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概要·鑑定·年紀作·指定·伝来·刀姿·銘·流派
概要鑑定年紀作指定伝来刀姿銘流派
  1. 流派
  2. 長船
  3. 応永備前
  4. 師光

師光

Osafune Moromitsu

重要
巻 19, 番 227 · 太刀

師光

Osafune Moromitsu

評価作品17点

国備前時代Oei (1394–1428)時代区分室町流派長船伝法備前伝代2nd刀工大鑑500(上位26%)種別刀工コードMOR1082
3重要文化財
2御物
12重要刀剣

概要

師光は南北朝時代末期の備前長船の刀工で、その年紀作は永和・応安から明徳を経て応永に及ぶ。説明書は『銘鑑』を引いて「銘鑑に倫光子、盛光の父とあり」と記し、応永備前の名工盛光の一代前にその名を置く。そして南北朝末期の長船にあって小反と総称される刀工群、すなわち小反りの工の一人とし、「南北朝後期の、いわゆる小反りと総称される刀工群の代表的な一人である」と読む。同名二代があり、応永年紀の作は二代とされるが、厳密な代別はなお研究に俟つとする。本工は何よりも資料の工であり、生ぶ・在銘・年紀をもって、室町の敷居に立つ長船の静かな一隅を伝える証である。

本工の特色ある手は、腰の開いた互の目を主調とする小模様の互の目乱れである。刃の本体には小互の目・小のたれ・尖り刃・角張る刃に僅かの丁子を交え、総じて小模様にこずみ、足・葉入り、匂主調に小沸をつき、細かな砂流しがかかる。帽子は乱れ込んで尖りごころ、または小丸に返る。華やかさよりも抑えの作域であり、説明書はその地味をそのまま言い当てて、「作風は盛光、康光等に比すと地味であり」と記す。同じ備前の趣を、後代の応永の名工よりも小さく、地味な寸法に焼いた手である。

その静かな刃の下に終始変わらぬのが地鉄である。板目を鍛え、多く流れて杢や肌立ちを交え、地沸つき、上手は直ぐの棒映りが刀身に沿ってよく立ち、晩年の充実した作には乱れ映りが立って地景風の黒みのある鉄が地に交じる。映りは古備前の見どころを末期の小さな調子で読んだものである。その上に刃文は小さな乱れの線を保ち、匂口は締りごころ、働きは大きな丁子の房ではなく足・葉と砂流しに托され、地刃ともに不規則によく錬れた景色を見せて、小反一類に通じる出来となる。

記録は一つの作域に収まらない。在銘の多くは小反りの太刀であるが、今一つの少数の作は乱れを離れ、小互の目と肩落風を交えた直刃調を焼いて、帽子を掃きかけ焼詰めに納める。この静かな作域は、梵字や三鈷附剣の彫物を加えた小振りの平造短刀に見られ、また珍しい剣にも見られる。剣について説明書は「剣の作例はいつの時代も少ないものであり」とし、「本作も師光の剣として頗る珍品である」と評する。一方、上手の晩年の太刀では作域がひろがり、乱れの腰がいよいよひらき飛焼・棟焼を交えて、説明書はこれを「既に応永備前の作風を予兆させるものがある」と読む。

師光を分かつのは、まさにこの敷居の位置である。南北朝最盛期の長船の名工よりも小模様で地味に焼き、その刃は次代の子の盛光や康光よりも抑えられているが、本工自身の腰の開いた互の目、直ぐの棒映り、晩年の太刀のひらく乱れは、一門応永の開花を先取りする。説明書はこれを鑑識として述べ、生ぶ・年紀の作の銘振りが「応永備前のものと共通するところなど、この期の備前鍛冶研究上の好資料である」とする。要するに本工は、南北朝長船本流と応永備前とを繋ぐ、年紀の確かな結節点である。

収集の観点では、師光は主に在銘年紀の太刀として遺り、その作のうち三口が重要文化財に指定され、ほかに重要刀剣の級を通る一群がある。国宝はない。来歴は確かで見るべきものがある。皇室には本工の太刀が伝わり、ある年紀の太刀は宝暦九年、将軍家の拝領により亀田城主岩城家に伝わり、上手の晩年の太刀の一口を説明書は「同作中の優品で」とし「黒田家伝来の一口である」と記す。その作は今日、御物として、また旧家・大名家の永い伝来のうちに蔵されて広く市場に出るものではなく、特別重要刀剣・重要刀剣の級はわずかであるから、小反りの在銘師光が世に出ることは折に触れてのことに過ぎない。私蔵の一口は、収集家にとって静かながら手応えのあるもの、末期の長船がいかに応永備前へと向かったかを語る、年紀の確かな証である。

鑑定

三つの作域で読む一人の小反の手:典型たる小模様の腰開き互の目乱れ(板目に映り、総じてこずみ匂主調)、珍しい剣・小振りの短刀に見る片落ち互の目を伴う直刃調(しばしば彫物を加える)、そして乱れの腰がひらき飛焼を交えて既に応永備前を予兆させる晩年の太刀

師光は南北朝時代末期の備前長船の刀工で、所謂小反一類を代表する手の一人である。説明書はこれを倫光の子、応永備前の盛光の父と伝える。在銘年紀作は永和・応安から明徳を経て応永に及び、銘鑑は同名二代を挙げるため、説明書は応永年紀の作を二代としつつ厳密な代別は今後の研究に俟つとする。本工の典型は小模様の互の目乱れである。板目に流れごころを交え、地沸つき、直ぐの棒映りまたは乱れ映りの立つよく錬れた地に、腰の開いた互の目を焼いて小互の目・小のたれ・尖り刃・角張る刃・僅かの丁子を交え、総じて小模様にこずみ、匂主調に小沸つき細かな砂流し頻りにかかり、帽子は乱れ込んで尖りごころまたは小丸となる。作風は子の盛光や康光に比すと地味で、終始小反物に近く、上手の晩年の太刀には乱れの腰がひらき飛焼・棟焼を交えて既に応永備前を予兆させる。今一つの静かな作域は片落ち互の目を伴う直刃調で、珍しい剣や小振りの平造短刀に見られ、しばしば梵字・三鈷附剣などの彫物を加える。

鑑定の決め手

鎌倉中期長船全盛(応永備前の予兆なし)にはない特徴

作品の33% ・ 子の盛光・康光(応永備前本流、より大模様)比 3.3倍

本工の乱れの典型作(直刃なし)にはない特徴

作風の変遷

小模様の腰開き乱れ(小反の典型作)

本工の典型は腰の開いた互の目乱れである。姿は腰反りに踏張りつく太刀で、身幅の割に重ねやや厚く、中鋒または小鋒となり、説明書はこれを南北朝末期の特色と読む。板目、多くは流れて杢を交え肌立った地に、地沸つき、直ぐの棒映りまたは淡い映りが立つ。刃文は腰の開いた互の目に小互の目・小のたれ・尖り刃・角張る刃・僅かの丁子を交え、総じて小模様にこずみ、足・葉入り、匂主調に小沸つき細かな砂流しかかる。帽子は乱れ込んで尖りごころ、または小丸となる。説明書はこれを小反りの典型作とし、本工および同派の特色をよく示すとし、南北朝最盛期の長船に比すれば総体やや小模様となり、地刃共に不規則な景色を表すと評する。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

片落ち互の目を伴う直刃調の作域(剣・短刀)

今一つの静かな作域は直刃調である。珍しい剣や小振りの平造短刀に見られ、流れごころの小板目に柾を交え地沸みじんにつき、時に地斑・棒映りを伴う地に、直刃調を焼いて小互の目・小のたれ・肩落風を交え、僅かに小足入り、総じて小模様、匂出来に小沸つき砂流しかかる。帽子は掃きかけて先焼詰め、表に二重刃ごころを見せ、あるいは少しく乱れて先丸く返る。短刀には梵字・三鈷附剣などの彫物を加える。説明書は純然たる直刃の剣を本工頗る珍重すべき一口とし地刃健全と評し、短刀の小振りな姿と小模様の刃文を小反りの作風をよく示すものと読む。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

応永備前を予兆させる晩年の太刀

上手の晩年の太刀では作域がひろがる。板目に大板目・流れ・杢を交え総じてやや肌立ち、地沸細かに厚くつき地景風の黒みのある鉄を交えて乱れ映りの立つ地に、小のたれを本位に互の目・尖り刃・片落ち互の目風の刃など多種の刃が入り交じり、乱れの腰がひらき、小足・葉入り、匂口しまりごころに小沸つき細かな砂流しかかり、飛焼・棟焼を交える。説明書は佩裏のやや華やかな刃取りと乱れの腰のいよいよひらく点を既に応永備前の作風を予兆させるものと読み、かかる作を同作中の優品とし地刃共に健全で肉置き豊かと評する。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

説明書は、師光が銘鑑に倫光の子・盛光の父と挙げられ、永和から応永にかけての年紀作が見られ、同名二代が認められて応永年紀の作を二代とするが、なお研究の余地があるとし、年代的にも作風的にも小反りの作域に近く、盛光・康光に比して地味と読む。

上手の晩年の太刀について説明書は、佩裏のやや華やかな刃取りと乱れの腰のいよいよひらく点を既に応永備前の作風を予兆するものと読み、身幅の割に重ねの厚い点を南北朝末期の時代相とし、その作を南北朝長船本流と一門応永の開花との敷居に立つものと読む。

年紀作

在銘年紀作が示す、確実に活動していた年代

活動期間
1387–1401推定期間:1387–1428
指定品12点のうち9点に年紀あり
13801410
  1. 1387
    至徳四年Juyo session 25, item 198
  2. 1391
    明徳二年Juyo session 33, item 102
  3. 1394
    応永元年Juyo session 19, item 227
  4. 1395
    応永二年Juyo session 20, item 209
    応永二年Juyo session 25, item 197
  5. 1398
    応永五年Juyo session 25, item 199
  6. 1399
    応永六年Juyo session 20, item 210
  7. 1401
    応永八年Juyo session 23, item 238
    応永八年Juyo session 24, item 264

指定

国宝—
重要文化財3
重要美術品—
御物2
特別重要刀剣—
重要刀剣12

名工ランク

0.15 (指定作品17点)

刀工の上位14%

伝来

伝来記録7件 の鑑定作品における 師光

伝来ランク

名家所蔵4点、伝来記録7件

刀工の上位14%

素点:2.25 / 10

刀姿

評価作品17点の分布

銘

評価作品17点の銘の種類

販売中

長船派

長船派の他の刀工

  1. 1.光忠Mitsutada61指定
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師光

師光(Moromitsu)は、備前の長船派の刀工です。

Oei (1394-1428)に活動しました。

作風は備前伝に属します。

師光の作品には、重要文化財3点、重要12点が指定されています。