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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘流派
  1. 流派
  2. 青江
  3. 古青江
  4. 正恒

Aoe Masatsune

正恒

特重
巻 5, 番 35 · 太刀

Aoe Masatsune

正恒

評価作品16点

国備中時代Kenpo (1213–1219)時代区分鎌倉流派Aoe伝法備前伝代2nd種別刀工コードMAS1224
3重要美術品
1御物
1特別重要刀剣11重要刀剣

概要

正恒は備中国古青江の刀工で、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍し、説明書は本工を妹尾鍛冶の代表格とする。説明書は古い備中の刀工を妹尾鍛冶と青江鍛冶の二系統に分け、正恒をその前者の筆頭に置く。則高を祖として妹尾の地に作刀し、その一派を青江本流とは分かつ。すなわち「次」の字を多く用いる古青江の主流派とは別に一派をなした工である。「銘鑑」は古青江正恒の初代を建永の頃とするが、現存する作には平安末期を下らぬものがあり、隣国の古備前正恒とほぼ時代を同じくして紛れやすい。ある特別重要刀剣の太刀は、この正恒が「次」の字を銘する古青江派とは別派であり作風も相違する旨を明記する。

鑑せられるその手は、静かな手である。細身で腰反り高く踏張りのある太刀に、青江本流に期待される華やかな丁子ではなく、穏やかな中直刃ないし細直刃を焼き、小乱れに小丁子を交え、足・葉よく入り、匂口は締まりごころに小沸つく。帽子は直ぐに小丸となる。この抑えこそ本工の全てである。説明書は類似する古備前正恒に照らして本工の作を、「やや地味で渋さが感じられる」とする。一派の後年の手が華やかに開くところを、本工は線に近く保ち、その働きは大きな丁子の房ではなく、足・葉、細かな砂流し・金筋に托される。

地鉄はもう一つの見どころである。やや肌立って柾がかる小板目に地沸つき細かに地景が入り、その中に説明書が縮緬肌と称する地斑が走り、しばしば澄肌を交じえ、地斑風あるいは穏やかな乱れの映りが立つ。古備前の名を分かつのは、刃文よりもこの地鉄であって、備前の同名の鉄にはこの地斑の縮緬がない。ある重要刀剣の太刀について説明書はその縮緬肌を特色とし帽子を見事とし、別の作ではチリチリと立って澄肌を交じえ縮緬肌を表すと、最も古青江らしい鍛えを述べる。茎の大筋違の鑢目は、銘の位置・細直刃とともに本工の見どころとされ、銘が一字しか判読できぬ作でも極めを支える。

その記録は二つに分かれる。生ぶ茎に二字銘を茎尻近くに留めるもの、磨上げられてもなお腰反り高く踏張りを存するもの、そして大磨上無銘で本工と極められた、元来は細身の太刀であった刀があり、後者は同じ縮緬の地鉄・穏やかな直刃・小丸の帽子から鑑せられる。ある無銘の刀について説明書は、まさに直ぐに小丸となる帽子を正恒と極める点として挙げる。ただし年代は措く。派内にも同名数工があって銘振りが作ごとに異なり、現存作が「銘鑑」の建永より遡るため、ある在銘の太刀は「銘があるとして」指定され、その判断は今後の研究に委ねられた。

本工を分かつものを、極めは本工自身の言葉で名指す。古備前正恒からは地斑の縮緬と明るい澄肌の地鉄によって、後年の華やかな青江からは意図して穏やかな直刃によって隔てられる。説明書はその作を「古雅で味わい深い」とし、藤末鎌初の気品ある太刀姿を存するとし、ある生ぶ茎在銘の太刀を「同名中でも就中、古調である」とする。同じ妹尾鍛冶の是重・安家・弘恒・恒真・守恒・行真らと並んで、本工はその代表であり、遺作も少なくなく、その手は最もよく読まれる。

収集の観点では、稀で静かな初期の名である。国宝はなく、近代の重要文化財もない。その記録は戦前の重要美術品と、現代の特別重要刀剣・重要刀剣を通じ、両上位の級を合わせて十二口、うち一口は早期明治の半太刀拵に府川一則の金具を装った特別重要刀剣の太刀である。藤代の極めは伝わらず、その作は僅かに残り、数口は生ぶ茎在銘で、説明書はこれを「生ぶ茎、有銘であることは特に貴重である」とし、また一口を「古青江正恒の代表作の一本」とする。その来歴は皇室に及び、ある小太刀は有栖川宮家の旧蔵であり、他は来歴の知れた旧家・機関に伝わる。多くは伝えられて売り立てられることはなく、生ぶ茎在銘の古青江正恒が世に出ることは稀であって、私蔵の一口は収集家にとって注目すべきもの、古き備中の伝統がその静かな古調をいかに守ったかを語る証である。

鑑定

二つの記録に見る一人の静かな古青江の手:細身の在銘太刀に見る中直刃・細直刃と小乱れ、縮緬肌の地斑映り・澄肌の地鉄と、同じ地鉄・直刃・小丸帽子から極められた大磨上無銘の刀。「次」を用いる青江本流とは別の妹尾鍛冶を率い、古備前正恒に類似してより渋いとする学説に枠取られる

正恒は備中古青江の刀工で、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍し、説明書は本工を、則高を祖とし「次」の字を用いる青江本流とは別系をなす妹尾鍛冶の代表格とする。鑑せられる作は細身で腰反り高く踏張りのある太刀で、二字銘を存するものも数口ある。やや肌立って地沸つき地景の入る小板目に、説明書が縮緬肌と称する地斑を交え、澄肌を交じえ、地斑風あるいは乱れの映りが立つ地鉄の上に、穏やかな刃を焼く。中直刃ないし細直刃を基調に小乱れ・小丁子を交え、足・葉よく入り、小沸つき、細かに砂流し・金筋がかかり、匂口締まりごころとなり、帽子は直ぐに小丸となる。説明書は本工の作を古備前正恒に類似しながらやや地味で渋いものとし、古き備中の作風をよく示すとする。極められた大磨上無銘の刀も同じ古青江の地鉄と穏やかな直刃を繰り返し、その極めは地刃と小丸の帽子に拠る。

鑑定の決め手

本工の手は小乱れ・小丁子を交えた穏やかな直刃調で、青江本流に期待される華やかな丁子乱れではなく、説明書はこの静けさを古き備中の作風、古備前正恒よりも渋いものと読む

古備前の基準(縮緬の地斑なし)にはない特徴

備前の基準(勝手下り・切りの鑢目)にはない特徴

作風の変遷

在銘の細身太刀(代表作・典型)

本工の代表的な記録は細身の太刀で、生ぶ茎に二字銘を留めるものが数口あり、磨上げられてもなお腰反り高く踏張りの強い古い太刀姿を存して小鋒に結ぶものもある。地鉄は小板目で、処々やや肌立って柾がかり、地沸つき細かに地景が入り、説明書が縮緬肌と称する地斑、澄肌の交じり、ある時は鮮明な地斑映り、ある時は穏やかな乱れあるいは深い映りが立つ。その地に対して刃文は意図して穏やかで、中直刃ないし細直刃を基調に小乱れ・小丁子を交え、足・葉よく入り、匂口締まりごころに小沸つき、処々細かに砂流し・金筋がかかる。帽子は直ぐに小丸となり、時に掃きかける。第十三回の太刀について説明書はその縮緬肌の地鉄を特色とし帽子を見事と評し、古青江正恒の代表作の一本とする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

大磨上無銘の刀(古青江の極め)

記録のもう一つの面は、本工と極められた大磨上無銘の刀で、元来は腰反り高く踏張りのある細身の太刀であったとされる。地鉄は板目に杢を交え、同じ縮緬肌に澄鉄と地斑を交じえ、地沸よくついてやや肌立ちごころとなる。刃文は再び直刃で、時に広直刃となり、小乱れ・小丁子を交え、足・葉入り、小沸つき、帽子は直ぐに小丸、時に掃きかける。数口は後刻と見られる棒樋を掻く。説明書はこれらを地刃から古青江の作と首肯し、ある作では帽子が直ぐに小丸となる点を特に正恒の特徴とし、古雅で味わい深いものとする。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は、正恒の名が平安末期から鎌倉時代にかけて古備前・古青江の双方に現れ作風がほぼ近似すること、古青江の派内にも同名数工があって銘振りが作ごとに異なることを記す。「銘鑑」は古青江正恒初代を建永とするが、現存作に平安末期を下らぬものがあるため年代は今後の研究に委ねられ、ある在銘の太刀はこの故に「銘があるとして」指定された。

本工の派中の位置について説明書は明言する。古青江正恒は則高を祖とする妹尾鍛冶で、「次」の字を用いる古青江主流とは別に一派をなし、作風は古備前正恒に類似するもやや地味で渋い味わいがあり、銘が一字のみ判読できる磨上の太刀も縮緬の地鉄と穏やかな直刃から本工と鑑せられる。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品3
御物1
特別重要刀剣1
重要刀剣11

名工ランク

0.30 (指定作品16点)

刀工の上位8%

伝来

伝来記録9件 の鑑定作品における Masatsune

伝来ランク

名家所蔵5点、伝来記録9件

刀工の上位19%

素点:2.10 / 10

刀姿

評価作品16点の分布

銘

評価作品16点の銘の種類

販売中

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