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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 青江
  3. 古青江
  4. 包次

Aoe Kanetsugu

包次

特重
巻 3, 番 23 · 太刀

Aoe Kanetsugu

包次

評価作品9点

国備中時代Kenryaku (1211–1213)時代区分鎌倉流派Aoe伝法備前伝藤代Jo-jo saku刀工大鑑1,500(上位5%)種別刀工コードKAN388
4重要文化財
1重要美術品
1特別重要刀剣3重要刀剣

概要

包次は備中国青江派の早い一群、すなわち古青江を代表する刀工のひとりである。説明書は同派を承安頃の安次を祖と伝え、以後南北朝後期に至るまで多くの名工を輩出したと記し、ほぼ鎌倉中期を降らないものを特に古青江と呼ぶ。包次は守次・為次・次家・次忠・貞次・康次・恒次・俊次・助次・重次と並ぶ古青江の代表工に数えられ、その多くが「次」の字を通字とする。説明書は本工を「貞次の流れを汲む」工とし、古い銘鑑には「守次或いは貞次の子と伝えられ」と記す。活躍は平安末期から鎌倉前・中期で、後に華やかな南北朝の青江を定義する逆丁子以前にあたる。「古青江中比較的に作刀が遺されている」ことから、本工は同派の静かな早期の作風を伝える最も明らかな有銘の遺例のひとつである。

作風は青江の静穏な一極にある。直刃を基調に小乱れ・小丁子を交え、小沸よくつき、刃中に肌からみ、砂流しがかかり、帽子は直ぐに小丸となる。説明書はその作柄の安定を劇しさ以上に称えて、「作柄に殆どむらがなく、出来のよいものが多い」と記す。特別重要の太刀は反り高く、縮緬肌に澄肌の交じる鍛えに小乱れ・小丁子を交え、茎は雉子股形で大筋違の鑢目をきり、「同派及び同工の特色をあらわし遺す所がない」と結ぶ。細身小鋒で「古雅であり」とされる太刀では、細直刃がほつれかかり、処々に二重刃風の湯走りがかかって、金筋が地刃をまたいで入る。

地鉄は派そのものの見どころである。鍛えは板目に杢を交えてやや肌立ち、いわゆる縮緬状の細かな肌合となり、地沸がつき、地に澄肌が鮮やかに現われる。説明書はこれを派の特色とし、杢目が目立ってやや肌立ち気味の縮緬肌に地斑を交え、刃文は穏やかな直刃から小乱れを交えるものまであり、よく沸がつくと記す。古備前に対しては感触で分かち、「同時代の備前物に比べると幾分地味で渋い味わいを醸す感がある」とする。地の映りは一文字の鮮やかな乱れ映りではなく備前に通う静かな映りで、尾張徳川家伝来の太刀には板目に杢が交じり澄肌が現われて「映りごころがある」とし、優品では映りが鮮やかに立つ。

一貫した古青江の手を、時代ではなく二つの register で読む。基調は右の有銘太刀の静かな直刃〜小乱れである。優品では地が雄弁となり、平成十五年指定の重要の太刀は小板目に小杢目を交えて総じて細かに肌目が立ち、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、処々地斑状の肌を交えて乱れ映りが鮮やかに立ち、刃文は直刃を基調に小互の目ごころを交えて匂口がしまり沈みごころとなる。説明書はこれを「同派の常以上に錬れた鍛え」と称揚し、厳島神社の太刀同様に銘を佩表に切る数少ない遺例として、同工研究の上で「資料的にも価値が高い」とする。金象嵌極めの刀は同じ優品の相を別側から示し、地斑映り鮮明、匂口明るく、小互の目に小のたれを交える。説明書は焼刃の小さなのたれが「包次の有銘作に見られるもの」であるとして、「同工の所伝は正に妥当である」と極めを首肯する。なお青江の銘は太刀にも刀銘(佩裏)に二字銘を太鏨で大振りに切る点が派の特色である。

青江中の包次の位置は、その特色と同じほど、彼が何でないかによって定まる。本工は派の早く静かな一極にあって、後の南北朝の青江諸工が看板とした逆丁子・逆足以前にある。その逆の華やぎは本工の作に見られず、直刃に交じる静かな小乱れこそ後に逆丁子が取って代わる早期の register である。澄肌と縮緬の地鉄は広い青江と通う派の地であり、静かな直刃と作柄の安定が彼を派の中に位置づける。説明書は古青江を古備前と感触と作りで分かち、地味で渋い感、佩裏に切る太い二字銘、大筋違の鑢目を相違点に挙げ、「銘を佩裏にきり、鑢目が大筋違となる」と記す。個別の門人は記されない。銘鑑は包次の名跡を鎌倉初期から末期にかけて継承されたものと伝え、有銘は数代に亘るが、説明書は現存の有銘・金象嵌の作を世代に分けず一つの伝来した手として扱う。

藤代の極めで上々作、刀工大鑑は一五〇〇とする。その名を負う指定の重みは現存の数を遥かに超え、重要文化財四口、その上に特別重要刀剣一口、下に重要刀剣三口を数え、特別重要・重要の級を合わせて四口を保つ。現存は有銘八口、無銘なしで、これほど早い工としては稀に明らかな有銘の記録である。辿りうる所蔵は市ではなく永く守られた伝来に帰する。有銘の太刀一口は厳島神社に蔵される重要文化財で、古青江が通常佩裏に切る中、銘を佩表に切る数少ない例外として知られる。尾張徳川家伝来の有銘太刀は昭和十四年に重要美術品に認定され、財団法人徳川黎明会・徳川美術館が所蔵し、『黎明会名刀図録』に所載される。金象嵌の刀は刃に大きな切り込みを二ヶ所残し、説明書はそこに「その武勲が偲ばれる」と記す。私人にとって重要文化財は神社や永い私蔵に守られた文化財であって取引されることはなく、特別重要・重要の作も僅かが記録に見え、市に現われることは稀で、現われればそれは早い備中物の一里塚となる。

鑑定

一貫した古青江の作風(直刃・小乱れ、縮緬肌に澄肌、小丸帽子、大筋違の茎)を二つの register で読む。基調は有銘太刀の静かな直刃〜小乱れ。優品では映りの register が現われ、乱れ映り・地斑映りが鮮やかに立ち、地沸厚く小互の目・小のたれを交える。盛期の青江諸工(次直・直次・吉次)の南北朝的な逆丁子(本工は逆0%に対し彼らは24〜71%)を全く先行する位置にある。

包次は古青江を代表する刀工のひとりで、平安末期から鎌倉前・中期にかけての備中青江である。説明書は貞次の流れを汲むとし、古い銘鑑には守次あるいは貞次の子と伝え、その名跡は鎌倉初期から末期にかけて継承されたと記す。作風は華やかな南北朝期の青江の逆丁子以前の、静穏で渋い青江の一極にあたる。直刃調に小乱れ・小丁子を交え、帽子は小丸、鍛えは縮緬肌に澄肌が現われ、優品では乱れ映りや地斑状の映りが鮮やかに立つ。説明書は古備前に比して地味で渋い感があると評する。作刀は殆どむらがなく出来のよいものが多く、二字銘を太鏨で佩裏に大振りに切り、鑢目は大筋違となる。

鑑定の決め手

逆がかり

作品の0% ・ 直次・次直(盛期青江)比 0.0倍

作品の50% ・ 次直・直次(盛期青江)比 8.3倍

作品の50% ・ 既出の青江諸工比 1.9倍

作風の変遷

静穏な古青江の手(直刃・小乱れ=本工の典型)

とりわけ有銘の太刀(直刃は6口中5口、小乱れは6口中3口に記される)。二字銘を太鏨で佩裏に切り、鑢目は大筋違

直刃調に小乱れ・小丁子を交え、小沸よくつき、刃中に肌からみ、砂流しがかかる。細身小鋒の一口は細直刃でほつれかかり、二重刃風の湯走りに金筋が地刃をまたいで入る。帽子は直ぐに小丸。鍛えは板目に杢を交え、やや肌立って細かな縮緬肌となり、地沸つき澄肌が交じる。姿は古雅な古青江の太刀で、細身に腰反り高く踏張りがつく。説明書は古備前に比して地味で渋いと評し、作柄にむらが殆どないとする。茎は二字銘を太鏨で佩裏に大振りに切り、鑢目は大筋違で、いずれも古青江の見どころと記される。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

映りの register(優品)

優品=重要四十九回の太刀(乱れ映り鮮やか、地沸が同派の常以上)と金象嵌極めの刀(地斑映り鮮明、小互の目・小のたれ)

優品では地が雄弁となる。鍛えは小板目に小杢目を交えて総じて細かに肌目が立ち、地沸が微塵に厚くつき地景が細かに入り、処々に地斑状の肌合を交え、乱れ映りが鮮やかに立つ。金象嵌極めの刀には地斑映りが鮮明に立つ。刃文は直刃を基調に小互の目ごころ・小のたれを交え、匂口がしまって沈みごころとなり小沸がつく。説明書は一口を「同派の常以上に錬れた鍛え」と称揚する。これは古青江の手を最も錬り上げた相であって別時代ではなく、焼刃の小さなのたれは「包次の有銘作に見られるもの」とされ、無銘の極めを首肯する根拠となる。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
研究

銘鑑は包次の名跡を鎌倉初期から末期にかけて継承されたものと記し、有銘作は複数代に亘る。本作群は世代に分けず一つの手として扱われる。

金象嵌極めの刀につき、説明書は焼刃の小さなのたれが「包次の有銘作に見られるもの」で、地斑映り鮮明、匂口明るいなど古青江の見どころが示されるとして、極めを「正に妥当」と首肯する。

佩表に銘のある重要の太刀一口は、地沸・地景が「同派の常以上に錬れた鍛え」と称揚され、同工研究の資料的価値が高いとされる。

指定

国宝—
重要文化財4
重要美術品1
御物—
特別重要刀剣1
重要刀剣3

名工ランク

0.47 (指定作品9点)

刀工の上位5%

伝来

伝来記録3件 の鑑定作品における Kanetsugu

伝来ランク

名家所蔵2点、伝来記録3件

刀工の上位61%

素点:1.94 / 10

刀姿

評価作品9点の分布

銘

評価作品9点の銘の種類

販売中

系譜

Kanetsugu
弟子(3名)
  1. 1.包次Kanetsugu
  2. 2.包次Kanetsugu
  3. 3.包次Kanetsugu

Aoe派

Aoe派の他の刀工

  1. 1.次直Tsugunao27指定
  2. 2.康次Yasutsugu11指定
  3. 3.直次Naotsugu15指定
  4. 4.恒次Tsunetsugu13指定
  5. 5.吉次Yoshitsugu1 販売中17指定
  6. 6.助次Suketsugu15指定
  7. 7.守次Moritsugu9指定
  8. 8.正恒Masatsune16指定
  9. 9.爲次Tametsugu6指定
  10. 10.俊次Toshitsugu6指定
  11. 11.守利Moritoshi9指定
  12. 12.次吉Tsuguyoshi16指定