三人の天下人が戦国の世紀を終わらせ、刀は新しい秩序の道具となった。1588年の刀狩は刀を武士の標章とし、名刀は条約のごとく家々の間を行き交い、鑑定は以後この境で古刀と新刀を分かつ。
保存刀剣鑑定書付 銘 陸奥守包保(二代) 【解説】 本作は二代陸奥守包保(むつのかみ かねやす)による刀です。二代包保は丹後国(現在の京都府北部)の出身で、初代陸奥守包保に師事し、後に養子となってその跡を継ぎました。 家督を継ぐ前は「包重」と銘を切っていましたが、左利きであった師匠(初代)の作風を受け継ぎ、銘を逆向きに刻む「逆銘」を切ったことで知られています。正式に包保の名を継承した後は、通常の向きで銘を切るようになりました。このため、初代は「左陸奥」、二代は「右陸奥」と通称され、愛刀家の間で親しまれています。 彼は主に江戸や大坂で鍛刀しましたが、晩年には養父と共に信州松本藩の水野家に抱え工として仕えました。現存作から、その活躍時期は江戸時代前期(17世紀後半)、寛文から元禄(1661〜1689年)頃とされています。 大坂新刀 包保の作品は「大坂新刀」に分類されます。新刀とは慶長から天明(1596〜1781年)にかけて打たれた刀を指し、その中でも大坂で制作されたものは大坂新刀と呼ばれます。豊臣秀吉による大坂城築城後、大坂は城下町・経済の中心地として繁栄し、多くの名工が商機を求めて集まりました。彼らは大坂の武士のみならず、全国の諸大名のためにも腕を振るいました。 大坂新刀の最大の特徴は、地鉄(じがね)の美しさにあります。良質な玉鋼の産地から近かったという立地条件を活かし、精良で明るく冴えた地鉄を練り上げることが可能となりました。 本刀は、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により「保存刀剣」として鑑定された確かな一振りです。保存状態が良く、美術品としての価値が高い真作であることを証明しています。 ※刀身にわずかな鍛え傷が見受けられます。詳細な状態については、お気軽にお問い合わせください。 【刀身】 長さ(Nagasa):68.1 cm 反り(Sori):1.3 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造 地肌(Jihada):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様 切先(Kissaki):刀身の先端部分 茎(Nakago):柄に収まる中心(なかご)部分。 日本の刀工は、柄内での赤錆を防ぐために茎に黒錆を残しました。この経年による錆色は、専門家が制作年代を推定する際の重要な指標となります。 【拵】 拵(Koshirae):鞘、柄、鍔などから構成される外装。 縁頭(Fuchi-Kashira):柄の両端を保護し装飾する金具。 この縁頭には、江戸の日常風景が描かれています。頭(かしら)には、笠を被り風呂敷包みを背負った旅人が描かれ、その包みから子猿が顔を覗かせているという、遊び心溢れる意匠が凝らされています。縁(ふち)には犬と戯れる人々が彫り込まれており、武者や伝説上の人物ではなく、庶民の穏やかで微笑ましい生活の一端を切り取った名品です。 また、この縁頭には鑑定書は付属しておりませんが、赤銅(Shakudo)や四分一(Shibuichi)といった伝統的な色金(いろがね)が用いられ、高肉彫に金の色絵を施した、非常に手の込んだ職人技が見て取れます。 鍔(Tsuba): 鉄地に龍の図を透かし彫りにした、力強い意匠の鍔です。 目貫(Menuki): 柄の巻き糸の下に据えられた装飾金具。 鞘(Saya): 黒漆塗の鞘。 【付属品】 保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 発行) 刀袋



























大和伝 · 摂津 · 1596-1615頃
刀剣大鑑 上位49%
現在1点販売中
大和伝 · 大和
現在21点販売中
文珠派は、説示が一様に「本国は大和、手掻派の末葉」[[c:1]]と伝える系統を出自とする。ここに収める作はいずれも南紀重国、すなわち通称九郎三郎を名のり、紀州明光山に住して文珠を号した初代重国の手になるもので、慶長年間に徳川家康に召し抱えられて駿府に作刀し、元和五年、家康の第十子徳川頼宣が紀州和歌山へ移封されるに従って和歌山へ移った経緯が繰り返し記される。銘も「和州手搔住重国於駿府造之」[[c:2]]から「於南紀重国造之」「於紀州和歌山重国作」[[c:3]]へと住地の推移を映し、駿府打と紀州打の双方が確認される。すなわち本派の説示が実際に扱う範囲は、大和手掻の末流を承けて駿府から紀州へと展開した桃山から江戸初期の一工とその作域であり、所伝として手掻包永を遠祖に置く点で一貫している。 作風について説示は、当工に大別して二様があると記す。一つはのたれに互の目を交えた乱れ刃で、相州上工、就中、郷(江)義弘に私淑したと想われるもの、他は御家芸というべき大和手掻の直刃を焼いて包永を髣髴とさせるものである。そしていずれの場合にも、板目が流れて杢を交え肌立ちごころとなる鍛えに、地沸が厚くつき、地景がよく入ってかねが冴える地鉄が共通し、刃中もよく沸づいて金筋・砂流しがかかり、殊に地刃の明るく冴える点を本領とする。相州伝の作は小のたれに小互の目・尖りごころの刃を交え、足・葉入り、沸厚くつき処々沸崩れ、湯走り状の飛焼を見せて放胆に乱れる。大和伝の作は中直刃を基調に喰違刃・二重刃・ほつれを交え、帽子は焼詰めごころに掃きかける。さらに両伝を加味してその上に独自の作域を樹立した一類があり、流れ肌や喰違刃に大和色を残しつつ強い沸と金筋に相州色を示すもので、文珠風の刃取りに連なる色合いとも評される。姿は身幅広く寸延びて先反りのつく慶長新刀の体配を採り、平造の脇指に先反りの目立つ造込みを当工の特徴とする。 伝承の上では、説示は地刃の沸の強さ、地景・金筋・砂流しの働き、明るく冴える地刃を鑑定の眼目に挙げ、なかでも相州伝の狙うところが郷にあることを繰り返し説く。帽子の掃きかけと返りの浅さ、流れた鍛肌など、相州伝の作にも本来の大和気質が看取される旨も指摘される。代表作には頼宣の重臣蔭山土佐守宗信や都筑藤一の所持銘を帯びた注文打、元和八年紀を有する脇指などがあり、来歴を記した銘文ともども重国研究上の資料として重んじられる。来歴の確かなものに紀州徳川家伝来の刀があり、長大な生ぶ茎の遺例は奉納刀の可能性も説かれる。当工の相州伝作は磨上げられた例が多く、生ぶ茎を残すものは稀少として珍重される。大和の祖法に相州伝を融合させ独自の作域を開いた点に、本派を貫く位置づけが認められる。 詳しく見る →
桃山時代
三人の天下人が戦国の世紀を終わらせ、刀は新しい秩序の道具となった。1588年の刀狩は刀を武士の標章とし、名刀は条約のごとく家々の間を行き交い、鑑定は以後この境で古刀と新刀を分かつ。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
¥820,000
保存刀剣鑑定書付 銘 陸奥守包保(二代) 【解説】 本作は二代陸奥守包保(むつのかみ かねやす)による刀です。二代包保は丹後国(現在の京都府北部)の出身で、初代陸奥守包保に師事し、後に養子となってその跡を継ぎました。 家督を継ぐ前は「包重」と銘を切っていましたが、左利きであった師匠(初代)の作風を受け継ぎ、銘を逆向きに刻む「逆銘」を切ったことで知られています。正式に包保の名を継承した後は、通常の向きで銘を切るようになりました。このため、初代は「左陸奥」、二代は「右陸奥」と通称され、愛刀家の間で親しまれています。 彼は主に江戸や大坂で鍛刀しましたが、晩年には養父と共に信州松本藩の水野家に抱え工として仕えました。現存作から、その活躍時期は江戸時代前期(17世紀後半)、寛文から元禄(1661〜1689年)頃とされています。 大坂新刀 包保の作品は「大坂新刀」に分類されます。新刀とは慶長から天明(1596〜1781年)にかけて打たれた刀を指し、その中でも大坂で制作されたものは大坂新刀と呼ばれます。豊臣秀吉による大坂城築城後、大坂は城下町・経済の中心地として繁栄し、多くの名工が商機を求めて集まりました。彼らは大坂の武士のみならず、全国の諸大名のためにも腕を振るいました。 大坂新刀の最大の特徴は、地鉄(じがね)の美しさにあります。良質な玉鋼の産地から近かったという立地条件を活かし、精良で明るく冴えた地鉄を練り上げることが可能となりました。 本刀は、日本美術刀剣保存協会(NBTHK)により「保存刀剣」として鑑定された確かな一振りです。保存状態が良く、美術品としての価値が高い真作であることを証明しています。 ※刀身にわずかな鍛え傷が見受けられます。詳細な状態については、お気軽にお問い合わせください。 【刀身】 長さ(Nagasa):68.1 cm 反り(Sori):1.3 cm 刃文(Hamon):焼入れによって刃先に現れる結晶構造 地肌(Jihada):折り返し鍛錬によって現れる鋼の表面模様 切先(Kissaki):刀身の先端部分 茎(Nakago):柄に収まる中心(なかご)部分。 日本の刀工は、柄内での赤錆を防ぐために茎に黒錆を残しました。この経年による錆色は、専門家が制作年代を推定する際の重要な指標となります。 【拵】 拵(Koshirae):鞘、柄、鍔などから構成される外装。 縁頭(Fuchi-Kashira):柄の両端を保護し装飾する金具。 この縁頭には、江戸の日常風景が描かれています。頭(かしら)には、笠を被り風呂敷包みを背負った旅人が描かれ、その包みから子猿が顔を覗かせているという、遊び心溢れる意匠が凝らされています。縁(ふち)には犬と戯れる人々が彫り込まれており、武者や伝説上の人物ではなく、庶民の穏やかで微笑ましい生活の一端を切り取った名品です。 また、この縁頭には鑑定書は付属しておりませんが、赤銅(Shakudo)や四分一(Shibuichi)といった伝統的な色金(いろがね)が用いられ、高肉彫に金の色絵を施した、非常に手の込んだ職人技が見て取れます。 鍔(Tsuba): 鉄地に龍の図を透かし彫りにした、力強い意匠の鍔です。 目貫(Menuki): 柄の巻き糸の下に据えられた装飾金具。 鞘(Saya): 黒漆塗の鞘。 【付属品】 保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 発行) 刀袋



























大和伝 · 摂津 · 1596-1615頃
刀剣大鑑 上位49%
現在1点販売中
大和伝 · 大和
現在21点販売中
文珠派は、説示が一様に「本国は大和、手掻派の末葉」[[c:1]]と伝える系統を出自とする。ここに収める作はいずれも南紀重国、すなわち通称九郎三郎を名のり、紀州明光山に住して文珠を号した初代重国の手になるもので、慶長年間に徳川家康に召し抱えられて駿府に作刀し、元和五年、家康の第十子徳川頼宣が紀州和歌山へ移封されるに従って和歌山へ移った経緯が繰り返し記される。銘も「和州手搔住重国於駿府造之」[[c:2]]から「於南紀重国造之」「於紀州和歌山重国作」[[c:3]]へと住地の推移を映し、駿府打と紀州打の双方が確認される。すなわち本派の説示が実際に扱う範囲は、大和手掻の末流を承けて駿府から紀州へと展開した桃山から江戸初期の一工とその作域であり、所伝として手掻包永を遠祖に置く点で一貫している。 作風について説示は、当工に大別して二様があると記す。一つはのたれに互の目を交えた乱れ刃で、相州上工、就中、郷(江)義弘に私淑したと想われるもの、他は御家芸というべき大和手掻の直刃を焼いて包永を髣髴とさせるものである。そしていずれの場合にも、板目が流れて杢を交え肌立ちごころとなる鍛えに、地沸が厚くつき、地景がよく入ってかねが冴える地鉄が共通し、刃中もよく沸づいて金筋・砂流しがかかり、殊に地刃の明るく冴える点を本領とする。相州伝の作は小のたれに小互の目・尖りごころの刃を交え、足・葉入り、沸厚くつき処々沸崩れ、湯走り状の飛焼を見せて放胆に乱れる。大和伝の作は中直刃を基調に喰違刃・二重刃・ほつれを交え、帽子は焼詰めごころに掃きかける。さらに両伝を加味してその上に独自の作域を樹立した一類があり、流れ肌や喰違刃に大和色を残しつつ強い沸と金筋に相州色を示すもので、文珠風の刃取りに連なる色合いとも評される。姿は身幅広く寸延びて先反りのつく慶長新刀の体配を採り、平造の脇指に先反りの目立つ造込みを当工の特徴とする。 伝承の上では、説示は地刃の沸の強さ、地景・金筋・砂流しの働き、明るく冴える地刃を鑑定の眼目に挙げ、なかでも相州伝の狙うところが郷にあることを繰り返し説く。帽子の掃きかけと返りの浅さ、流れた鍛肌など、相州伝の作にも本来の大和気質が看取される旨も指摘される。代表作には頼宣の重臣蔭山土佐守宗信や都筑藤一の所持銘を帯びた注文打、元和八年紀を有する脇指などがあり、来歴を記した銘文ともども重国研究上の資料として重んじられる。来歴の確かなものに紀州徳川家伝来の刀があり、長大な生ぶ茎の遺例は奉納刀の可能性も説かれる。当工の相州伝作は磨上げられた例が多く、生ぶ茎を残すものは稀少として珍重される。大和の祖法に相州伝を融合させ独自の作域を開いた点に、本派を貫く位置づけが認められる。 詳しく見る →
桃山時代
三人の天下人が戦国の世紀を終わらせ、刀は新しい秩序の道具となった。1588年の刀狩は刀を武士の標章とし、名刀は条約のごとく家々の間を行き交い、鑑定は以後この境で古刀と新刀を分かつ。
銘が正しい、または無銘でも年代・国・系統を確実に指摘できる、保存に値する真正の作と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
NBTHK公式サイトReturns/exchanges limited to defects caused by shipping (except willful misconduct or gross negligence by the company); customers must contact within 72 hours of receiving the product.
¥820,000