Q476. 刀 銘:伊予大掾橘勝国 長さ:65.7 cm(二尺一寸七分) 反り:1.1 cm 元幅:3.2 cm 元重:0.65 cm 先幅:2.3 cm 先重:0.5 cm 茎長さ:23 cm 白鞘全長:94 cm 鎬造、庵棟、中切先。約6〜7cmほどの磨上げながら、腰反りつく。 肌は小板目に、際立った肌立ちごころの松皮状の連なり(正目肌)が交じり、微かに地沸つく。 刃文は互の目で、関の兼元を彷彿とさせる三本杉風の尖り刃を焼き、谷には小沸出来の足や砂流しが入る。 帽子はそのまま乱れ込み、先は小丸に返り、返りは短めから中程度。 刀身は無類に健全で、特筆すべき欠点はない。 研ぎは上手な差し込み研ぎが施されており、ハバキ下の茎には研師による針銘(磨き棒による署名)がある(写真の白×印を参照)。 銀箔付木ハバキ、状態の良い入念な作の白鞘に収まっている。 加賀勝国は新刀初期から数代続くが、三代目までが「伊予大掾」を称した。 NBTHK(日本美術刀剣保存協会)の『刀剣美術』では越前関派との関連を説き、NTHK(日本刀剣保存会)の『優秀刀図録』では陀羅尼派としている。いずれにせよ、初代・二代は美濃新刀の筆頭格と目される名工である。 藤代氏の評価では初代を上作、二代を中上作としているが、『日本刀講座』等では二代の方が技量に勝るとの記述もあり、評価の分かれるところではあるが、いずれも名匠であることに疑いはない。 本品は、眺めれば眺めるほどに味わい深い一振りである。これほど破綻のない見事な正目肌を焼き上げるのは至難の業であり、本作はその成功例と言える。 手にした際の満足感は非常に高いであろう。 重量:約1.25 kg 価格:2,795ドル









美濃伝 · 加賀
現在20点販売中
加賀象嵌は、江戸時代初期から享保期にかけて金沢を中心とする加賀国で発達した独特の平象嵌技法である。その起源は、加賀地方の鐙工が行っていた平象嵌を、鐔や刀装具に応用したことに始まるとされる。加賀藩の庇護のもと、献上品として制作された作例も多く、金沢の工芸文化の高い水準を示す技術として栄えた。室町期には鏡師と呼ばれる工人による山金地の鋳出鐔が見られ、これらが後の加賀象嵌の源流の一つとなったと考えられる。 加賀象嵌の技術的特徴は、赤銅、四分一、素銅などの磨地に、金・銀・銅など多種の色金を駆使した精緻な平象嵌にある。漆黒の赤銅磨地に色金を緻密に嵌め込む手法が主流だが、素銅地に明るい色調で景物を表した古調な作例も存在する。構図は絢爛にして巧みであり、秋草蝶図や鴛鴦図など、画面一杯に展開された図案文様化した表現が特徴的である。毛彫を併用し、内覆輪や埋金など細部にまで丁寧な仕上げが施され、未使用のまま伝世した保存状態の良い献上品級の作も少なくない。 鏡師系の作品は、真鍮地や山金地に鋤出高彫で大胆な文様を配し、格子形花文や菊花文など古雅な意匠を持つ。室町末期から桃山初期にかけての作風を示し、土手耳の構造や鋳出による立体的な表現が見られる。加賀象嵌と総称される一群には、こうした鏡師の流れを汲む古式な様相を呈するものから、江戸中期以降の洗練された平象嵌作品まで幅広い作域が含まれ、加賀国における刀装具制作の伝統の深さを物語っている。
販売店の出品ページで鑑定書を確認できませんでした。日本刀および刀装具は通常、NBTHK(または NTHK)の鑑定を受けます。鑑定書がない場合、極めは販売店の見解にとどまり、第三者による確認は行われていません。ご購入前に販売店へ鑑定書の有無をお問い合わせのうえ、慎重にご判断ください。
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Q476. 刀 銘:伊予大掾橘勝国 長さ:65.7 cm(二尺一寸七分) 反り:1.1 cm 元幅:3.2 cm 元重:0.65 cm 先幅:2.3 cm 先重:0.5 cm 茎長さ:23 cm 白鞘全長:94 cm 鎬造、庵棟、中切先。約6〜7cmほどの磨上げながら、腰反りつく。 肌は小板目に、際立った肌立ちごころの松皮状の連なり(正目肌)が交じり、微かに地沸つく。 刃文は互の目で、関の兼元を彷彿とさせる三本杉風の尖り刃を焼き、谷には小沸出来の足や砂流しが入る。 帽子はそのまま乱れ込み、先は小丸に返り、返りは短めから中程度。 刀身は無類に健全で、特筆すべき欠点はない。 研ぎは上手な差し込み研ぎが施されており、ハバキ下の茎には研師による針銘(磨き棒による署名)がある(写真の白×印を参照)。 銀箔付木ハバキ、状態の良い入念な作の白鞘に収まっている。 加賀勝国は新刀初期から数代続くが、三代目までが「伊予大掾」を称した。 NBTHK(日本美術刀剣保存協会)の『刀剣美術』では越前関派との関連を説き、NTHK(日本刀剣保存会)の『優秀刀図録』では陀羅尼派としている。いずれにせよ、初代・二代は美濃新刀の筆頭格と目される名工である。 藤代氏の評価では初代を上作、二代を中上作としているが、『日本刀講座』等では二代の方が技量に勝るとの記述もあり、評価の分かれるところではあるが、いずれも名匠であることに疑いはない。 本品は、眺めれば眺めるほどに味わい深い一振りである。これほど破綻のない見事な正目肌を焼き上げるのは至難の業であり、本作はその成功例と言える。 手にした際の満足感は非常に高いであろう。 重量:約1.25 kg 価格:2,795ドル









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加賀象嵌は、江戸時代初期から享保期にかけて金沢を中心とする加賀国で発達した独特の平象嵌技法である。その起源は、加賀地方の鐙工が行っていた平象嵌を、鐔や刀装具に応用したことに始まるとされる。加賀藩の庇護のもと、献上品として制作された作例も多く、金沢の工芸文化の高い水準を示す技術として栄えた。室町期には鏡師と呼ばれる工人による山金地の鋳出鐔が見られ、これらが後の加賀象嵌の源流の一つとなったと考えられる。 加賀象嵌の技術的特徴は、赤銅、四分一、素銅などの磨地に、金・銀・銅など多種の色金を駆使した精緻な平象嵌にある。漆黒の赤銅磨地に色金を緻密に嵌め込む手法が主流だが、素銅地に明るい色調で景物を表した古調な作例も存在する。構図は絢爛にして巧みであり、秋草蝶図や鴛鴦図など、画面一杯に展開された図案文様化した表現が特徴的である。毛彫を併用し、内覆輪や埋金など細部にまで丁寧な仕上げが施され、未使用のまま伝世した保存状態の良い献上品級の作も少なくない。 鏡師系の作品は、真鍮地や山金地に鋤出高彫で大胆な文様を配し、格子形花文や菊花文など古雅な意匠を持つ。室町末期から桃山初期にかけての作風を示し、土手耳の構造や鋳出による立体的な表現が見られる。加賀象嵌と総称される一群には、こうした鏡師の流れを汲む古式な様相を呈するものから、江戸中期以降の洗練された平象嵌作品まで幅広い作域が含まれ、加賀国における刀装具制作の伝統の深さを物語っている。
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