末青江

青江派派の中

1334–1500

押形 — 青江 school
特重巻 4, 番 38

概要

末青江は備中青江派の最終局面にあたり、建武の頃を起点として南北朝時代を通じ、室町期へと連なる時期の作を指す。建武頃の年代色を示す守次の太刀から、文和・延文・貞治・康安・貞和といった年紀を有する次吉の諸作に至るまで、この区分の代表工は次直・次吉・守次・直次らであり、いずれも説示において南北朝時代中期の青江派を代表する刀工として並び称される。鎌倉時代末期から南北朝初期にかけての作と、延文を中心とする最盛期のそれとでは作風になお相違が認められ、後者において幅広く反りの浅い時代姿と締まって冴える刃境とが揃って表れる。鎌倉中期までの古青江、その後を承けた中青江の作域を受け継ぎつつ、南北朝の体配と地刃へと一派の風が移ろった段階がこの末青江である。

作風の核は段映りと匂口の締まりにある。地鉄は小板目に杢を交えてよくつみ、地沸が微塵に厚くつき、地景が細かに入り、鎬寄りに乱れ映りが立ち、刃寄りに筋状の映りが二重三重に並んで段映りを形成する。短刀や脇指には澄肌や地斑調の肌合が交じり、ここに古青江以来の縮緬肌の系譜がうかがえる。刃文は直刃を基調に小互の目・角ばる互の目・小丁子を交え、処々逆がかり、小足・逆足・葉が繁く入り、匂勝ちに小沸がつき、匂口が締まって明るく冴える。次吉に直刃が多く、次直に華やかな逆丁子乱れが多いという二様の作域があり、いずれも匂口の締まりと冴えを身上とする。古青江が小沸出来で匂口のやや沈んだ直刃に小乱れを交え、精美な縮緬肌に段映りを見せたのに対し、末青江は身幅広く寸延びて重ねの薄い南北朝姿をとり、匂口の締まりと冴えをいっそう際立たせる。中青江の作と比しても、逆がかる刃と段映りの強調にこの期の特色が表れる。

鑑定の要点は、段映りと逆がかる刃、そして締まって冴える匂口の三点に置かれ、大筋違の鑢目もまた同派を分かつ手掛かりとなる。主要工としては直刃を得意とする次吉、逆丁子乱れを得意とする次直、建武頃の力強い体配を伝える守次、暦応の年紀に逆鏨鋭い長銘を残す直次が挙げられる。代表作には、延文二年紀の前田家伝来の脇指、康安二年紀の帽子を区際まで焼き下げた短刀、貞治の年紀を備えた脇指などがあり、無銘ながら大磨上げに南北朝の姿を伝え貞次・次吉と極められた優品も少なくない。塚本素山旧蔵の吉次在銘短刀のごとく、徳川家綱より姫路酒井家へ伝わった一口も知られ、伝来の確かさを併せ持つ作が末青江の到達点を示している。

指定

116 指定 · 24 名工数

指定の位置づけ

重み付け指定指数 0.79(指定 116 点)

青江の3時期中 第3位

青江流派全体(0.95)を下回る

伝来

伝来記録のある作品 25 点

伝来の位置づけ

伝来指数 3.60(伝来 25 点)

青江の3時期中で最上位

青江流派全体(4.03)を下回る

代表工

上位指定の希少度で順位付け

  1. 1.次直1345-136126
    流派内 22.4%
  2. 2.守次1356-13619
    流派内 7.8%
  3. 3.次吉1357-136816
    流派内 13.8%
  4. 4.次吉1338-135821
    流派内 18.1%
  5. 5.貞次1346-137613
    流派内 11.2%
  6. 6.貞次1380-13945
    流派内 4.3%
  7. 7.貞次1334-13385
    流派内 4.3%
  8. 8.家次1356-13572
    流派内 1.7%
  9. 9.長次1394-14282
    流派内 1.7%
  10. 10.家次1367-13862
    流派内 1.7%
  11. 11.吉次1345-13502
    流派内 1.7%
  12. 12.久次1356-13611
    流派内 0.9%
  13. 13.長次1352-13561
    流派内 0.9%
  14. 14.真次1338-13421
    流派内 0.9%
  15. 15.助吉1338-13421
    流派内 0.9%
  16. 16.末次1338-13421
    流派内 0.9%
  17. 17.末次1362-13681
    流派内 0.9%
  18. 18.俊次1356-13611
    流派内 0.9%
  19. 19.恒次1356-13611
    流派内 0.9%
  20. 20.次久1342-13451
    流派内 0.9%

現在の出品

青江派の他の時期