備州長船家久作 -Bishu Osafune Iehisa- 刃長39.3センチ 反り0.5センチ 元幅26.6ミリ 元重ね6.3ミリ 物打幅23.8ミリ 物打重ね4.3ミリ 目釘穴2個(1個埋) 裸身重量263グラム 拵に納めて鞘を払っ他重量349グラム 室町初期應永頃 The early period of Muromachi era (Oei period) 昭和58年8月9日 岡山県登録 附属 特別保存刀剣鑑定書、茶石目塗鞘印籠刻合口拵(附 素銅地金鍍金はばき)、継木、白鞘、素銅地金着はばき 家久は備前長船鍛冶の一人でありながら、勝光や祐定とは系統を異にする「小反り」に属する刀工として知られています。銘鑑では室町中期永正頃の刀工とされていますが、本刀は体配や地刃の出来から応永頃の特色を色濃く備えており、家久銘が永正以前より数代にわたり継承されていたことを窺わせる資料的価値の高い一振です。 本作は平造庵棟。表裏に刀樋を丸留とし、浅い反りに引き締まった姿が応永の備前物の特色をよく示しており、地鉄は杢目肌が緻密によく練れて肌立ち、焼出しから鋩子に至るまで明瞭な映りが鮮やかに立ち現れています。刃文は匂口明るく冴えた互の目乱れを焼き、足・葉が盛んに入り、刃縁の沸は地へ煙るように働いて映りと匂口を断続的に結び、豊かな景色を見せ、鋩子は乱れ込んで先丸く返り、姿・地鉄・刃文が見事に調和した見応えある出来栄えです。 附属する茶石目塗鞘印籠刻合口拵は、名工前田幸作師の手になるもので、落ち着いた茶石目塗の鞘に、目貫と笄を茄子図で統一した格調高い名拵です。柄にはがたつきもなく保存状態は良好です。拵に収める際には継木に附属している素銅地金鍍金はばきをご使用ください。白鞘袋には「長船家久」の刺繍が施され、伝来の良さを今に伝えています。 某著名収集家(日本美術刀剣保存協会奈良支部役員)旧蔵の名品であり、小反り系家久の特色を明瞭に示した優品として刀身・拵ともに高い鑑賞価値を備えています。このような作品が市場へ出る機会は決して多くありません。応永の備前物の魅力を存分に味わうことのできる逸品。この機会に是非お求めください。
Certificate reading — 銘 備州長船家久作
在銘 · Osafune · 室町 · 長さ 39.3cm · 反り 0.5cm
























備前伝 · 備前
現在21点販売中
小反は、南北朝時代末期から室町時代初期にかけて備前長船の地に働いた一群の刀工を、血脈ではなく除外によって括った呼称である。すなわち兼光一門、長義、元重、大宮一門といった当時の長船の主立った系統のいずれにも直接の師弟関係を結ばぬ周縁の手を、まとめて一名のもとに集めたものであり、その名の意味するところは今日なお漠然としていると本会は率直に記す。秀光、家助、成家、家守、師光、守助らがこれに数えられ、銘鑑はおのおのを数代に立てて初代を鎌倉後期から建武・暦応の頃に置くが、確たる初代作を経眼せず、現存の有銘作はおおむね文和・貞治から永徳・明徳を経て応永一桁代に及ぶ。それゆえ各遺例は一手に確定的に帰すよりも、作風と年紀によって読まれるのを常とする。師光が倫光の子にして応永備前の盛光の父と伝えられ、家助が畠田派を承けて応永備前の一角をなすように、この一群は長船嫡流の華やかな本流とその次代の応永備前との間に、静かな周縁の地帯をなして横たわる。 この一派を貫く手は小模様の乱れである。兼光一門が太く円い互の目を焼くのに対し、小反の工はおおむね同じ趣を小さくこずんだ刃に収め、小のたれを本位として小互の目を連れごころに焼き、これに尖り刃、角ばる刃、腰の開いた互の目を交え、処々逆ごころを見せて、総じて小さくこずむ。足・葉よく入り、匂を主調にわずかに小沸つき、金筋・砂流しが細かに働き、丁子を交えてもなお控えめにとどまる。地鉄は板目に杢を交えて流れごころとなり、肌やや立って地沸細かにつき、地景が黒く沈み、時に地斑を交え、その上に淡い、あるいは鮮明な乱れ映りが立つ。短刀・平造の作では棒映り、直ぐ状の映りとなるものも見え、いずれにせよこの映りが、同時代の相州風の手から一派を分かち、備前の地に繋ぎ止める最も確かな標となる。帽子は刃文に従って乱れ込み尖りごころに掃きかけ、あるいは小丸に結ぶ。棒樋を掻き、梵字、護摩箸、倶利迦羅などを彫る作もある。一派の常を越えて、師光の至徳の太刀のように腰の開いた互の目に高低を見せて華やかに乱れ、応永備前を予兆させる作もあり、家守の応永の太刀のごとく重ね厚く先反りを加えて次代の姿に近づくものもある。 収集の観点から小反の物が求められるのは、何よりそれが資料として明瞭であるからである。鑑定の勘所は二つの敷居を分かつことにある。一つは兼光本流との別で、模様の小さくこずむ点と、やや控えめな作位とによってこれを読み、いま一つは応永備前との別で、腰の開いた互の目と棒映りのうちに次代の萌芽を見ながら、なお南北朝の古調の姿と抑えた焼きにとどまる点をもって分かつ。主要な工の格はおのずから別れ、師光は上々作に位し、秀光、家助、成家、守助、家守らは中上作の位を占める。在銘の作はおおむね生ぶで年紀を備えた太刀として遺り、成家のように大磨上無銘の刀によって主に知られる工もあるが、いずれの場合も、年紀の確かな南北朝の備前として頗る貴重とされる。伝来は概して薄いが確かで、黒田家、加賀前田家、庄内酒井家、皇室の手を経た作や、林原美術館、東京国立博物館、京都国立博物館、春日大社に伝わる作が知られ、その多くは伝持されて市場に現れることは稀である。在銘有年紀の小反物が世に出るのは折に触れてに過ぎず、根気を要するが、現れればそれは、長船派が南北朝の世をいかに閉じ、応永の再興へといかに身を運んだかを、一年一年読みうる確かな文書となる。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトお求めになられた商品とは異なる商品をお届けしてしまった場合や、表記内容と現物とに大きな隔たりなどがあった場合を除き、基本的に返品はお受けいたしません。返品をご要望の場合は、商品到着後3日以内に御連絡の上ご返送下さい。
備州長船家久作 -Bishu Osafune Iehisa- 刃長39.3センチ 反り0.5センチ 元幅26.6ミリ 元重ね6.3ミリ 物打幅23.8ミリ 物打重ね4.3ミリ 目釘穴2個(1個埋) 裸身重量263グラム 拵に納めて鞘を払っ他重量349グラム 室町初期應永頃 The early period of Muromachi era (Oei period) 昭和58年8月9日 岡山県登録 附属 特別保存刀剣鑑定書、茶石目塗鞘印籠刻合口拵(附 素銅地金鍍金はばき)、継木、白鞘、素銅地金着はばき 家久は備前長船鍛冶の一人でありながら、勝光や祐定とは系統を異にする「小反り」に属する刀工として知られています。銘鑑では室町中期永正頃の刀工とされていますが、本刀は体配や地刃の出来から応永頃の特色を色濃く備えており、家久銘が永正以前より数代にわたり継承されていたことを窺わせる資料的価値の高い一振です。 本作は平造庵棟。表裏に刀樋を丸留とし、浅い反りに引き締まった姿が応永の備前物の特色をよく示しており、地鉄は杢目肌が緻密によく練れて肌立ち、焼出しから鋩子に至るまで明瞭な映りが鮮やかに立ち現れています。刃文は匂口明るく冴えた互の目乱れを焼き、足・葉が盛んに入り、刃縁の沸は地へ煙るように働いて映りと匂口を断続的に結び、豊かな景色を見せ、鋩子は乱れ込んで先丸く返り、姿・地鉄・刃文が見事に調和した見応えある出来栄えです。 附属する茶石目塗鞘印籠刻合口拵は、名工前田幸作師の手になるもので、落ち着いた茶石目塗の鞘に、目貫と笄を茄子図で統一した格調高い名拵です。柄にはがたつきもなく保存状態は良好です。拵に収める際には継木に附属している素銅地金鍍金はばきをご使用ください。白鞘袋には「長船家久」の刺繍が施され、伝来の良さを今に伝えています。 某著名収集家(日本美術刀剣保存協会奈良支部役員)旧蔵の名品であり、小反り系家久の特色を明瞭に示した優品として刀身・拵ともに高い鑑賞価値を備えています。このような作品が市場へ出る機会は決して多くありません。応永の備前物の魅力を存分に味わうことのできる逸品。この機会に是非お求めください。
Certificate reading — 銘 備州長船家久作
在銘 · Osafune · 室町 · 長さ 39.3cm · 反り 0.5cm
























備前伝 · 備前
現在21点販売中
小反は、南北朝時代末期から室町時代初期にかけて備前長船の地に働いた一群の刀工を、血脈ではなく除外によって括った呼称である。すなわち兼光一門、長義、元重、大宮一門といった当時の長船の主立った系統のいずれにも直接の師弟関係を結ばぬ周縁の手を、まとめて一名のもとに集めたものであり、その名の意味するところは今日なお漠然としていると本会は率直に記す。秀光、家助、成家、家守、師光、守助らがこれに数えられ、銘鑑はおのおのを数代に立てて初代を鎌倉後期から建武・暦応の頃に置くが、確たる初代作を経眼せず、現存の有銘作はおおむね文和・貞治から永徳・明徳を経て応永一桁代に及ぶ。それゆえ各遺例は一手に確定的に帰すよりも、作風と年紀によって読まれるのを常とする。師光が倫光の子にして応永備前の盛光の父と伝えられ、家助が畠田派を承けて応永備前の一角をなすように、この一群は長船嫡流の華やかな本流とその次代の応永備前との間に、静かな周縁の地帯をなして横たわる。 この一派を貫く手は小模様の乱れである。兼光一門が太く円い互の目を焼くのに対し、小反の工はおおむね同じ趣を小さくこずんだ刃に収め、小のたれを本位として小互の目を連れごころに焼き、これに尖り刃、角ばる刃、腰の開いた互の目を交え、処々逆ごころを見せて、総じて小さくこずむ。足・葉よく入り、匂を主調にわずかに小沸つき、金筋・砂流しが細かに働き、丁子を交えてもなお控えめにとどまる。地鉄は板目に杢を交えて流れごころとなり、肌やや立って地沸細かにつき、地景が黒く沈み、時に地斑を交え、その上に淡い、あるいは鮮明な乱れ映りが立つ。短刀・平造の作では棒映り、直ぐ状の映りとなるものも見え、いずれにせよこの映りが、同時代の相州風の手から一派を分かち、備前の地に繋ぎ止める最も確かな標となる。帽子は刃文に従って乱れ込み尖りごころに掃きかけ、あるいは小丸に結ぶ。棒樋を掻き、梵字、護摩箸、倶利迦羅などを彫る作もある。一派の常を越えて、師光の至徳の太刀のように腰の開いた互の目に高低を見せて華やかに乱れ、応永備前を予兆させる作もあり、家守の応永の太刀のごとく重ね厚く先反りを加えて次代の姿に近づくものもある。 収集の観点から小反の物が求められるのは、何よりそれが資料として明瞭であるからである。鑑定の勘所は二つの敷居を分かつことにある。一つは兼光本流との別で、模様の小さくこずむ点と、やや控えめな作位とによってこれを読み、いま一つは応永備前との別で、腰の開いた互の目と棒映りのうちに次代の萌芽を見ながら、なお南北朝の古調の姿と抑えた焼きにとどまる点をもって分かつ。主要な工の格はおのずから別れ、師光は上々作に位し、秀光、家助、成家、守助、家守らは中上作の位を占める。在銘の作はおおむね生ぶで年紀を備えた太刀として遺り、成家のように大磨上無銘の刀によって主に知られる工もあるが、いずれの場合も、年紀の確かな南北朝の備前として頗る貴重とされる。伝来は概して薄いが確かで、黒田家、加賀前田家、庄内酒井家、皇室の手を経た作や、林原美術館、東京国立博物館、京都国立博物館、春日大社に伝わる作が知られ、その多くは伝持されて市場に現れることは稀である。在銘有年紀の小反物が世に出るのは折に触れてに過ぎず、根気を要するが、現れればそれは、長船派が南北朝の世をいかに閉じ、応永の再興へといかに身を運んだかを、一年一年読みうる確かな文書となる。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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