江戸時代初期 八間筋兜 (日本甲冑武具研究保存会 特別貴重資料鑑定書付) 時代: 江戸時代初期(寛文〜元禄頃) 日本甲冑武具研究保存会 鑑定済み 主材質:鉄 本品は、複数の鉄板を矧ぎ合わせて鉢を形成した「筋兜(すじかぶと)」です。本作は八枚の地板で構成された「八間(はちけん)」の作りとなっており、地板の接合部である「筋」が八条確認できます。その堅牢かつ端正な作りから、当時相応の身分を持つ武士が所持していたものと推察されます。 兜は頭部を保護するための防具ですが、その役割は時代とともに変遷してきました。当初は実用性が重視されていましたが、次第に武士の威厳や個性、あるいは信仰を誇示するための意匠が凝らされるようになります。室町時代後期から江戸時代にかけては、動物の毛、貝殻、植物、紙など多種多様な素材を用いた「変わり兜」が登場し、その装飾性は頂点に達しました。 こうした装飾的な兜が登場する以前、南北朝時代(1337-1392)に主流となったのが筋兜です。騎馬戦から太刀や長刀を用いた徒歩(かち)戦へと戦術が変化する中で、兜の軽量化が求められるようになりました。同時に、敵の打撃を逸らすための構造として考案されたのが筋兜の形状です。室町時代に全盛期を迎えた筋兜は、江戸時代に入っても引き続き制作されましたが、戦のない泰平の世においては、実戦用よりも様式美を重んじた作りへと変化します。本作のように地板が厚く重厚な作りとなっているのは、戦場での実用よりも、古式ゆかしい伝統美を愛でる観賞用、あるいは儀礼用としての性格が強まったためと考えられます。 本作の鉢は「鉄錆色漆塗(てつさびいろうるしぬり)」で仕上げられています。これは生鉄を露出させたり派手な漆を塗ったりするのではなく、あえて年月を経た鉄の質感を模した、落ち着きのある色調です。耐久性を高めると同時に、武士が理想とした「静かなる強さと雅(みやび)」を体現した、非常に洗練された美意識が感じられます。 正面には「前立(まえだて)」を取り付けるための座が残されています。現在は前立自体は失われていますが、かつてはこの場所に、所有者の権威や信仰を象徴する装飾(立て物)が備わっていたことを物語っています。前立が失われている点は、むしろ当時の武具が主人の好みや階級、あるいは用途に応じて部品を付け替え、カスタマイズされていたという運用の歴史を今に伝える貴重な資料的側面とも言えます。 鑑定書: 特別貴重資料鑑定書 本品には、国内で最も信頼の厚い鑑定機関の一つである「日本甲冑武具研究保存会」が発行した「特別貴重資料」の鑑定書が付属します。これは五段階の格付けのうち、上から三番目に位置する評価であり、資料的価値の高い優れた作品であることを証明するものです。 本品は2025年5月11日付で「江戸時代初期」の作として認証されました。ご購入者様には鑑定書の原本をお渡しいたします。また、ご希望に応じて鑑定書内容の英訳PDFも無料で作成いたします。 【運営】 侍ミュージアム(東京) 当館は侍の歴史に関する古美術品を展示しております。オンラインショップでは、厳選された刀剣・武具を世界中のコレクターの皆様へお届けしております。












兜のみ
8間 · 筋鉢
無銘
江戸
出来・保存状態が特に優れ、特別に貴重と認められた甲冑武具で、五段階の第三位にあたります。
甲冑はNBTHKの鑑定対象ではありません。日本甲冑武具研究保存会(1961年設立)が甲冑武具の研究・保存を担う中心的団体で、その審査は作品を「資料」として、保存資料・貴重資料・特別貴重資料・甲種特別貴重資料・最高位の重要文化資料という五段階で格付けします。「資料」という呼称は、刀剣の鑑定とは別に、甲冑を文化的・歴史的な資料として保存するという会の趣旨を表しています。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.








$5,006
江戸時代初期 八間筋兜 (日本甲冑武具研究保存会 特別貴重資料鑑定書付) 時代: 江戸時代初期(寛文〜元禄頃) 日本甲冑武具研究保存会 鑑定済み 主材質:鉄 本品は、複数の鉄板を矧ぎ合わせて鉢を形成した「筋兜(すじかぶと)」です。本作は八枚の地板で構成された「八間(はちけん)」の作りとなっており、地板の接合部である「筋」が八条確認できます。その堅牢かつ端正な作りから、当時相応の身分を持つ武士が所持していたものと推察されます。 兜は頭部を保護するための防具ですが、その役割は時代とともに変遷してきました。当初は実用性が重視されていましたが、次第に武士の威厳や個性、あるいは信仰を誇示するための意匠が凝らされるようになります。室町時代後期から江戸時代にかけては、動物の毛、貝殻、植物、紙など多種多様な素材を用いた「変わり兜」が登場し、その装飾性は頂点に達しました。 こうした装飾的な兜が登場する以前、南北朝時代(1337-1392)に主流となったのが筋兜です。騎馬戦から太刀や長刀を用いた徒歩(かち)戦へと戦術が変化する中で、兜の軽量化が求められるようになりました。同時に、敵の打撃を逸らすための構造として考案されたのが筋兜の形状です。室町時代に全盛期を迎えた筋兜は、江戸時代に入っても引き続き制作されましたが、戦のない泰平の世においては、実戦用よりも様式美を重んじた作りへと変化します。本作のように地板が厚く重厚な作りとなっているのは、戦場での実用よりも、古式ゆかしい伝統美を愛でる観賞用、あるいは儀礼用としての性格が強まったためと考えられます。 本作の鉢は「鉄錆色漆塗(てつさびいろうるしぬり)」で仕上げられています。これは生鉄を露出させたり派手な漆を塗ったりするのではなく、あえて年月を経た鉄の質感を模した、落ち着きのある色調です。耐久性を高めると同時に、武士が理想とした「静かなる強さと雅(みやび)」を体現した、非常に洗練された美意識が感じられます。 正面には「前立(まえだて)」を取り付けるための座が残されています。現在は前立自体は失われていますが、かつてはこの場所に、所有者の権威や信仰を象徴する装飾(立て物)が備わっていたことを物語っています。前立が失われている点は、むしろ当時の武具が主人の好みや階級、あるいは用途に応じて部品を付け替え、カスタマイズされていたという運用の歴史を今に伝える貴重な資料的側面とも言えます。 鑑定書: 特別貴重資料鑑定書 本品には、国内で最も信頼の厚い鑑定機関の一つである「日本甲冑武具研究保存会」が発行した「特別貴重資料」の鑑定書が付属します。これは五段階の格付けのうち、上から三番目に位置する評価であり、資料的価値の高い優れた作品であることを証明するものです。 本品は2025年5月11日付で「江戸時代初期」の作として認証されました。ご購入者様には鑑定書の原本をお渡しいたします。また、ご希望に応じて鑑定書内容の英訳PDFも無料で作成いたします。 【運営】 侍ミュージアム(東京) 当館は侍の歴史に関する古美術品を展示しております。オンラインショップでは、厳選された刀剣・武具を世界中のコレクターの皆様へお届けしております。












兜のみ
8間 · 筋鉢
無銘
江戸
出来・保存状態が特に優れ、特別に貴重と認められた甲冑武具で、五段階の第三位にあたります。
甲冑はNBTHKの鑑定対象ではありません。日本甲冑武具研究保存会(1961年設立)が甲冑武具の研究・保存を担う中心的団体で、その審査は作品を「資料」として、保存資料・貴重資料・特別貴重資料・甲種特別貴重資料・最高位の重要文化資料という五段階で格付けします。「資料」という呼称は、刀剣の鑑定とは別に、甲冑を文化的・歴史的な資料として保存するという会の趣旨を表しています。
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