この小柄(日本刀に添えられる小さな万能ナイフの柄)は、赤銅魚々子地に金紋の獅子が施されています。魚々子地は魚の卵のように細かく規則的に並んだ粒で構成され、きめ細かな質感の暗色の背景が金の装飾を際立たせています。 図柄は、唐獅子としても知られる様式化された獅子を描いています。この想像上の獅子の表現は、大陸のアジア美術や仏教の図像を通じて日本に伝わりました。写実的なライオンとは異なり、唐獅子は通常、渦巻く毛並みと流れるような巻き尾を伴って描かれます。 仏教美術において、知恵を司る菩薩である文殊菩薩は、しばしば獅子に乗った姿で表されます。獅子は日本の宗教美術において守護者としても登場し、神社の入り口で見られる狛犬と呼ばれる一対の守護像とも密接に関連しています。これらの結びつきにより、獅子は強さと守護のモチーフとなり、仏教との関わりがさらに知恵との関連性を加えています。 日本美術刀剣保存協会の鑑定書によると、この笄は京金工に伝とされています。この指定は、特定の個人の職人ではなく、京都に関連する金工品であることを示しています。京金工は、主に江戸時代(1603–1868)に京都の金工師によって製作された鍔、目貫、小柄、笄などの刀装具を包括しています。単一の均一な系統を指すのではなく、この用語は多様な工房や芸術的様式を網羅しています。 この小柄の穂先には龍も彫られています。日本の伝統美術において、獅子と龍はともに邪気を払うと信じられている強力な神獣として崇められています。獅子は勇気と守護を象徴し、龍は権力と繁栄を表します。これらが合わさることで、強さ、守護、そして幸運を象徴する縁起の良い意匠となっています。 鑑定書 平成26年(2014)7月1日に小柄を鑑定しました。日本社会にとって保存する価値のある小柄である保存刀装具として評価されました。







江戸
無銘
保存 (NBTHK)
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銘が正しい、または無銘でも年代・流派を指摘でき、美術工芸的価値が認められる、保存に値する真正の刀装具と鑑定されたものです。
日本美術刀剣保存協会(NBTHK)は、1948年に設立され、文化庁の監督を受ける公益財団法人で、東京・刀剣博物館に本部を置きます。専門の審査員が出品作を直接審査し、美術的・歴史的価値に応じた鑑定書を発行します。NBTHKの鑑定書は、日本刀および刀装具の真正性を示す最も広く認知された基準です。
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