大和を支えた大寺の力は室町を通じて衰え、諸派もこれとともに細った。末手掻が古風な柾目を量産のうちに伝えている。1567年の東大寺大仏殿の炎上が、寺院の時代の幕を引いた。



大和伝 · 備後 · 1375-1381頃
現在1点販売中
大和伝 · 備後
時期区分: 古三原· 1288–1393
現在8点販売中
備後国三原派は鎌倉時代末期に興り、室町時代末期に至るまで連綿と作刀を続けたが、その一派のうち鎌倉末期より南北朝期にかけてのものを古三原と汎称し、正家・正広を双璧として、ほかに正信・親次らの工が知られる。同派の繁栄した三原の地には、東寺・蓮華王院をはじめとする大和中央の大社寺の荘園が多く置かれ、畿内中央との交流が頻繁に行われていた。それゆえ三原派の作風には大和気質が色濃く窺われ、初期の工はこの大和の影響を受けて南北朝の動乱期に一派の基礎を築いた。一方で隣国備中の青江風を示した出来も見られ、地理的な交わりのなかから独自の作域を養った点に、この区分の成り立ちがある。 この区分の作は、大和伝を母胎としながらも清雅かつ精良な初期の持ち味を備えている。鍛えは板目に杢目や流れ肌が交じって柾がかり、総体に肌立ちごころとなり、地沸が微塵によくつき、地景が細かに入って、淡く白け映りが立つ。刃文は中直刃を基調に小互の目や小乱れを交え、小足・葉がよく入り、刃縁には細かなほつれ・喰違い刃を交えて、洗練された直刃に変化を見せる。匂口は締まりごころに小沸がよくつき、金筋・砂流しがかかり、帽子は直ぐ調に焼詰め風あるいは掃きかけとなって穏やかに返るのが常である。大和本国のものに比して地刃の沸がやや弱く、白けごころを帯びる点も見どころとなる。後代の末三原が次第に作域を狭め質を落としていくのに対し、古三原は地刃の働きが豊かで、匂口の冴えと地鉄の精良さにおいて一段と清雅・精良であり、ここに両区分の差がはっきりとあらわれる。 鑑定にあたっては、まず大和奈良の諸派との別が要点となる。鎬の高い造込みや直刃調の作風は手白沢や保昌などと紛れやすいが、地鉄に杢が一際目立ち、白け映りが立ち、匂口が締まって沈みごころとなる点に三原物の見どころが示される。あわせて末三原との見極めも肝要で、初期の清雅な地刃と後代のやや緩んだ出来との差を読むことになる。主要工は正家と正広で、正家には豪壮な大鋒の作例が多く、正広には中鋒の尋常なものが多いと伝える。同派は大和気質ゆえに在銘の遺例が乏しく、無銘の大磨上げを正家・正広と極めたものが多く伝わり、本阿弥光徳の金象嵌銘を施した一口など、後世の鑑識を経て価値を保ってきた作が知られる。伝来の面でも靖國神社の蔵刀や伊達家旧蔵の作、近衛家を経て陽明文庫に伝わったものなどがあり、古三原が長く重んじられてきた一派であることを物語っている。 詳しく見る →
大和を支えた大寺の力は室町を通じて衰え、諸派もこれとともに細った。末手掻が古風な柾目を量産のうちに伝えている。1567年の東大寺大仏殿の炎上が、寺院の時代の幕を引いた。
販売店の出品ページで鑑定書を確認できませんでした。日本刀および刀装具は通常、NBTHK(または NTHK)の鑑定を受けます。鑑定書がない場合、極めは販売店の見解にとどまり、第三者による確認は行われていません。ご購入前に販売店へ鑑定書の有無をお問い合わせのうえ、慎重にご判断ください。
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大和伝 · 備後 · 1375-1381頃
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大和伝 · 備後
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備後国三原派は鎌倉時代末期に興り、室町時代末期に至るまで連綿と作刀を続けたが、その一派のうち鎌倉末期より南北朝期にかけてのものを古三原と汎称し、正家・正広を双璧として、ほかに正信・親次らの工が知られる。同派の繁栄した三原の地には、東寺・蓮華王院をはじめとする大和中央の大社寺の荘園が多く置かれ、畿内中央との交流が頻繁に行われていた。それゆえ三原派の作風には大和気質が色濃く窺われ、初期の工はこの大和の影響を受けて南北朝の動乱期に一派の基礎を築いた。一方で隣国備中の青江風を示した出来も見られ、地理的な交わりのなかから独自の作域を養った点に、この区分の成り立ちがある。 この区分の作は、大和伝を母胎としながらも清雅かつ精良な初期の持ち味を備えている。鍛えは板目に杢目や流れ肌が交じって柾がかり、総体に肌立ちごころとなり、地沸が微塵によくつき、地景が細かに入って、淡く白け映りが立つ。刃文は中直刃を基調に小互の目や小乱れを交え、小足・葉がよく入り、刃縁には細かなほつれ・喰違い刃を交えて、洗練された直刃に変化を見せる。匂口は締まりごころに小沸がよくつき、金筋・砂流しがかかり、帽子は直ぐ調に焼詰め風あるいは掃きかけとなって穏やかに返るのが常である。大和本国のものに比して地刃の沸がやや弱く、白けごころを帯びる点も見どころとなる。後代の末三原が次第に作域を狭め質を落としていくのに対し、古三原は地刃の働きが豊かで、匂口の冴えと地鉄の精良さにおいて一段と清雅・精良であり、ここに両区分の差がはっきりとあらわれる。 鑑定にあたっては、まず大和奈良の諸派との別が要点となる。鎬の高い造込みや直刃調の作風は手白沢や保昌などと紛れやすいが、地鉄に杢が一際目立ち、白け映りが立ち、匂口が締まって沈みごころとなる点に三原物の見どころが示される。あわせて末三原との見極めも肝要で、初期の清雅な地刃と後代のやや緩んだ出来との差を読むことになる。主要工は正家と正広で、正家には豪壮な大鋒の作例が多く、正広には中鋒の尋常なものが多いと伝える。同派は大和気質ゆえに在銘の遺例が乏しく、無銘の大磨上げを正家・正広と極めたものが多く伝わり、本阿弥光徳の金象嵌銘を施した一口など、後世の鑑識を経て価値を保ってきた作が知られる。伝来の面でも靖國神社の蔵刀や伊達家旧蔵の作、近衛家を経て陽明文庫に伝わったものなどがあり、古三原が長く重んじられてきた一派であることを物語っている。 詳しく見る →
大和を支えた大寺の力は室町を通じて衰え、諸派もこれとともに細った。末手掻が古風な柾目を量産のうちに伝えている。1567年の東大寺大仏殿の炎上が、寺院の時代の幕を引いた。
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