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概要·鑑定·指定·刀姿·銘·流派
概要鑑定指定刀姿銘流派
  1. 流派
  2. 一文字
  3. 福岡一文字
  4. 一

Fukuoka Ichi

一

重要
巻 35, 番 79 · 小太刀

Fukuoka Ichi

一

評価作品7点

国備前時代Kencho (1249–1256)時代区分鎌倉流派一文字>福岡一文字伝法備前伝種別刀工コードICH9
3重要文化財
4重要刀剣

概要

これらは茎に「一」の一字のみを切った作で、備前一文字派がその名を負う標である。説明書は端的に記す。備前には茎に一の字をきるものがあって、「備前には茎に一の字をきるものがあって、これを汎く一文字派と称している」と。その系譜のうち福岡一文字派は、後の吉岡・片山・岩戸の諸派に先立ち、鎌倉初期から末期にかけて栄えた。「一」のみを切り鎌倉中期の作と読まれる現存品は、その福岡本流、則宗・助真・吉房の一派に置かれる。銘そのものが一派第一の手掛かりであり、説明書は一文字の銘に、一の字だけのもの、一の字の下に個名を添えるもの、個名だけのものがあるとする。ここに扱う作は一の字のみを切るゆえ、個々の工を定めることはできず、極めは時代・一派と銘振りに拠る。

典型の焼刃は華やかな丁子乱れである。説明書は刃中に互の目・小丁子・尖りごころの刃を交え、足・葉盛んに入り、匂い深く小沸つくとし、最上手の生ぶ茎の小太刀には「華やかで変化のある丁子乱れを焼き」地に映りをあらわすと評する。一口の在銘太刀は丁子に僅かな逆ごころを添える。帽子は一群を通じて直ぐに小丸となり、一口は少し乱れて先小丸ごころに浅く返る。これこそ華やかな福岡の手であり、一派を鎌倉中期の最盛へと導いた重花の丁子に連なる。

その地は諸作を結ぶ終始変わらぬところである。鍛えは板目で総じて流れごころにやや肌立ち、地沸つき、いずれの作にも地に乱れ映りが鮮明に立つ。一口の太刀では僅かに疲れごころのある地に、ある小太刀では淡くではあるが紛れもなく立つ。匂い深の丁子の下に置かれたこの鮮やかな乱れ映りこそ、極めの言う一派の見どころである。ある磨上の太刀に、匂い深の丁子に小沸ごころがあり刃中に足・葉がよく入り地に乱れ映りを鮮明にあらわすと読み、鎌倉中期の福岡一文字と鑑する。

現存する「一」有銘は一手の二様に分かれる。製作当初の姿を留めた生ぶ茎の作はより豊かな華やかさを示し、腰反り高く踏張りつき中鋒となる。最も冴えた小太刀を説明書は「一文字派の特色を存分に示して出来がよい」と結ぶ。磨上の作は一字を留めつつより静かに深く読まれ、丁子が処々しみながらも地刃の備わりは確かで、極めは銘振りからしても首肯する。一群のうち二口は小太刀であり、説明書はここで未決の問いに立ち止まる。小太刀の作例は鎌倉期に多く備前及び山城に見られるが、「如何なる人が、如何なる目的で佩したか」については更に研究したいとする。

備前の隣派からこの作を分かつのは、極めが繰り返す組み合わせである。すなわち明るい乱れ映りと匂い深の華やかな丁子を、細身で腰高の初期の姿の上に読むことである。刃に集まる丁子と映りの冴えによって静かな古備前の手と分かたれ、鎌倉中期の姿によって後年の素朴な南北朝備前と分かたれる。一口の太刀は「鎌倉中期を下らぬ作である」と極められる。茎の一字は、これを備前最も輝かしき伝統の首座に置き、一派の名と無名とを一つの事実とする。

収集の観点では、「一」有銘の一文字は何にもまして遺産である。このうち三口は重要文化財で、社に伝わる遺産として蔵される。広島の厳島神社の太刀、山梨の武田神社の太刀、奈良の談山神社の薙刀であり、市場に出るものではない。これらの外、特別重要刀剣・重要刀剣の級に四口があり、所在の知れるもののうち一口は私蔵にある。この銘の下に集う作に国宝はない。鎌倉中期の「一」のみを切る福岡一文字が世に出ることは稀であり、私蔵の一口は、初期備前を蒐める者にとって稀なる出会いであって、一派の名を一画に負い作者の名を伏せた一刀である。

鑑定

「一」の一字のみで識られる鎌倉中期福岡一文字の手で、同じ焼刃を二様に読む:生ぶ茎の太刀・小太刀に見る華やかで変化のある丁子乱れと、磨上の作に見るより静かな匂い深の丁子に小沸の出来とを、流れごころの板目に乱れ映りの立つ一定の地の上に焼く

これは茎に「一」の一字のみを切った作で、備前一文字派、就中鎌倉中期にあってはその福岡一文字派を表す。説明書は、備前には茎に一の字をきるものがあってこれを汎く一文字派と称し、その中に鎌倉初期から末期にかけて栄えた福岡一文字派が、後の吉岡・片山・岩戸の諸派と並んであったと記す。現存する鎌倉中期の「一」有銘は福岡一文字と鑑せられる。すなわち鎬造の太刀または小太刀で、腰反りに踏張りつき、板目が流れごころに肌立ち、乱れ映りが鮮明に立つ地に、丁子乱れを主調として互の目・小丁子・尖りごころの刃を交えて華やかに焼き、足・葉よく入り、匂い深く小沸つき、帽子は直ぐに小丸となる。説明書はかかる作を、匂い深の丁子に小沸ごころがあり、刃中に足・葉がよく入り、地に乱れ映りを鮮明にあらわすなど、一派の特色をよく示すものと評する。

鑑定の決め手

刃は丁子乱れに互の目・小丁子・尖りごころを交え、匂い深く小沸つく福岡の華やかな丁子で、生ぶ茎の作を説明書は華やかで変化に富むと評する

個名を切る一文字(個名銘)にはない特徴

作風の変遷

生ぶ茎の華やかな手(在銘の太刀・小太刀)

「一」の作のうち豊かな面は、製作当初の姿を留めた生ぶ茎の作で、焼の高い華やかなものである。姿は鎬造の太刀または小太刀で、身幅やや細身ないし尋常、腰反り高く踏張りあり、中鋒となる。板目が総じて流れごころにやや肌立ち、地沸つき、乱れ映りが鮮明に立つ。これに丁子乱れを華やかに焼き、互の目・小丁子・尖りごころの刃などを交え、一口には僅かに逆ごころがあり、足・葉盛んに入り、匂い深く小沸つき、帽子は直ぐに小丸となる。小太刀には棒樋を掻き通す。説明書は生ぶ茎の在銘小太刀を、華やかで変化のある丁子乱れを焼き地に乱れ映りを鮮明に表わすなど一文字派の特色を存分に示して出来がよいと評する。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

磨上の静かな手(磨上の太刀・小太刀)

もう一つの面は、磨上げられながらなお一字を留める作である。ここでは焼刃がより静かに深く読まれる。すなわち丁子乱れに互の目を交え、足・葉入り、匂い深く処々しみ、小沸つき、帽子は直ぐに小丸、太刀には棒樋を掻き通す。地は終始変わらず、板目が処々流れごころとなり、乱れ映りが鮮明に立つ。説明書はかかる磨上の小太刀を総体に整った出来とし、銘振からして備前福岡一文字の作と鑑し、磨上の太刀を、匂い深の丁子に小沸ごころがあり地に乱れ映りを鮮明にあらわす鎌倉中期の福岡一文字と評する。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は極めの根拠を説く。備前には茎に一の字をきるものがあってこれを汎く一文字派と称し、その中に鎌倉初期から末期にかけて栄えた福岡一文字派が、後の吉岡・片山・岩戸の諸派と並んであった。鎌倉中期の「一」のみの作は、出来と銘振りからして福岡一文字と鑑せられる。銘に個名を伴わぬため、個々の工を定めることはできない。

小太刀について説明書は問いを残す。小太刀の作例は鎌倉期に多く備前及び山城に見られるが、如何なる人が如何なる目的で佩したかについては更に研究したいとする。

指定

国宝—
重要文化財3
重要美術品—
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣4

名工ランク

0.14 (指定作品7点)

刀工の上位14%

刀姿

評価作品7点の分布

銘

評価作品7点の銘の種類

販売中

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