江戸時代初期 六十二間筋兜 (日本甲冑武具研究保存会 特別貴重資料認定) 時代: 江戸時代初期(寛永〜元禄頃) 日本甲冑武具研究保存会 鑑定済み 主材質:鉄 本作は、多数の鉄板を鋲留めして鉢を構成する「筋兜(すじかぶと)」であり、六十二枚もの地板が用いられた「六十二間(ろくじゅうにけん)」の仕立てとなっております。地板の接合部に生じる「筋」が62本整然と並ぶ様は圧巻であり、当時、位の高い武士が所用していたことが推察される優品です。 兜は頭部を守る防具として誕生し、当初は実用性が重視されていました。しかし時代が下るにつれ、武士たちは兜に自身の威厳や個性、あるいは信仰を投影するようになります。室町時代後期から江戸時代にかけては、動植物や貝殻、紙など多種多様な素材を用いた「変わり兜」が流行し、その意匠は多岐にわたりました。 この「筋兜」の形式は、南北朝時代(1337-1392)にその源流を持ちます。騎馬戦から徒立(あだち)での太刀や長刀による集団戦へと戦術が変化する中で、兜の軽量化が求められるようになりました。同時に、敵の打撃を逸らすための構造として考案されたのが筋兜です。室町時代に全盛期を迎えた筋兜は、江戸時代に入っても引き続き制作されましたが、戦国期のものに比べて地板が厚く堅牢になる傾向があります。これは実戦用としてだけでなく、古式ゆかしい様式美を愛でる観賞用、あるいは儀礼用としての需要が高まったことを示しています。 本品の鉢は「鉄錆地(てつさびじ)」で仕上げられており、あえて漆を塗らず、鉄本来の質感と経年による風合いを活かしています。武骨ながらも洗練された侍の美意識が反映された、歴史の深みを感じさせる趣深い作域です。 前立てには、波頭あるいは角を想起させる流麗な曲線の金色の意匠が据えられています。これは「立物(たてもの)」と呼ばれ、着用者の権威を象徴し、戦場での存在感を高めるための装飾です。立物のモチーフは動植物から宗教的な日月まで多種多様であり、素材も鉄、銅、金銀、真鍮、木、竹、角、皮革など多岐にわたります。 立物はその取り付け位置により、前立(まえだて)、頭立(ずだて)、脇立(わきだて)、後立(うしろだて)に分類されます。本作の前立は「鍬形(くわがた)」の変形と目され、威厳と力強さを象徴しています。一般的な鍬形に比べて丸みを帯びた独特のフォルムは極めて珍しく、希少性の高い意匠と言えるでしょう。 鑑定書: 特別貴重資料 日本で最も権威ある鑑定機関の一つである「日本甲冑武具研究保存会」より発行された認定書が付属します。「特別貴重資料」は同会の定める格付けにおいて、歴史的・美術的に価値の高い資料であることを証明するものです。 本品は2025年5月11日付で「特別貴重資料」として認定され、江戸時代初期の作であることが明記されています。
















単品
62間 · 筋鉢
無銘
江戸
出来・保存状態が特に優れ、特別に貴重と認められた甲冑武具で、五段階の第三位にあたります。
甲冑はNBTHKの鑑定対象ではありません。日本甲冑武具研究保存会(1961年設立)が甲冑武具の研究・保存を担う中心的団体で、その審査は作品を「資料」として、保存資料・貴重資料・特別貴重資料・甲種特別貴重資料・最高位の重要文化資料という五段階で格付けします。「資料」という呼称は、刀剣の鑑定とは別に、甲冑を文化的・歴史的な資料として保存するという会の趣旨を表しています。
Returns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.








$5,647
江戸時代初期 六十二間筋兜 (日本甲冑武具研究保存会 特別貴重資料認定) 時代: 江戸時代初期(寛永〜元禄頃) 日本甲冑武具研究保存会 鑑定済み 主材質:鉄 本作は、多数の鉄板を鋲留めして鉢を構成する「筋兜(すじかぶと)」であり、六十二枚もの地板が用いられた「六十二間(ろくじゅうにけん)」の仕立てとなっております。地板の接合部に生じる「筋」が62本整然と並ぶ様は圧巻であり、当時、位の高い武士が所用していたことが推察される優品です。 兜は頭部を守る防具として誕生し、当初は実用性が重視されていました。しかし時代が下るにつれ、武士たちは兜に自身の威厳や個性、あるいは信仰を投影するようになります。室町時代後期から江戸時代にかけては、動植物や貝殻、紙など多種多様な素材を用いた「変わり兜」が流行し、その意匠は多岐にわたりました。 この「筋兜」の形式は、南北朝時代(1337-1392)にその源流を持ちます。騎馬戦から徒立(あだち)での太刀や長刀による集団戦へと戦術が変化する中で、兜の軽量化が求められるようになりました。同時に、敵の打撃を逸らすための構造として考案されたのが筋兜です。室町時代に全盛期を迎えた筋兜は、江戸時代に入っても引き続き制作されましたが、戦国期のものに比べて地板が厚く堅牢になる傾向があります。これは実戦用としてだけでなく、古式ゆかしい様式美を愛でる観賞用、あるいは儀礼用としての需要が高まったことを示しています。 本品の鉢は「鉄錆地(てつさびじ)」で仕上げられており、あえて漆を塗らず、鉄本来の質感と経年による風合いを活かしています。武骨ながらも洗練された侍の美意識が反映された、歴史の深みを感じさせる趣深い作域です。 前立てには、波頭あるいは角を想起させる流麗な曲線の金色の意匠が据えられています。これは「立物(たてもの)」と呼ばれ、着用者の権威を象徴し、戦場での存在感を高めるための装飾です。立物のモチーフは動植物から宗教的な日月まで多種多様であり、素材も鉄、銅、金銀、真鍮、木、竹、角、皮革など多岐にわたります。 立物はその取り付け位置により、前立(まえだて)、頭立(ずだて)、脇立(わきだて)、後立(うしろだて)に分類されます。本作の前立は「鍬形(くわがた)」の変形と目され、威厳と力強さを象徴しています。一般的な鍬形に比べて丸みを帯びた独特のフォルムは極めて珍しく、希少性の高い意匠と言えるでしょう。 鑑定書: 特別貴重資料 日本で最も権威ある鑑定機関の一つである「日本甲冑武具研究保存会」より発行された認定書が付属します。「特別貴重資料」は同会の定める格付けにおいて、歴史的・美術的に価値の高い資料であることを証明するものです。 本品は2025年5月11日付で「特別貴重資料」として認定され、江戸時代初期の作であることが明記されています。
















単品
62間 · 筋鉢
無銘
江戸
出来・保存状態が特に優れ、特別に貴重と認められた甲冑武具で、五段階の第三位にあたります。
甲冑はNBTHKの鑑定対象ではありません。日本甲冑武具研究保存会(1961年設立)が甲冑武具の研究・保存を担う中心的団体で、その審査は作品を「資料」として、保存資料・貴重資料・特別貴重資料・甲種特別貴重資料・最高位の重要文化資料という五段階で格付けします。「資料」という呼称は、刀剣の鑑定とは別に、甲冑を文化的・歴史的な資料として保存するという会の趣旨を表しています。
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