種別:刀 茎:無銘 時代:鎌倉末期〜南北朝時代(1300年〜1340年頃) 鑑定:日本美術刀剣保存協会(NBTHK) 特別保存刀剣 彫物:なし 鎺:金着一重 外装:白鞘 【寸法】 長さ(刃長):74.0cm 反り:約2.6cm 元幅:27mm 先幅:19mm 元重:6.6mm 先重:4.5mm 造り:鎬造 本作は私個人のコレクションより出品いたします。 【解説】 2022年の特別保存刀剣鑑定において「二王」と極められた一振りです。鎌倉末期の面影を色濃く残す、優美な体配と深い反りが目を引く美しい刀です。 本品の茎(なかご)については、磨上げか否か議論の分かれるところではありますが、最終的な判断は手に取られる方にお任せしたく存じます。私見では、切り詰められた形跡は見受けられず、茎尻の形状も二王派特有の「生(うぶ)」の形態を保っているものと思われます。 二王派は周防国において大和伝を基調に興った流派です。 本作の刃文は、ゆったりとした湾れ(のたれ)に互の目風の動きが交じり、非常に見応えがあります。前所有者は刃中に「富士山」が見えると表現しておりましたが、厳密には写実的な富士ではありませんが、そう形容したくなるほど風情ある景観を呈しています。 働きや沸(にえ)の付き具合も素晴らしく、地鉄が刃中に食い入るような様は、名工・則重の作風を彷彿とさせます。掲載画像にて、その緻密な地鉄の働きをぜひじっくりとご鑑賞ください。 体配は力強く、長寸でありながら小切先となる鎌倉時代特有の姿(すがた)を保っています。また、刀身には誉傷(ほまれきず)があり、実戦を潜り抜けてきた歴史の重みが、この刀の美しさをより一層引き立てています。 長らく愛蔵してまいりましたが、この度、大切にしてくださる次の方へお譲りしたく出品いたしました。 白鞘は経年により美しい古色を帯びた木肌となっております。 状態につきましては、鎬地に幾つかの鍛え割れが見られ、帽子はやや焼きが低くなっておりますが、しっかりと残っております。研ぎは少し古い状態のため、細かな擦れ等がございます。詳細は画像にてご判断いただければ幸いです。 悠久の時を経てなお、誇り高き風格を纏った古刀です。良きご縁をお待ちしております。










































脇物 · 周防
現在13点販売中
周防国二王派は、山陽道の西端、大和より海路と陸路で結ばれたこの国に興った古刀の一派である。保延頃の清真または清平を祖と伝えるが、いずれにも確かな遺作を見ず、今日では鎌倉時代の清綱を事実上の祖と仰ぐ。同派の在銘作として最も古いのは「文永二年三月 清綱」[[c:1]]と書き下しの銘をもつ太刀で、厳島神社に伝わり、初代を鑑する基準作とされる。次いで建武二年紀の「防州玖珂庄清綱」銘の短刀が知られ、清綱の名が鎌倉末より南北朝、室町を経て新刀期に至るまで代を重ねて続いたことを示す。二王の呼称は同国仁保庄に居住したことに由来するとの説が有力である。周防には東大寺をはじめとする寺領が多く存し、二王派の作風に大和色が濃いのは、この大和本国との交流に負うものと考えられている。 構成員がそろって記すのは、柾がかって肌立つ地と、湿りをふくんだ直刃調の刃である。鍛えは板目に杢や流れ肌を交え、処々強く流れて柾がかり、細かに肌立ち、地沸がつき、地景の入るものもある。刃文は細直刃を基調とし、小互の目、小乱れ、小のたれを交え、小足・葉が入り、刃縁にほつれ・打のけ・喰違刃を見せ、小沸つき、金筋・砂流しがかかる。そして地鉄には冴えた映りではなく白け映りが立ち、これと対をなして匂口がうるむ。この白け映りとうるみの取り合わせこそ、構成員が立ち返って同派の個性と名指すところである。帽子は直ぐに小丸へ返るものが多い。鎌倉末期の古二王、すなわち清綱の手は、太刀が細身で鎬高く腰反り高い姿を示し、短刀は平造でわずかに内反りつく。これに対し応永頃の清永ら後代の末二王は、小板目のよく約んだ地に流れ柾を交え、身幅広く反りの浅い平造短刀を多く遺し、櫃内に鶴亀や二王の彫を施す作も見せて、古二王の静けさからやや作域を広げる。 鑑定の勘所は、拠り所を同じくする大和や青江、山城来の直刃とどう分かつかにある。流れて柾がかる鍛えは大和の血脈を望ませ、細直刃の素地は来を望ませるが、来や手掻に見る冴えた匂口は、ここではより湿った沈みごころの態に替わる。白け映りとうるみの一方ではなく、その二つが地と刃に並び立つことが、同派を他と分かつ見どころである。在銘の太刀・短刀は棟寄りに細鏨の二字銘を切り、原鑢の鷹の羽を残すものがあり、これを古い手の清綱の典型として初代に充てる。無銘大磨上の刀は、流れて柾がかり肌立った鍛え、白け映り、うるみ刃文という同じ拠り所を裏から読んで極められる。主要工としては事実上の祖たる清綱が同派を測る代であり、末二王の清永がこれに次いで一派の継続を支える。遺例は確実なものこそ多くないが、最古手の在銘太刀をはじめ在銘・無銘の数口が基準作に列なり、地刃に緩みなく同派の特色をよくあらわす。来歴の遺るところには格があり、ある太刀は徳川宗家の手を経て後に美術館へ納まり、在銘の一口は大阪の旧蔵を経て伝来し、年紀の基準作は厳島神社に伝存する。鷹の羽の鑢目と古い二字銘を残した在銘の清綱は、西国の鎌倉作を集める者が出会い得る最も稀なもののひとつで、現れたときには一里塚となる。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns accepted within 14 days after the package is received. Return shipping paid by the customer if cancellation is preference-based; paid by Token Oranda if there are condition issues on arrival. Full refund once the returned product arrives unused. EU customers have full European rights including a guaranteed 14-day return period.
種別:刀 茎:無銘 時代:鎌倉末期〜南北朝時代(1300年〜1340年頃) 鑑定:日本美術刀剣保存協会(NBTHK) 特別保存刀剣 彫物:なし 鎺:金着一重 外装:白鞘 【寸法】 長さ(刃長):74.0cm 反り:約2.6cm 元幅:27mm 先幅:19mm 元重:6.6mm 先重:4.5mm 造り:鎬造 本作は私個人のコレクションより出品いたします。 【解説】 2022年の特別保存刀剣鑑定において「二王」と極められた一振りです。鎌倉末期の面影を色濃く残す、優美な体配と深い反りが目を引く美しい刀です。 本品の茎(なかご)については、磨上げか否か議論の分かれるところではありますが、最終的な判断は手に取られる方にお任せしたく存じます。私見では、切り詰められた形跡は見受けられず、茎尻の形状も二王派特有の「生(うぶ)」の形態を保っているものと思われます。 二王派は周防国において大和伝を基調に興った流派です。 本作の刃文は、ゆったりとした湾れ(のたれ)に互の目風の動きが交じり、非常に見応えがあります。前所有者は刃中に「富士山」が見えると表現しておりましたが、厳密には写実的な富士ではありませんが、そう形容したくなるほど風情ある景観を呈しています。 働きや沸(にえ)の付き具合も素晴らしく、地鉄が刃中に食い入るような様は、名工・則重の作風を彷彿とさせます。掲載画像にて、その緻密な地鉄の働きをぜひじっくりとご鑑賞ください。 体配は力強く、長寸でありながら小切先となる鎌倉時代特有の姿(すがた)を保っています。また、刀身には誉傷(ほまれきず)があり、実戦を潜り抜けてきた歴史の重みが、この刀の美しさをより一層引き立てています。 長らく愛蔵してまいりましたが、この度、大切にしてくださる次の方へお譲りしたく出品いたしました。 白鞘は経年により美しい古色を帯びた木肌となっております。 状態につきましては、鎬地に幾つかの鍛え割れが見られ、帽子はやや焼きが低くなっておりますが、しっかりと残っております。研ぎは少し古い状態のため、細かな擦れ等がございます。詳細は画像にてご判断いただければ幸いです。 悠久の時を経てなお、誇り高き風格を纏った古刀です。良きご縁をお待ちしております。










































脇物 · 周防
現在13点販売中
周防国二王派は、山陽道の西端、大和より海路と陸路で結ばれたこの国に興った古刀の一派である。保延頃の清真または清平を祖と伝えるが、いずれにも確かな遺作を見ず、今日では鎌倉時代の清綱を事実上の祖と仰ぐ。同派の在銘作として最も古いのは「文永二年三月 清綱」[[c:1]]と書き下しの銘をもつ太刀で、厳島神社に伝わり、初代を鑑する基準作とされる。次いで建武二年紀の「防州玖珂庄清綱」銘の短刀が知られ、清綱の名が鎌倉末より南北朝、室町を経て新刀期に至るまで代を重ねて続いたことを示す。二王の呼称は同国仁保庄に居住したことに由来するとの説が有力である。周防には東大寺をはじめとする寺領が多く存し、二王派の作風に大和色が濃いのは、この大和本国との交流に負うものと考えられている。 構成員がそろって記すのは、柾がかって肌立つ地と、湿りをふくんだ直刃調の刃である。鍛えは板目に杢や流れ肌を交え、処々強く流れて柾がかり、細かに肌立ち、地沸がつき、地景の入るものもある。刃文は細直刃を基調とし、小互の目、小乱れ、小のたれを交え、小足・葉が入り、刃縁にほつれ・打のけ・喰違刃を見せ、小沸つき、金筋・砂流しがかかる。そして地鉄には冴えた映りではなく白け映りが立ち、これと対をなして匂口がうるむ。この白け映りとうるみの取り合わせこそ、構成員が立ち返って同派の個性と名指すところである。帽子は直ぐに小丸へ返るものが多い。鎌倉末期の古二王、すなわち清綱の手は、太刀が細身で鎬高く腰反り高い姿を示し、短刀は平造でわずかに内反りつく。これに対し応永頃の清永ら後代の末二王は、小板目のよく約んだ地に流れ柾を交え、身幅広く反りの浅い平造短刀を多く遺し、櫃内に鶴亀や二王の彫を施す作も見せて、古二王の静けさからやや作域を広げる。 鑑定の勘所は、拠り所を同じくする大和や青江、山城来の直刃とどう分かつかにある。流れて柾がかる鍛えは大和の血脈を望ませ、細直刃の素地は来を望ませるが、来や手掻に見る冴えた匂口は、ここではより湿った沈みごころの態に替わる。白け映りとうるみの一方ではなく、その二つが地と刃に並び立つことが、同派を他と分かつ見どころである。在銘の太刀・短刀は棟寄りに細鏨の二字銘を切り、原鑢の鷹の羽を残すものがあり、これを古い手の清綱の典型として初代に充てる。無銘大磨上の刀は、流れて柾がかり肌立った鍛え、白け映り、うるみ刃文という同じ拠り所を裏から読んで極められる。主要工としては事実上の祖たる清綱が同派を測る代であり、末二王の清永がこれに次いで一派の継続を支える。遺例は確実なものこそ多くないが、最古手の在銘太刀をはじめ在銘・無銘の数口が基準作に列なり、地刃に緩みなく同派の特色をよくあらわす。来歴の遺るところには格があり、ある太刀は徳川宗家の手を経て後に美術館へ納まり、在銘の一口は大阪の旧蔵を経て伝来し、年紀の基準作は厳島神社に伝存する。鷹の羽の鑢目と古い二字銘を残した在銘の清綱は、西国の鎌倉作を集める者が出会い得る最も稀なもののひとつで、現れたときには一里塚となる。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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