徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
江戸時代も寛文頃を過ぎると次第に世の安定が確かなものとなり、経済活動も活発化し、商都大坂には全国の物産を扱う商人が行き交った。大坂の発展に同調するように、京より移住した三品一門の刀造りの研究が功を奏し、微塵に詰んだ地鉄鍛えと小沸の粒子が揃った刃文を焼いた美しくしかも斬れ味の良い刀が大坂の地で生み出され、新刀期大坂の特徴とも言い得る作風となった。高井越前守信吉が居住した近隣には井上真改や越前守助廣の鍛冶場があり、これら他流派の工とも切磋琢磨し、作刀技術は極まりをみせた。 この刀は、寸法と身幅がたっぷりとし、重ね厚く区深く残され、中鋒延びごころに仕立てられて堂々とした姿格好。微塵に詰んだ小板目鍛えの地鉄は、肌目に沿って小模様の地景が交じり、しっとりとしてしかも地底から沸き上がってくるような力が感じられ、これが斬れ味の根源であろうか。刃文は焼の深い互の目を湾れで繋いだ信吉の得意とするところ。焼頭が小互の目と小丁子、さらに飛焼と湯走りで変化に富み、刀身中程の互の目の腰元を沸筋が走って刃中に流動感を与え、焼の深く残された帽子も清新な掃き掛けを伴う小丸返り。深々とした小沸に匂を伴って明るい焼刃は、刃先に広がる足と共に、大坂新刀の美的要素の一つ。化粧鑢の施された筋違鑢の茎に、菊紋と一文字を添えた銘が鑚強く刻されている。
信吉Nobuyoshi
取扱店 銀座長州屋










摂津 · 1661-1673頃
刀剣大鑑 上位60%
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江戸時代
徳川の泰平のもと、大小は法度の定める身分の制服となり、需要は城下町、とりわけ江戸に集まった。工芸は二つに分かれる。目利きのための華やかな鑑賞の作と、截断の結果を金象嵌に刻む実証の刀である。
保存刀剣のうち、出来が一層優れ、保存状態も良好と認められたものです。再刃や、室町・江戸期の多くの無銘作は対象外となり、保存刀剣より高い基準が課されます。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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