鉄黒漆塗兜(特別貴重資料認定) 時代: 江戸時代前期(寛文〜元禄頃) 日本甲冑武具研究保存会 鑑定済み 主素材:鉄 本作は江戸時代前期に製作された「鉄黒漆塗八間三方白阿古陀形筋兜(てつくろうるしぬりはちけんさんぽうじろあこだなりすじかぶと)」です。堅牢さと美しさを兼ね備えた一頭です。 鉢の形状は「阿古陀形(あこだなり)」と呼ばれ、阿古陀瓜に似た丸みのある造形が特徴です。これは仏教的な意匠に由来し、権威と神聖さを象徴しています。表面には艶やかな黒漆が施され、重厚かつ気品ある佇まいを見せています。 特筆すべきは前立(まえだて)です。三日月を象ったものと思われ、戦場においてその金色が勇壮に輝いた様が目に浮かびます。三日月の意匠は「妙見信仰(みょうけんしんこう)」に由来するという説があります。インドに始まり、北極星信仰と習合して日本へ伝来した妙見信仰において、月や星は信仰の象徴でした。妙見菩薩は、五穀豊穣、天下泰平、一族繁栄、病気平癒、商売繁盛、学業成就、縁結びなど、あらゆる願いを叶える守護神として武士の間で篤く信仰されました。本作の旧蔵者も、この兜を戴くことで自らの信仰心を示したのでしょう。三日月の前立といえば、17歳で家督を継ぎ東北の繁栄を築いた名将・伊達政宗(1567-1636)が有名であり、現代でも非常に人気の高い意匠です。 吹返(ふきかえし)には「結び雁金(むすびかりがね)」紋が据えられています。渡り鳥である雁は、古くは『万葉集』にも詠まれるほど日本人に親しまれてきました。中国では「信(誠実さ)」の象徴とされ、鎌倉時代には既に文様として定着、武家の家紋としても好まれました。 また、兜の頂辺(てっぺん)にある八幡座(はちまんざ)は菊の形を模しています。菊は古来、中国で不老長寿の薬草とされ、奈良時代に日本へ伝わりました。放射状に広がる花弁が太陽に見立てられ、延命長寿や無病息災の象徴として尊ばれてきました。「菊の御紋」に代表されるように、高貴な文様として広く知られています。 ※経年による漆の剥離や一部に凹みが見られます。あらかじめご了承ください。 鑑定: 特別貴重資料(第2188号) 国内で最も信頼の厚い鑑定機関の一つである「日本甲冑武具研究保存会」により、2024年5月26日付で「特別貴重資料(五段階評価のうち三番目の格付け)」として認定されました。本作が江戸時代前期の正真物であることを証明するものです。 ご希望の方には、鑑定書の英訳を無料で承ります。 【運営】 サムライミュージアム(東京) 当館は侍の歴史に関するアンティーク美術品を展示しております。サムライミュージアムショップでは、日本の文化や職人技に興味をお持ちの方へ、厳選した古美術品をご紹介しております。
















単品
筋鉢 · 阿古陀形
無銘
Musubi Karigane
江戸
Date
出来・保存状態が特に優れ、特別に貴重と認められた甲冑武具で、五段階の第三位にあたります。
甲冑はNBTHKの鑑定対象ではありません。日本甲冑武具研究保存会(1961年設立)が甲冑武具の研究・保存を担う中心的団体で、その審査は作品を「資料」として、保存資料・貴重資料・特別貴重資料・甲種特別貴重資料・最高位の重要文化資料という五段階で格付けします。「資料」という呼称は、刀剣の鑑定とは別に、甲冑を文化的・歴史的な資料として保存するという会の趣旨を表しています。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.








¥1,000,000