南朝が大和国吉野に都を置いたとき、大和の諸派は最盛期にあった。包永以後の手掻、尻懸則長、そして保昌の純然たる柾目である。その技はすでに諸国へ広がりつつあった。
注文番号:AS26503 白鞘入り、拵付き(NBTHK 特別保存刀剣) 銘:無銘(伝 尻懸) 古刀:上作:大業物:大和 (弊社では刀剣の出来によって最上作、上々作、上作、普通作の4段階に評価しております)。 本刀は尻懸と伝わる作品の中で上々作にランクされます。 ハバキ:金着一重ハバキ。 長さ:68.2 cm (26.85 in)。 反り:1.6 cm (0.63 in)。 目釘穴:3個。 元幅:2.94 cm (1.16 in)。 先幅:1.92 cm (0.76 in)。 重ね:0.65 cm (0.26 in)。 刀身重量:660 g。 時代:南北朝時代、延文–貞治頃(1356–1368)。 体配:身幅広く、重ねもしっかりとし、反り適度につき、切先がやや延びた体配の良い刀です。 地鉄:板目肌に木目肌交じり、肌目がよく見える。地に白っぽく映りが現れる。 刃文:直刃に鼠足が入る。帽子は丸く返り、先は掃き掛けとなる。 特徴:大和伝の中でも、尻懸派は開祖則長のもとで繁栄しました。その作風は、地沸の厚くついた流れるような板目肌と、洗練された刃文を特徴としています。本刀は日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により無銘の尻懸と極められており、鎌倉時代後期を下らない時期のものと考えられます。出来の良い健全な刀です。 拵: 鍔:五つ木瓜形の鉄鍔に銀の縁(ふくりん)を施す。 縁頭 / 尻鉄 / 栗形:花卉図を彫る。 鞘:黒石目地塗鞘。 目貫:赤銅地に鳳凰の図を彫る。 葵美術のコメント:大和伝は保昌、当麻、尻懸、手掻、千手院の五派から成ります。その刀剣は奈良の多くの大寺院を守護した僧兵たちに供給されたと言われており、各派がそれぞれ独自の特色を示しています。本作は古刀期の尻懸派と極められた優れた一振りです。







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大和伝 · 大和
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尻懸派は大和五派の一つであり、則長を事実上の祖として鎌倉時代末期から室町時代にかけて栄えた。則長には文保三年四十八歳、暦応三年六十九歳と行年を切った短刀が現存し、それによって逆算すると文永九年の生まれであることが分かる。同銘の継承は鎌倉末期より室町時代にわたって見られ、『鍛冶銘早見出』は三代を応永、四代を永亨頃としている。同派の祖は則弘と伝えるが、確実な作を見ず、則長が実質的な流派の祖と見做されている。僧兵を抱えた有力寺院が位置する大和鍛冶に薙刀の作が多いのは当然であるが、その中でも尻懸派と鑑せられる薙刀が最も多く、南北朝期の長大な薙刀が生ぶ茎で伝来している例は極めて稀である。 作風は大和物一般に共通する様式を示すが、鎬幅広く鎬筋の高い造込みに、板目が目立って流れる鍛えを見せ、地沸厚くつき、地景頻りに入り、沸映り立つものもある。刃文は直刃基調であるが、直刃調に小互の目が頻りに連れて交じる点に大きな見処と個性がある。刃縁には頻りにほつれ、二重刃・喰違刃・湯走り・打のけ・砂流し・金筋などの働きが見られ、匂口明るく冴える。帽子は乱れ込み、さかんに掃きかけて火炎状となるものや焼詰め風となるものがある。『紛寄論』には「是も多分すぐ焼刃にて当麻とたがひの出来ふできにて紛るる作也、併当麻ほどは地つまらずしてしほ相うすく、位のおとるを以て尻懸と知べし」[[c:1]]とあり、その見方をよく言い尽している。 尻懸派の作は在銘作が少なく、無銘極めとなるものが大半を占めるが、本阿弥家の鑑定によって伝世してきたものが多い。地鉄は板目に杢目・流れ肌を交え、肌立ちごころとなり、総じてよく錬れてつみ、地沸微塵に厚くつき、地景太く頻りに入る。刃文は中直刃調に小互の目が元から先まで連れ、足・葉繁く入り、小沸よくつき、刃縁にほつれ・二重刃・喰違刃・湯走り現われ、金筋・砂流し細かにかかり、光の強い沸が厚くついて明るく冴える。特に小互の目の連れた刃縁に光の強い沸をあしらった喰違刃のかかる状には、徳川本家に伝来し重要美術品の則長在銘作を思わせるものがあり、尻懸派の特色と美点を十二分に現わした作が多く残されている。 詳しく見る →
南北朝時代の大和
南朝が大和国吉野に都を置いたとき、大和の諸派は最盛期にあった。包永以後の手掻、尻懸則長、そして保昌の純然たる柾目である。その技はすでに諸国へ広がりつつあった。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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