も数多く経眼されると述べる。鍛えは板目肌で、処々に流れ肌や杢目を交え、やや肌立ちごころとなり、地沸がつく。刃文はのたれを基調に小互の目・小丁子・小尖り刃などが交じり、足・葉がよく入り、匂口は締りがちで叢沸となり、飛焼や棟焼を見せ、金筋・砂流しの細かにかかる作がある。互の目乱れを主とする例や、正広の薙刀のように直刃を焼いて匂口の沈む作も伝えられ、一派のうちに振幅のあることが説示から読み取れる。見分けに当たっては、頑健な姿態と、匂口の締まった乱刃に叢沸・飛焼・棟焼の交じる地刃の様相が手がかりとなる。 伝承の面では、説示はこの派の刀の鋭利さが古くから賞讃され、実用刀として知られてきたことを繰り返し記す。代表工とされる上野介には、常に見る同派の作域よりも変化に富み野趣の感じられる作があり、沈みごころの地刃に渋い味わいの醸される一口が同工および同派を代表する出来として挙げられている。正国の薙刀は、地沸の微塵に厚くついた鍛えと、同派の常以上に明るく沸づいて刃中の頻りに働く刃文をもって秀作と評され、黒漆金蒔絵柄鞘薙刀拵を附帯する。又八の薙刀には匂口の締まった作に沸のつく一派の特色がよく示され、黒塗薙刀拵を伴う。資料は僅少ながら、これらの遺例は、肥後にあって頑健と切れ味を旨とした同田貫の性格を、刀・薙刀の双方に即して伝えるものといえる。
商品がお気に召さなかった場合は、理由の如何に関わらず遠慮なくご返品ください。その際、返送料はお客様のご負担にてお願いします。ご返金は商品到着後、販売時と同じ状態であることを確認の上、即日ご指定口座にお振り込みさせていただきます。店舗にてご購入された場合、クーリングオフの適用範囲外となります。