室町は刀剣業を産業に変えた。徒歩の集団戦とともに打刀が興り、長船と関は数打ち物と注文打ちを並行して産し、勘合貿易は日本刀を数万振の単位で海外へ運んだ。
銘:無銘(日本美術刀剣保存協会 鑑定:海部) 刀工:海部(協会極め、個別の刀工名は特定せず) 流派・伝系:海部(阿波国) 時代・国:室町時代(古刀)、阿波国(現在の徳島県)。協会による海部極め。時代については前所有者の見解による。 鑑定書:日本美術刀剣保存協会(NBTHK)保存刀剣 鑑定書 第3039165号(令和8年6月3日発行) 登録証:群馬県 第43028号(昭和62年12月15日交付) 外装:黒漆塗金粉散らし鞘 打刀拵 (鉄地透し象嵌鍔、赤銅魚子地人物図高彫金色絵縁頭、黒糸摘み巻き柄) 長さ(刃長):65.4cm(2尺1寸6分弱、鑑定書記載。登録証上は65.5cm) 反り:2.2cm 目釘穴:1個 形状(体配):鎬造、庵棟、中切先。刃長に対して反りが深くつく。 地肌:板目に木目交じり、鎬寄りに流れる肌を見せ、地景よく現れる。 刃文:細めの直刃を基調とし、僅かに浅くのたれる。匂口明るい。 鎺(ハバキ):銀色地一重、猫掻き国崩し。 本作は、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により阿波海部派と極められた、刃長65.4cmの無銘の打刀です。鑑定書は令和8年6月3日付で発行されたばかりであり、最新の審査基準に基づいた極めとなっております。日本国内の登録証が付属し、黒漆塗の外装(打刀拵)に収められています。 体配は鎬造、庵棟、中切先。65.4cmの刃長に対して2.2cmという深い反りがついており、非常に姿の良い一振りです。この長さと反りの深さは、室町時代後期の打刀の典型的な特徴を示しており、帯刀時の抜き付けの良さを重視した実戦的な造りとなっています。 刃文は細身で控えめな直刃を基調とし、穏やかにのたれる匂本位の作風です。
取扱店 Tokyo Nihonto








































脇物 · 安房
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海部派は阿波国、すなわち現在の徳島を中心とする四国の地に興った刀工の一群である。説示は『古今銘尽』『古刀銘尽』を引いて、この派に二つの系統があったことを伝える。その一は康暦頃の海部太郎氏吉を祖とする系であり、いま一つは応安頃の波平の弟子と伝え、「藤」と一字を銘する者を祖とする系である。もっとも祖と仰がれる氏吉の作は現存せず、現存する作品にも南北朝時代まで時代の遡るものはなく、世に海部物と呼ばれる作の多くは室町時代のものとされる。活躍が目立つのは室町時代の後半からであり、説示に名を挙げる工としては、氏吉、藤原氏吉、阿州開府氏吉と銘する一群のほか、明応頃と天文頃の二工が知られる氏重、大永年紀を残す泰吉、同じく大永頃の海部鍛冶である泰長がある。氏重については、後に播州姫路に移り大和大掾を受領した初代、通称三木新五郎の名が伝えられ、その末裔に手柄山正繁が出たことも記される。 作風について説示はおおむね二様を記す。一つは、光の弱い地景が目立ち、大のたれ・小のたれを焼いて、匂口が望洋としてしまらず、地景と同調する金筋がかかるものである。いま一つは、板目に柾気が交じって鍛えがやや軟らかく、少しく白け、働きのあまり見られない直刃を焼く、波平風と評されるものである。短刀には、平造、三ッ棟で身幅広く寸延び、重ね薄めに僅かに内反りのついた大柄な姿が見られ、板目に杢を交え、刃寄りが流れて柾がかり、地沸が微塵につき、白け映りが立つなかに細直刃を焼いて枯淡の趣を醸す作がある。彫物には棟寄りの梵字に素剣・護摩箸を掻き流したものや棒樋があり、刀身によく調和する。脇指には海部の山刀と呼ばれる切刃造のものが知られ、地刃の出来に見劣りするものが多いと説示は述べる。海部を見分ける手がかりは、光の弱い地景、白け映りと柾がかった鍛え、しまりに乏しい匂口、そして直刃に波平風の趣を帯びる点にある。 鑑定にあたっては、これら地景・白け・匂口の性格に加え、銘字を太鏨で大振りに刻む茎の様子が拠りどころとなる。海部物は実用に即した性格が強く、その切れ味の鋭さを語る作が伝わる。氏吉作の名物岩切海部は享保名物帳に所載され、名はその切れ味の鋭利さに由来すると伝え、もとは阿波の豪族三好家にあって長慶がこの刀で武功をたて、後に福岡の黒田家に伝わったという。また泰吉や泰長の作には、海部の作が江に化したと語られるごとく、地刃や帽子に物語を生む要素を含むものがある。氏吉作の短刀には『光山押形』に所載され伊東巳代治の旧蔵にかかる一口もある。有銘の作は総じて少なく、それゆえ氏重・氏吉・泰吉・泰長らの遺例は、各工のみならず海部派全般を研究するうえで貴重な資料であり、阿波の地に根ざした実用刀の一系として位置づけられる。 詳しく見る →
室町時代
室町は刀剣業を産業に変えた。徒歩の集団戦とともに打刀が興り、長船と関は数打ち物と注文打ちを並行して産し、勘合貿易は日本刀を数万振の単位で海外へ運んだ。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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