古青江の親次は、二振の在銘太刀によって知られる。昭和十五年認定の重要美術品と、第二十七回重要刀剣指定の太刀である。銘鑑は同銘を備前新田庄或は長船、備中青江、また備後の法華一乗派の祖と思われる工として掲げる。重要美術品の太刀について、説明は「この親次は銘鑑に鎌倉時代中期、弘安(一二七八〜八八)頃と伝えているものに該当するであろう」と記す。
この太刀は磨上げで身幅・切先とも尋常な姿である。鍛えは板目やや肌立ち、澄肌ごころがあり、刃文は匂出来の小乱に足が入る。これに対し別の評者は、「この親次は編者の言の如く古青江と思われるが、銘の位置、鏨の太さは異例である」と留保を付している。
重要刀剣の太刀も磨上げで、鎬造、庵棟、鎬地を卸して鎬高く、反り浅く中鋒。鍛えは板目に杢交じり、地沸つき縮緬肌となり、刃寄りは総じて流れるがチリチリと肌立つ。刃文は細直刃で、説明は「匂口のしまった直刃を焼いて小互の目、小足入り、ねずみ足も入っている」とし、小沸つき、帽子は直ぐに先僅かに返る。茎尻近く刀銘に大振りの二字銘があり、「大筋違の鑢目からこの作は青江の親次と」鑑せられている。
この少ない記録から、親次は鎌倉時代中期の古青江の工として、直刃・小乱の穏やかな刃文と一門の縮緬肌を示し、二振ともに銘の位置が注目される。重要美術品の太刀は認定時三井高公の所有で、現在は佐野美術館の所蔵である。