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概要·鑑定·指定·伝来·刀姿·銘·系譜·流派
概要鑑定指定伝来刀姿銘系譜流派
  1. 流派
  2. 古備前
  3. 吉包

Ko-Bizen Yoshikane

吉包

特重
巻 7, 番 23 · 太刀

Ko-Bizen Yoshikane

吉包

評価作品46点

国備前時代c. 1150–1220時代区分鎌倉流派Ko-Bizen伝法備前伝師匠Nagakane藤代Jo-jo saku刀工大鑑1,500(上位5%)種別刀工コードYOS225
3重要文化財
6重要美術品
2御物
7特別重要刀剣28重要刀剣

概要

昭和五十五年の第七回特別重要刀剣に吉包の在銘太刀が指定された際、その解説は「地刃の出来、銘振りともに古備前吉包の典型作」と評して結んでいる。吉包は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて備前国で活躍した古備前派の刀工であり、おそらくは一人ではない。これほど古い工としては作が比較的多く現存し、その作風はほとんど共通する。説明書は銘振りと作風から年代をやや異にする同名数工を想定し、いずれも古備前と鑑して、世代の問題は開かれたままである。同国にはやや時代の降る福岡一文字派にも同銘の工があり、吉包の鑑定は常に両者の判別から始まる。藤代の評価は上々作である。

太刀姿は細身で腰反りが高く、踏張りがつき、小鋒に結んで先には伏しごころが見られる。説明書はその体配を古典的で優美と述べ、また「上も茎もやや平肉のつかない感じのものは吉包に多い」と記す。第一の見どころは鍛えである。板目が肌立ち、処々に大肌や地斑を交え、地沸がよくつく。本会はこの点を「古備前の中でも比較的に肌立つものが此の工の特色」と明言する。第二の見どころは匂口で、明るく冴えるよりはむしろ沈む。第七回特別重要の太刀について、説明書は「匂口が沈みごころで地がねの肌立つ点などに吉包の特色が表われている」と両者を併せて挙げている。

刃文は直刃調に浅くのたれて小乱れとなり、小丁子や互の目ごころを交える。足・葉が頻りに入り、小沸がつき、砂流し・金筋がかかる。時に元を焼き落とすが、説明書は自らの根拠に慎重で、「焼落しは此の工に限らず古備前物にまま経眼するところである」と付言する。乱れ映りは現れるものの、明るく立つよりは抑えられている。精良な小板目の作では淡い地斑映りにとどまり、身幅の広い大磨上の刀には明瞭な乱れ映りが見られて、映りは大人しいものから明らかなものまで幅があるが、一文字同銘のように立ち冴えるには至らない。帽子は直ぐに小丸、先の掃きかけを伴うものが多い。

説明書は同工の作風と銘振りに二様を認める。小銘で細身・直刃調の一群と、やや大振りの銘で身幅があり小乱れを焼く一群であり、「前者の方が時代が遡るとみられる」という。前者の手は本阿弥光忠の金象嵌極めを有する大磨上の刀に殊によく知られ、第二十五回特別重要刀剣に指定されて金梨子地菊桐紋蒔絵鞘の糸巻太刀拵が附帯する。そこでは肌立つ板目に代わって小板目がつみ、地沸がつき、淡く地斑映りが立ち、刃文は広直刃調に小丁子・小乱れを交える。その解説では「小板目を主体にした精良な鍛えが称揚され」、刃幅広く柔らか味を帯びる匂口が味わい深いと評された。学問もまた記録の内部で動いている。重要刀剣の一口はかつて長光の朱銘を有していたが、研ぎ上げの結果、地刃ともに長光より一段と古いことが明らかとなり、極めを改めて吉包として再指定された。

古備前の内部では、まさに右の諸点、すなわち同門諸工より肌立つ地がね、沈みごころの匂口、抑えめの映り、時に見る焼落しによって吉包は区別される。一文字派の同銘との判別も同様に明確である。古備前吉包の銘は一段と小さい細鏨の二字銘で、殊に包の字の形が異なり、作の字を添える例も一文字派より古備前ものに多い。作風においては小乱れを基調として映りも抑えめであり、同銘の一文字は小丁子を主調に乱れ映りが立って華やかとなる。説明書はさらに現存数にも触れ、「概して一文字派の作が多く現存し、古備前吉包は少い」と記している。

指定の記録はこれほど古い名としては厚く、特別重要刀剣七口、重要刀剣二十八口に加え、重要文化財および戦前の重要美術品の太刀の一群、さらに皇室に伝わる二口がある。国宝はなく、皇室伝来や重要文化財の古い太刀は売買の対象というよりは宮家・館蔵の文化財である。その余の伝来は宮家と大名家の双方に及ぶ。皇室および桂宮家、徳川家・黒田家、久松松平家および松平康春、山内家、そして岩国吉川家であり、吉川家伝来の無銘太刀は「数多い古備前諸工の中でも最も吉包に擬せられるものがある」と評された。在銘の重要太刀の一口はウォルター・A・コンプトン旧蔵である。蒐集家の手の届きうる範囲は特別重要・重要の三十五口であり、そのうち所在の知れるものは一部にとどまる。説明書自身が現存の少なさを記す通り、古備前吉包、とりわけ在銘の一口が市場に現れることは稀で、古備前のうちでも出会いの少ない一作である。

鑑定

在銘の典型一様と、本会が二様のうち時代の遡るものとみる広直刃調・精良小板目の一群

吉包は平安時代末期から鎌倉時代初期の古備前刀工で、作が比較的多く現存し、その作風はほとんど共通する。本会は年代をやや異にする同名数工を想定し、いずれも古備前と鑑する。見どころは説明書が明言する通り、古備前の中でも比較的に肌立つ地鉄、沈みごころの匂口、明るからぬ抑えめの映りであり、直刃調の小乱れに小丁子を交え、足・葉が頻りに入って小沸がつき、時に元を焼き落とす。鎌倉期の一文字派にも同銘があり、銘がやや大振りで「包」の字が異なり、丁子が華やかで乱れ映りの立つ点で区別される。

鑑定の決め手

作品の49% ・ 古備前正恒(MAS1228)比 4.1倍

作品の6% ・ 古備前包平(KAN35)比 2.0倍

作品の31% ・ 古備前真守(SAN143)・吉平(YOS81)比 0.4倍

元の焼落しは49口中2口。既プロファイルの同門では正恒2%・信房25%(薄手の母数)が見られる程度で、決め手ではなく傍証である。焼落しは此の工に限らず古備前物にまま経眼すると説かれる

作風の変遷

典型(在銘の手):肌立つ板目に沈みごころの匂口、小乱れ

細鏨小振りの二字銘「吉包」(49口中16口が二字銘、稀に「作」を添える)。一文字同銘のやや大振りの銘より一段と小さい。本会はこの一名の中に大小の銘振りを認め、小銘の方をやや時代が遡るとみる

細身で腰反り高く踏張りがつき、先伏しごころに小鋒に結ぶ太刀姿。鍛えは板目が肌立ち、処々大肌・地斑を交えて地沸つき、乱れ映りは立つが明るからず大人しい。刃文は直刃調に浅くのたれて小乱れとなり、小丁子・互の目ごころを交え、足・葉頻りに入り、匂口沈みごころに小沸つき、砂流し・金筋かかり、時に元を焼き落とす。帽子は直ぐに小丸、掃きかけを伴うものが多い。

姿 Sugata
地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi

広直刃調・精良小板目の一群(時代の遡る手とされる)

確証はやや弱い大磨上無銘の刀(うち二口は本阿弥の金象嵌極め)と、生ぶに近い無銘太刀

小板目がつんで地沸よくつき、淡く地斑映りの立つ精良な鍛え。その上に広直刃調の刃文が小丁子・小乱れを交えて足入り、小沸つき、刃幅広く柔らか味を帯びる。本会は同工の作風・銘振りに二様を認め、小銘で細身・直刃調のこの一群を時代の遡るものとみる。特別重要の一口は小板目主体の精良な鍛えが称揚されている。

地鉄 Jigane
刃文 Hamon
帽子 Bōshi
研究

銘振り・作風から古備前派の吉包には数工がいたとみられ、しかも作風はほぼ共通するとされる。

作風及び銘振りの相違する二様があり、小銘で細身・直刃調のものと、やや大振り銘で身幅のある小乱れのものとに分かれ、前者の方が時代が遡るとみられる。

一文字同銘に対し古備前の銘は一段と小さく細鏨で、殊に「包」の字に相違がある。

「吉包作」と作の字を切るのも、一文字派よりは古備前ものに多い。

指定

国宝—
重要文化財3
重要美術品6
御物2
特別重要刀剣7
重要刀剣28

名工ランク

0.76 (指定作品46点)

刀工の上位3%

伝来

伝来記録13件 の鑑定作品における Yoshikane

伝来ランク

名家所蔵7点、伝来記録13件

刀工の上位8%

素点:2.70 / 10

刀姿

評価作品46点の分布

銘

評価作品46点の銘の種類

販売中

系譜

師匠Nagakane
Yoshikane

Ko-Bizen派

Ko-Bizen派の他の刀工

  1. 1.友成Tomonari34指定
  2. 2.正恒Masatsune66指定
  3. 3.包平Kanehira32指定
  4. 4.景安Kageyasu1 販売中27指定
  5. 5.信房Nobufusa13指定
  6. 6.成高Naritaka9指定
  7. 7.行秀Yukihide16指定
  8. 8.助包Sukekane1 販売中28指定
  9. 9.基近Motochika4指定
  10. 10.順慶Junkei7指定
  11. 11.恒光Tsunemitsu8指定
  12. 12.利恒Toshitsune21指定