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概要·鑑定·指定·刀姿·銘·流派
概要鑑定指定刀姿銘流派
  1. 流派
  2. 関
  3. 金行

金行

Seki Kaneyuki

重要
巻 13, 番 51 · 刀

金行

Seki Kaneyuki

評価作品10点

国美濃時代Kano (1350–1352)時代区分南北朝流派関伝法美濃伝刀工大鑑600(上位21%)種別刀工コードKAN589
10重要刀剣

概要

美濃の金行は悉く無銘の作によって知られ、昭和三十八年から平成三十年にかけて九口が重要刀剣に列している。最も古い一口は三尺を超える太刀を大磨上げにした刀、最も新しい一口は身幅広く豪壮な南北朝の姿の刀である。年紀作は一つもなく、有銘確実の例は説明書がほとんど無いに等しいものとして扱うほどに稀で、この工は極めによってのみ辿られる。金行は初代金重の門人で、説明書は金重の弟または子と称し、両者を志津兼氏と並ぶ美濃鍛冶の源流に置く。すなわち説明書は金重を「志津兼氏と並んで美濃鍛冶の源流となった金重」と記し、また『古今銘尽』を引いて「法名道阿、本国越前つるがの住人すぐれたる上手也。関に越て住」と伝え、『光山押形』から貞治二年紀の短刀二口を拾って一派の活躍期を定める。金行はかくて室町の美濃本流に先立つ関の創始期に属する。

説明書が彼に再構する手は、志津の系とあえて分かたれた美濃伝である。流れて肌立ち、数口では明らかに柾がかる板目に、頭の丸い互の目・小互の目を尖り刃と低い小のたれに交え、比較的穏やかに連ねて焼く。説明書はこれを「頭の丸い互の目や小互の目を主調とした」刃文とし、概して「比較的穏やかな刃取りを見せる」と直に記す。刃中には小沸・砂流し・細かな金筋が走り、匂口は冴え、足入り、刃縁は処々ほつれる。帽子は地刃に応じて掃きかけて小丸となり、処々乱れ込む。南北朝の尺度からすれば静かで抑えの利いた刃文であり、説明書はその穏やかさを一派の短所ではなく特色として扱う。

地鉄が残りの見極めを担う。流れて肌立ち柾がかる板目こそ、説明書が金重一派に共通する見どころとして掲げるもので、無銘の作を志津ではなく金行に分かつのもこの地である。地沸は総体につき、映りの立つ処は備前の鮮明な乱れ映りではなく美濃伝の淡い白け映りで、古い二口の刀には淡く白気映りが立ち、後年の身幅広い刀では地鉄がつんで地沸厚く地景頻りに入り、淡い映り、一口には淡く沸映り風が立つ。その全体を貫くのが、説明書のいう鍛えに看取される「北国気質」であり、金重の越前出自が美濃の地鉄に持ち込まれた聊かの野趣として読まれる。そして説明書は地鉄を率直に「兼氏一門の志津の作とその作風を異にし」「金重よりも大まかな出来で地がねがそれに及ばない」と評する。この率直さもまた極めの一部であり、金行は関創始期の穏やかで素朴な手であって、説明書はそう明言する。

指定作は時代よりも造込みによって分かれる。その大半は大磨上無銘の刀と薙刀直しで、元来は身幅広く反り浅く大鋒の太刀・薙刀、南北朝の姿そのものであり、これらでは穏やかな頭の丸い互の目と柾がかる地が最も平明に読める。第四十八回・第六十四回の後年の身幅広い刀は最も明るくつんだ地を見せ、説明書はこれを地刃健全・同工極めの優品とする。これらと別に、生ぶ茎を残す唯一の一口、すなわちやや寸延びて重ね薄い生ぶの平造脇指が立つ。刃文は規則的な小のたれで砂流し頻りにかかり、美濃工の好んだ宗教的彫物を負う唯一の作でもあって、表に三鈷附剣、裏に梵字と護摩箸を施す。説明書はこの規則的な小のたれを、連れる頭の丸い互の目とともに無銘極めの金行の典型の刃文の一つとする。

金行を分かつものは、最も紛れやすい志津の系に対してこそ際立つ。両者は同じ南北朝の美濃伝でありながら、説明書はその極めを終始一貫した対比として組み立てる。すなわち金重の作風につながりながら、その作は「志津一派の作とは趣を異にした」ものであり、穏やかな頭の丸い互の目と肌立ち柾がかる地が、より乱調な志津の乱れに対する。説明書はある薙刀直しを「金行の典型的な作風」を示すものとし、ある刀を「上記の金重派の見どころが顕著に示されている」「地刃に金行の特色をよく現わしている」とするから、一派の性格は借り物でなく彼自身の作から読まれる。かくて金行の手は無銘の南北朝美濃を分類する見極めの一型となり、室町の兼定・兼元へと続く美濃本流を養った広い関・直江志津の流れの一支をなす。

金行の記録は規模つつましく、悉く無銘である。指定を受けた作は九口、いずれも半世紀余にわたる各回の重要刀剣であって、国宝も重要文化財も特別重要刀剣も無く、指定の指標も上位ではなく長い裾に位置する。それでも説明書は優品を「地刃共に健全」とし「同工極めの優品」と称する。その称讃は誇張なく控えめで、極めによってのみ辿られる工にふさわしい。彼の作に伝来の記録はなく、公の記録に所蔵する機関も無いから、正直に描けば、私蔵に静かに伝わり指定の場に姿を見せる名であって、刀は館に収まるよりも蔵家の間を移ってきた。金行の作はいずれも文化財として封じられてはいないため市場に現れもするが、それは稀であり、現れた時にそれと知らせるのは銘ではなく、穏やかな柾がかる美濃伝の手と頭の丸い互の目である。室町の名高い名跡よりも関の創始期を貴ぶ収集家にとって、地刃の健全な無銘の金行を、説明書の挙げる特色そのものによって志津の系から見分けて得ることは、静かに報われる出会いである。

鑑定

指定の無銘作に終始一貫した美濃伝・金重一派の一作域を二段に読む:頭の丸い互の目・小互の目を柾がかり淡く映りの立つ地に焼く穏やかな典型の手と、地が地沸厚く地景頻りの明るい地に転じ尖り刃・飛焼・棟焼を交えた身幅広い南北朝の大鋒の刀。作種の軸は造込みで、生ぶの平造脇指のみが規則的な小のたれと梵字・護摩箸の不動の彫を負う

金行は南北朝期美濃国関の刀工で、説明書は初代金重の門人とし、金重の弟または子と称される。金重は『古今銘尽』に拠れば越前敦賀の住人で、関に越して住したといい、金行は志津兼氏と並んで美濃鍛冶の源流に立つ。師と同じく有銘確実・年紀のある作は極めて稀で、その指定作は悉く大磨上無銘の刀・薙刀直しと一口の生ぶの脇指で、いずれも伝金行として伝わる。経眼の手は、説明書が志津一派とあえて分かつ美濃伝で、すなわち流れて柾がかる板目に肌立ち地沸つき淡く白け映りの立つ地に、頭の丸い互の目・小互の目を尖り刃・小のたれに交えた比較的穏やかな刃を焼き、小沸つき砂流し・細かな金筋かかり、帽子は掃きかけて小丸となる。説明書が同派の見どころとするのは柾気の地と砂流しかかる沸の刃であり、その気質とするのは鍛えに看取される北国気質、聊かの野趣、そして金重に及ばぬと評される地鉄である。

鑑定の決め手

作品の67% ・ 志津一派の板目(肌立ち・柾気の薄い地)比 2.2倍

作品の67% ・ 備前伝の基準(匂主体・砂流し少ない)比 6.7倍

志津一派(尖りごころの強い乱れ)にはない特徴

作風の変遷

金重一派の典型(経眼の本領)

最も一貫して説かれるのは大磨上無銘の刀・薙刀直しで、鎬造庵棟、元来は身幅広く反り浅く大鋒の南北朝の太刀である。流れて柾がかる板目に肌立ち地沸つき、数口には淡く白け映りが立つ。刃文は頭の丸い互の目・小互の目を尖り刃・小のたれに交えて比較的穏やかに連れ、足入り、小沸つき、砂流し・細かな金筋かかり、匂口は冴える。帽子は掃きかけて小丸、処々乱れ込む。説明書は柾がかる地と砂流しかかる沸の刃を金重一派共通の見どころとし、穏やかな刃に頭の丸い互の目を焼くを無銘極めの金行の典型とする。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

身幅広い南北朝の大鋒の刀(地刃ともに明るい一面)

確証はやや弱い明るい一面は第四十八回・第六十四回の身幅広い大鋒の刀に対応し、地鉄がつんで地沸厚く地景頻りに入り、尖り刃・飛焼・棟焼が最も顕著となる

同じ手のいま一段は地刃ともに広く明るい。後年の指定に見る身幅広い豪壮な刀では、地鉄は板目に杢を交えて総じてつみ、地沸微塵に厚く、地景頻りに入り、淡く映りが立ち、一口には淡く沸映り風が立つ。刃文は連れる小互の目に尖り刃を多く交え、処々焼きの高い尖り刃を交えて細かな金筋・砂流し入り、匂口明るく、作によっては飛焼を交え帽子の下に棟焼を交える。これらは説明書が地刃健全・出来口優れた同工極めの優品とする刀で、身幅広く反り浅く大鋒の時代色を余す所なく現わす。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon

不動の彫を負う生ぶの平造脇指

不動の彫の一面は唯一の生ぶの平造脇指に対応し、彫物を負う唯一の作にして生ぶ茎を残す唯一の作である

造込みによって分かれるのは一口の生ぶ無銘の平造脇指で、やや寸延びて身幅広く重ね薄い。刃文は規則的な小のたれで、小沸つき頻りに砂流しかかり、帽子はのたれ込んで表は掃きかけ、裏は尖って返る。美濃工の好んだ宗教的彫物を負うのはこの一口のみで、表に三鈷附剣、裏に梵字と護摩箸を施す。説明書はこの規則的な小のたれを、連れる頭の丸い互の目とともに無銘極めの金行の典型の刃文とする。

姿 Sugata
刃文 Hamon
研究

説明書は金重とともに金行を志津兼氏と並ぶ美濃伝の源流に置き、その作を志津の系とあえて分かつ。金重の作風につながりながら、金行極めは志津一派と趣を異にし、より大まかな出来で地鉄が金重に及ばぬとされ、その差をもって無銘作を金行と鑑する。

同じ説明書は金重の越前出自と関への移住を『古今銘尽』に、その短刀二口の貞治二年紀を『光山押形』に引き、金重・金行ともに有銘確実の年紀作は伝わらぬながら一派の時代を定め得るとし、古来金重・金行と極められた作に北国気質と野趣を看取して、その刃文が頭の丸い互の目・小互の目を主調とした比較的穏やかな焼であると記す。

指定

国宝—
重要文化財—
重要美術品—
御物—
特別重要刀剣—
重要刀剣10

名工ランク

0.07 (指定作品10点)

刀工の上位20%

刀姿

評価作品10点の分布

銘

評価作品10点の銘の種類

販売中

関派

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金行

金行(Kaneyuki)は、美濃の関派の刀工です。

Kano (1350-1352) NDに活動しました。

作風は美濃伝に属します。

金行の作品には、重要10点が指定されています。