爲清

Fukuoka Ichimonji Tamekiyo

評価作品6点

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特重巻 22, 番 9 · 太刀

概要

爲清は鎌倉時代前期の福岡一文字派の刀工で、備前にあって今日は主に二字在銘の太刀によって知られ、ほかに「為清」銘の剣が熱田神宮に伝わって重要文化財に指定されている。銘鑑はその名を古備前・福岡一文字・唐河・長船と数か所に挙げるが、説明は「現存する有銘作は一文字派と目されるもの以外は未見」とし、多くは同派と鑑せられる。年代は建保(一二一三〜一九)もしくは天福(一二三三・三四)頃とされるが、在銘品は二字銘のみで年紀作が確認されないため、確たる年代設定は今後の考証に俟たれる。

作風は概ね同時代の一文字派と選ぶところがないが、説明は本工の個性を焼刃の一点に見いだし、「時折腰刃を見せるところに同工の特徴が見いだせる」とする。この腰刃は戦前の記録でも重みをもつ。重要美術品に認定された在銘の太刀三振りについて、その解説は、出来は多少相違するが銘振りからみれば同作と思われ、古備前か一文字かはにわかに決し難いが、腰刃の目立つ一口は三振りのうちでは一文字と思われるとする。

その最上の一口は重要刀剣、のち特別重要刀剣に指定された太刀で、本工の典型を示す。身幅やや広く元先の幅差つき、元に踏張りを見せ、腰反り高く先へも反り加わり、中鋒詰まりごころの力強い太刀で、生ぶ茎に細鏨のやや小振りな二字銘を切る。地鉄は緩みのない板目に地沸つき細かに地景入り、暗帯部に高い乱れ映りが鮮明に立ち、処々地斑映り風を呈する。刃文は二様に構成され、下半は小丁子風の刃を主調に小互の目・尖りごころの刃・やや角ばる刃を交えて小模様となり、上半は中直刃調に小互の目を交える。共に足・葉よく入り、殆ど匂出来に僅かに小沸つき、部分的に金筋・砂流しかかる。帽子は表は殆ど直ぐ、裏は小さく乱れ込み、彫物は表裏に棒樋を掻き流す。

同じ太刀は二度の指定でそれぞれに読まれ、いずれの読みも成り立つ。重要刀剣の段階では、説明は丁子に互の目交じりの華やかな下半を淋しい上半と対比させ、「比較的に華やかな出来である」と同名数口の中に位置づけた。特別重要刀剣の段階では、下半の小丁子風と上半の直刃基調とを強調し、腰刃と併せてこれを同工の焼刃構成の特徴とする。戦前の三振りは作の幅を示す。一口はほぼ生ぶ茎で、板目やや肌立ち乱れ映り立ち、匂出来の丁子乱に足・葉入る。一口はほぼ生ぶ茎で身幅広く腰反り踏張りつき、棒樋に添樋を彫り、互の目深い丁子乱に腰刃を焼く。残る一口は磨上げながら反り高く姿がよく、板目やや肌立ちごころに乱れ映り立ち、互の目に丁子乱を交える。

説明はその最上作を戦前の一群に結びつける。特別重要刀剣の太刀は重要美術品の三口のうちの一口と極めて作風様式が近似し、前記の腰刃と併せて同工の焼刃構成の一特徴と指摘し得るとし、この期の一文字派並びに爲清在銘品の中でも秀抜な出来で、「同工の技量の高さを顕現する一口」と評する。二様に構成し腰元に焼き上げる初期の小丁子の作域が、この名を負う他の太刀を読む基準となる。

藤代の格付けは上々作、現存は僅かである。重要文化財が二口、特別重要刀剣が一口、戦前に重要美術品に認定された在銘の太刀が三口ある。所在の知れる作では、重要美術品の一口が黒川福三郎から黒川古文化研究所に伝わり、在銘の剣は熱田神宮に蔵され、図版解説は板目に小乱れとし、身に「熱田大神宮宗久」と切付があると記す。いま一口の重要文化財は個人蔵の在銘の太刀で、小板目に丁子乱れと記される。重要美術品の別の一口は「山形藩主水野家が将軍家より拝領したものである」と記される。いずれも指定文化財として長く伝えられた遺産であって市場に出るものではなく、在銘の爲清が私蔵に帰すことは初期備前を蒐める者にとって稀なる出会いであり、現れるとしても忍耐をもってのみである。

歴史的重要度

爲清の位置づけを、日本刀全体および伝法・時代・時期ごとに示します。各区分(随一・屈指・有数・著名)は、NBTHK および文化庁による指定に加え、三作や名物帳などの歴史的栄誉を加味したものです。

随一
随一
屈指
屈指
有数
有数
著名
著名

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指定

国宝—
重要文化財2
重要美術品3
御物—
特別重要刀剣1
重要刀剣—

名工ランク

鑑定

伝来

刀種

評価作品6点の分布

銘

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