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概要·鑑定·栄誉·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定栄誉指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 一文字
  3. 福岡一文字
  4. 延房

延房

Fukuoka Ichimonji Nobufusa

特重
巻 26, 番 19 · 太刀

延房

Fukuoka Ichimonji Nobufusa

評価作品5点

御番鍛冶
国備前時代Genkyu (1204–1206)時代区分鎌倉流派一文字>福岡一文字伝法備前伝藤代Jo-jo saku刀工大鑑2,500(上位1%)種別刀工コードNOB9
2重要美術品
1特別重要刀剣2重要刀剣

概要

延房は備前福岡一文字派初期の刀工で、鎌倉時代の初頭に活躍した。説明書は彼を後鳥羽院の番鍛冶、すなわち院に月番で仕えた刀工の一人に数え、その時代を建保頃とする。説明書はその遺存の乏しさにも率直で、有銘確実なものは頗る少なく、現存するところは日枝神社の太刀、旧御物にして東京国立博物館の太刀、林原美術館の太刀の他に僅かと記す。「銘鑑」はその名を古備前(元暦頃)と福岡一文字(建保頃)の双方に挙げるが、説明書は在銘の遺作を福岡一文字の手、則宗に続く古一文字の世代と読む。本工は作風を継いだ最初の手の一つであり、僅かな在銘作の残ること自体が、一文字いかに始まったかを語る証である。

本工の典型は、腰反り高く生ぶ茎のまま伝わる細身の太刀で、上半やや俯きごころに小鋒へ結ぶ、説明書が時代の特色と読む優美の姿である。手そのものが見処である。地に対して焼の高からぬ直刃調の刃を焼き、華やかならず静かに、小乱れ・小丁子・小互の目を交え、足・葉よく入り、匂勝ちに僅かの小沸つき、匂口は時に沈みごころとなる。これは説明書が鎌倉中期一派の華やかな丁子乱れと分かつ古雅静謐の作域であり、ある重要刀剣では地刃の出来を併せ見て、この太刀が「古一文字派の刀工と鑑せられる」とする。帽子は直ぐに小丸、ある表は先焼詰めとなる。

その静かな刃の下にあって地鉄は終始変わらぬところである。板目のよく錬れて時に杢を交えた地で、鍛えのつまれば総じてつみごころとなり、地沸つき、地景入り、備前の各作に映りの鮮明に立つ。特別重要刀剣の太刀ではそれが処々の暗帯部より起こる地斑映りとなり、説明書はこれを本工の鍛造の技の高さを示すものとし、九條家一対には乱映りとして立つ。これは一派と共有する古備前の地鉄であるが、その映りの明るさと刃に集まる小丁子は、周囲のより素朴な古備前の工と本工とを分かつ。働きは大きな房ではなく足・葉に托され、全体に華美ならず古雅優艶に読まれる。

在銘の作のうちにも説明書は慎重な区別を引く。その本体は右の直刃調の太刀であるが、九條家に久しく伝来した重要美術品一対は、いま一つ本格的な面へ開く。すなわち区元に腰刃を焼き出して丁子乱れへと進み、足・葉繁く入り、一口は小沸出来に小乱れと丁子を交える。説明書は二口を同作とし、いずれも「焼出しが区際」に起こるのを見処の一つとする。記録の残る面は、生ぶの銘を額銘として留めた大磨上の刀で、板目は総じてつみごころとなり映り立ち、直刃調の地に小丁子を交えて刃中の働き豊かであり、説明書はこれを享保元年の本阿弥光忠の折紙を附する遺例の少ない貴重な在銘作とし、その地刃に古一文字の「古雅な美点がよく表示されている」とする。

初期一文字の延房を、その両隣から分かつのは、まさに極めの言うところである。本工は一派の敷居に立ち、鎌倉中期の福岡・吉岡・片山に花開く華やかな丁子乱れに先立つ。その刃文はより古く穏やかな調子に読まれ、地鉄は映りに冴え、刃には小丁子のみが集まる。また説明書は、延房と信房を同人とするか否かの旧説に触れ、今日有力な別人説に従い、初期福岡一文字派の工とする。特別重要刀剣の太刀については、銘字が九條家伝来の重要美術品に近似することを記し、その銘の縁ゆえにこの一口を「資料的価値の高い一口」とする。

収集の観点では、市場の名というより稀な初期の名である。藤代の極めは上々作、刀工大鑑も備前の手のうちに高く位置づける。国宝はなく、自身の重要文化財も記録にはなく、現存の指定作は特別重要刀剣・重要刀剣および戦前の重要美術品を通じてわずかであり、説明書はその特別重要刀剣の太刀を「同工屈指の作」と称える。その作は来歴の確かな機関・旧家に伝わる。東京国立博物館と林原美術館が本工の太刀を蔵し、岡山美術館財団がいま一口を蔵し、伝来は九條家・紀州徳川家・大村家、そして昭和の収集家風間要吉に及ぶ。在銘の遺作が斯くも少なく、その多くが伝えられて市場に出ぬ以上、在銘の延房が世に現れることは稀であり、私蔵の一口は初期一文字を集める者にとって、出会い得る最も注目すべきものの一つである。

鑑定

稀少な一人の古一文字の手の二つの面:腰反り高き細身の生ぶ在銘太刀に見る、精緻な板目と立つ映りの上の直刃調・小乱れ・小丁子の古雅な刃と、初期福岡一文字と極められた大磨上額銘の刀

延房は備前福岡一文字初期の刀工で、後鳥羽院番鍛冶の一人に数えられ、「銘鑑」はその時代を建保頃とする。有銘確実なものは頗る少なく、説明書は日枝神社の太刀(重要文化財)、旧御物にして東京国立博物館の太刀、林原美術館の太刀(重要美術品)の他僅かと記し、在銘の延房は初期一文字の名のうちでも最も稀なものに属する。本工の典型は、腰反り高く小鋒に結ぶ細身優美の太刀で、生ぶ茎のまま伝わる。板目のよく錬れてつんだ地に地沸つき、地景入り、映りの鮮明に立つ地に、直刃調の刃を焼いて小乱れ・小丁子・小互の目を交え、足・葉よく入り、匂勝ちに僅かの小沸つき、帽子は直ぐに小丸あるいは焼詰めとなる。説明書はこの古雅にして優艶なる作風を古一文字派の手と鑑し、ある生ぶ茎の在銘太刀を同工屈指の作と評する。記録のもう一つの面は、初期福岡一文字と極められ本阿弥光忠の折紙を附した大磨上額銘の刀である。

鑑定の決め手

作品の67% ・ 鎌倉中期福岡一文字(華やかな丁子乱れの手)比 6.7倍

後年一文字の重花丁子(華やかな丁子)にはない特徴

作風の変遷

生ぶ茎の在銘太刀(典型・最上手)

本工の最上の記録は、製作当初の姿を留めた生ぶ茎の在銘太刀である。やや細身で元先の幅差つき、腰反り高く踏張つき、上半俯きごころに小鋒へ結ぶ、説明書が時代の特色と読む古雅優美の姿である。地鉄は板目のよく錬れた地で、ある特別重要では総じてよく錬れてつみ、地沸つき、地景入り、映りの鮮明に立ち、特重の一口は処々の暗帯部より起こる地斑映りを見せて本工の鍛造の技の高さを示す。これに焼の高からぬ直刃調の刃を焼き、小乱れ・小丁子・小互の目を交え、足・葉よく入り、匂勝ちに僅かの小沸つき、匂口は時に沈みごころとなる。帽子は直ぐに小丸、ある表は先焼詰めとなる。説明書はこの特重の太刀を同工屈指の作とし、その銘字を九條家伝来の重要美術品に近似し、資料的価値の高い一口と評する。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

やや華やかな在銘太刀(九條家旧蔵の重美一対)

同じ在銘の作の中に、いま一つやや華やかな面が立つ。九條家に久しく伝来した重要美術品一対に記されるところである。地鉄は板目に杢を交えてよく錬れ、地沸つき、映り立つが、刃文は区元に腰刃を焼き出してより本格的な丁子乱れへと開き、足・葉繁く入り、一口は小沸出来に小乱れと丁子を交える。説明書は二口を同作とし、いずれも焼出しが区際に起こるのを見処の一つとし、初期福岡一文字の作とする。また延房と信房を同人とするか否かの旧説に触れ、別人説に従う。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon

大磨上額銘の刀(初期福岡一文字の極め)

記録の残る面は、生ぶ茎の銘を額銘として留めた大磨上の刀で、細身に反りややつき中鋒となる。地鉄は板目に杢を交え、総じてつみごころとなり、地沸つき、映り立つ。刃文は直刃調に小丁子を交え、足・葉繁く入り、小沸よくつき、刃中の働き豊かで、帽子は直ぐに小丸となる。説明書はこれを初期一文字の作と首肯し、地刃に古一文字の古雅な美点がよく表示されると評し、遺例の少ない延房有銘の作として、享保元年の本阿弥光忠の折紙を附する貴重な一口とする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は、延房の名が「銘鑑」に古備前(元暦頃)と福岡一文字(建保頃)の双方に挙げられると記し、在銘の遺作を福岡一文字の手と読む。また延房と信房を同人とするかの旧説に触れ、今日有力な別人説に従い、初期福岡一文字派の工とする。

九條家旧蔵の重要美術品一対について説明書は、二口を同作とし、いずれも焼出しが区際に起こるのを見処の一つとし、初期福岡一文字の作と評する。

栄誉

御番鍛冶Goban Kaji (Go-Toba's Imperial Forging Rotation)

3月番

後鳥羽上皇が月番で召した刀匠の栄誉。承元〜承久年間(1208〜1221年頃)、御所に結番を作り月毎に作刀させた。流派横断の栄誉であり、各刀匠は本来の流派(粟田口・福岡一文字・古青江など)に属したまま本栄誉を持つ。NS-Gobankajiには上皇自身の菊御作のみが属する。

名簿を見る→

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品2
御物—
特別重要刀剣1
重要刀剣2

名工ランク

0.12 (指定作品5点)

刀工の上位16%

伝来

伝来記録5件 の鑑定作品における 延房

伝来ランク

名家所蔵1点、伝来記録5件

刀工の上位78%

素点:1.85 / 10

刀姿

評価作品5点の分布

銘

評価作品5点の銘の種類

販売中

系譜

延房
弟子(3名)
  1. 1.宗吉Muneyoshi12指定
  2. 2.信正Nobumasa4指定
  3. 3.延正Nobumasa1指定

福岡一文字派

福岡一文字派の他の刀工

  1. 1.助眞Sukezane44指定
  2. 2.吉房Yoshifusa1 販売中46指定
  3. 3.則宗Norimune8指定
  4. 4.吉平Yoshihira17指定
  5. 5.助包Sukekane6指定
  6. 6.則包Norikane7指定
  7. 7.爲清Tamekiyo5指定
  8. 8.吉用Yoshimochi10指定
  9. 9.爲遠Tameto5指定
  10. 10.吉宗Yoshimune6指定
  11. 11.長則Naganori17指定
  12. 12.一Ichi7指定

延房

延房(Nobufusa)は、備前の福岡一文字派の刀工です。

Genkyu (1204-1206)に活動しました。

作風は備前伝に属します。

延房の作品には、特別重要1点、重要2点が指定されています。