日本刀 刀 無銘 手掻包俊(NTHK鑑定書付) 【解説】 本作は、昨年行われたNTHK(日本刀剣保存会)の鑑定により、室町時代中期の享徳年間(1452-1455年)に活躍した大和国(現在の奈良県)の「手掻包俊」の作と極められた一振りです。大和伝は日本刀の五大伝統である「五ヶ伝」の一つとして知られています。 大和国には五つの有力な流派(千手院、尻懸、当麻、手掻、保昌)が存在しました。大和伝は平安時代末期の千手院派に端を発します。 各流派はそれぞれ有力な寺院に属しており、現存する作刀に銘入りのものが少ないのが特徴です。これは、僧兵や寺院のために打たれた刀に個人の銘を入れることを憚り、謙虚な姿勢を示すためであったと考えられています。無銘であっても、その作風から専門家は作者を特定することが可能です。 手掻派は鎌倉時代に包氏(かねうじ)や包永(かねなが)によって創始されたと伝えられ、東大寺に属して僧兵たちの武器を供給していました。 本作は「古刀」に分類されます。古刀とは平安時代初期から文禄年間(794-1595年)までに作られた刀を指します。 当時の刀は実戦での使用を前提としており、その姿形は当時の戦い方に適した機能美を備えています。また、この時代の作刀技術や素材の特性から、地鉄には微量の不純物が含まれることで、現代刀にはない複雑で美しい地肌の模様が形成されています。 本作においても、美しい地鉄と、大和伝の伝統的な「直刃(すぐは)」の刃文を存分に鑑賞いただけます。 【刀身】 長さ(Nagasa):66.0 cm 反り(Sori):1.3 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造。 地肌(Jihada):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様。 茎(Nakago): 刀身の柄に収まる部分です。日本の刀匠は、柄の中での赤錆を防ぐために、意図的に「黒錆」を残します。この茎の錆色や経年変化は、専門家が製作年代を推定する際の重要な指標となります。 NTHKの鑑定によれば、本作は「大磨り上げ」により銘が失われています。茎の状態から、過去に少なくとも三度は磨り上げ(短く切り詰め)が行われたことが見て取れます。 【外装:拵(Koshirae)】 縁頭(Fuchi-Kashira):柄の両端を保護し装飾する一対の金具。 柄・目貫(Tsuka / Menuki):柄は刀の握り部分、目貫はその装飾金具です。 鍔・鎺(Tsuba / Habaki):鍔は手を守る護拳、鎺は刀身を鞘の中に固定し、内部での接触や錆、欠けを防ぐための金具です。 鞘(Saya):刀身を収める外装。 【鑑定書】 NTHK(日本刀剣保存会)鑑定書付属 NTHKは、明治22年(1889年)に設立された、現代における最も歴史ある日本刀鑑定機関の一つです。本作は令和2年(2020年)2月16日に鑑定を受けました。ご購入者様にはこの鑑定書原本をお渡しいたします。 【登録証】 大分県教育委員会発行(第33789号) 日本国内で美術品として正式に登録された刀剣です。この登録証により、日本国内で合法的に所有・所持することが認められています。 —————————————————————– 【運営】 サムライミュージアム(東京) 侍の歴史に関する古美術品を展示・紹介しております。
















大和伝 · 大和 · 1467-1469頃
刀剣大鑑 上位31%
現在1点販売中
大和伝 · 大和
時期区分: 末手掻· 1390–1700
現在28点販売中
末手掻は、大和五派のうち最大の流派である手掻派の後期、すなわち室町時代に展開した一作風期を指す呼称である。手掻派は東大寺の西の正面たる転害門の外辺に居住して鍛刀したことからこの名がおこったと伝え、その祖を包永とし、年代は鎌倉時代後期の正応頃と伝えている。同派は南北朝時代を経て室町時代に至るまで連綿と栄え、応永頃を境として古手掻の古調から室町色を帯びた作域へと移行する。この室町期の作者群が末手掻であり、鎌倉草創期の包永一門と画然と区別される。在銘の代表的刀工としては包真・包清・包行をはじめ、包宗・包吉・包光・包貞・包久らがあり、いずれも同銘が何代か継承されて室町末期の文亀・天文の頃にまで及んでいる。伊勢国雲林院に移住して活躍した包長のごとく、他国へ展開して末手掻の面影を伝えた者もある。 作風は、鎌倉以来の大和伝を継承しつつ、これを締めて穏やかにした趣を示す。鍛えは板目に杢目を交え、総体に流れて柾がかり、地沸がつき地景の入るものが本領で、しばしば白気映り、ないし淡く白けごころを呈する点が末手掻の標識となる。刃文は匂口の締まりごころに小沸のついた直刃調を基本とし、細直刃から広直刃まで幅があり、浅くのたれて小互の目を交え、刃縁にはほつれ・喰違刃・二重刃・打のけ・湯走りといった大和物特有の働きが現れ、金筋・砂流しを交える。帽子は直ぐに小丸となって掃きかけ、やや長く返るものが多い。姿は内反りの平造短刀を主体とし、室町後期には先反りのついた打刀の姿も加わる。茎の鑢目は檜垣を通例とする点が著しい診断要素であり、鷹の羽鑢を伴う作もある。 評価としては、地刃の冴えと古色を併せ持ち、一見南北朝期を降らぬかと思わせる出来栄えの優品もある一方、総じて個性の発露は乏しく、伝統の家風を忠実に守り伝えた保守的な作域とみなされる。在銘品は二字銘が多く、在所地や年紀、藤原姓を冠した長銘を伴うものは資料的に貴重とされる。室町初期在銘の太刀は現存稀少であり、両刃造や年紀作とともに、手掻派研究上重要な遺品として珍重される。末手掻は、大和の正統を室町の世まで律儀に伝えた一群として位置づけられている。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
日本刀 刀 無銘 手掻包俊(NTHK鑑定書付) 【解説】 本作は、昨年行われたNTHK(日本刀剣保存会)の鑑定により、室町時代中期の享徳年間(1452-1455年)に活躍した大和国(現在の奈良県)の「手掻包俊」の作と極められた一振りです。大和伝は日本刀の五大伝統である「五ヶ伝」の一つとして知られています。 大和国には五つの有力な流派(千手院、尻懸、当麻、手掻、保昌)が存在しました。大和伝は平安時代末期の千手院派に端を発します。 各流派はそれぞれ有力な寺院に属しており、現存する作刀に銘入りのものが少ないのが特徴です。これは、僧兵や寺院のために打たれた刀に個人の銘を入れることを憚り、謙虚な姿勢を示すためであったと考えられています。無銘であっても、その作風から専門家は作者を特定することが可能です。 手掻派は鎌倉時代に包氏(かねうじ)や包永(かねなが)によって創始されたと伝えられ、東大寺に属して僧兵たちの武器を供給していました。 本作は「古刀」に分類されます。古刀とは平安時代初期から文禄年間(794-1595年)までに作られた刀を指します。 当時の刀は実戦での使用を前提としており、その姿形は当時の戦い方に適した機能美を備えています。また、この時代の作刀技術や素材の特性から、地鉄には微量の不純物が含まれることで、現代刀にはない複雑で美しい地肌の模様が形成されています。 本作においても、美しい地鉄と、大和伝の伝統的な「直刃(すぐは)」の刃文を存分に鑑賞いただけます。 【刀身】 長さ(Nagasa):66.0 cm 反り(Sori):1.3 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造。 地肌(Jihada):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様。 茎(Nakago): 刀身の柄に収まる部分です。日本の刀匠は、柄の中での赤錆を防ぐために、意図的に「黒錆」を残します。この茎の錆色や経年変化は、専門家が製作年代を推定する際の重要な指標となります。 NTHKの鑑定によれば、本作は「大磨り上げ」により銘が失われています。茎の状態から、過去に少なくとも三度は磨り上げ(短く切り詰め)が行われたことが見て取れます。 【外装:拵(Koshirae)】 縁頭(Fuchi-Kashira):柄の両端を保護し装飾する一対の金具。 柄・目貫(Tsuka / Menuki):柄は刀の握り部分、目貫はその装飾金具です。 鍔・鎺(Tsuba / Habaki):鍔は手を守る護拳、鎺は刀身を鞘の中に固定し、内部での接触や錆、欠けを防ぐための金具です。 鞘(Saya):刀身を収める外装。 【鑑定書】 NTHK(日本刀剣保存会)鑑定書付属 NTHKは、明治22年(1889年)に設立された、現代における最も歴史ある日本刀鑑定機関の一つです。本作は令和2年(2020年)2月16日に鑑定を受けました。ご購入者様にはこの鑑定書原本をお渡しいたします。 【登録証】 大分県教育委員会発行(第33789号) 日本国内で美術品として正式に登録された刀剣です。この登録証により、日本国内で合法的に所有・所持することが認められています。 —————————————————————– 【運営】 サムライミュージアム(東京) 侍の歴史に関する古美術品を展示・紹介しております。
















大和伝 · 大和 · 1467-1469頃
刀剣大鑑 上位31%
現在1点販売中
大和伝 · 大和
時期区分: 末手掻· 1390–1700
現在28点販売中
末手掻は、大和五派のうち最大の流派である手掻派の後期、すなわち室町時代に展開した一作風期を指す呼称である。手掻派は東大寺の西の正面たる転害門の外辺に居住して鍛刀したことからこの名がおこったと伝え、その祖を包永とし、年代は鎌倉時代後期の正応頃と伝えている。同派は南北朝時代を経て室町時代に至るまで連綿と栄え、応永頃を境として古手掻の古調から室町色を帯びた作域へと移行する。この室町期の作者群が末手掻であり、鎌倉草創期の包永一門と画然と区別される。在銘の代表的刀工としては包真・包清・包行をはじめ、包宗・包吉・包光・包貞・包久らがあり、いずれも同銘が何代か継承されて室町末期の文亀・天文の頃にまで及んでいる。伊勢国雲林院に移住して活躍した包長のごとく、他国へ展開して末手掻の面影を伝えた者もある。 作風は、鎌倉以来の大和伝を継承しつつ、これを締めて穏やかにした趣を示す。鍛えは板目に杢目を交え、総体に流れて柾がかり、地沸がつき地景の入るものが本領で、しばしば白気映り、ないし淡く白けごころを呈する点が末手掻の標識となる。刃文は匂口の締まりごころに小沸のついた直刃調を基本とし、細直刃から広直刃まで幅があり、浅くのたれて小互の目を交え、刃縁にはほつれ・喰違刃・二重刃・打のけ・湯走りといった大和物特有の働きが現れ、金筋・砂流しを交える。帽子は直ぐに小丸となって掃きかけ、やや長く返るものが多い。姿は内反りの平造短刀を主体とし、室町後期には先反りのついた打刀の姿も加わる。茎の鑢目は檜垣を通例とする点が著しい診断要素であり、鷹の羽鑢を伴う作もある。 評価としては、地刃の冴えと古色を併せ持ち、一見南北朝期を降らぬかと思わせる出来栄えの優品もある一方、総じて個性の発露は乏しく、伝統の家風を忠実に守り伝えた保守的な作域とみなされる。在銘品は二字銘が多く、在所地や年紀、藤原姓を冠した長銘を伴うものは資料的に貴重とされる。室町初期在銘の太刀は現存稀少であり、両刃造や年紀作とともに、手掻派研究上重要な遺品として珍重される。末手掻は、大和の正統を室町の世まで律儀に伝えた一群として位置づけられている。
NTHKの中心的な鑑定書で、相応の出来を備えた作に発行されます。在銘作は銘の正真を、無銘作は審査員による刀工・流派の極めを示します。点数を記す詳細な審査表が付されます。
NTHK(日本刀剣保存会)は、NBTHK(1948年設立)に先立つ1910年に創立された、日本で最も古い刀剣鑑定団体です。長く会を率いた会長の没後、NTHKとNTHK-NPOの二つに分かれ、いずれも審査を続けています。NTHKの鑑定書は、点数と審査員の所見を併記する詳細な審査表が特徴で、特に無銘作の極めに定評があります。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.