日本美術刀剣保存協会(NBTHK)の保存刀装具鑑定書が付属する、京金工の四分一地鐔です。 鑑定にある「京金工」とは、京都で活躍した諸派の職人を指す呼称です。京都には数多くの流派や名工が存在したため、特定の極めが困難な場合に、より広義な名称としてこの「京金工」が用いられます。 素材は銅と銀の合金である四分一(しぶいち)が用いられています。四分一地の鐔には、表裏で独特の色差が生じることがままあります。これは鋳造の際、銀の成分が片面に寄る性質があるためで、銀が多く集まった面が「表」として仕立てられます。そのため、表面は銀色や灰色、あるいは淡い緑を含んだような色調を帯びます。 一方で裏面は銅の成分が強くなるため、赤みがかった色合いとなります。切羽台付近の擦れた箇所をご覧いただくと、その色の違いがより分かりやすいかと存じます。 本作は磨き地に色絵を施して文様を描き出していますが、このような平滑な面に色絵のみで図案を構成する手法は非常に珍しく、通常であれば布目象嵌や平象嵌が用いられるところです。 四分一特有の渋みのある灰色が美しい一品ですが、写真ではその繊細な色合いを完全にお伝えしきれないのが惜しまれます。 寸法:66 mm x 58 mm

















金工 · 山城
銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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